牙狼ライブ! 〜9人の女神と光の騎士〜   作:ナック・G

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大変長らくお待たせしました!

まさかここまで投稿が遅れるとは思いませんでした……。

最近は本当に忙しく、FF14も楽しんでいたので。

さて、今回は前回の続きとなっています。

エオルゼアに迷い込んだ奏夜たちを待ち受けるものとは?

それでは、番外編をどうぞ!




紅蓮のリベレーター発売記念作品「光の騎士と光の女神たち 後編」

私立音ノ木坂学院で「μ's」というスクールアイドルグループを結成している穂乃果たちとそのマネージャーであり、魔戒騎士でもある如月奏夜は、エオルゼアと呼ばれる世界に迷い込んでいた。

 

奏夜たちは偶然にもそのエオルゼアの救済のために動いている暁の血盟のメンバーと出会い、この世界の真実を知ることになる。

 

奏夜たちは元の世界に戻るために今自分たちが出来ることを行うことにしていた。

 

そんな中、奏夜は先輩騎士である統夜と瓜二つの見た目をしている冒険者であるトウヤと共に正体不明の蛮神の調査に当たっていた。

 

現在2人は、森の都と呼ばれている都市である「グリダニア」に来ていた。

 

正体不明の蛮神についての情報を、このグリダニアのエリアを守る機関である「双蛇党」の人間が知っているため、話を聞くためである。

 

奏夜がのどかな街並みに驚いている間に、トウヤは双蛇党の人間から情報を仕入れていた。

 

トウヤは仕入れた情報をもとに、とある場所へと移動を開始し、奏夜もそんなトウヤについていった。

 

2人が訪れたのは、グリダニアの街を離れた場所にある黒衣森(こくえのもり)というエリアなのだが、その某所であった。

 

「……ここが正体不明の蛮神が出現したエリアか……」

 

2人が来ていたのが正体不明の蛮神が出現したと言われているエリアだった。

 

「特に何かがあるとは思えないんだけど……」

 

トウヤは周囲を見回すのだが、蛮神が出現したと思わせる物は何もなく、手がかりは何もないと思われていた。

 

そんな中……。

 

『……おい、奏夜。ここでゲートが開いた形跡があるぞ』

 

「!?おいおい、ここってホラーがいないんじゃなかったのかよ!」

 

奏夜たちがこの世界に迷い込んで来た時、ホラーはいないものだと思っていたが、キルバがホラーの気配を感じ取っており、奏夜は驚きを隠せなかった。

 

『俺もそう思ったんだがな……。どうやらその正体不明の蛮神とやらは、ホラーの可能性がありそうだ』

 

「なぁ、確かそのホラーって、ソウヤの世界にいる魔獣だったっけ?そいつがエオルゼアに……?」

 

トウヤは奏夜と行動している時に奏夜は自分が魔戒騎士であることを話しており、ホラーのことも話していた。

 

「キルバ。ホラーの気配を追うことは出来るか?」

 

『やってみよう』

 

奏夜はキルバを前方に突きつけると、ホラーの気配がないか調べてみた。

 

しばらくその捜索を行っていると……。

 

『奏夜。ここから先から微かではあるがホラーと似た気配を感じるぞ。恐らくは例の蛮神とやらだろう』

 

「本来の蛮神とは違う気はするけどな……」

 

「?どういうことだ?」

 

トウヤの言葉の意味がわからず、奏夜は首を傾げていた。

 

「本来蛮神と呼ばれる奴らはクリスタルの中にあるエーテルの力を吸い取って具現化する。そして、蛮神はその力で自らを呼び降ろした者を自分の手下に変えてしまうんだ」

 

「!?そいつは厄介な存在だな……」

 

奏夜はここで初めて蛮神と呼ばれる者の力を知り、驚いていた。

 

「その人はテンパードと呼ばれ、もう救うことは出来ないんだ」

 

「テンパードか……。1度そうなったら救えないとか、まるでホラーみたいだな……」

 

「ホラーって怪物はそんなに厄介な存在なんだな」

 

「ホラーに憑依された時点でその者の魂はホラーに喰われてしまっている。その人を救うにはもうホラーを斬るしかないんだ」

 

「本当にテンパードになってしまった人と似てるな……」

 

ホラーに憑依された者と、蛮神の力によってテンパードにされてしまった者は似ており、そのことにトウヤだけではなく、奏夜も驚いていた。

 

「だけど、俺やミンフィリアのように超える力を持つ者はテンパードになることはないんだ」

 

「なるほど。じゃあ、俺や穂乃果たちも?」

 

「恐らくは大丈夫だと思う」

 

「そうか……。それなら、心置きなく戦えるな」

 

『とりあえずその蛮神とやらのことはわかったんだ。俺たちも行動を開始するぞ』

 

「そうだな、行こう!」

 

「わかったよ、ソウヤ」

 

こうして、奏夜とトウヤの2人は、新たな手がかりを得るために移動を開始していた。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

その頃、穂乃果たちは、自分の身につけている装備を確かめるため、練習を行っていた。

 

現在穂乃果たちがいるのは、暁の血盟のアジトである砂の家の近くにある修練場である。

 

そこには「木人」と呼ばれるカカシのような置物が置かれていた。

 

この木人に攻撃を仕掛けて、技の練習を行うようだ。

 

穂乃果たちは交代でこの木人に攻撃を仕掛けて、自分の出来ることを確かめていた。

 

「えいっ!!」

 

穂乃果は一生懸命剣を振り回し、木人を攻撃していた。

 

そして、海未は弓を構え、木人に攻撃を仕掛けようとしていた。

 

「……ラブアローシュート!!」

 

海未は気合を入れるためにこのような台詞を放ち、正確な狙いで木人に攻撃をしていた。

 

「……なんなの?ウミの今の発言は……」

 

「まぁまぁ♪可愛いからいいじゃん!」

 

海未のこの言葉にヤ・シュトラは呆れ気味だったが、イダはすんなりと受け入れていた。

 

「それにしても、ウミは弓の扱いが長けてるな。とても初めてとは思えないぞ」

 

パパリモは、海未の正確な弓さばきに驚きを隠せなかった。

 

「私はスクールアイドルの他に、弓道もやっていましたから」

 

「キュードー?もしかして弓術のことかしら?」

 

「はい、そうですよ」

 

「なるほどね……。道理であそこまでの弓さばきが出来るハズだわ」

 

ヤ・シュトラも海未の弓さばきに驚いており、弓道を習っているから弓の扱いに慣れていると知り、納得していた。

 

「行っくにゃあ!!」

 

続けて凛が木人に向かっていくのだが、自慢の運動神経で、格闘攻撃をそつなくこなしていた。

 

「おぉ!リンちゃん凄いよ!あたしほどじゃないけど、モンクのセンスがあるかもね」

 

「私ほどじゃないって自分で言うなよ……」

 

そんなイダの発言に、相棒であるパパリモは呆れていた。

 

「エヘヘ……。照れるにゃ♪」

 

「褒めてる……のかなぁ?」

 

「まぁ、そう捉えてもいいんじゃない?」

 

イダが凛のことを素直に褒めてるかどうかは疑問だったからか、花陽は首を傾げており、真姫はどうでもいいと思っていたからか、適当にフォローを入れていた。

 

