「起きろー、起きろー」
誰だ?俺はまだ眠いからほっといてくれ。
「起きないなー、こうなったら」
ん?足音が少し遠ざかったぞ?
ドッドッドッ タッ
なんだこの音と思った瞬間
「起きろー!」
ゴフッ!
「ぐはっ!な、何しやがる!」
「おー、起きたかー」
目の前には奇妙な帽子を被った女の子がいた。年は妹くらいか?少し下か?どっちにしろ、なぜ腹にダイブした?
「いてて…」
「おい、気をつけろよー、君は大怪我してるからな」
その怪我人にダイブしたのはどこのガキだ!
「やっとお目覚めになられましたか。」
と扉から少女が現れた。髪は緑色で蛇と蛙をもよおした髪飾りをつけてる。格好は巫女服?にしては露出が高い気がする。身長は俺の方が高いか、良かった。ただ、左肩はズキズキするし、右手なんかぐるぐる巻きで使えねぇ。
「はぁ…どうすっかこれ…」
「あ、安心してください。とりあえず私たちが看護することになっています。」
「それはどうも…あぁ、自己紹介がまだだったな、えーっと、俺の名前は碓氷勇人だ。よろしく。」
「これは丁寧に。私は東風谷早苗です。よろしくお願いします。」
と彼女は微笑みながら自己紹介してくれた。かなりの美人でスタイルも良い、さぞかしモテるのだろうなぁ。ただ、ここで美人っていうのは危ない気がするので、一応聞いておく
「俺を食べる気はねーよな?」
「え?私は人間ですよ。人は食べませんよ。」
良かった。命は助かりそうだ。それはしてもこの娘は礼儀正しいな。責任感も強そうだし。とりあえず、任せても大丈夫そうだ。
「私名前は洩矢諏訪子だよー。後私は神様だよー」
子供の、戯言か。
「これは本当ですよ。」
へー。エァ?どう見ても俺より年下…
「あんたよりはずっと年上だね。」
なんだ、なんか川に落ちてから俺の常識が…
そんなことよりだ、
「ここはどこですか?」
「あ!ここはですね、守谷神社です。」
守谷神社?聞いたことのない神社だ。
「多分、貴方は聞いたことがないと思います。だって、貴方、外界から来たのでしょう?」
外界?
「あ!外界と言っても分かりませんね。まずここの世界は幻想郷と言います。貴方はここの世界の外から入って来たのです。」
幻想郷?どういうこっちゃ。
話を聞くとここの世界は忘れ去られた物はが来るそうだ。だから、妖怪もいる、神もいる。なんて世界だ。道理で自分の常識が通用しない訳だ。
「俺は所謂外界に帰れるのか?」
「えぇ、かえ「無理よ」
「!!」
「お、オメェは」
「こんにちは、幻想入りしたばかりの時以来かしら」
「俺を食いにきたのか?」
「いいえ、教えにきたのよ、貴方が忘れ去られた物だと」
「はぁ?」
「もう貴方は、外界では死んだことになっているわ。言いたいのはそれだけ。これからの新しい生活でも楽しみなさい。それはそうと、自己紹介がまだだったわね。私の名は八雲紫。以後、よろしくね。」
「…………碓氷勇人だ。」
「それじゃぁ、また今度お会いしましょう」
「おい、待て!ってもう行ったか。ッチ」
「碓氷さん、紫さんとは何かあったのですか?」
「あいつに食われかけて、死にかけた」
「え!でもどうして生きているのですか?」
「あいつに一泡吹かせたからかな?」
「す、すごいです!あの方は妖怪の中でも最強クラスですよ!!」
そ、そうか。てか、近い近い俺はパーソナルスペースは広くとるタイプなんだ。
「あ、すいません少し興奮してました。ところで外界の世界について聞きたいのですが。」
「全然いいよ。俺が答えれるなら」
そこから、外界の話をした。彼女も少し前まで外界に居たそうだ。
ただ、ジョジョ好きなのは驚いたなぁ。まぁ、俺も弟の影響でジョジョを5部まで読んだなぁ。あ、好きなキャラはエシディシと吉良吉影です。東風谷さんは承太郎って言ってたなぁ。まぁ、カッコいいしな。どこまで進んだのですか?と聞かれ8部まではいったよといった時の彼女反応は面白かった。かなり感情が豊かだなぁ。
「ところでここはどんなことがあるんだ?あの、あの八雲っていう奴のあの能力はなんだ?」
「そうですね…紫さんは境界を操る能力を持っています」
「どんな能力なんだ?」
「えーっと、貴方も見たと思いますが、あれはスキマと言って、遠距離を繋いだり、幻と実体の境界も操れます。」
「そんなに強い奴だったのかよ」
命があって本当に良かった。
「なら、東風谷さんも能力を持っているのか?」
「えぇ、奇跡を起こす能力です!」
これまた、チートな能力を…奇跡は偶然で起こすはずなのに必然的に起こせるとは…
「ただいまー」
「あ、神奈子様だ」
と言うと彼女は声のする方へ言った。
