僕が現在ハマっているFF14と牙狼がコラボして、1年になります。
それを記念して、牙狼装備でとあるダンジョンに行くというイベントがあったのですが、それに参加させてもらいました。
絶狼の装備で参加しましたが、かなりやられまくりましたね(笑)でも楽しかったです!
この作品にも出てきたロフォカレとも戦いました。その前に集合写真も撮りましたが(笑)
詳細はFF14のサイトの日記に書いてますので、こちらをご参照ください。
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/16492123/blog/3690836/
さて、前置きがかなり長くなりましたが、奏夜たちは果たしてラブライブに出るのか?それとも出ないのか?
それでは、第58話をどうぞ!
穂乃果は来年行われる第2回ラブライブへ出場しなくても良いとメンバーに告げていた。
他のメンバーはそんな穂乃果に戸惑いながらも、穂乃果は遊びに行くことを提案する。
奏夜は何故穂乃果がラブライブに出ないことを言い出したのかを察していたが、あえて追求することはしなかった。
μ'sメンバーで遊んでいたのだが、解散前にホラー討滅の指令が来る。
奏夜はその指令によって、ホラー、ガンホードを討滅するのであった。
そして翌日、奏夜はいつものように学校へと通っていた。
その日の昼休み、昼食を食べ終えた奏夜は、外の空気を吸うために屋上に来ていた。
奏夜は休み時間や昼休みに屋上に来ることは度々あり、考え事がある時は大抵ここへ来ている。
奏夜が屋上で休暇をしていたその時であった。
「……奏夜君、ここにいたんやね」
屋上にやってきた希が奏夜を見つけて声をかけてきた。
どうやら、奏夜を探していたみたいだった。
「……ん?どうしたんだ?希」
「奏夜君に話があってな探していたんよ」
「俺に話……?」
「奏夜君、穂乃果ちゃんはラブライブに出ないって言ってたやろ?」
どうやら、希の話というのは、穂乃果に関してのことみたいだった。
「奏夜君なら何か知ってるかと思ってな」
「なるほどな……。とは言っても俺も穂乃果の真意はわかってないけどな」
奏夜は穂乃果が何を考えているのかを察しているものの、わかっていないというのは本当だったため、このような返答をしたのであった。
「そうなんや……。奏夜君は穂乃果ちゃんと仲がいいから、何か知っとると思ったんやけどな……」
奏夜が自分の求めている情報を持っていないとわかり、希は落胆を隠せずにいた。
「……なぁ、希。希もやっぱりラブライブには出たいって思うか?」
「……そうやね。ウチら3年生にとっては最後のチャンスやし、エリチもにこっちも出たいって思っとるよ」
「……やっぱり、そうだよな」
奏夜がホラー、ガンホードと戦っている間、奏夜と穂乃果以外の全員は、LAINのグループ通話で、本当にラブライブに出なくて良いのかということを話し合っていた。
そんな中、にこはメンバーの中で1番ラブライブへの思いが強く、参加の意思を強く表明するのであった。
「……確かに穂乃果はラブライブに出ないとは言ってはいるが、俺は心配はいらないと思ってるけどな」
「え?」
奏夜の言葉は意外なものであったからか、希は驚きを隠せなかった。
「だって俺たちは今まで色んな困難に向かってきただろ?この問題もすぐに解決するさ。……ほんのちょっとのきっかけがあればな」
奏夜は穂乃果の事情を察しているため、その気になればすぐにこの問題を解決出来るのだが、それだとμ'sのためにならないと判断したため、積極的に動かないのである。
「なるほどなぁ……。確かにそうかもしれないね」
奏夜の言葉を聞いた希は、少しだけ気が楽になったからか、穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
「それに、にこはラブライブへの思いが強いだろ?きっとそう遠くないうちに動き出すだろうさ」
奏夜は、自らが手を下さなくても、この問題はμ'sメンバーだけで解決出来ると確信していた。
これもまた、奏夜がこの問題に積極的に関わらない理由なのである。
「……どうやら、そうみたいやね。カードもそう言うとるみたいやし」