続けて練習を行うのは絵里であった。

 

「行くわよ!賢い格好いいエリーチカの槍さばきを見せてあげる!」

 

絵里は槍を構えると、木人に向かっていった。

 

「だからその肩書きはいったいなんなのよ……」

 

先ほど絵里の言っていた言葉にヤ・シュトラが呆れながらも、絵里の槍さばきを見守っていた。

 

絵里は槍の扱いが当然初めてなのだが、それを感じさせない槍さばきであった。

 

「……うん。これだけの動きが出来るなら十分じゃないかな?」

 

「ハラショー♪やったわ♪」

 

絵里の槍さばきをイダが褒めており、そのことに絵里は喜んでいた。

 

続けて練習を行うのはことりと真姫だった。

 

2人の持っている本のような装備は、巴術士(はじゅつし)と呼ばれる人たちが使用するもののようであった。

 

その特徴としては、ペットと呼ばれるものを召喚し、それを扱うことが出来る。

 

さらにパパリモが説明するには、ことりはどうやら攻撃に長けたペットを呼び出すことが出来て、真姫は回復に長けたペットを呼び出すことが出来るようであった。

 

2人はとりあえずペットの召喚を行ってみることにした。

 

「……行くよっ!」

 

最初にことりが挑戦するようであり、ことりは精神を集中していた。

 

「……チュンチュン!!」

 

ことりがまるで鳥のような声をあげると、ことりの手にしている本が輝き出し、そこから鳥のようなものが出現した。

 

「で、出来た……!」

 

「凄い!凄いよ!ことりちゃん!」

 

ことりがペットの召喚に成功したことに、穂乃果は歓喜の声をあげていた。

 

「ガルーダ・エギを召喚したか」

 

パパリモはことりが召喚したペットの種類をすぐに見抜いていた。

 

ことりが召喚したのは、嵐神と呼ばれるガルーダを使い魔のような存在にして、使役出来るようにしていた。

 

「エヘヘ……。これが一番私らしいと思って……」

 

「なるほど、確かにことりらしいかもしれないですね」

 

ことりが鳥のような姿をしたガルーダを呼び出したことに対して、海未はことりらしさを感じていた。

 

「それじゃあ、次は私ね!」

 

続けて、ことりと似たような本を手にしていた真姫が、ことりのようにペットの召喚を行うことにしていた。

 

真姫は目を閉じて精神を集中させており、その効果があるからか、真姫の本が輝いていた。

 

「……行くわよ!」

 

真姫は目をカッと見開くと、自らに溜めた力を解き放ち、本のようなものから妖精のようなものが出現した。

 

真姫が召喚したこの妖精のようなものはフェアリーと呼ばれており、傷を癒す力に長けている。

 

「おぉ!凄いよ、真姫ちゃん!」

 

「あ、当たり前でしょ?私を誰だと思ってるの?」

 

真姫は召喚が成功したことに対して何故かドヤ顔をしていた。

 

「だけど、持っている本は似ているのに、ことりと真姫では呼べるものが違うのですね」

 

「そうね。そこが2人の力の違いだわ」

 

「コトリ。君が呼び出せるのは攻撃に特化したエギと呼ばれるものであり、マキが呼び出せるのは癒す力に長けているフェアリーと呼ばれるものだ」

 

さらにパパリモは説明するのだが、ことりのような力を持つものは「召喚士」と呼ばれるみたいであり、真姫のような力を持つものは「学者」と呼ばれるみたいであった。

 

「ふーん……。召喚士に学者かぁ……」

 

「学者っていうのは、真姫ちゃんっぽい感じだね!」

 

「まぁ、そうかもしれないわね」

 

穂乃果は学者というのは真姫らしいと思っていたのだが、真姫は否定をしていなかった。

 

「マキ。あなたが呼び出したフェアリーを見ればわかると思うけど、あなたは癒し手としての役割を担っているわ」

 

「私が、癒し手?」

 

真姫は、このように解説をするヤ・シュトラの言葉に驚いていた。

 

「癒し手というのは、戦いにおいて非常に重要になってくるわ。ハナヨ、ノゾミ。あなたたち2人も癒し手の役割を担っているわ」

 

「わ、私も!?」

 

「なるほどなぁ」

 

どうやら、真姫だけではなく花陽と希もまた、癒し手と呼ばれるみたいだった。

 

「味方がピンチに陥った時……。いかに迅速に癒しの魔法を使うか……。それが重要になってくるわ」

 

「なるほど……」

 

真姫、花陽、希の3人は、ヤ・シュトラの講義を真剣に聞いていた。

 

「まずは私が手本を見せるわ」

 

ヤ・シュトラは木人に回復魔法を放ち、3人に手本を見せることにしていた。

 

ヤ・シュトラは精神を集中させると、魔法の詠唱を行っていた。

 

そして……。

 

「……ケアル!」

 

ヤ・シュトラは回復魔法であるケアルを唱え、木人を回復させていた。

 

……とは言っても、木人はダメージを受けても勝手に回復するのだが……。

 

「なるほど……」

 

「……さぁ、ハナヨ。あなたは私と同じ白魔導士みたいだから回復魔法を使ってみて」

 

「はっ、はい!」

 

花陽は、木人に対して回復魔法を放ち、練習を行うことにしていた。

 

「えっと……」

 

花陽は少し慌てながらも精神を集中させて、魔法の詠唱を行っていた。

 

「……け、ケアル!」

 

花陽は先ほどのヤ・シュトラのように魔法を唱え、木人に対して回復魔法を放っていた。

 

「で、出来た……!」

 

1発で回復魔法が成功し、花陽の表情はぱぁっと明るくなっていた。

 

「うん。上出来ね」

 

そんな花陽の魔法を見たヤ・シュトラはウンウンと頷いていた。

 

「わ、私もやってやるわよ!」

 

先ほどはフェアリーを召喚した真姫は、学者と呼ばれる職の人間が扱える回復の練習を行うことにしていた。

 

これは真姫だけではなく全員がそうなのだが、攻撃方法や魔法の詠唱など、自然と頭に入っていたため、練習がここまですんなりと進んでいたのである。

 

それを証明するかのように、真姫だけではなく、占星術士と呼ばれる職の格好をしている希もまた、占星術士特有の回復方法を軽々とやってのけたのであった。

 

「うんうん。マキもノゾミも回復は完璧だね!」

 

「ま、まぁ。こんなもんじゃないの?」

 

「ふふ♪ウチの希パワーにかかればざっとこんなもんや♪」

 

イダは真姫と希の回復を褒めており、2人はまんざらでもなさそうにしていた。

 

最後に練習を行うのは、魔法使いのような格好をしているにこであった。

 

「ふふふ……。見てなさい!ラブリーな魔法使い、にこにーの真の力を!」

 

「魔法使いではなくて、僕と同じ黒魔導士なんだけどな……」

 

どうやらにこは、パパリモと同じ黒魔導士と呼ばれる者であるみたいだった。

 

しかし、そんなツッコミをにこは聞いておらず、にこは精神を集中させていた。

 

「……行くわよ!このにこの魅力の炎で焼かれなさい!……ファイア!!」

 