「どうすっかな…俺…」
「神奈子様、彼が碓氷さんです」
「そうか、宜しく、碓氷」
「はぁ、よろしくお願いします…」
「八坂神奈子だ」
「よろしくお願いします、八坂様」
「そんなに固くなくていいよ」
「はぁ…」
こちらは、さっきのロリ神とは違い威厳があり、神様っぽい。
「で、俺の顔に何かついてます?」
「あぁ、すまない、紫のやつが面白い奴だと言ってたもんでな。案外普通の顔だな。」
さいですか。
「ところで碓氷」
「はい?」
「ここにすぐに身体が治る薬があるのだが…飲むか?」
そりゃぁ、早く治したいので
「えぇ、飲みます」
「ちょっと、神奈子様…」
ゴクッ
うへぇ、変な味。良薬口に苦しか。
「……………………!?」
いてぇ!身体中いてえ!特に左肩、右手なんかもげそうだ!
「ぐぐぐぐ…はぁーはぁー、ック」
やばい、脂汗まで出てきた。
「アハハハ!言い忘れてたが、それ飲むと身体中痛くなるぞ」
先に言ってクレェェェ!!
ー10分後ー
「フゥーフゥー、死ぬかと思ったら」
だが、身体はしっかり治った。前より身体が軽い気がする。まさに最高にハイッて(ry
「とりあえず今日は泊まっていってください」
なんか悪い気がするが、あても無いので、
「じゃあ、お言葉に甘えて。お世話になります。」
「それでは、夕飯の支度をしてきます」
「俺も手伝おうか?」
「大丈夫です、しっかり身体を休めてください」
さいですか。
「俺の荷物はどこかにあるのか?」
「それなら、あそこに」
「どうも」
東風谷さんは夕飯の準備をしにいった。うーむ、暇だなぁ。そうだ、荷物の中は…
リュックには筆箱、教科書、ノート、財布など…
セカンドバックには部活用の練習着とジャージとウィンドブレーカー(ズボンのみ、上は着ない主義だ)
スマホもあるが、充電できる訳なさそうなので使わないようにしておく。くぅー、音楽聴きてぇ。まぁ、あーだ言ってもしょうがないので、
「勉強すっか」
何が楽しくて勉強かて?楽しくねぇよ。でも、習慣てのは怖いもんで、なんかしないといけない気がする。とりあえず、数学の円の方程式でも…
「碓氷さーん、夕飯ができましたよー。」
と呼びましたが返事がありません。どうしたのでしょうか?寝ていらっしゃるのでしょうか?客間を見ると、
カリカリカリ……
ものすごい勢いで何か書いています。とても集中しているようです。私には気づいていないようです。何か数字や見たことのない文字がいっぱい並んで……うーん、頭が痛くなりそうです。
「そうか、ここはこうゆうことか。ん?どうかしたか?」
「あ、夕飯ができました、一緒に食べましょう。」
「了解です」
そういえば、神奈子様と諏訪子様以外の人に食べてもらうのは、初めてな気がします。お口に合うでしょうか…
どうも、俺は一旦集中すると周りが見えなくなるらしい。東風谷さんが近くにいることに気がつかなかった。後、今更ながらものすごく腹が減った。あの時からどれぐらいたったのやら…
とりあえず、夕飯だそうなので東風谷さんについて行こう。
「おっ、碓氷」
「八坂さん、それと洩矢さん?」
なんか、洩矢さんって年上のはずなのに呼び方に違和感が…
「なんで、私だけ疑問形にした?」
「まぁまぁ、いいじゃないか。それより君は少々他人行儀すぎる。別に呼び捨てでもかまわんよ」
そうは言っても、神様を呼び捨てだななんて少し抵抗が…
「それでは俺も東風谷さんと同じように神奈子様と諏訪子様で…」
「うーん、まだ、堅苦しいが、まぁいいか」
「私も呼び捨てでかまいませんよ」
「じゃあ、東風谷でいいかな?」
「上の名前じゃあ、違和感があるので下の名前でお願いできますか?」
うーん、参ったなぁ。俺は基本、人は苗字で呼んでいる。だから、あまり下の名前で呼ぶのは慣れてない。
「こch…」
あぁ、そんな目で見ないでくれ!しょうがない、意を決して俺は
「改めて、よろしく、早苗」
うん、慣れねぇ。なんか、恥ずかしい。
「はい、勇人さん」
うむ、照れ臭い。
そんな事もありながらも俺らは食事を始めた。
ただ、カレーが出できたのは、驚いた。てっきり、和風なものかと。でも、かなり美味しかった。久々、腹一杯食った気がする。
「なぁ、あんたは何か能力を持っているのかい?」
と夕飯を食べ終わってゆっくりとしてたら、諏訪子様から聞かれた。
「多分、俺は能力なんて持ってないですよ。」
「ふーん…じゃあ、そんな不思議な力に興味はあるかい?」
「…ないと言えば嘘になりますかね…」
「じゃあ、霊力でも使えるように修行すれば?」
へぇー、霊力なんてあるんだ…は?