希はすかさずタロットカードを1枚取り出すのだが、そのカードを見て、ウンウンと頷いていた。
「やっぱり奏夜君に相談して正解やったわ♪それじゃあ、放課後は生徒会の仕事、頑張ってな♪」
希は清々しい表情で奏夜に礼を言うと、そのまま屋上を後にするのであった。
「……」
奏夜はそんな希を穏やかな表情で微笑みながら見送っていた。
『……おい、奏夜。穂乃果が何故ラブライブに出ないと言ったのか、希に教えなくても良かったのか?』
「いいんだよ。この問題は俺の口出しするべき問題じゃない。あいつらが穂乃果の気持ちに気付いて決断を下す必要があるのさ」
『ほう……?お前のことだから何でもかんでも介入すると思っていたが、随分と冷静なんだな』
「まぁ、少し前の俺なら余計なお節介をしてたかもな。だけど、なんでもかんでも介入するのがみんなのためにはならないって気付いたんだよ」
『ま、それが気付けただけでもお前の成長が窺えるな』
キルバは奏夜が魔戒騎士としてだけではなく、1人の人間として大きく成長してきたことを実感するのであった。
「珍しいな、キルバが素直に俺のことを褒めるなんてな」
『ま、俺もたまにはな』
奏夜はキルバが素直に自分のことを認めてくれたことに驚くのだが、キルバは奏夜の成長を素直に認めているからこそ、いつもの厳しい言葉ではなく、このような言葉を送ったのである。
「それはともかくとして、頑張れよ、みんな……」
奏夜はキルバにも聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟くと、そのまま屋上を後にして、教室に戻るのであった。
※※※
そして放課後、奏夜は生徒会の仕事を行うため、生徒会室に来ていた。
副会長としての仕事はまだまだあるため、奏夜は真剣な表情で書類と格闘しているのであった。
「う〜ん……」
奏夜は次々と書類をこなしていくのだが、とあるタイミングでペンが止まり、何かを考えているみたいだった。
『おい、奏夜。それって穂乃果がやるべき仕事なんだろ?そんなところまで手を出していいのか?』
「確かにそれはそうなんだけどな。穂乃果の仕事が溜まってるし、多少は手伝おうと思ってな」
『やれやれ……。海未にどやされても知らないぞ』
「そこはわかってるって」
奏夜は海未にどやされるとわかっていながらも、多少は穂乃果がやるべき仕事を手伝おうと考えていたのであった。
すると……。
「……あれ?奏夜1人だけですか?」
別の仕事をしていた海未とことりが生徒会室に入ってくると、海未は奏夜しかいないことに驚いていた。
「奏夜君、穂乃果ちゃんはどこに行ったか知らない?」
「さぁな。昨日の書類を職員室にまで出しに行ったが、どこで油を売ってるのやら……」
奏夜が1人になる15分程前に、穂乃果は昨日の書類を職員室に持って行ったのだが、それっきり帰ってきていない。
「全く……。まだやらなければいけない仕事はあるというのに……」
今日からμ'sの練習は始まるのだが、その前に奏夜たちは少しでも仕事を終わらせようと早めに生徒会の仕事をしていたこである。
穂乃果は何かあって遅れてるのかサボってるのかはわからないが、今穂乃果がいないことに、海未は怒っていた。
「……それに奏夜!あなた、穂乃果のやるべき仕事にまで手を伸ばしてますね?」
海未は奏夜の方をチラッと見て、何枚かの書類を見ただけで、奏夜が余計な仕事をしているとわかったのであった。
「えっ、えっと……」
奏夜は海未にどやされるとわかっていながらも、言い訳を必死に考えていた。
すると……。
「……お前たち、ここにいたのだな」
奏夜たちに用事があるのか、剣斗が生徒会室に入ってきたのであった。
「剣斗、どうしたんだ?」
「さっき穂乃果とにこが玄関にいるのを見かけてな。お前たちはこれから練習ではなかったのか?」
剣斗は、玄関で見たことをすぐ奏夜たちに報告するのであった。
「穂乃果とにこが?いったいどこへ行こうと言うのですか?」
「わからないが、にこが穂乃果を連れ出したんだろう。ラブライブのことで話をしたくてな」
「確かに、にこちゃんは1番ラブライブに出たがってはいたけど……」
