ギリギリ5月中に投稿は出来たものの、遅くなってしまった……。
仕事も忙しいのですが、FF14では、最新パッチのアプデがあり、それの攻略もしていたので(-_-;)
おかげさまで、難易度の高いボスを倒せましたし!
さて、前回の話でμ'sがにこのバックダンサーという話になっていましたが、その真意とは?
それでは、第66話をどうぞ!
奏夜たちμ'sは、見事ラブライブの地区予選に合格し、最終予選に出場する権利を得た。
ラブライブ優勝に向けてより練習に励まなければいけない中、にこが練習を休むようになる。
奏夜たちはにこを尾行してその理由を突き止めようとするも、上手く逃げられてしまった。
これからどうするか考えていると、奏夜たちはにこの妹である矢澤こころに出会う。
そんなこころの案内で、奏夜たちはにこの家へと招かれたのである。
「……ここがにこちゃんの家……」
奏夜たちは初めてにこの家を訪れることになるからか、穂乃果はキョロキョロと周囲を見渡していた。
(……まぁ、普通の家って感じだよな……)
奏夜もまた、周囲を見渡していたのだが、にこの家はごくありふれた普通の家であり、それ以上の印象を抱くことはなかった。
奏夜たちは居間に通されると、4〜5歳くらいの男の子が何かで遊んでいた。
それは、モグラ叩きのおもちゃに似ていたが、モグラではなく、μ'sのメンバーのイラストが描かれていた。
「弟の虎太郎です」
どうやらこの弟は、にこの弟みたいであった。
「……ばっくだんさ〜……」
にこの弟である虎太郎は、鼻水を垂らしながら、穂乃果たちのことを指差していた。
「アハハ……こんにちは……」
ことりは苦笑いをしながら、虎太郎に挨拶をしていた。
そして、虎太郎は、奏夜、剣斗、ララの3人の姿を見るのだが……。
「……ばっくだんさ〜……」
と、穂乃果たちに対してと同じことを言っていた。
「俺たちは踊ってる訳じゃないんだけどなぁ……」
虎太郎はあまり言葉の意味を理解してないのか、穂乃果たちと奏夜たちを一緒にしており、そのことに奏夜は苦笑いをしていた。
「虎太郎。この方はお姉様のマネージャーと学校の先生ですよ」
こころは虎太郎に奏夜と剣斗のことをしっかり紹介するのであった。
「……まね〜じゃ〜……。せんせい……」
今度はちゃんと奏夜たちのことをしっかり把握しており、そのことに奏夜は苦笑いをしていた。
「そしてこの方は、お姉様の付き人ですよ」
「つきびと〜」
「ちょっと!だから付き人って何よ!」
ララは付き人扱いされるのが気に入らないからか、異議を唱えていた。
「ララ、落ち着け。気持ちはわかるけど、話がややこしくなる」
奏夜はそんなララのことをなだめるのであった。
「……お姉様は普段は、事務所が用意したウォーターフロントのマンションを使ってるんですが、夜だけはここに帰ってくるんです」
「ウォーターフロントって、どこよ……」
にこの話したであろう話があまりにも おかしなものであったため、真姫は呆れ果てていた。
「それはもちろん秘密です!マスコミに知られると大変ですから!」
こころは真姫の問いかけに答えることはなく、奏夜たちのお茶の準備をしていた。
(ったく……。にこのやつ、どんだけ話を盛れば気が済むんだよ……)
《確かにな。これは俺も驚きだぞ》
にこの話の盛り方は予想以上であり、奏夜とキルバは呆れ果てていた。
そして、奏夜はあることが気になっていた。
「……それにしても、何でこの子たちはあんなににこの話を信じ切ってるんだろうか?」
「確かにそうですね……。μ'sの写真や動画を見れば、私たちがバックダンサーではないのがすぐわかると思うのですが……」
もしこころや虎太郎がμ'sの写真や動画を見ているならば、にこの言っていることが嘘であると、子供ながら理解出来ると思ったからである。
この奏夜の疑問には、他のメンバーもその通りだと感じており……。
「ねぇ、虎太郎くん。お姉ちゃんが歌ったり踊ったりしてるところって見たことあるの?」
「あれ〜」
ことりが虎太郎に語りかけると、虎太郎は近くに貼ってあるポスターを指していた。
「……あっ!μ'sのポスターだ!」
どうやらそのポスターはμ'sのポスターのようなのだが……。
「いや、なんか違う」
真姫はこのポスターの異変をすぐに見抜くのであった。
奏夜たちはポスターを凝視し……。
『!?合成!?』
