覇王はどう転んでも覇王なのだ!   作:つくねサンタ

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ネムのセリフで所々平仮名が使われていますが仕様です。
それと新カルネ村編の各小話の表記方法を変えました。





新カルネ村2

・ネムの冒険

 

 ネム・エモット。カルネ村の村長兼団長であるエンリ・エモットの実の妹である。カルネ村に住む人間種の中で最も幼く、最も純粋な人物である。

 そんな彼女には最近悩みがあった。自分は姉と違って何も村の役に立てていないことだ。どうすれば姉の役に立てるだろうか毎日必死に考えていた。今現在このカルネ村には様々な生き物が暮らしている。ゴブリン、オーガ、トロール、人間、覇王、エルフ、ドライアード、魔狼(ヴォルフ)、バーゲスト、バーゲストリーダーなどだ。戦力としては申し分ない。ではネムはどうやって活躍すればいいんだろうか。

 

「ネムさん。どこ行くんすか?」

 

「俺らもお供するッす」

 

「ワンワン!」

 

「あ、みんなー」

 

 そんな風に悩む彼女の元に現れたのは魔狼(ヴォルフ)に乗ったゴブリンライダーたちだ。彼らはその機動力を生かして狩りをしたり、村の周辺警備をするのが仕事だ。村にいる彼らは休みも兼ねた村警護の日なのだろう。

 

「ネム、なんかすごいことしたい」

 

「俺もしたいっす」

 

「ドラゴンとか倒してみてーよな」

 

「わふぅ…」

 

「グさんとかハムスケさんなら難しくねーんだろうけど、俺らじゃ無理だろ」

 

 ゴブリン達がエンリの配下に入ってからもうすでに四カ月近くが経過している。言葉もだいぶ聞きとりやすい普通のもになっていた。

 

「そんなことないよ。みんなすごいよ」

 

「え!?ネムさんあんまほめないでほしいっす」

 

「照れるッす」

 

「わんわん!」

 

 ゴブリン達の表情もだいぶ分かるようになったネムにはゴブリン達が頬を染めたのが分かった。でも今したいのはお喋りではないことに気が付き、もう一度ゴブリン達に問いかける。

 

「ネムに出来ることないかな?」

 

「んー、団長はいそがしい方っすから家事とかしてあげるとすげー楽なのでは?」

 

「エルフの人達がやっちゃうの」

 

「あー、それは仕方ねぇっすよ。あの人達ブレイン師匠にべた惚れっすから」

 

「そうなの?」

 

 なんとなくそんな気はしてたがやっぱりそうだったのか。ネムは自分と一緒に住んでいるブレインのことをかいがいしく面倒見るエルフ達のことを思い出して納得した。

 

「でもそんなエルフ達にも団長は尊敬されてる。すげーっす!」

 

「ああ、団長まじかっけえよな。しびれる」

 

「うん。お姉ちゃんかっこいい」

 

 ゴブリン達の意見にはネムも全面的に同意する。特にンフィーレアがいなくなってからの姉は今までとは違うかっこよさを身に着けていた。それはただ強いだけの人間には出せない魅力だ。

 

「お姉ちゃんの役に立ちたい…」

 

「……そうっすね。村の中を視察してみますか?なんかいい考えが浮かぶかもっすよ」

 

「確かにそうかも。こいつの言う通り村の中を視察してみましょうや」

 

「しさつかー。うん。しさつする。行こう!」

 

 ネムが先頭に立って彼らは歩きだした。最初に向かう先は人間が暮らしている家が集中しているエリアだ。

 

「あら、ネムちゃんおはよう。コレドライアードさんに貰った林檎なんだけど食べきれなくてね。貰っておくれ」

 

「おうネムちゃん今日も元気だね」

 

「あ、ネムおはよう。いい天気だね」

 

 この村に住んでいる人間はネムを含めて23人。そのうち20人は畑を耕す農民である。ゴブリン達のうち、ライダーではないフォーマーゴブリン達と一緒に畑を耕している。

 

「おはよう!」

 

「はよっす」

 

「どもっす」

 

 林檎を手に入れたネムは腰に付けた袋に入れる。おやつとして後で食べるのだ。

 

「そーだ、ドライアードのところ行こう」

 

 ネムが続いて向かったのはピ二スンがリーダーを務める果樹園だ。ここではおもに林檎を栽培している。ネムが行くと十人ほどのドライアードが熱心に働いていた。

 

「ピ二スンおはよー」

 

「あ、ネムじゃん。おっはー。何してんの?」

 

「しさつー」

 

「それは御勤め御苦労さまです!あ、そうだコレ訓練場から飛んできたんだけど返して置いてくれない?」

 