「うむ。それならば確かめてきたら良いのではないか?他のメンバーは既に向かっているぞ」
どうやら剣斗は、μ'sメンバーにこのことを伝えていたようであり、奏夜たちが最後であった。
「ですが、生徒会の仕事が……」
「どちらにせよ、ラブライブに出る出ないはハッキリさけておかないとな。それに、穂乃果がいないと生徒会の仕事もままならないだろ?」
海未は生徒会の仕事が残っていることを心配していたが、奏夜はこのように海未を説得していた。
「そうですね……。奏夜、ことり!行きましょう!」
「そうだね!」
「もちろんだ!」
「ここの片付けは私がしておこう。だから行ってくるといいぞ」
「悪いな、剣斗。頼んだ!」
穂乃果やにこを追いかけるにも生徒会室をこのままには出来なかったが、片付けは剣斗がしてくれるとのことだったので、奏夜たちは生徒会室を後にして、穂乃果やにこを探すのであった。
「……どちらを選ぶにせよ、後悔のないようにするのだぞ……」
奏夜たちを見送る剣斗は、このように呟くのであった。
学校を出る前に、玄関で他のメンバーと合流した奏夜たちは、2人が行きそうな場所と判断し、神田明神へ向かうことになった。
※※※
奏夜たちは神田明神へ到着すると、既に穂乃果とにこは来ていた。
「お前たち、こんなところにいたんだな……」
「!そーくん、みんな……」
穂乃果は、奏夜たちもこの場へ駆けつけてきたことに驚いていた。
「にこ、お前はこれから何かをしようって言うんだな?」
「そうよ。だから邪魔しないでくれる?」
にこは奏夜に止められると思ったのか少しだけ警戒するのであった。
「俺は別に邪魔するつもりはないけどな」
「え?」
奏夜の言葉が思いがけないものだったからか、にこは驚きを隠せなかった。
「ただ……。うまくやれよ」
奏夜はにこにこう言い残すと、階段を上り、上からにこと穂乃果のやり取りを見守ることにした。
「あっ、奏夜!」
海未はそんな奏夜を慌てて追いかけ、他のメンバーもそれに続いた。
『どうやらにこの奴、ラブライブに出ないと言う穂乃果を焚き付けるためにここへ呼び出したみたいだな』
「そうらしいな。おそらくにこの奴は、ここの石段ダッシュのレースでもするつもりなんだろう。自分が勝ったらラブライブに出るって条件を付けてな」
キルバと奏夜は、にこが何故穂乃果をこの神田明神へ呼び出したのか、目的を察していた。
「穂乃果ちゃんをやる気にさせたいのはわかるけど……」
「強引ですね……」
奏夜と共に穂乃果やにこのやり取りを見守っていることりと海未は心配そうな表情で呟いていた。
「……ま、遅かれ早かれにこの奴は動くと思ったが、思ったよりも早かったな」
「奏夜君、今日の昼休みに、ちょっとのきっかけがあればなんとかなるって言ってたけど、にこっちがこんなことをするってわかってたん?」
「まぁな……。昼の時も言ったが、にこはラブライブに対して特別な思いを持ってるだろ?だから、ラブライブに出ないと聞いてそのまま引き下がる訳はないと思ったんだよ」
奏夜は今回の問題を静観していたのは、穂乃果たちだけの力でこの問題を解決して欲しいという思いも当然あったのだが、自分が動かなくても自然と解決へ向かっていくことをわかっていたからである。
「なるほど……。今回の問題に積極的に関わらないのは何故かと思ってましたが……」
「そうね。私も奏夜らしくはないと思っていたわ。ま、話を聞いてしまえばやっぱり奏夜らしいと思ったけどね」
海未と真姫は穂乃果がラブライブに出ないと言っても冷静だった奏夜が不可解だったのだが、先ほどの話を聞き、納得したみたいだった。
「……お、始まったみたいだぞ」
どうやらにこと穂乃果は本当に神田明神の石段を使って競争を始めており、にこがフライング気味にスタートしていた。
(ったく……。にこのやつ、そこまでしてでもラブライブに出たいんだな……。その気持ちをしっかり伝えれれば、きっと……)
奏夜はこのようなことを考えながら、2人の競争の行方を見守っていた。
そんな中、にこはつまずいてしまったのか、途中で転んでしまうのであった。
穂乃果は競争しているということを忘れ、にこに駆け寄るのであった。