にこは明らかにおかしい口上をしながら黒魔術の基礎的な魔法であるファイアを放っていた。

 

「そんなデタラメな詠唱で魔法が使えるのか……」

 

にこの口上は明らかに魔法の詠唱とは違うものであり、そんな口上で魔法が使えたにこに、パパリモは唖然としていた。

 

「す、凄いよ!にこちゃん!」

 

「にっこにっこに〜♪みんなのアイドルのにこにーの手にかかれば、ざっとこんなものよ♪」

 

穂乃果はそんなにこのことをべた褒めしており、にこは褒められて満更でもないようだった。

 

「アハハ!ニコ、あなたって面白いね!」

 

にこの作ったキャラを見て、イダは面白がっていた。

 

「……あんた。今面白いって言った?」

 

そんなイダのリアクションが気に入らなかったからか、にこはムスッとしていた。

 

「面白いよ!だって、凛はずっとそう思ってたもん!」

 

「あ、あんたねぇ……!」

 

凛もまた、にこに対して容赦のないことを言っており、にこは表情を引きつらせていた。

 

「何て言うか……」

 

「イダさんと凛って……」

 

「結構似てるところがあるわね」

 

どうやらイダと凛は似た者同士のところがあるようであり、穂乃果、絵里、真姫の3人はその事実に苦笑いをしていた。

 

「ん〜……。そうなのかなぁ?」

 

「凛もよくわからないけど、イダさんとは仲良くなれそうな気がするにゃ!」

 

「あっ!あたしも同じことを思ってた!」

 

どうやらイダと凛は本当に意気投合したようであり、良い雰囲気になっていた。

 

こうして、穂乃果たちは木人を使って一通り練習を行ったのであった。

 

すると……。

 

「……あっ、みなさん!やっぱりここだったんでっすね!」

 

暁の血盟の受付と事務を担当しているタタルが、トコトコとこちらに向かって来ていた。

 

「あら、タタル。いったいどうしたの?」

 

「ミンフィリアさんがお呼びでっす!どうやらトウヤさんとソウヤさんのお2人が帰ってきたみたいでっす」

 

「え?そーくん、帰ってきたんだ!」

 

「……わかったわ。タタル。すぐ向かうわね」

 

「はいでっす!」

 

穂乃果たちとヤ・シュトラたちがすぐ向かうことをしると、タタルはそのまま砂の家へと向かっていった。

 

「……私たちも行きましょうか」

 

このようにヤ・シュトラに促され、穂乃果たちはそのまま砂の家へと向かっていった。

 

砂の家に到着し、暁の間に入ると、正体不明の蛮神の調査をしていたトウヤと奏夜が来ており、サンクレッドとウリエンジェも来ていた。

 

「……これでみんな揃ったわね」

 

ミンフィリアは、穂乃果たちがやって来たのを見て、こう呟いていた。

 

「トウヤ。調査結果の報告をしてくれるかしら?」

 

「あぁ、わかった」

 

このようにミンフィリアに促され、トウヤは調査を行ってわかったことを話すことにしていた。

 

「まず結論から言うと、今回現れた蛮神は、俺たちが戦ってきた蛮神とは異なる存在だってことがわかったんだ」

 

「他の蛮神とは異なる存在?それはいったい……」

 

トウヤの簡潔な報告を聞き、ヤ・シュトラは険しい表情で考え事をしていた。

 

『蛮神とやらの痕跡を調査していたら、ホラーの気配を感じたんだ。恐らくその蛮神とやらの正体は、俺たちが戦っているホラーか、そのホラーの力を得た蛮神とやらだろう』

 

「ホラーの力を得た蛮神……。もしそれが本当にそうだとしたら、かなり厄介だわね……」

 

キルバが詳細の報告を行うと、ミンフィリアは考え事をしていた。

 

「ホラーの力を得ているのならば、ソウヤの力は必要でしょう。彼はその力を持っているのですから」

 

「もちろん、俺としては、ホラーの力を持つ者なら放ってはおけない。これも魔戒騎士の仕事だしな」

 

奏夜は、このエオルゼアにホラーが現れたのならばそれを討滅するつもりであった。

 

「ですが、我らもその蛮神討伐のお手伝いは出来るハズです」

 

「ウリエンジェさんの言う通りだよ!そーくん。私たちも協力する!」

 

「ダメだ!お前たちを戦いに巻き込む訳にはいかない」

 

ホラーから度々穂乃果たちのことを守ってきた奏夜は、穂乃果たちが戦うことには猛反対であった。

 

「今はそんなことを言っている場合じゃないわ。それに、彼女たちも今は超える力を持っている。足手まといにはならないとは思うけど?」

 

何故かヤ・シュトラは穂乃果たちに肩入れをしていた。

 

「珍しいな。ヤ・シュトラが誰かにここまで肩入れするなんてな」

 

ここまで穂乃果たちに肩入れをしていることに、サンクレッドは驚いていた。

 

「……そうかもしれないわね」

 

ヤ・シュトラは、穏やかな表情を浮かべながら、サンクレッドの言葉を肯定していた。

 

「それでは、これから正体不明の蛮神の討伐に向かいます。メンバーはソウヤを中心にして、ホノカたちには彼の援護をお願いするわ」

 

『はい!!』

 

普段は守られてばかりの自分たちが、ここでは奏夜の手伝いが出来る。

 

そのため、穂乃果たちは自然と気合が入っていた。

 

「私たち暁のメンバーも、ホノカたちのフォローに回ります。彼女たちが心置き無く戦えるように」

 

「えぇ、元よりそのつもりよ」

 

「当然だよ!任せて!」

 

「あぁ。任せてくれ!」

 

ミンフィリアの指示を聞き、ヤ・シュトラ、イダ、パパリモの3人は快諾していた。

 

「当然俺もフォローするぜ。だから、安心してくれ」

 

サンクレッドもまた、穂乃果たちをフォローする気満々のようであった。

 

「それでは、みんなの健闘を祈ります。みんな、無理はしないでね」

 

ミンフィリアは暁の血盟の代表として、この地に残り、留守を守る役割を担っていた。

 

「私も残りましょう。情報収集も必要ですしね」

 

ウリエンジェは、正体不明の蛮神について新たな情報を得るためにここに残ることにしていた。

 

「それじゃあ、みんな。例の蛮神は黒衣森の北部森林にいるみたいなんだ。案内するから行こう!」

 

こうして、奏夜たちは暁の血盟のメンバーと協力して、正体がホラーであると疑われる蛮神討伐へと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

砂の家を出発した奏夜たちは、長い道のりを経て、目的地である黒衣森の北部森林のエリアに到着した。

 

「ここが黒衣森ってところなんだ……」

 

「自然が多い場所ですね……」

 

普段は秋葉原で過ごしている穂乃果たちにとって、このようなのどかな空間はただただ珍しく、周囲を見回していた。

 

「お前ら、感心してる場合じゃないぞ」

 

『奏夜の言う通りだ。邪気は確実に近くなっている。気を引き締めろよ』

 

奏夜とキルバが、穂乃果たちの気を引き締めるためにこのように言っていると、目的地付近に到着したのであった。

 

『……この先に例の蛮神とやらがいるようだ。ホラーの邪気を感じるぜ』

 