 ピ二スンから渡されたのは粗削りな木刀だった。訓練のために使っているもので、大きさから見てゴブリン用の木刀のようだ。

 

「分かった持ってく。それでピ二スン。問題はありませんか?」

 

「ないかなー。あ、林檎以外の果樹園も普通に作れると思うって団長に言っといて」

 

「りょーかい!」

 

 びしっとポーズを決めたネムにピ二スンは笑顔で手を振ってから仕事に戻って行った。

 

「次はくんれんじょだね」

 

「師匠のとこっすか」

 

「うん。私もブギ使ってみたいなー」

 

「結構難しいっすよ武技って」

 

 えいやっ、と木刀を振るネムにゴブリンライダーが苦笑い気味に言う。それに対しネムは不思議そうに首をかしげた。

 

「そうなの?グとかポンポン新しいのつかってるけど」

 

「あの人は天才っすから。俺らは《斬撃》と《外皮強化》しか使えないっすよ」

 

「そっかー。難しいのかー。あれ?でもお姉ちゃんも使ってたよね?」

 

「団長は適当にやったらできたとか言ってたっすけど、普通じゃ無理っすから」

 

 ネムの中でのお姉ちゃんかっこいい度がまたさらに上昇した。もうネムの中でエンリは英雄になりつつある。そしてそれはそんなに間違っていない。

 

「ブレインさん、いる?」

 

「いるぞ。なんだ?」

 

「木刀届けに来た」

 

「おー、あんがと」

 

 訓練場とはカルネ村の外にある広い草原で行われてるブレインによる武技講習広場だ。エモット亜人傭兵団の戦闘要員はここで武技を習う。

 

「何してるの?」

 

「今バーゲストの補習してるんだ」

 

 ブレインの視線の先には一匹のバーゲストがいた。補習の対象はあのバーゲストなのだろう。

 

「ほしゅうってなにするの?」

 

「あいつだけまだ《外皮強化》の武技が使えないんだよ。鎖を使ったスキルを使うとあの鎖の鎧がなくなるからな。《外皮強化》は必須武技なんだが、手間取っててな」

 

「ふーん」

 

「ま、そんなに明確な差があるわけじゃないけどな。一番速く習得した奴と二日差ってところか」

 

 それだけ言うとブレインはバーゲストの方に寄って行って教示を始めた。しかし、ネム達が出て行こうとすると思いだしたように振り返ってネムの方を向いた。

 

「そう言えばリイジーの奴が探してたぞ。行ってみたほうがいいかもな」

 

「そうなの?じゃあ行ってくる」

 

 次の目的地はリイジー婆の住む家、通称薬屋。

 

「リイジー、来たよ」

 

「おお!よく来たねネム。実はわしの薬草採集の手伝いをしてほしいんだよ」

 

「いいよー」

 

 薬屋に行ったネムを出迎えたのはリイジーとその護衛達。おそらくリイジーが薬草採集に行くにあたってエンリから借り受けたのだろう。トロールが三体とオーガが六体。

 

「ネムさん。俺らはここで」

 

「また遊んで下せえ」

 

「じゃあさっそく行こうかね」

 

「うん。いこー」

 

 ゴブリンライダー達はカルネ村に残る。彼らにとってはエンリが定めたルールが絶対なのだから、村警護が仕事である日に森には入ろうとしない。

 ゴブリンライダーたちと別れたネムはここでも先頭を歩きだす。その後ろにリイジー。そしてそのさらに後ろに巨体の亜人達がぞろぞろと続く。非常にシュールな光景だ。

 

「よし、ここらで採集をする。周辺の警戒は頼んだよ」

 

「おう」

 

「まかせな」

 

 トロールやオーガが低い重圧感あふれる声でリイジーにこたえる。ネムはそれを見てからそっとその場を後にした。妙な気配を感じたからだ。最近のネムの感覚の鋭さはエンリも驚くほどのものがある。

 ネムは自身の勘に従って森を進んで行く。そして、リイジー達の元から百メートルほど離れた場所でそれに出くわした。十メートルを超える巨大な体躯、王冠の様なトサカ、八本の足。ネムは知らなかったが、それは一匹で町を壊滅させることもある難度80を超えるモンスター、ギガントバジリスクだ。

 一番やっかいなのは「石化の視線」というスキル。その瞳に見つめられた者は対策が無ければそのまま肉体が石になってしまう。

 

「けがしてる」

 

 しかし、ネムの言う通り目の前のギガントバジリスクは両目を潰されており、能力は発動しなかった。しかもそれだけではなく、体中ぼろぼろで死にかけと言ってもいいありさまだった。

 

「なおしたげるー」

 