その結果、競争はうやむやとなってしまったのである。
タイミングが悪く雨が降ってきたので、奏夜たちは雨宿りをしながら話をすることにした。
「ねぇ、昨日そーくんから聞いたんだけど、次のラブライブって、来年の3月なんだよねぇ……?」
「穂乃果の言う通りよ。ラブライブが行われるのは来年の3月。3月には私たち3年生は卒業しちゃうから、こうしていられるのもあと半年なのよ」
「……」
ラブライブに出る出ないに関わらず、このメンバーで活動できるのはあと僅かなのである。
奏夜は、このメンバーでの活動に終わりが見えてきたことに対して悲痛な表情を浮かべていた。
「それに、スクールアイドルでいられるのは、在学中だけ」
「そんな……」
絵里と希の言葉を聞いたことにより、改めてこのメンバーでの活動に終わりが見えてきたことを感じた穂乃果は、言葉を失っていた。
『ここまで聞いたらお前も察しただろ?ラブライブに出る出ないは勝手だが、出ないとなったら、このメンバーで何かに取り組むということはもう出来ないだろうな』
「キルバの言う通りよ。本音としてはずっと続けたいって思うわ。実際に卒業したからもプロを目指す人だっているくらいだもの。ただ、この9人でラブライブ に出られるのは今回が最後なの」
絵里の言葉通り、スクールアイドルを卒業した後も、プロのアイドルを目指して活動しているグループはたくさんあり、実際にプロとして活躍しているグループも少なくない。
しかし、絵里たち3年生がそのようにアイドルを続けたとしても、この9人でライブをするということは叶わないのである。
「やっぱり……。みんな……」
「私たちも同じ気持ちだよ!たとえ予選で落ちちゃったとしても、この9人で頑張ったっていう足跡を残したい!」
「凛もそう思うにゃ!」
「やってみても、いいんじゃないの?」
3年生組だけではなく、1年生組もまた、ラブライブに出たいという思いを穂乃果に伝えていた。
「……ことりちゃんと海未ちゃんは?」
「私は、穂乃果ちゃんが選んだ道なら、どこへでも♪」
「ええ!私も同じ気持ちです!」
ことりと海未は、ラブライブに出たいとハッキリとは言わなかったが、穂乃果の決断に従うことを伝えていた。
「……そーくん。そーくんは、どうなの?」
そして穂乃果は、μ'sのマネージャーである奏夜にも、ラブライブに出たいかどうかを聞こうとしていた。
(……ま、そろそろ俺も口を出してもいいよな?)
今までラブライブに対しての明言を避けてきた奏夜であったが、ここでようやく自分の考えてることを話すことにしたのである。
「……穂乃果。お前の考えてる事はお見通しだ。どうせ、また自分のせいでみんなに迷惑をかけたくないって思ってんだろ?」
「!?」
奏夜の指摘が図星だったからか、穂乃果は驚きを隠せなかった。
「ラブライブに夢中で周りが見えなくなって、生徒会長として、みんなに迷惑をかけるようなことはあってはならないってところか?」
穂乃果はかつて、ラブライブしか見えてなくて、自分の体調を鑑みることはなく、ことりの真意にも気づけなかった。
そんな大きな失敗を体験したからこそ、穂乃果はラブライブに対して慎重になっていると奏夜は推測したのであった。
「アハハ……。さすがそーくん。お見通しだったか……」
どうやら奏夜の推測は当たっているみたいであり、穂乃果は苦笑いをしていた。
「始めたばかりの頃は、何も考えないで出来たのに、今は何をやるべきかわからなくなる時があるんだ……」
『それはな、お前も少しは周りが見えるようになってきた証拠だ。お前も少しは大人になったってことだな』
「エヘヘ……。そうかな?」
キルバに素直な言葉で褒められ、穂乃果は少しだけ照れ臭そうに笑っていた。
「それでも、やっぱり1度は夢見た舞台だもん!やっぱり私だって出たい!生徒会長をやりながらだから、またみんなに迷惑をかけるかもだけど、本当はものすごく出たいよ!」
これこそが、穂乃果が今まで隠してきたまごうことなき本音であった。
「……ったく……。やっと本音を言ってくれたな……」
奏夜は穂乃果の真意を察してはいたものの、ここで初めて本音を聞いたため、穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