奏夜たちは目的地付近に到着し、目の前に広がる森の奥から、ホラーの気配を感じるようであった。

 

「みんな、ここから先は戦いになる。俺の側を離れるなよ」

 

奏夜は今の穂乃果たちに戦う力があるとわかっていても、穂乃果たちを守ろうと考えていた。

 

そんな奏夜の言葉に、穂乃果たちは無言で頷いていた。

 

こうして奏夜たちは、森を進んでいき、謎の蛮神がいると思われるエリアへと向かっていった。

 

深く生い茂る森も、出口が見えてきて、奏夜たちはそのまま森を出ようとしたのだが……。

 

『……お前ら、ちょっと待て!』

 

何かを感じ取ったキルバは、奏夜たちの足を止めさせていた。

 

「どうした、キルバ?」

 

『ホラーのような気配を感じる。お前ら、油断するなよ!』

 

キルバがこのような警告をすると、奏夜たちの目の前に、素体ホラーと酷似している怪物が何体も出現していた。

 

「……!ホラーか!しかもこんなにたくさん!」

 

『奴らからは人間の気配も感じる。恐らくは蛮神とやらの力によってテンパードにされた連中がそのままホラーに憑依されたのだろう』

 

「……っということは、この怪物がホラーであり、テンパードでもあるってことか……!」

 

どうやら奏夜たちの目の前にいる素体ホラーは、蛮神の力を受けてしまったテンパードでもあるようであり、2つの力を持つ存在であった。

 

「とにかく……。目の前に立ちはだかるというなら、倒すまでだ!」

 

奏夜が先頭に立って魔戒剣を抜くと、トウヤも自分の武器である剣を抜いており、他のメンバーもまた、自分の装備を構えていた。

 

「……来るぞ!!」

 

奏夜がこのように警戒をしていると、素体ホラーたちは一斉に素体たちに襲いかかってきた。

 

奏夜は魔戒剣を一閃し、迫り来る素体ホラーを斬り裂いていた。

 

「さすがは魔戒騎士とやらだな……。俺だって!」

 

一撃で素体ホラーを倒した奏夜を見て奮起したトウヤは、自分の剣を一閃すると、素体ホラーを真っ二つに斬り裂いた。

 

その一撃を受けた素体ホラーは、断末魔をあげながら消滅していた。

 

「!?素体ホラーを倒した!?」

 

「奴はホラーであってホラーではない。故にあいつでも倒せたのだろう」

 

「なるほど……」

 

キルバは何故トウヤが素体ホラーを倒せたのかを冷静に分析しており、その分析に奏夜は納得していた。

 

魔戒騎士じゃなくてもこのホラーを倒せるとわかった穂乃果たちは、迫り来る素体ホラーを相手に奮起していた。

 

「えいっ!えいっ!!」

 

穂乃果は重そうに剣を振るっており、その一撃で素体ホラーを倒すことは出来なかったものの、ダメージは与えられていた。

 

その素体ホラーは反撃と言わんばかりに穂乃果に迫ろうとするが……。

 

「穂乃果!伏せて下さい!……ラブアローシュート!!」

 

海未は穂乃果の危機を救うために矢を放ったのだが、その一撃は素体ホラーの体を貫き、素体ホラーは消滅していた。

 

「た、倒せた……!倒せました!」

 

自分たちの知っているホラーとは違うとはいえ、ホラーを倒したという事実に、海未の表情は明るくなっていた。

 

「お前ら!油断するな!まだ来るぞ!」

 

戦いに慣れている奏夜は、気が緩んでいる海未をなだめており、その言葉を聞いていた海未はハッとしていた。

 

「凛、私たちも行くわよ!」

 

「うん!行っくにゃあ!!」

 

絵里と凛もまた、迫り来る素体ホラーに向かっていき、槍や拳による攻撃で、素体ホラーを撃退していた。

 

「私も負けてられないわ!」

 

「そうね!」

 

ホラー相手に奮戦する他のメンバーを見て、にことことりも奮起していた。

 

「こいつで凍っちゃいなさい!……ブリザド!!」

 

にこは精神を集中させると、詠唱と言いにはあまりに短い言葉を放ち、氷の魔法であるブリザドを唱えていた。

 

「凄い、にこちゃん!ようし、ことりも負けないぞ!」

 

にこのブリザドによって素体ホラーはダメージを受けており、それを見ていたことりは精神を集中させていた。

 

「……おいで!ガルちゃん!」

 

ことりの手にしている本の力によって、ガルーダエギを召喚していた。

 

そして、すかさずガルーダは素体ホラーに向かっていき、素体ホラーを消滅させていた。

 

こうして奏夜たちは確実に素体ホラーを蹴散らしており、奏夜が素体ホラーの攻撃によってダメージを受けると、すかさず花陽や希が回復魔法を唱えていた。

 

真姫もまた、フェアリーを召喚すると、他のメンバーの体力も回復させていた。

 

奏夜たちだけではなく、トウヤたち暁の血盟のメンバーもまた、ホラー討伐に奮闘していたからか、素体ホラーの数は一気に減少していた。

 

しかし……。

 

「……また現れたのか!」

 

「しつこいわね!」

 

素体ホラーたちが再び出現しており、ヤ・シュトラ花眉をひそめていた。

 

「奏夜!お前は嬢ちゃんたちを連れて先へ行け!こいつらは俺たちが引き受ける!」

 

サンクレッドは、奏夜たちを先に行かせようとしており、そんな彼の言葉にヤ・シュトラ、イダ、パパリモは頷いていた。

 

「トウヤ!あなたも行って!」

 

「わかった。みんな、頼んだ!」

 

「うん!任せて!」

 

「こいつら如きは僕たちだけで充分だ。君たちは先へ行くんだ!」

 

「……みんな、行こう!」

 

奏夜は素体ホラーたちの相手をサンクレッドたちに任せて先に進むことにしており、穂乃果たちとトウヤもそれに続いていた。

 

素体ホラーたちはそんな奏夜たちを追いかけようとするのだが……。

 

「おっと!お前らの相手は俺たちだぜ!」

 

サンクレッドは無駄のない動きで剣を振るうと、奏夜たちを追いかけようとしている素体ホラーを斬り裂いていた。

 

さらにイダは拳による攻撃を素体ホラーに叩き込み、パパリモはファイアやサンダーなどの魔法を駆使して素体ホラーに攻撃をしていた。

 

ヤ・シュトラは、白魔導士が使える攻撃魔法であるストーンを放ち、素体ホラーに攻撃をしていた。

 

こうして、暁の血盟のメンバーである4人は、素体ホラーを倒しながら、奏夜たちの進軍を後押ししていた。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

素体ホラーたちを突っ切った奏夜たちが辿り着いたのは、広く不気味な空間であった。

 

「キルバ……。ここか?」

 

『あぁ。とんでもない邪気を感じるぞ』

 

どうやら、ここにホラーの力を持った蛮神がいるみたいであった。

 

「なんだか、気味の悪いところだね……」

 

「えぇ、なんだか暗いしね……」

 

この場を支配している静寂が、不気味さをより際立たせており、それによって花陽と絵里は怯えていた。

 

それは2人に限った話ではなく、奏夜とトウヤ以外の全員もまた、大なり小なりはあるのだが、不気味な空間に怯えていた。

 