 ネムは腰のポーション入れから治癒のポーションを全て取り出した。目の前にいるモンスターの傷を治してやるつもりなのだ。普通ならそんなことはしない。しかしネムにとってモンスターとは単なる敵ではなく、分かりあえる敵であった。それに自分の姉がハムスケと仲良くなった切っ掛けもポーションで相手の傷をいやしたのが始まりだったと聞いている。

 

「うごいちゃだめだよ」

 

 ネムは五本のポーションをギガントバジリスクの怪我してる部分に振りかけていく。そして、全てのポーションを使いきるころにはギガントバジリスクの状態はかなり良くなっていた。

 ギガントバジリスクが目を開こうとする。しかしネムはそれを抱き付くことで止めた。「石化の視線」を警戒したのではなく、いきなり目を開けることを危惧したのだ。

 

「いきなり開けちゃだめ!ゆっくり開けるの!痛いでしょ!」

 

「グルル」

 

 その場にネム以外――エンリも除く――の人間がいたら驚いただろう。漆黒聖典に所属しているテイマーがいたら腰を抜かしたかもしれない。ネムの命令に対してギガントバジリスクが軽く喉を鳴らして素直に従ったのだから。

 

「ゆっくりだよ?」

 

「グルル」

 

 ギガントバジリスクはゆっくりと目を開く。あらかじめ「石化の視線」の効果は切ってあったのか、ネムが石化することは無かった。

 

「はじめましてー。私はネムって言うんだよ」

 

「グルル」

 

「名前無いの?じゃあ私が付けてあげる!お姉ちゃんとハムスケもお互いにあだなをつけあったって言ってた!」

 

 ネムは楽しそうに考え込む。ギガントバジリスクはそんなネムのことをじっと見守っていた。

 

「じゃあね、キバクロ!キバクロのあだなはキバクロね!」

 

「グルル」

 

 キバクロと名付けられた彼の対応はどうでもいいとばかりの鳴き声だったが、ネムは喜んでいると勝手に解釈した。

 

「じゃあキバクロもこれからは村人だね!」

 

「グルゥ?」

 

「村人っての言うのはね、仲間なんだよ!だからキバクロも他の仲間を襲ったりしちゃだめだよ?」

 

「グルル」

 

 キバクロは全く分からんとばかりに喉を鳴らす。でもとてもうれしそうに笑うネムに毒気が抜けたのか、もう一度問いかけることはしなかった。

 

「じゃあリイジーのところに戻ろう!リイジーはね、キバクロに使ったポーションとか作ってくれた人なんだから襲っちゃだめだよ?」

 

「グルル」

 

 ネムに対するキバクロの返事は不満げな唸り声。しかしそれは襲ってはいけないことに対する物ではなく、誰かれ構わず襲うと思われていることに対する不満だった。

 

「じゃいこー」

 

 ネムはまた先頭を歩きだす。その後ろにキバクロが付いて行く。

 

 お姉ちゃんを助けたいと願うネムは、こうしてまた一つ姉の頭痛の種を増やすことに成功したのだった。

 

 

ネムの戦力(カルネ村に統合)

 

ネム・エモットLV2

レンジャー(ジーニアス)LV1

テイマー(ジーニアス)LV1

備考

カルネ村の隠れた天才(隠れきれているとは言っていない)

 

キバクロ  LV27

ギガントバジリスクのオス

備考

この小説でのギガントバジリスクの「石化の視線」はアクティブスキルということにしています。

パッシブだとせっかく捉えた獲物も食べられなくなるし、ちょっとあたりを見渡しただけで森が丸ごと石になってしまうので。

 

 

 

 

 

 

 

・カルネ村大宴会

 

 フレアドラゴンを倒した。その報がエンリの耳に届いたのはエンリが昼ご飯を食べていた時のことだった。エンリは口の中に含んでいたスープを盛大に噴き出した。

 

「え?というか、はい?え、まじですか?ドラゴンってあのドラゴン?」

 

「そっすよ?何を勘違いしたのか訓練場に襲撃かましてきたんでみんなで袋にしたんですが」

 

「そうなのかー、みんな強くて頼もしいなー」

 

「あざます!」

 

 褒めてないんだけどなー、とエンリは遠い目で目の前で恐縮してるゴブリンを眺める。本当に最近はとんでもないことばかり起きる。

 ネムが連れ帰ってきたギガントバジリスクのキバクロのこともそうだが、そのキバクロが対峙した直後に恐怖で動けなくなるほど強くなっているグ。意外と教えるのがうまくて亜人達をがんがん強化してるブレイン。いつのまにか村に住みついていて、掃除をしてくれているスライム達。

 そして今回のドラゴン討伐だ。

 

「で、今どんな状況ですか?」

 

「ドラゴンの肉を燻製肉にするか、宴会でぱーっと使ってしまうかで揉めに揉めてます」

 