奏夜が笑みを浮かべていると、穂乃果以外のメンバーが穂乃果の前に1列に並ぶのであった。
「みんな、どうしたの?」
「穂乃果、忘れたのですか?」
「え……?」
海未の言葉に穂乃果が戸惑っていたその時だった。
『♪だって、可能性、感じたんだ。そうだ、進め〜』
「!?」
「ほう……」
穂乃果と奏夜以外の8人が急に歌い出し、穂乃果は驚き、奏夜は笑みを浮かべていた。
『♪後悔したくない、目の前に〜』
「♪僕らの道がある〜♪」
8人の思いを受け取る形で、穂乃果は1人でこのフレーズのみを歌うのであった。
そして、8人は、穂乃果に対して「やろう!」と伝えていた。
「よぉし!やろう!ラブライブに出よう!!」
穂乃果のやる気スイッチが入り、気合が入ったからか、穂乃果は雨宿りをしている場合から離れるのであった。
未だに雨は降っており、雨の一粒一粒が穂乃果の体に当たってゆく。
「ほ、穂乃果……?」
進んで雨に打たれる穂乃果に、奏夜だけではなく、他のメンバーも困惑していた。
そして……。
「雨やめえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
穂乃果は大きく息を吸い込むと、このように叫ぶのであった。
『やれやれ……。何をやってるんだか……』
「そうだよな。そんなんで雨がやめば苦労は……」
苦労はない。
奏夜がそのように断言しようとしたその時だった。
「……!?う、嘘だろ……!?」
先程まで空を包んでいた雨雲がどこかへと移動し、青空が顔を出すのであった。
まさか本当に雨が止むとは思っていなかったため、奏夜は驚きを隠せなかった。
それは他のメンバーも同様なのだが……。
「本当に止んだ!人間その気になれば、なんだって出来るんだよ!!」
本当に雨が止むとは思わなかったからか、穂乃果も驚きを隠せずにいたが、本当に雨が止んだという事実に、朗らかな表情になっていた。
「んなアホな……」
『天候を操るとか、魔戒法師かよ……』
穂乃果のこの強気な発言に、奏夜とキルバは呆れるのであった。
「ただラブライブに出場するだけじゃもったいない!この9人で残せる最高の結果……。優勝を目指そう!」
穂乃果は、天を指差しながらとんでもないことを宣言するのであった。
「優勝!!?」
「そこまで行っちゃうの!?」
「大きく出たわね!」
穂乃果の宣言があまりにもとんでもないものだったため、海未、凛、にこの3人は驚きの声をあげていた。
「面白そうやん♪」
希もまた、穂乃果の宣言に驚いてはいたものの、全力でその話に乗ろうとしていたのであった。
そんな穂乃果の宣言に、奏夜も当然驚いていたのだが……。
「……くくくく……。ハハハハハ!ハハハハハ!」
奏夜にとって何かおかしいと思うところがあったからか、奏夜は今まで誰にも見せたことのない感じで大きく笑うのであった。
「そ、そーくん!?何で笑うの?私は真剣に言ってるのに!」
「ハハ……。別に馬鹿にはしてないさ。だが、それでこそ、μ'sのリーダーの高坂穂乃果だなと思ってな……」
ここまで無謀とも言える宣言を言ってのけるのは穂乃果らしいと思ったからこそ、奏夜はおかしくなり、笑っていたのである。
「ラブライブで優勝ってことは、あのA- RISEでさえも蹴落として優勝を目指すことになる。当然、練習は大変になるが、生徒会長をしながらそれをこなす覚悟はあるか?」
穂乃果の決意は確固たるものだと奏夜はわかっていたが、あえてこのような問いかけをぶつけるのであった。
「もちろんだよ!確かに大変なのはわかってる!ラブライブの、あの大きな会場で精一杯歌って、私たち、1番になろう!!」
「だったら……。俺からとやかく言うことはあまりないな……」
改めて穂乃果が本気でラブライブの優勝を目指していることを知り、奏夜は反対意見を出すことはしなかった。
そして……。
「……みんなが本気でラブライブ優勝を目指そうとしてるのはわかった。だったら、俺も覚悟を決めさせてもらうよ」
「そーくん……」
「奏夜……」
奏夜の覚悟を決めるという発言に、穂乃果と絵里は息を飲んでおり、他のメンバーも、ジッと奏夜のことを見るのであった。