「大丈夫だ。みんなは俺が……」

 

俺が守る。そう言おうとしたのだが……。

 

『奏夜!来るぞ!!』

 

キルバが邪気の接近を探知しており、このように警戒すると、奏夜たちの目の前に、巨大な死神のような魔獣が出現した。

 

その手には、本物の死神のように鎌が握られていた。

 

「……こいつが……。ホラーの力を得た蛮神……!」

 

トウヤは、初めて見るタイプの蛮神を目の当たりにして、目付きが鋭くなっていた。

 

「キルバ。こいつで間違いないか?」

 

『あぁ。こいつからはホラーの気配を感じるし、それ以外の力も感じるぞ』

 

どうやら奏夜やトウヤが探していたホラーの力を持つ蛮神というのは、目の前にいる死神のような魔獣で間違いないようだった。

 

『感じる……。貴様らの中から忌々しいほどの輝きを……!』

 

ホラーの力を持った蛮神は、奏夜たちの姿を認識すると、このように呟いていた。

 

「貴様……何者だ」

 

奏夜は、鋭い目付きで死神のような魔獣を睨みつけながら、その正体を確かめようとしていた。

 

『我はハーデス。漆黒の闇と死を司る者なり』

 

どうやらホラーの力を持った蛮神は、ハーデスと呼ばれるみたいであった。

 

『ハーデスだと……!?どこかで見たことがあると思ったら、こいつ、冥府ホラーのハーデスじゃないか!』

 

どうやらキルバは、ハーデスと呼ばれるホラーの存在を知っているみたいであった。

 

『いかにも。我は蛮神と呼ばれし者でもあり、ホラーでもある存在なり』

 

このエオルゼアにも、漆黒の闇と死を司るハーデスと呼ばれる蛮神は存在するようであり、奏夜たちの世界にも、同じく闇と死を司る冥府ホラー、ハーデスが存在していた。

 

奏夜たちの目の前にいるのは、蛮神ハーデスと、冥府ホラーハーデスが合わさった存在であった。

 

『禍々しき光を感じる……。特に、貴様と貴様から……』

 

ハーデスは、その鋭い目付きで、奏夜とトウヤのことを見据えていた。

 

『数々の蛮神を打ち倒してきた忌々しき光を持つ貴様と、数々の魔獣を葬り去ってきた忌々しき光……。その輝き……。我が闇で消し去ってくれよう!』

 

ハーデスの瞳から怪しい光が放たれると、その光に奏夜とトウヤが包まれてしまった。

 

その光が消え去ると、そこにいたはずのハーデスの姿は消えており、さらには奏夜とトウヤの姿も消えていた。

 

「……!?トウヤさん!?それに、そーくん!!」

 

「き、消えたのですか!?」

 

「2人はいったいどこに!?」

 

トウヤと奏夜の姿が消えてしまい、穂乃果、海未、ことりの3人は動揺を隠せなかった。

 

それはこの3人だけではなく、他のメンバーも同様なのだが……。

 

「そーくん……。無事でいて……!」

 

穂乃果は奏夜が消えたことに動揺しながらも、奏夜の無事を祈っていた。

 

そんな中、ハーデスの放った光によってどこかへと姿を消してしまったトウヤと奏夜の2人は、ここがどこかわからない真っ暗な空間にいた。

 

「こっ、ここは……いったい?」

 

「キルバ、ここがどこだかわかるか?」

 

『まぁな。奏夜、こいつはまずいことになったぞ』

 

「?まずいこと?」

 

ここがどこだかわかっているキルバは深刻そうな声をあげていたのだが、そのことに奏夜は首を傾げていた。

 

『冥府ホラーハーデスは、輝きを放つ者を冥府の闇に落とす力を秘めており、奴は自らの闇の空間に獲物を閉じ込め、始末するみたいだ』

 

「ということは、ここは……」

 

『左様。ここは我が作りし空間だ』

 

奏夜はハーデスの特徴を聞いてこの場所を察した奏夜であったが、その前にハーデスが2人の前に姿を現していた。

 

「ハーデス……!」

 

奏夜とトウヤの前にハーデスが出現し、トウヤはハーデスのことを睨みつけていた。

 

『それを知ったところでもう遅い。我を倒さぬ限りここからは出られぬが、誰も我を倒すことは出来ぬ』

 

2人の前に立ちはだかるハーデスは、使徒ホラーと同等の力を持っているホラーであり、蛮神の力も併せ持つため、その実力は未知数であった。

 

「倒すさ……!俺は……。いや、俺たちは生きて元の世界に戻らなきゃいけないからな!」

 

「俺だってお前に負けるつもりはない!暁のメンバーとして、蛮神は倒さなきゃいけないからな!このエオルゼアのために!」

 

奏夜は全員で元の世界に帰るためにハーデスを倒そうとしており、トウヤは暁の血盟のメンバーとして、このエオルゼアを守るためにハーデスを倒そうとしていた。

 

『愚かな……。我の力で貴様らを漆黒の闇に叩き落としてくれよう!』

 

ハーデスは手にしていた鎌を構えると、奏夜とトウヤの2人を睨みつけていた。

 

そして、奏夜とトウヤは素体ホラーたちとの戦いから手にしていたそれぞれの剣を構えていた。

 

『奏夜。ここは奴の作り出した空間だから鎧の制限時間はない。だから、思い切りいけ!』

 

「そうなのか?……わかった!」

 

魔戒騎士の鎧は魔界より召還される。

 

その力を人界で使うと、99.9秒という制限時間が設けられている。

 

それを過ぎてしまうと、装着者の身に危険が及んでしまうのである。

 

しかし、魔界や、ホラーの力によって作り出された魔界に似た空間だと、鎧の制限時間はない。

 

この空間はホラーの力によって作り出された魔界に似た空間のため、鎧の制限時間を気にすることなく戦えるのである。

 

「蛮神の力を持った、冥府ホラーハーデス!貴様の陰我……俺たちが断ち切る!」

 

奏夜はハーデスに対してこのように宣言すると、魔戒剣を高く突き上げ、円を描いた。

 

その部分のみ空間が変化しており、奏夜は円から放たれた光に包まれていた。

 

すると、その円の部分から黄金の鎧が出現すると、奏夜は黄金の鎧を身に纏った。

 

こうして、奏夜は陽光騎士輝狼の鎧を召還し、その鎧を身に纏ったのである。

 

「!?黄金の……騎士!?」

 

『その忌々しき輝き……。貴様、黄金騎士牙狼か!』

 

「その間違いは本当に多いんだよな……。俺は牙狼じゃない!」

 

奏夜は黄金の鎧を身に纏っているため、時々牙狼と間違われることがあるのだが、奏夜はその度に間違いを正しており、奏夜はげんなりとしていた。

 

「その鎧……。お前もまた、光の戦士なんだな……」

 

「いや、俺はそんな大それたもんじゃない。俺は人を守る魔戒騎士だ!それ以上でもそれ以下でもないさ」

 

「魔戒騎士……。だったら、光の騎士って感じかな?」

 

「光の騎士か……。悪くない!」

 

トウヤの言った光の騎士という言葉を聞き、笑みを浮かべていた。

 