この写真は、中央に映っているはずの穂乃果とにこの顔が入れ替わっており、それに気付いた奏夜たちは驚きの声をあげていた。
どうやらにこは、自分の存在をアピールするために、自分の写真を中央に映っているメンバーの写真に変えたみたいだった。
写真の合成はここだけではないようであり……。
「こっちもにゃ〜!」
凛はどうやらにこの部屋に移動したみたいであり、にこの部屋のポスターも、合成が行われていたみたいであった。
「これ……私の顔と入れ替えてあるわ……」
ほとんどは穂乃果と顔を入れ替えてるみたいなのだが、絵里と入れ替えられてるポスターも存在していた。
「おいおい……。ポスターをいじるにしては、ずいぶんとお粗末だろ……」
奏夜は、合成されたポスターをジト目で眺めながら苦笑いをしていた。
「ふむ……。だが、にこが家族の前ではイイアイドルでありたいことは伝わってくるがな」
「確かに。なんか涙ぐましいし……」
剣斗と穂乃果は、にこの努力を感じ取っていた。
奏夜たちが合成されたポスターを眺めていると、ガチャっと扉の音が聞こえてきた。
「あ、あんたたち……」
どうやらにこが帰ってきたみたいであり、奏夜たちの姿を見たにこの表情は引きつっていた。
「お姉様、おかえりなさい!バックダンサーの方々が、お姉様にお話があると!」
「そ、そう……」
「申し訳ありません。すぐ済むのでよろしいでしょうか……?」
海未は最初は穏やかな表情で微笑んでいたが、すぐに険しい表情になっており、その表情に、にこだけではなく何故か奏夜も気圧されていた。
《おいおい……。なんでお前まで海未にびびってるんだよ……》
(ハッ!体が勝手に反応してしまった!)
奏夜は度々海未に怒られているからか、このような表情はよく見ていたため、本能的に反応してしまったようだった。
「あぁ……えっと……」
にこは海未の迫力に圧倒されてしまい、返答に困っていた。
迷った末、にこの行った行動は……。
「こ、こころ!悪いけど、私、今日は仕事で向こうのマンションに行かないといけなくなっちゃったから……。それじゃ!!」
にこは適当な言い訳をすると、そのまま逃げ出すのであった。
「あ、逃げた!」
にこが逃げ出したのを見て、絵里と希は玄関を飛び出し、にこを追いかけていった。
「そーくん!そーくんも早く追いかけて!」
「わかってるって!」
絵里と希が飛び出して行ったのを見て、奏夜もそれを追いかける形でにこを追いかけることになった。
(さて……俺は下に降りて先回りをするか?)
この先はエレベーターであり、このままではにこにエレベーターに乗られて逃げられる可能性があるため、奏夜はどこからか飛び降りて先回りをしようかと考えていた。
しかし、にこを追いかける絵里と希の動きが止まったため、奏夜も足を止める。
奏夜たちが目にしたのは、小学生くらいの女の子に捕まるにこの姿であった。
「これは……。どうなってるんだ?」
「この子も、にこの妹さんみたい」
「アハハ……。まだ妹がいたんだな」
まだにこに妹がいたことを知り、奏夜は苦笑いをしていた。
こうして、にこを捕まえられた奏夜たちは、にこの家で話(尋問)を行おうとするのであった。
※※※
「……大変申し訳ありません。私、矢澤にこ、嘘をついておりました」
にこの家のリビングで話をすることになったのだが、色々とバレたことがわかると、にこはすぐに謝罪を行うのであった。
「ちゃんと頭を上げて説明しなさい」
奏夜たちは険しい表情をしながら、にこの事を見る。
ちなみに、話をしている間、妹たちの気を紛らわせるために、剣斗とララが遊び相手になっていた。
「や、やだなぁ。みんな、怖い顔をして。アイドルは笑顔が大切でしょ?さぁ、みんなご一緒に、にっこにっこに〜!」
「にこっち?」
「うっ……!」
「ふざけてても……ええんかな?」
「……はい」
にこはふざけて誤魔化そうとするも、それも不可能だとわかったため、渋々事情を話すことにしたのであった。
「……出張?」
「そう、それで、2週間ほど妹たちの面倒を見なきゃいけなくなったの」
どうやらにこの母親が仕事で出張に行くことになり、家族の面倒を見るために、練習を休んでいたみたいであった。
「ったく……。そうならそうとはっきり言えよな。そうしたら、色々対策も出来るのに……」
「わ、悪かったわよ……。だけど、これは家の問題なんだし、仕方ないでしょ?」
どうやらにこは奏夜たちに相談することも脳裏に入れていたみたいではあるが、それをしなかったみたいだった。
