やはり俺がGF文庫編集部で働くのは間違っている。   作:Balun

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一年ほどほったらかしていた小説ですが、良かったらどうぞ。
もし、待っていてくださった方がいたらごめんなさい。


同じく、編集者たちも飲まずにはやってられない。

ざわざわと人の多い場所特有の雑多な雰囲気と様々な人の声、そして食べ物の美味しそうな匂い。さて、問題です。俺こと比企谷八幡がいるここはどこでしょうか?

 

 

 

 

 

はい、正解‼答えは、そう‼居酒屋です。正解者には八幡ポイント十点を差し上げちゃいます。

……はい、ごめんなさいちょっとふざけました。でもしょうがないと八幡思うの……。だってこんなカオスな空間俺もう帰りたいもん……。ふざけでもしないとやってられないんですけど。なぜなら今、俺の目の前にはべろんべろんに酔った後輩と何故か半裸で踊ってる我が編集部の男どもがいるのだから……。

 

 

 

「ちょっと、せんぱーい、聞いてますかー?わらしのお話ちゃんと聞いてくださいよー」

 

 

「はいはい。聞いてる聞いてる。いろはすは頑張ってる頑張ってる」

 

 

「むー、先輩最近ちょっとわたしの扱い雑じゃないですかー?

はっ、何ですか口説いてるんですかちょっと下の名前でよんでくれてちょっとドキッとしましたけどそもそもわたしの名前いろはすじゃないですし呼びたいならちゃんといろはって呼んでくれないとダメですごめんなさい」

 

ふぇぇ、いろはすめんどうくさいよぉ。

素面の時でさえ面倒なのにお酒が入ると何倍も面倒くさくなるんだよなぁこいつ……。

ええい、ベタベタするな体に触れるなちょっとはだけるな勘違いしちゃうだろうが。

 

 

「一色もうその手に持ってるので止めておけって。明日になって後悔するのはお前だぞ、今の時点で大分危ないから。例えばに俺の会社での評判が。」

 

 

何故そんなことがわかるかというと少し前にも一色と二人で飲みに行ったことがあったのだか酷かったのだ……。

 

何が酷いかというとまず酒癖。大して強くもないくせにガンガン飲む、暑い暑い何て言いながら上着は脱ぐ、ボタンは大分際どいところまで開ける、終いにはもたれ掛かってきて

 

 

 

「せんぱーい、わたしーもう歩けないのでー送ってくださいよー」

 

 

 

なんて言ってくる。その日はちゃんと何事もなく送ってやったが俺じゃなかったらきっと送り狼になってたはずだ。一色は俺の鋼の理性に感謝するべきである。

そしてもうひとつは次の日に起こった。二日酔いでフラフラしていたし、昨日のことを覚えていたのか覚えていないのか俺と顔を会わせると真っ赤になって逃げられるし、自分から

 

 

 

「先輩……わたし、昨日の最後らへんの記憶が曖昧で……何があったのか教えてもらってもいいですか?」

 

 

 

なんてことを聞いてに来た。当然回りにいた編集部の同僚達からは白い目で見られるしどこから漏れたのか俺の担当している作家達にまで伝わっており、その日から暫くの間はからかわれてばかりだった。俺だけが。

 

 

「大丈夫だよ。一色ちゃん。べろんべろんに酔っぱらっても比企谷がまた一色ちゃんの家まで送ってくれるだろうし」

 

 

「おい、ふざけんな土岐。何で俺が送ってやることになってんだよ。今日は山県さんとか他にも女の人がいるじゃねぇか」

 

 

「だめよー。比企谷君。私達これから女子だけで別のお店行くんだから。一色さんはもう無理でしょ?送ってあげなさいよ」

 

 

どんだけ飲むんだよこの人達……。この店だけでも大分飲んでるだろ……自分達の目の前のテーブル見てみろよ、空いてるグラスばっかりじゃねーか、なんなら男連中より飲んでるまである。いや、俺以外の殆どは頭にネクタイ巻いて踊ってるんだけどね……。

もうやだ、こんな職場……。やはり俺が働くのは間違っている。

 

 

 

「せんぱーい、コップ空ですよー、はい、おかわりどうぞー」

 

 

「おう、サンキュな。……っておいまて、一色、この酒度数ヤバいヤツじゃねぇか俺、こんなの飲んだことねぇぞ」

 

 

「えへへー、先輩ぐいっと‼一気にぐいっといっちゃってください」

 

 

「え、待って、何?お前俺に何するつもりなの?」

 

 

 

もしかして酔っぱらせて財布の中身とか抜かれちゃうのかしらん。それともなんか怪しい壺とか絵とか買わされちゃうとか。

 

 

 

「だって先輩二人きりでご飯食べに行くっていう約束したのにいつまで経っても連れてってくれないんですもん」

 

 

「いや、それはあれがあれであれだったから……。ほら、俺もお前も最近忙しいしな」

 

 

 

学生時代の将来の夢は専業主夫1で択ゲーですらなかったはずなのに高校でも、大学でもと俺を養ってくれる女性は一向に現れず、気がつけば大学は卒業し、なぜだか編集者として就職してしまっている俺ガイル。一体どこで間違えたんだろうか俺は……。

 

 

 

「そんなこと言って、結衣先輩とのデートの約束卒業するギリギリまで延ばしたらしいじゃないですかちゃんと知ってるんですよわたし」

 

 

「デートじゃねぇよ。たたハニトー食べに行っただけだしかも何故か途中から雪ノ下とお前も混ざってきたし」

 

 

 

あの時はほんとビックリしたわ、映画見終わって映画館でたら出口でお前ら二人とばったり出会っちゃうし、つい雪ノ下が由比ヶ浜だけでは飽きたらず一色とも百合百合して奉仕部での俺の居場所がさらに無くなっちゃうとこまで想像してしまったじゃねぇか。

 

なんだそれちょっと見てみたいな、ぴったりくっつきあってる女の子…すごくいいと思います(小並感)

由比ヶ浜も雪ノ下と一色という組み合わせにはビックリしてたみたいだしな。口のはしがピクピクして正直ちょっと面白い顔になっちゃってたし。

 

 

 

「ふぐっ、せ、せんぱいなんかわたし気持ち悪くなってきました。トイレ、トイレに連れていってください。」

 

 

「待て、ねぇちょっと待て一色。いや、一色さん!トイレそこ!すぐそこだから戻すなよ!」

 

 

「む、無理です。せんぱい。あ、でもせんぱいがよしよししてくれたら我慢できる気がします。」

 

 

「実は余裕あるだろお前!ほら、早く来い!トイレまで連れていってやるから」

 

 

「なんですか誘ってるんですか?酔って色っぽくなったわたしにくらっと来ちゃって我慢出来なくなっちゃったんですか?そんな強引なせんぱいも良いですけどそういうことはちゃんとしたムードじゃないと嫌です。ごめんなさぁ、ぅぐ…おげぇぇぇぇ」

 

 

「え、ちょっ、まっ、それ俺の上着!一色ちゃんそれ俺の!」

 

 

「うるせぇ!土岐!お前もこっち来て踊れ!」

 

 

「いや、ボス!?これ見てそんな事言えんの?俺の上着ゲロまみれだよ?あの妹馬鹿みたいじゃん!」

 

 

「うへへへへ、せんぱーいもう大丈夫です。なんかスッキリしましたー。あれ、せんーぱい?どこですかー?」

 

 

 

……もう知ーらね。帰ろうっと。

 

 

 

 

 


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