奏夜は穂乃果たちから少しだけ離れた場所へと移動した。
そして……。
「俺は誓うぜ!μ'sのマネージャーとして、そして、輝狼の称号を持つ魔戒騎士として、お前たちを絶対にラブライブ 優勝という高みへ導いていくってな!」
「奏夜……」
「そーくん♪」
奏夜の宣誓に、海未はじっと耳を傾けており、ことりは笑みを浮かべていた。
「大きな夢に向かって進むお前らの邪魔は誰にもさせはしない。邪魔する者が現れるなら……」
奏夜のいう邪魔をする者というのは、ホラーのことであった。
穂乃果は何度かホラーに襲われ、それを奏夜に救われたため、これからもそのようなことがあると思ったからである。
そんな中、奏夜は魔戒剣を抜くと、それを上空に突き付けるのであった。
「……この剣で斬り裂いてやるさ!俺は何があろうと俺は絶対にみんなを守ってやる!安心してラブライブに専念してくれ!」
奏夜は、穂乃果たちの夢を、ホラーに潰させないために、このような誓いを立てたのであった。
「奏夜君……!」
「そーや君♪」
「奏夜!」
奏夜の立てた誓いは少し照れ臭かったものの、その言葉は何よりも嬉しいものであり、1年生組は歓喜の声をあげていた。
「だからこそ、ラブライブに出よう!みんなの力で優勝を勝ち取るんだ!」
「「奏夜!」」
「奏夜君!」
奏夜の口からラブライブに出ることを告げられ、3年生組の表情も明るくなっていた。
自分の覚悟を伝えた奏夜は魔戒剣を鞘に納め、魔法衣の裏地の中にしまうのであった。
「そーくん……。一緒に頑張ろう!ラブライブ優勝に向けて頑張るから、私たちのことを支えてね♪」
「もちろんだ!だから、一緒に頑張ろうな!」
「うん!」
こうして、奏夜たちの気持ちは1つとなり、ラブライブへ出場する意思を固めるのであった。
優勝という、遥かなる高みを目指して……。
※※※
奏夜たちが音ノ木坂学院のスクールアイドル、μ'sのメンバーとして、ラブライブへ出場することを決意し、奏夜そのまま神田明神を後にして、学校へと向かっていた。
「……ん?」
その途中、奏夜は何かを感じ取ったからからか、足を止めるのであった。
「そーくん、どうしたの?」
いきなり奏夜が足を止めたため、穂乃果は首を傾げていた。
「悪い。1つだけ用事があったのを思い出してな。先に学校に戻っててくれないか?」
「それは構わないのですが……。その用事とは?」
「別に大した用事ではないさ。すぐに済ませて合流するから、先に行っててくれ」
海未は奏夜の用事というのが気になっていたが、奏夜はそれを語ろうとはしなかった。
「わ、わかったよ。そーくん、なるべく早く来てね」
「そうよ。マネージャーのあんたがいないと何も始まらないんだからね」
「わかってるって。あ、それと、学校に戻ったら、剣斗にもラブライブに出ることを伝えておいてくれないか?」
「ま、そのつもりだったしね。構わないわ」
奏夜は、今この場にいない剣斗にも、ラブライブへ出ることを伝えたかったのだが、その役目を穂乃果たちにお願いするのであった。
真姫が全員を代表してその話受けており、髪の先端をクルクルと回しながら答えるのであった。
「きっと、小津先生のことだから……」
「……イイ!とてもイイ!……って言いそうだにゃ♪」
「あのなぁ……」
凛は全力で剣斗のモノマネをしており、それを見た奏夜は苦笑いをしながら呆れていた。
「とりあえず、私たちは先に行ってるわね」
「奏夜君、また後でなぁ♪」
絵里と希が奏夜に別れの挨拶をすると、学校へ向かって歩いていき、他のメンバーもそれに続くのであった。
「……さてと……」
穂乃果たちがいなくなったのを確認すると、奏夜は周囲を見回していた。
そして……。
「……そろそろコソコソしないで出てきたらどうだ?これ以上隠れてても無駄だぞ」
実は奏夜は、昨日ホラーを討滅したあたりから誰かに見られてるような感覚を感じていた。
何者かが自分を見張っていることはわかっていたのだが、あえて泳がせていたのである。
奏夜は気配を感じ取った方角を向くと、そちらに殺気立った視線を向けていた。
すると……。
「アハハ……。さすが魔戒騎士だね。バレバレだったか」