「それはともかくとして、どうして私たちがバックダンサーということになっているのですか?」
「そうね。むしろ問題はそっちよ」
「それに、ララは付き人って設定にされたことが納得出来ないみたいだしな」
海未と絵里は、何故μ'sがにこのバックダンサーだと話をしたのかを聞こうとしており、奏夜はついでにララが付き人扱いされてることも聞こうとしていた。
「そ、それは……」
「それは?」
「にっ、にっこにっこに……」
「それは禁止やよ」
「ちゃんと話してください」
にこは、その話をしたくないからか、どうにか誤魔化そうとするも、それを希と海未に阻止されてしまった。
これ以上は誤魔化しきれないと判断したからか、にこは重い口を開くのである。
「……元からよ」
「元から?」
「……家ではそういうことになってるのよ。別に、私の家で私がどう言おうが、勝手でしょ?」
しかし、にこの言葉の意味を穂乃果たちは理解することが出来なかったが、にこの言葉は的を得ているため、これ以上の追求は出来なかった。
(なるほど……。そういうことか……)
《おい、奏夜。にこが何を言いたいのかわかったのか?》
(まぁな。アスモディとの戦いでにこの本音を聞けたし、さっきのにこの話を合わせたら、にこの事情ってやつを察したよ)
《……!なるほど、そういうことか!》
奏夜はにこがμ'sに加入する前に、ホラー、アスモディと戦い、そこでにこの本音を知るのであった。
さらに、にこの家を見て、話を聞いただけで矢澤家の家庭環境を察して、にこが言おうとしていることをいの一番に察したのであった。
そんな奏夜の言葉に、キルバもにこの真意に気付く。
それ以外のメンバーは、まだピンと来てはいないみたいだった。
「……お願いだから、今日は帰って……」
「……そうだな。悪かったよ。大勢で押しかけちまってさ」
「!?そーくん?」
にこの帰って欲しいという言葉に奏夜は即座に反応しており、そのことに穂乃果は驚いていた。
「いいから、とりあえず帰るぞ」
奏夜は穂乃果たちと共に、にこの家を後にする事にしたのであった。
※※※
「……まったく、困ったものね」
奏夜たちはにこの家を後にしてから、来た道を戻るように歩いているのだが、最初に口を開いたのは真姫であった。
「……だけど、元からってどういうことなんだろう?」
「にこちゃんの家では、元から私たちはバックダンサーってこと?」
ことりと穂乃果は、にこの言っていたμ'sがバックダンサーであるということの真意が理解出来なかった。
そのため、にこが何を考えているのか必至に考えていた。
「……にこはスクールアイドルをやった時からスーパーアイドルだったんだろうな」
「そうやね……。ウチもそうやないかって思ってたわ」
奏夜だけではなく、希もまた、にこの言葉の真意を察していたのであった。
「?そーくん、希ちゃん。いったいどういうことなの?」
「お前ら、にこが1年生の時に、スクールアイドルをやったことは知ってるな?そして、ダメになったことも」
「……!!まさか……!」
「そのまさかやね。にこっちは家族に話してたんやろうね。アイドルになったって」
「でも、1人になっちまってアイドルがダメになっちまっても、にこは家族に本当のことは言い出せなかった」
奏夜と希の言葉は、あくまでも推測であり、確固たる証拠のない言葉ではあったが、的は得ている言葉であった。
「にこっちは、あの家では、スーパーアイドル、矢澤にこでい続けたいと思っていると思うんよ」
「確かに、ありそうな話ですね……」
奏夜と希の的の得た推測に、海未は納得していた。
「もう、にこちゃんってば、どれだけプライドが高いのよ!」
「真姫ちゃんと同じだにゃ!」
「茶化さないの!」
「……だけど、本当にプライドが高いだけなのかなぁ?」
「え?」
「……アイドルに凄い憧れてたんじゃないかな。本当にアイドルでいたかったんだよ……。私も、ずっと憧れてたからわかるんだ」
花陽は、にこに負けないくらいアイドルやスクールアイドルが好きであるため、にこの気持ちに共感出来る部分があった。
「……!そういえば、私が1年の時、にこがスクールアイドルのチラシを配ってるのを見た事があるわ。その頃、私は生徒会もあったし、アイドルに興味はなかったのだけど……」
そして、にこと同級生である絵里は、にこがスクールアイドルとして活動している様子を見た事があり、そのことを思い出していた。