「そこで!?もっとこう、いやもう倒しちゃってるんだしいいのか」

 

 エンリは額に頭をやり、悩む。そして決断した。

 

「宴会やりましょう。村を上げての大宴会です。皮や牙、骨などは装備品にしますのでちゃんと取っておいてくださいね」

 

「合点です!伝えてきます!ひゃっはー!宴だー!」

 

 ゴブリンは奇声を上げて魔狼(ヴォルフ)に乗り、飛び出していく。エンリはそれを見てから残りのスープを掻き込んだ。

 

「ま、いいことですよね。フレアドラゴンの皮を使えば炎に耐性のある装備品が作れるでしょうし」

 

 特にグには欲しかった装備だ。グの弱点は炎と酸だけなのだから。その手段を封じればアダマンタイト級冒険者にも一方的に勝利できるだろう。

 

「さて、宴会の準備をしましょうか」

 

 エンリは立ちあがって伸びをする。いそがしくなりそうだ。

 

 そして夕方。訓練場と呼ばれている草原にはでかでかとキャンプファイアーが作られ、巨大なドラゴンの頭が置かれている。そして村人全員の視線を集めるのが杯を掲げるエンリ。

 

「それでは、カルネ村の平穏と繁栄を祈って!乾杯!」

 

『うをおおお!!』

 

 村人が一斉に声を上げる。そこにはエンリへの信頼と喜びがあった。

 

「うめえ!」

 

「これうまいっす!」

 

「ドラゴン肉おいしい!」

 

「わんわん!」

 

 カルネ村の戦闘要員達は肉に群がる。大人の人間達はお酒を嬉しそうに飲み、子供たちはドライアード達の作った林檎で作られた林檎ジュースを飲む。

 カルネ村の林檎はエ・ランテルで売られているものに比べてはるかに糖度が高い。それがドライアード達によるものなのか、トブの大森林に生えていた林檎だからなのかは謎だが。

 

「おい団長、飲んでるか?」

 

「飲んでませんよ。部下にお酒禁止を言い渡した私が飲むわけにはいかないでしょう」

 

「そういうなよエンリちゃん!」

 

「まあ飲めって村長」

 

「せっかくの宴なんだから」

 

 トロールやオーガが酔って暴れ出したら大惨事になる。そのために亜人達とモンスターたちにはお酒禁止を言い渡していた。でもブレインだけではなく、他の男達もお酒を進めてくる。

 

「分かりましたよ!飲みます」

 

 エンリはブレインから渡されたお酒を一気にあおる。それを見て口笛や歓声が飛ぶ。

 

「おお、団長いい飲みっぷりじゃねえか」

 

「あ?」

 

「え?」

 

 時が、止まる。ブレインは冷や汗を流しながらエンリの顔色をうかがう。その顔色は赤く、目が据わっている。

 

「(や、やばい気がする)」

 

「てめえ誰に向かってタメ口聞いてんだぼけぇ!!」

 

「ぐべっ」

 

 ブレインの頭が地面にたたきつけられ、地面に置かれていた料理が散らばる。

 

「だ、団長?」

 

「あん?」

 

「な、何でもないです」

 

 恐る恐る声をかけたトロールはエンリに睨みつけられてすごすごと退散する。

 

「はっ、今一瞬意識飛んでた」

 

「ブレイン、注げ」

 

「ちょっと待て!団長!」

 

「敬語使えって言ってんだろうが!」

 

「ごるば!」

 

 エンリのアッパーがブレインに決まる。ブレインは数メートル吹き飛ばされた。

 

「ちっ、お前のせーでなぁ、私は団長って呼ばれることになったり、筋肉がついたりしてんだよ」

 

「後半俺関係ねーじゃん!?」

 

「ああ?」

 

「すいません!」

 

 エンリに胸元を締めあげられ、ブレインは今までに感じたことのない恐怖を体感する。

 

「つーかフレアドラゴンうめえな。よくやったぞブレイン」

 

「あ、あざっす」

 

 エンリはドラゴンの骨付き肉にがじがじと食いつく。

 

「……私たちもずいぶん大きな組織になったなー」

 

 エンリはあたりを見渡し、しみじみと呟いてから意識を失った。

 

「……今のが団長の本気」

 

「まじやべえ」

 

「ああ、まじかっけえ」

 

「団長超すげえな」

 

「エンリちゃんあんなアグレッシブだったんだねぇ」

 

「もうこいつに酒は飲ませねえ」

 

「それがしが姫を運ぶでござる」

 

 村人は宴に戻る。今のエンリの暴走を無かったことにして。宴は夜遅くまで続いた。

 

 




ちなみにネムのギガントバジリスクに大けがを負わせたのは西の魔蛇という設定です。

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