μ'sが初めて9人になった時、希が奏夜のことをこのように例えていたからである。

 

こうしてトウヤと鎧を召還した奏夜は、ホラーと蛮神2つの力を持ったハーデスに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

奏夜とトウヤの2人がハーデスに向かっていった頃、穂乃果たちは何もすることが出来ず、その場に立ち尽くしていた。

 

しばらくの間、穂乃果たちがその場に留まっていると……。

 

「……みんな!無事!?」

 

素体ホラーの大群を蹴散らしたと思われるサンクレッド、ヤ・シュトラ、イダ、パパリモの4人がやって来ていた。

 

「あれ?みんなだけ?トウヤとソウヤはどうしたの?」

 

「トウヤさんとそーくんは……」

 

「敵の力でどこかへと姿を消してしまいました……」

 

イダが周囲を見渡して首を傾げていると、穂乃果と海未の2人が事情を説明していた。

 

「敵は、ハーデスと名乗っていたわ」

 

「蛮神でもあり、ホラーでもあるって言ってたにゃ!」

 

「!?ハーデスだって!?」

 

敵の正体を絵里と凛から聞いたパパリモは、驚きを隠せなかった。

 

「昔、本で読んだことがある。冥府の闇の力で、迫り来る者を闇に包み込み、獲物を始末する蛮神がいるということを」

 

「だけど、ハーデスだなんて、ただの伝説だと思っていたわ」

 

「俺もそう思う。奴は他の蛮神と違って、蛮族が呼び降ろす訳ではないみたいだからな」

 

どうやらハーデスは、他の蛮神とは異なり蛮族がクリスタルの力を得て呼び降ろすという召喚方法ではないため、ヤ・シュトラもサンクレッドもその存在は伝説だと思っていた。

 

「だが、伝説が本当ならばトウヤもソウヤも危険だ。奴の力は相当なものだからな」

 

「そんな……!私たちに何か出来ないのでしょうか?」

 

「ハーデスの作り出した空間に飛び込む手段はないんだ。残念だが、今の僕たちに出来ることは……」

 

パパリモは悲痛な表情で対策がないことを伝えると、それを聞いたμ'sのメンバーの表情が暗くなっていた。

 

……穂乃果を除いて。

 

「?穂乃果?どうしたのですか?」

 

「みんな!あるよ!今の私たちに出来ることが!」

 

「穂乃果、それはいったい?」

 

蛮神について詳しい暁のメンバーですら対策がない中、穂乃果は何かを思いついたようであり、それを絵里が聞いていた。

 

「私たちの歌を……そーくんとトウヤさんに届けよう!」

 

穂乃果は、自分たちの歌を奏夜やトウヤに届けようと考えていた。

 

「ちょっと、穂乃果!本気なの!?」

 

「ニコの言う通りだ!だいたい、ハーデスの空間がどこにあるのかわからないのに歌を届けるだなんて」

 

「そうね。あなたたちがアイドルをしているのはわかったけれど、歌を届けるだなんて意味がないと思うのだけれど」

 

穂乃果の提案ににこは驚いており、パパリモとヤ・シュトラは、歌を届けるという行為に疑問を抱いていた。

 

「そんなことはない!私たちの気持ちが伝われば、きっとそーくんの力になる!」

 

「そうですね……。奏夜の力が高まれば、トウヤさんだってきっと……」

 

「うん!面白いと思うな!」

 

穂乃果の熱い思いに、海未とことりも共感していた。

 

「うん!やってみてもいいと思うにゃ!」

 

「私もそう思うよ!」

 

「そうね……。やってみる価値はあるんじゃない?」

 

「そうよ!何もしないで待ってるよりは遥かにましよ!」

 

「そうやね。ウチらの歌が、奏夜君の力になるのなら」

 

「やるわよ!みんな!」

 

穂乃果の歌を届けたいという提案は、他のメンバーも乗り気であり、本気でこの場で歌を歌おうとしていた。

 

「……本気なのか?」

 

「まぁまぁ、あの子達がやりたいならやらせてあげるといいよ」

 

穂乃果たちが本気で歌を歌おうとしていることにパパリモは驚いており、イダはそんなパパリモをなだめつつ、特に反対はしていなかった。

 

そんなイダの言葉にヤ・シュトラとサンクレッドも頷いており、穂乃果たちの動向を見守ることにした。

 

穂乃果たちは先ほどハーデスがいた場所まで移動すると、横一列に並んでいた。

 

すると、不思議なことが起こった。

 

先ほどまで別々だった穂乃果たちの格好が変化し、音ノ木坂学院の制服に変わったのである。

 

「!?これって……!」

 

「学校の制服……だよね?」

 

自分たちの格好が制服に変わったことに、穂乃果たちは驚いていた。

 

「みんな!やろう!これなら、私たちらしいパフォーマンスが出来るよ!」

 

戦うための装備からいつもの格好に戻り、穂乃果たちのモチベーションはさらに高まっていた。

 

「行くよ!……μ's!!」

 

『ミュージック……スタート!!』

 

穂乃果たちはいつものμ'sの掛け声をすると、どこからともなく音楽が流れてきた。

 

その曲は穂乃果たちが演奏したいと思っていた曲であり、穂乃果たちはどこからか流れた音楽に合わせて、パフォーマンスを始めていた。

 

 

 

 

 

 

使用曲→僕らのLIVE 君とのLIFE

 

 

 

 

 

 

 

 

……穂乃果たちが奏夜やトウヤに歌を届けるために歌い始めようとしていた頃、奏夜とトウヤは、ハーデスと激しい戦いを繰り広げていた。

 

しかし、ハーデスの力は強大であるため、苦戦していた。

 

「はぁっ!!」

 

奏夜は魔戒剣が変化した陽光剣を一閃するのだが、その攻撃はハーデスにかわされてしまった。

 

『フン……。愚かな!!』

 

ハーデスは反撃と言わんばかりに邪気の込もった衝撃波を放っていた。

 

「ぐぁっ……!」

 

「ソウヤ!……こいつ!!」

 

奏夜がダメージを受けるのを見ていたトウヤは、ハーデスにダメージを与えるために攻撃を仕掛けようとしていた。

 

『無駄だ!』

 

トウヤの剣がハーデスに迫る前にハーデスは衝撃波を放っており、それを受けたトウヤは吹き飛ばされてしまった。

 

「くっ……!」

 

奏夜もトウヤもハーデス相手にまともなダメージを与えることが出来ておらず、苦しい戦いになっていた。

 

『無駄だ。この空間は貴様らの力を弱め、我の力を高める。どう足掻いても貴様らに勝ち目はない』

 

ハーデスの説明通り、ここはハーデス特有の空間であるため、ここに招かれた者の力は弱まっており、ハーデスはその分力を高めている。

 

この空間のシステムを何とかしなければ、奏夜とトウヤに勝ち目はなかった。

 

そのため……。

 

「キルバ、何かないか?奴の空間の力を弱める方法は」

 

『残念ながら何もないぞ』

 

「くそっ……!万事休すか……!」

 

魔導輪であるキルバも対抗策は見つけられず、万策尽きた状態であった。

 

「諦めてたまるか……!みんなと一緒に元の世界に戻るんだ!」

 

万策尽きた状態であっても、奏夜は最後まで諦めていなかった。

 