「あの時、私が話しかけていれば……」
「絵里、気にすんなって。当時はアイドルに興味なかったんだろ?それに、こんなことになるなんて予想も出来ないしさ。だから絵里が気に病むことはないんだよ」
「そうだけど……」
絵里はにこがμ'sに入るまで苦労をしていたのは自分にも責任があると感じていたのだが、奏夜がそれを否定してなだめていた。
「なぁ、みんな。この状況、このままにはしておけないだろ?」
「そうだけど、そーくん、何か考えがあるの?」
「ああ。それには、みんなの協力が必要だけどな」
奏夜は、話をややこしくしないで、μ'sがバックダンサーではないことを証明する策があるみたいだった。
協力が必要と聞いた穂乃果たちは首を傾げるのだが、奏夜はやろうとしていることを説明すると、納得したみたいであった。
こうして、奏夜たちはそのまま動き出すのであった。
※※※
数日後、この日もにこは、練習を休んで帰ろうとしていた。
すると……。
「……にこ、帰るのか?」
奏夜は校門前でにこを待ち構えており、見つけるなり声をかける。
「……奏夜、何の用なの?言っとくけど、練習には出られない……って、ええ!?」
にこは練習に出られないと奏夜を突っぱねてそのまま帰ろうとするが、奏夜の後ろからこころ、ここあ、虎太郎の3人がひょっこりと顔を出していた。
そのため、にこは驚きを隠せない。
「お前が妹たちの面倒を見なきゃいけないのは百も承知さ。なら、妹たちをこっちに連れてくれば何の問題もないだろ?」
「お姉様!」
「お姉ちゃん!」
「がっこう〜」
「ちょっと待って!さっき学校終わったばかりでしょ!?どうやって3人を連れてきたのよ!」
奏夜が魔戒騎士だからといって、学校が終わった直後にこころたちをここへ連れて行くことは難しいため、その疑問を奏夜にぶつける。
「ああ、午後から剣斗に許可をもらって早退したんだよ。昼からの授業は、剣斗の力で出席扱いにさせてもらったけどな」
「!小津先生の力を使うとか、ずるいわよ!」
「それに、この3人は見たがってるみたいだぞ?スーパーアイドル矢澤にこのステージをさ」
「ステージ?何のことよ?」
「いいから行くぞ、みんなが待ってるからさ」
奏夜はにこを半ば強引に連れ出すと、そのまま屋上へと向かっていった。
その前に、玄関で剣斗が待っていたおかげで、こころ、ここあ、虎太郎の3人はスムーズに校内に入ることが出来た。
こころたち3人は、奏夜、剣斗、ララ乃3人に案内され、屋上に作られたステージで、にこが現れるのを待っていた。
そして、にこは、絵里と希から渡された衣装を身に纏うのである。
「……!これって……!」
にこの着ている衣装はまるで天使のような衣装であるその衣装のクオリティの高さに、にこは驚いていた。
「にこにピッタリな衣装を、私と希で考えてみたの。衣装作りは、ララも手伝ってくれたのよ」
「ふふっ、やっぱり、にこっちには、可愛い衣装が良く似合う♪スーパーアイドル、にこちゃん♪」
「希……」
奏夜の考えた提案こそ、にこの妹たちに、スーパーアイドルであるにこのステージを見てもらうことであった。
そのことにより、にこは素直になって、μ'sがバックダンサーではないことを説明するだろうと、奏夜はそこまで計算していた。
「……ま、これを考えたのは奏夜君なんやけどね」
「まったく……。奏夜には敵わないわね……」
これが奏夜の提案だとわかると、にこは奏夜の変わらない手際の良さに、驚きながらも苦笑いをしていた。
「今、扉の向こうには、あなた1人だけのライブを心待ちにしている最高のファンがいるわ」
「……絵里……」
「……さぁ!みんな待ってるわよ!」
にこは、奏夜が企画し、みんなが自分のためのライブを用意してくれたことに心を打たれていた。
この瞬間、にこは妹たちに伝えなければならないと決意する。
μ'sが、本当はバックダンサーではないということを。
にこは、そのようなことはわかっていたが、言え出せなかった。
大切な仲間たちに背中を押されたにこは、屋上の扉を開くと、自分を待っているファンのいるステージへと向かうのであった。
その頃、奏夜、剣斗、ララの3人は、こころ、ここあ、虎太郎の3人と共に、屋上に作られたステージの観客席にてにこが現れるのを待っていた。
「ここが、お姉様のステージですか?」
「誰もいないよ!」
「おくじょ〜」
「……そうだな。だけど、心配することはないぞ」
