大変長らくお待たせいたしました!(>_<)
遅くなりましたが更新します!
本編をどうぞ!
千冬達が日本へ帰ってから1週間。
ペガサス・コーウェンの乗員は今日も慌ただしく艦内で作業をしていた。
今彼らが行っているのはペガサス・コーウェンの改修工事。
改修工事を決定したのには訳がある。
それは千冬達が帰国してから翌日のことである。
「ペガサス・コーウェンを完成させる」
「「完成させる??」」
ユウ艦長のその一言で艦橋に集められた手空きのフォード達は疑問に思った。
完成させるも何も、すでにペガサス・コーウェンは完成しており海面ではあるがこうして航行している。
この世界に来る前は宇宙で航行出来ていた。
ドゴス・ギア級2番艦の予備として造られたが、ペガサス・コーエンは3番艦として充分役割を果たせている。
完成しているはずなのに「完成させる」とは一体どういう意味なのだろうか。
「確かに、諸君の思っている通りだ。しかしあくまでもこの艦は予備艦だ。詳しくはベネズ中佐が説明する」
ベネズ中佐は資料を艦橋にいる全員に配り、艦の大型モニターを使って説明を始める。
「ドゴス・ギア級3番艦は2番艦ゼネラル・レビルの予備艦として急遽建造されたのは事実です。そのため、2番艦との違いは全くありません。しかし司令部ではある話が持ち上がっていました。ロンド・ベル隊の旗艦であるラー・カイラムが地球でミノフスキー・クラフト・エンジンを搭載し地球での重力下試験を実施していたようで、その試験をこの艦にもやらせようという意見があったとのことです」
「待ってください中佐」
話の途中でフォード隊長が待ったをかけた。
「3番艦、いやドゴス・ギア級自体が宇宙での運用を前提に造られている筈では?」
「確かに、もし地球でも運用ができるとしたら艦の裏にも設置されているカタパルトデッキはどうなるんです?重力下で逆さまになって射出なんて恐ろしい事、俺たちパイロットには出来ません」
フォード隊長の意見にハリヤ中尉も続いた。
重力下で逆さまになってのMS射出。
パイロットからしてみれば恐怖でしかない、逆さまになって落ちるのと一緒だからだ。
「そこは私も疑問に思いました。そこで命令書と艦に積載されている物品や機材、そして艦の設計書を再度確認してみた所分かったことがありました」
ベネズ中佐は大型モニターを操作し艦の設計書を映し出す。
「これが3番艦の設計書です。そして今から2番艦の設計書と重ね合わせます」
3番艦と2番艦の艦の構造が重なる。
この場にいる乗員はあるとこに気づいた。
先程ハリヤ中尉の言っていたMSのカタパルトデッキの話。
そのカタパルトデッキとMSデッキの構造だけが2番艦と異なっていたのだ。
「これは・・・」
「おいおい、これじゃ全くの別もんじゃねぇか・・・!」
フォード隊長とハリヤ中尉は目を見開いていた。
「第1発見者である私も驚きました。艦に同乗していた建造メーカーの従業員にこれを見せたところ、これは地球での運用も考慮されて造られていたらしく、詳細な設計書を見せられていなかった彼らはそれを知らなかったようでした」
ベネズ中佐は大型モニターを操作し別の資料を表示する。
「なお、下部のカタパルトについてですが・・・地球ではMSの空挺降下用として機能するとの事でした」
「ちょっと待て、空挺降下となると・・・飛ぶのか?重力下で・・・この巨大な艦が!?」
バルト中佐がそういうと乗員が互いに話し始めた。
聞いていた話と全然違っていたのだ。
「静かに!・・・思うところはあるだろうが、まずは話を聞いてくれ。ベネズ中佐」
ユウ艦長は皆を黙らせ、ベネズ中佐に説明の続きを促す。
「はい、バルト中佐のいう通りです。信じがたい話ではありますが・・・・、積載されている物にミノフスキー・クラフト・エンジン本体とそれに関連する部品が確認されました」
「「・・・・・・」」
「さらに、書類上では予備艦として就役と書かれていましたが極秘文章には新たな技術や機能を取り入れての評価試験艦として運用すると書かれていました」
「艦長、この事を最初から・・・?」
「バルト中佐、実は私も昨日知ったばかりなんだ。この極秘文章は定められた期日に開封し実行せよとかかれた命令書に同封されていたんだ。今はこの状況なので期日を前倒しで開封したらこんな物が出てきたというわけだ」
「・・・申し訳ありません艦長、少し疑っておりました」
「気にするな。・・・というわけだ諸君、明日よりこの艦の改修工事を行いペガサス・コーウェンを本来の姿で完成させる。重力下での活動はミノフスキー・クラフト・エンジンが必要になる。時間がかかる事は分かっている、忙しくなるとは思うが協力してほしい」
「俺たちがこの世界で生き残る為ですからね、当然協力しますぜ艦長」
「自分もフォードと同じ意見です、30年で人生を終わりにしたくはありませんから」
「フォードとバルトの意見に賛成だ」
幼馴染み3人組であるフォード隊長とバルト中佐、ハリヤ中尉。
そして艦の全ての乗員もこれに賛成し協力することを宣言した。
それ以降艦内は大忙しで、今も作業員が急ピッチで改修工事を行っている。
当然、ミノフスキー・クラフト・エンジンを組み込む為に艦は動けない。
こんな時に襲撃されたらおしまいなのでMSのパイロットも総動員で巡回と警備を行っている。
改修工事を初めてから5日目、作業は70%が完了している。
ドゴス・ギア級3番艦、ペガサス・コーウェンは・・・本来の姿として完成する日が近づいてきていた。
明かされたペガサス・コーウェンの事実。
地球の空に巨大な艦が飛ぶ・・・考えるだけで恐ろしいですね。
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