「そうだな……。俺も、苦しい戦いはたくさん経験してきた。簡単に諦めるわけにはいかない」

 

奏夜だけではなく、トウヤもこの絶望的な状態であっても、諦めることはしなかった。

 

『愚かな……。そんな貴様らの希望、叩き斬ってくれるわ!』

 

ハーデスは、最後まで希望を捨てていない2人にトドメを刺すべく、鎌を振り下ろそうとしていた。

 

その時、どこからかわからないが、歌声が聞こえてきた。

 

「!?これは……歌?いったいどこから?」

 

「この曲は……穂乃果たちだ!」

 

奏夜やトウヤが聞いた歌は「僕らのLIVE 君とのLIFE」であったため、奏夜はこの歌がすぐ穂乃果たちが歌っていることに気付いたのであった。

 

『フン。歌が聞こえようとも、この状態に何の変化はない』

 

「……それはどうかな?」

 

『何?』

 

「みんなの歌が、俺に力をくれる!今の俺は、さっきまでの俺じゃない!」

 

穂乃果たちの歌を聞いた奏夜は、体の中から力が湧いてきていたため、先ほどよりは気合を入れていた。

 

『ハッタリを……。ならば、貴様から始末してくれるわ!』

 

ハーデスは鎌の切っ先に邪気を込めて、渾身の一撃にて奏夜を斬り裂こうとしていた。

 

しかし、奏夜はハーデスの鎌を陽光剣で受け止めるとそのままハーデスを弾き飛ばし、すかさず陽光剣を一閃して、ハーデスを斬り裂いていた。

 

『ぐぅぅ……!馬鹿な!この空間では、貴様は思うように力を発揮出来ないはず!』

 

「そうかもしれないな。だけど、今の俺たちには穂乃果たちの歌がある!だから、お前如きには負けないんだよ!」

 

奏夜は陽光剣を前方に突きつけると、ハーデスに対してこのように宣言をしていた。

 

『おのれ……!忌々しき輝きを放ちおって……!!』

 

ハーデスの力によって弱まっていたはずの奏夜とトウヤの中の光がまた大きくなっており、ハーデスは苛立ちを募らせていた。

 

「ソウヤ!俺の力を使ってくれ!光の戦士である俺と、光の騎士であるお前の力が1つに合わされば、こいつを倒せる!」

 

「わかった!お前の力を借りるぜ!トウヤ!」

 

奏夜は光の戦士と呼ばれているトウヤの力を借りることにしており、トウヤは精神を集中させた。

 

すると、トウヤの体から光が出現すると、その光は奏夜の中に入っていった。

 

「行くぞ!……光覇ぁ!!」

 

奏夜は、穂乃果たちの歌による声援によって奮起し、自身の魔導馬である光覇を呼び出し、奏夜は光覇に跨っていた。

 

その瞬間、トウヤから力をもらった影響なのか、剣は既に陽光斬邪剣に変化しており、さらに光覇の体に翼が生えていた。

 

「う、馬を呼んだ!?これがソウヤのマウントなのか?それに、翼が生えているなんて、まるでペガサスみたいだ」

 

トウヤは奏夜が呼び出した光覇を見て、驚きを隠せないようであった。

 

「蛮神の力を持ったホラー、ハーデス!!光を持った者を闇に落とそうとする貴様の陰我……俺が断ち切る!」

 

奏夜はハーデスに対してこのように宣言すると、翼の生えた光覇の力によって飛翔していた。

 

『おのれ……!これならどうだ!』

 

ハーデスは鎌を振り下ろすと、そこから邪気の塊を放っていた。

 

しかし、奏夜は飛翔する光覇をうまく乗りこなし、すべての攻撃をかわしていた。

 

『何だと!?』

 

「……この一撃で決める!」

 

奏夜は陽光斬邪剣を構えると、その切っ先に橙色の魔導火を纏わせ、烈火炎装の状態になった。

 

『させるか!』

 

迫り来る奏夜に備えて、ハーデスは邪気の塊を使って巨大なシールドを形成していた。

 

奏夜は陽光斬邪剣を振り下ろすと、その切っ先が邪気のシールドに直撃していた。

 

奏夜の陽光斬邪剣が勝つか。ハーデスのシールドが勝つか。

 

シールドの周りからは火花が飛び散っており、衝撃の激しさを物語っていた。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

奏夜はまるで獣のような咆哮をあげると、先ほどよりも、陽光斬邪剣を持つ力を強めていた。

 

すると、ハーデスの展開したシールドにヒビが出来たのであった。

 

『何!?』

 

「これで……終わりだぁ!!」

 

奏夜は陽光斬邪剣を振り下ろすと、そのままハーデスの体を真っ二つに斬り裂いたのであった。

 

『ばっ、馬鹿な……!冥府の力を持つ我が、こんな小僧に……!!』

 

ハーデスは、自分が倒されることが信じられないと言いたげな感じであり、その体は陰我と共に消滅した。

 

「よし!やったぞ!」

 

奏夜が見事にハーデスを撃破しており、トウヤは歓喜の声をあげていた。

 

奏夜は光覇をトウヤの近くまで移動させると、鎧を解除し、着地を決めた後に元に戻った魔戒剣を緑の鞘に納めていた。

 

そして、トウヤもまた、自分の剣を鞘に納めていた。

 

「……ソウヤ!やったな!」

 

「あぁ!」

 

トウヤと奏夜は互いに勝利を喜び合うと、ハイタッチをしていた。

 

すると、ハーデスの作り出したこの空間が徐々に崩壊していったのであった。

 

奏夜とトウヤは現れた空間の裂け目の中に飛び込み、仲間たちの元へと戻っていったのであった。

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

奏夜とトウヤの2人がハーデスの空間から脱出しようとしていた頃、穂乃果たちは歌を歌い終えていた。

 

ハーデスの作り出した空間で戦う2人の無事を祈って渾身の力を込めて歌った穂乃果たちは、最後まで歌い切ることにより、満足感に浸っていた。

 

「……良い歌だったわね」

 

「あぁ、そうだな」

 

「みんな、最高に可愛かったよ!」

 

「俺はもうファンになりそうだぜ!」

 

ヤ・シュトラ、パパリモは素直に穂乃果たちの歌に感心しており、イダとサンクレッドはそのパフォーマンスに魅了されていた。

 

「奏夜とトウヤさんは……大丈夫ですよね?」

 

「もちろんだよ!あの2人なら、きっと……」

 

穂乃果は奏夜とトウヤの無事を確信しており、そんな言葉に他のメンバーも無言で頷いていた。

 

すると、先ほど2人が消えたエリアから光が放たれ、その光が徐々に消えていくと、奏夜とトウヤが姿を現したのであった。

 

「……!?あれって!」

 

「トウヤさん!そーくん!」

 

奏夜とトウヤが無事に戻ってきた事実に穂乃果たちの表情は明るくなり、そのまま2人の元へと駆け出していった。

 

それは暁のメンバーも同様であり、同様に2人の元へと駆け出していったのである。

 

「奏夜!あの怪物を倒したのね!」

 

「あぁ!俺とトウヤ2人の力があったからこそ、奴を倒すことが出来たんだよ」

 