「そうよ。このライブは、私たちだけがいればいいのよ」
「うむ!これから始まるのは、3人のために行われる、とてもイイ!ライブなのだからな!」
「は、はぁ……」
奏夜たちは、このようなフォローを行うも、こころたちはよくわかっていなかった。
すると、にこがステージに現れるのであった。
スーパーアイドル、矢澤にこに相応しい衣装を身に纏ったにこに、こころたちは魅入るのである。
「あ……!」
「お姉様……!」
「アイドル……!」
こころたちがにこに見入っていると、にこを中心に、穂乃果たちμ'sのメンバーも姿を現わすのであった。
「……こころ、ここあ、虎太郎。歌う前に話しがあるの」
「「「え?」」」
「実はね……。スーパーアイドルにこは、今日でおしまいなの!」
にこから告げられた告白に、こころたちは驚きを隠せなかった。
「えぇ!?アイドル……辞めちゃうの……?」
このように認識をしたこころは、悲しげな表情をする。
「うぅん、辞めないよ。これからは、ここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやっていくの!」
「でも、皆さんは、アイドルを目指している……」
「ばっくだんさ〜……」
「……そう思ってた。けど、違ったの!これからは、もっと新しい自分に変わっていきたい。この9人でいられる時が、1番輝けるの!……1人でいる時よりも……ずっと……」
ここでにこは、こころたちに、μ'sがバックダンサーではないことを告げるのである。
「私の夢は、宇宙ナンバーワンアイドルとして、宇宙ナンバーワンユニットのμ'sと一緒に、より輝いていくこと!……それが、1番大切な夢、私のやりたいことなの!」
「にこ……。よく言ったな……」
にこの心からの本音を聞いた奏夜は、嬉しい気持ちになったからか、穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
「……こころ、ここあ、虎太郎。よく聞いてくれ」
奏夜のこの前置きに、3人は無言で頷いていた。
「俺は、そんなにこの夢を叶えてやりたい。いや、必ず叶えられるように導いていく。なんたって俺は、μ'sのマネージャーだからな……!」
「奏夜……」
「うむ!私だって、音ノ木坂の教師として、μ'sのことを精一杯サポートしていくつもりだ!なんと言っても、μ'sはスクールアイドルの中でも、とびきり、イイ!スクールアイドルなのだから……」
「小津先生……」
「私はにこの付き人じゃないけど、私もμ'sのことを全力でサポートするつもりだよ。だって、μ'sは私の大切な仲間だもん!」
「ララ……」
奏夜、剣斗、ララの3人は、μ'sのメンバーではないが、それぞれの立場で、μ'sを支えていく決意を改めて表明する。
その力強い言葉が、にこには嬉しいものであった。
「……これから歌う曲は、私が1人で歌う、最後の曲……」
にこがこのように宣言すると、穂乃果たちはステージから撤収し、ステージにはにこ1人となった。
「みんな!行っくよぉ!!」
今、このステージには、宇宙ナンバーワンアイドルであるにこが満面の笑みでパフォーマンスを行おうとしていた。
そして、この言葉が、屋上に響き渡るのであった。
“にっこにっこに〜!!”
……続く。
__次回予告__
『邪竜ホラー、ニーズヘッグ。奴の力は強大だが、厄介なのはその力だけじゃない。次回、「眷属」。迫り来る、漆黒の影!』
少しだけ短めになりましたが、これくらいの方が読みやすいのだろうか?
1話平均が1万文字くらいなのですが、長いですかね?
凄く今更な問いですが(笑)
今回は、にこの真意を察した奏夜が起点を利かせるという形で、μ'sがバックダンサーではないことを証明しました。
そこはさすがは奏夜だと言わしめるものですよね。
本当ならそのまま二期の5話に突入させる予定ですが、そろそろ牙狼サイドの話を進めたいと思い、次回は牙狼メインの話とさせてもらいました。
次回予告にあったニーズヘッグの眷属とは、いったいどのような存在なのか?
そして、未だジンガに知られていないもう1つの魔竜の眼の存在を隠し通すことは出来るのだろうか?
次回の話は意外なキャラを登場させようと思っています。
そのキャラとは誰なのか?ぜひご期待ください!
次回の投稿も遅くなるかもしれませんが、なるべく早めに投稿したいと思っています。
それでは、次回をお楽しみに!