苦笑いをしながら姿を現したのは、奏夜とそこまで年の離れていない少女だった。
その出で立ちは魔戒法師の着る法衣に似ているため、魔戒法師と思われる。
「お前、魔戒法師みたいだけど、何者だ?」
この魔戒法師の少女は、奏夜のことを遠く監視のようなことを行っていたため、奏夜は警戒という形で、少女に敵意を向けていた。
「アハハ……。そんなに怖い顔しないでよ。少なくても私はあなたの敵じゃないんだから」
この少女は自分は敵ではないことをアピールするのだが……。
「悪いけど、遠くからコソコソと監視のようなことをする奴の言葉を信用出来るか」
「それは本当にごめん!私、あなたの力を見たかったの!私はあるものを守らなきゃいけないんだけど、そのあなたがそれを守れるほどの力があるかどうか……」
どうやらこの少女は、奏夜のことを見ていたのも事情があってのことのようだった。
『奏夜。このお嬢ちゃんからは敵意は感じない。話くらいは聞いてみてもいいんじゃないのか?』
「ったく……。キルバがそう言うなら話くらいは聞いてやるよ」
普段から冷静沈着なキルバがこのように言っていたため、奏夜は少女の話を聞いてから敵かどうかを判断しようとしていた。
「やったぁ♪そこの魔導輪が話がわかるから助かるよ♪」
少女は、奏夜が話を聞いてくれるとわかり、ピョンピョンと跳ねながら喜んでいた。
その様子は年相応の少女であり、奏夜は穏やかな表情で笑みを浮かべていた。
「あなたは確か如月奏夜だったよね?陽光騎士輝狼の」
「!?何で俺のことを」
少女は奏夜のことを知っているようであり、奏夜は驚きを隠せなかった。
「だってあなたはそれなりに有名だよ。スクールアイドルとかのマネージャーをしてる魔戒騎士で、最近頭角を現してる魔戒騎士だって」
少女の言う通り、奏夜がμ'sのマネージャーをしてるのは噂などで魔戒騎士や魔戒法師に広まっており、そんな奏夜の活動を奇妙に感じていた。
しかし、尊士を倒した実力は評価されており、その勇名が魔戒騎士や魔戒法師の間に広まっていったのである。
「そうだったのか……。それで、君は?」
「あ、そう言えば名前を言ってなかったね。私の名前はララ。見ての通り、魔戒法師だよ♪」
この少女…ララはこのように自己紹介をするのであった。
「なぁ、ところで、ララは何かを守ってるって言ってたが、それはいったいなんなんだ?」
奏夜は、ララが何かを守っていると聞いた時から、それの正体がずっと気になっていた。
「まぁ、詳しい話は番犬所でしようよ。どっちにしても、遅かれ早かれ番犬所に協力はしてもらわないとって思ってたし」
「そうだな……。とりあえず番犬所へ向かうぞ」
「うん!」
こうして奏夜は、ララから詳しい話を聞き出すために、番犬所へと向かうことになった。
如月奏夜と魔戒法師のララ。
この2人の出会いこそが、これから始まる激闘の序章になることを、奏夜は知る由もなかった……。
……続く。
__次回予告__
『あのお嬢ちゃん……。ララとか言ったか?まさか、そんな秘密を持っているとはな……。次回、「法師」。やれやれ。この展開は俺も予想外だぞ……』
雨を止ませるあのシーンは何回見ても凄いですよね(笑)
ちなみに穂乃果は「雨やめー!」ですが、「牙狼 VANITHING LINE」のルークは逆に「雨降れー!」ですよね(笑)
まぁ、ルークは人為的にやってはいますが(笑)
そして、まさかのララ登場だったと思います。
このララのモデルは、間違いなく「炎の刻印」に登場したあのララになっています。
魔戒法師になっているため、最初は名前を変えようと思いましたが、思いつかなかったので、そのまま使わせてもらいました(笑)
ララは今後のキーパーソンになっていくと思います。
これからどのように奏夜たちと関わっていくのか、楽しみにしていて下さい。
そして次回は、ラブライブ二期の2話に入る前に、オリジナルの話を入れようと思います。
そして、牙狼ライブ投稿1周年記念に仮面ライダーとのコラボを書くと活動報告でも書きましたが、まだアンケートは受け付けています。
良ければご協力いただけるとかなり嬉しいです(*^_^*)
それでは、次回をお楽しみに!