「凄いにゃ!流石はそーや君だにゃ!」

 

「うんうん。だけどウチは奏夜君なら勝つって信じてたけどね」

 

「それって、カードのお告げ?」

 

「もちろんや♪」

 

希は度々タロットカードを使って占いをしているのだが、今回も同じように占いをしていた。

 

あまりに希らしい行動だと思っていた奏夜たちは互いに笑い合っていた。

 

「……まさか、本当に伝説と呼ばれる蛮神を倒してしまうとはね……」

 

ヤ・シュトラはハーデスが実在したことに驚いていたが、奏夜やトウヤがそのハーデスを倒してしまったことを特に驚いていた。

 

「ソウヤの力添えがあったとはいえ、流石はトウヤだよな」

 

「うむ。トウヤには驚かせることばかりだよ」

 

「トウヤも今やエオルゼアの英雄だしね」

 

サンクレッド、パパリモ、イダの3人も、トウヤの偉業に驚いていた。

 

トウヤは最初は無名の冒険者だったが、様々な経験を積み、暁の血盟に加入したことで、様々な蛮神を討伐してきた。

 

そのため、暁のメンバーだけではなく、様々な人々から英雄と呼ばれるようになったのであった。

 

ここにいる全員が勝利を喜んでいたその時だった。

 

「……!あれ?これって……」

 

奏夜は自分の体に違和感を感じていたのだが、自分の体が少しずつ消えようとしていたのであった。

 

それは穂乃果たちも同様であり、穂乃果たちも困惑していた。

 

しかし、奏夜とトウヤはこれから何が起こるのかを察していた。

 

「……お前たち、戻るんだな。元の世界に」

 

「あぁ、そうみたいだ」

 

「!?それじゃあ、私たち、帰れるんだね!」

 

「でも……それって……」

 

穂乃果は元の世界に戻れることに喜んでいたのだが、それはすなわち、このエオルゼアで出会ったトウヤたちとの別れを意味していた。

 

「……みんな、そんな顔をするんじゃないわよ。ようやく自分の世界に帰れるのよ?もっと胸を張りなさい」

 

それを察した穂乃果たちは悲しそうな表情をしていたのだが、それをヤ・シュトラがなだめていた。

 

「そうだよ!自分たちの故郷に帰れるなら、胸を張って帰りなよ!それが……1番なんだから……」

 

「イダ……。お前……」

 

イダとは相棒であるパパリモは、イダの様子が少しだけおかしいことに気付いていた。

 

イダは仮面を付けているため、その表情を読み取ることは不可能だったが、その声色から、様子がおかしいことを読み取ることは可能だった。

 

「お前たちは、スクールアイドルだったっけ?それを頑張れよ!」

 

「そういうお前はこれからもエオルゼアのために戦うんだろ?お前も頑張れよ」

 

「あぁ、元気でな、ソウヤ」

 

「お前もな、トウヤ」

 

互いのことを認め合った奏夜とトウヤは固い握手を交わしていた。

 

すると、奏夜と穂乃果たちの姿が消え去り、そのまま元の世界へと戻っていった。

 

「……俺も頑張るから、頑張れよ、ソウヤ……」

 

奏夜たちの姿が消え去り、トウヤはこのように呟いていた。

 

トウヤたちは奏夜たちとの短い交流を思い出しているからか、しばらくの間、その場に立ち尽くしていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

「……くん!そーくん!起きて!」

 

「ん?んぁ……?」

 

穂乃果が奏夜のことを起こしていたため、奏夜は目を覚ますのだが、奏夜が起き上がると、そこは穂乃果の家であった。

 

「あれ?俺は……」

 

奏夜はボケっとしながらもキョロキョロ周囲を見回すのだが、そこは穂乃果の家の1階にある居間だった。

 

「もぉ!そーくんってば、起こしても全然起きないんだもん!」

 

どうやら奏夜はずっと寝ていたようであり、なかなか起きない奏夜に穂乃果は膨れっ面になっていた。

 

(!?もしかして、さっきのは夢だっていうのか?あれだけの体験をしたっていうのに……)

 

エオルゼアでの体験は自分の見た夢なのではないか?

 

そう考えてしまったら、奏夜の顔は真っ青になっていた。

 

「ところで、他のみんなは?」

 

「みんなならもうとっくに帰っちゃったよ。そーくんもなかなか起きないし……」

 

「そっか……。悪いな、穂乃果。どうやら俺、疲れてたみたいだ」

 

奏夜はここまでうたた寝をしていたのは、μ'sのマネージャーの仕事や、魔戒騎士の仕事が忙しいからと予想し、穂乃果に謝罪をしていた。

 

「謝らなくてもいいよ!私たちも解散するまで寝ちゃってたみたいだから」

 

「そうなのか?」

 

「それにしても、おかしな夢だったなぁ。私やみんながゲームの世界で冒険してるんだもん!」

 

どうやら穂乃果もまた、エオルゼアでの体験を夢に見ていたと思われた。

 

「穂乃果もか!?実は俺もそんな夢を見てたんだよ」

 

「そーくんもなの?実は、みんなも似たような夢を見てて、不思議だねって話をしてたところなんだよね」

 

どうやら穂乃果だけではなく、他のメンバーも同じ夢を見ていたようであった。

 

(!?みんなもなのか。だとしたら、あのエオルゼアでの生活っていうのは、夢じゃないのかもしれないな)

 

奏夜はそんなことを考えながらテレビの画面を見ると、穂乃果はさっきまでゲームをしていたようであり、穂乃果が作ったと思われるゲームキャラがその場で立ち尽くしていた。

 

「なぁ、穂乃果。これって……」

 

「そうそう!ファイナルファンタジーだよ!ヒデコたちに勧められて始めたけど、けっこう面白いんだよね」

 

穂乃果はクラスメイトからの勧めでこの「ファイナルファンタジー14」を始めたようであった。

 

(……俺たちが見ていた夢の世界って……。まさかな……)

 

「?そーくん?どしたの?」

 

「いや、何でもない。なぁ、穂乃果。俺もこのゲームに興味があるから、もうちょっとプレイの様子を見せてくれないか?」

 

「うん!もちろんだよ!」

 

奏夜が目を覚ましたことにより、穂乃果はプレイを再開し、奏夜は隣でその様子を見守っていた。

 

こうして、奏夜たちは普段と同じ日常へと戻ることになったのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

……終

 

 




戦闘シーンがFF14より牙狼寄りになってしまった。

でも、その方がFF14未プレイの方もわかりやすいかなと思いまして。

細かいスキル回しを書いたとしても未プレイの方はわかりにくいですし、僕が使ってないジョブもあるので。

今回戦ったハーデスは使徒ホラー並の力があると言っていましたが、時系列は本編に沿ったものではないので、本編より奏夜が強くても不思議ではないと思います。

本編よりも早く、奏夜のパワーアップ態が登場しましたが、翼の生えた光覇を今後出すかどうかは未定です。

さて、次回はまた本編に戻りたいと思っています。

次回からはいよいよ二学期に突入するため、ストーリーは大きく動いていきます。

これから奏夜たちを待ち受けるものとは?

次回も投稿が遅くなるとは思いますが、なるべく早く投稿したいと思っていますので、次回を楽しみにしていて下さい!


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