「俺がそんな力使えるんですか?」
「多分、使えるよ。君には霊力が感じられる。他の人よりは、才能があるかもしれないよ。」
「マジか……」
てか、どうやってわかるんだ?あれか、気みたいなやつなのか?
「うまく使えば、空も飛べるようになるよ」
え!?マジかよ!ひみつ道具なんか必要無くなるじゃんか。
「まぁ、ここの世界において、力ある奴はみんな飛べるけどねぇ、早苗だって飛べるぞ」
「………」
なんなの?空が飛べるのが自転車に乗れる感覚でできるなんて…科学者が聞いたら泣くぞ。
「どうだい、修行してみるかい?」
そりゃぁ、答えは
「えぇ、もちろんです!」
「勇人さーん、お風呂いいですよー」
おぉ、お風呂にも入れさせて貰えるのか。感謝しきれない。
「着替えどうします?」
「うーん、一応着替えはあるから大丈夫」
もちろん、着替えはジャージだ。
「…………ふぅ、生き返る〜」
それにしても、ここの風呂は広い。家の風呂よりは広い。くつろぎながら、色々あったおかげで溜まった疲れをとるのだった。
「今何時だろう、……10時か」
俺は腕につけてた時計を見た。ここには、時計が見当たらないのでつけといてよかったと思う。もう、こんな時間か。
「ふぁぁ、眠い」
俺は早寝遅起き型だ。睡眠は大事。いつも、この時間には寝る。なんか、やっとまともに寝れる気が…いいや、早くねよう。
「これでようやく今夜も熟睡して寝れる……」
そんな、呑気なことを言いながら、早苗たちに寝ることを告げ、準備して貰った布団で眠りにつくのだった。
「ふぅー」
やっと片付けが終わりました。今日はいつもと違ったのでつい、料理を作り過ぎたのですが、彼は食べてしまいました。あの体にどこへ入っていったのでしょう。それで、あの体型とは…羨ましいです。彼もとい勇人さんはお風呂に入るとすぐに寝てしまいました。まぁ、色々あったので疲れたのでしょう。それにしても、お風呂の時間は短かったです。早風呂派なのでしょうか。
ちょっと、彼のことについて考えてみます。容姿は、いい方だと思います。だからと言って、目を引き付けさせるほどではないかもしれませんが。鼻筋がしっかり通っていますが、目は少し瞼が下がっていて視線が悪い感じがします。そのせいでしょうか、目が死んでるように見えます(ちょっと失礼ですね)。髪は黒で、てっぺんが少々元気な感じがします。体格は小柄なほうです。男ですから、私よりは背が高いです。
ただ、何より不思議なのは、特に変わったところはなく、いたって普通の青年のはずですが、あの紫さんに一泡吹かせた人なのです。もしかして、何か能力があるのかも…気になりますね…
「早苗〜」
あ、諏訪子様が私を呼んでます。
「何でしょうか?諏訪子様」
「突然で申し訳ないけど、明日からあの勇人君に霊力の使い方教えあげられないかな?」
「えぇ、かまいませんよ。でも、どうして?」
「彼にはちょっと才能がありそうだからねぇ…」
やはり、彼には何か力を持っているのでしょうか?
「明日からで良いのですね?」
「あぁ、よろしく頼むよ」
「任せてください」
ちょっと明日が楽しみです。
アドバイス、誤字脱字の指摘をよろしくお願いします。
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