本編をどうぞ!
研究所にあった機材等の積載作業を始めてから2時間経過。
リエに頼んでベースジャバーをMSごと研究所の入り口前に持って来て貰った。
彼女がクロエと対面したときは2人して口を開けてフリーズしていたのでゲンはどうすればいいのか分からずとりあえず放置。
ベースジャバーに取り付けられたコンテナの中に必要なものを載せていく。
荷物が思っていた以上に多かったので全部入り切れるのか不安だったが、うまく整頓しながら積載したので無事全部載せることができた。
あとは着替え等の日用品をコックピットにポン投げするだけだ。
クロエと名乗る銀髪の少女から荷物を受け取りコックピット下部に積載する。
「・・・・あれ、これだけ?」
「・・・はい」
「あぁ・・・そうなんだ、了解」
普通生活していたら着替えや日用品とかは大きな段ボールが2箱くらいになる。
・・・・まぁ人にもよるが、女の子にしては少なすぎる。
なぜならクロエが持ってきた荷物は大きなキャリーケース1個だけだから。
これにて作業は終了、あとは撤収して艦に戻るだけだ。
機体から降り束がどこにいるのか周囲を見渡す。
「・・・束様なら研究所の中にいます」
クロエが教えてくれたと同時に束が研究所から出てきた。
スキップしながらこっちに向かってくる束の手には・・・なにやら怪しげなリモコンが握られていた。
「おっまたせ~!!これで作業は完了かな!」
「うん、作業が終了したのは分かった。・・・・けどその手にある怪しげなリモコンは何?」
「ん~?これのことかな?」
彼女はリモコンを堂々と見せつける。
リモコンの中央にボタンには核マークが刻まれていた。
「いやいやまずいだろ!?」
こうも簡単に核が出て来た事に驚いたのはもちろん、彼女が研究所だけじゃなく島そのものを消滅させる気満々だったことに物凄く驚いた。
リエもMSのメインカメラのズーム機能を使い束の持つリモコンを見てドン引きしていた。
「研究所を跡形もなく消すにはこれしかないんだよ!悪用されたら困るから!」
「それはそうだけどさ・・・!」
「さぁさぁ!早くこの研究所を消し飛ばしたいから避難しよっか!!」
そういって束は膝をついて待機しているスタークジェガンへとダッシュ。
そんなハイテンションな彼女を歩いて追うクロエ。
「世界遺産かもしれない遺跡の改造に地下建設、終いには島ごと核で消滅。・・・これなんて報告すればいいんだろう」
<・・・私は何も見てないし知らないわよ?>
リエの操るスタークジェガンが頭部を横に動かし顔を逸らす。
「おいこら、MSの頭部を使って顔を逸らすんじゃない」
<いい天気ねぇ~>
ダメだ、完全に現実逃避している。
「お~い!何やってんのさ!早くしないとゲンも蒸発しちゃうよ~?」
「なんて物騒な・・・」
考えるのをやめたゲンはMSに乗り込む。
リエから補助席を借りてコックピットシートの横に取り付ける。
そこにクロエを座らせる。
「揺れるからシートベルトはしっかり締めて」
「・・・分かりました」
束はすでに準備完了。
準備ができたのを確認したゲンはMSを起動、動力が始動し駆動音がコックピットに伝わる。
コックピットハッチを閉鎖し、収納されていたモニターが正面に展開される。
展開されたモニターに機体ステータスが表示され異常がないことを確認。
周天囲モニターが外の周囲を映し出す。
地上に敵らしき者はいない。
隣にはリエのMS。
味方なので友軍マークが表示されリエの機体を捕捉し続けている。
機体をベースジャバーに乗せ上昇、一定の高度に達したので発進する。
「これより帰隊する」
〈ノーベンバー4了解〉
操縦捍を軽く握り、フットペダルを踏んで前進を開始した。
徐々に島が遠くなっていく。
クロエはその島を眺め続けていた。
「さて、距離も充分離れたからやっちゃうね」
「本当にやるんだ・・・。けどクロエが名残惜しそうに眺めてるから待っててあげなよ」
「いえ、私は・・・」
「それもそっか。くーちゃん、やっぱり離れるのは嫌だったかな?」
「私は大丈夫です、気にせず行ってください」
それを聞いた束は頷き、離れていく島を見つめながら手にしているリモコンのボタンを押した。
その後、島が消滅し世間は大騒ぎとなった。
読んでくれてありがとうございます!
次回からペガサス・コーウェンが本格的に動き出します!
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