諸行有常記   作:sakeu

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第29話 修羅場?の日の青年

今、思うんですが、ここの人は宴会ばかりしてませんかね?

俺的には宴会よりも休みたい…と思っても、参加しないなんてのは野暮なんで参加しますが。ただ、お酒の良さがまだ分かってない、今日この頃。

 

「とりあえず、貴方たち着替えなさい」

 

それもそうだな、俺の服は所々破れてしまってる。妖夢に至っては、俺の血のせいで、殺人鬼みたいになってる。やり過ぎたかな?

 

「妖夢、すまない、血で汚しちまって」

「あ、大丈夫です……」

 

「妖夢はお風呂に入らないとね…」

「ええ、そうします」

「で、宴会はいつからですか?」

「2時間後によ」

 

まぁまぁ、時間があるな。仮眠ぐらいしてもいいだろう。

「お?勇人」

「ああ、じいちゃん、どうした?」

「いや、お前さんを労いにな、良かったぞー、さすがじゃ!」

「どーも、しっかし、今更なんだが、教師の俺が強くなる意味はあるのかね?」

「幻想郷に生きてる限り強くないと食われちまうぞ」

「へいへい…」

 

そうだった…ここでは常識なんて通用しないのだった…

 

「ふぁ…寝みぃ、少し仮眠取ってくる」

「そうか、宴会には遅れるなよ」

「了解」

 

早く寝てしまおう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても…しっかり汚れちゃって…」

「そうですね…髪も血で…」

 

でも…勇人さんのだと思うと…

 

「あら、顔赤いわよ〜」

「ふぁっ!?そ、そんなことは…」

 

いけません、少し不純なことを…でも、吸血鬼でも無いのに血で少し気分が高揚してしまうとは…

 

「早く洗ってしまいなさい」

「そうですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇人さんはどこでしょう?」

「休憩してるじゃないのか?」

「そうだな、どうせ、宴会で会うだろう」

「いえ!今、会いに行くです!」

「と言ってもね〜、早苗、どこかさっぱりじゃないか」

「おや?あそこに人が…」

 

「すいませーん!」

「い、いつの間に…」

 

「なんじゃ?」

「すいません、勇人さんはご存知ですか?」

「ああ、わしの孫じゃが?」

「「「何!?」」」

「そ、そうですか!わ、私は東風谷早苗と言います」

「あー!あの守谷神社の!いつもわしの孫が世話になっとる」

「いえいえ、そんなことは……」

「で、お主たちは?」

「私は洩矢諏訪子さ」

「八坂神奈子だ」

「あー、どこかで聞いたことがあるのう」

「それは光栄なことで、貴方の話はよく聞いてます」

「ありゃ、わしのこと知っとるのか」

「ええ、有名なので」

「そうか…まさか、わしを連れ出す気は無いじゃろ?」

「………!?だ、大丈夫ですよ、別にそんな気は無い」

「そうか、なら良かった、ところで勇人のことじゃったな。あいつは疲れて向こうで寝とる。あまり起こさんでくれ」

「ありがとうございます!」

「これからも、勇人と仲良くしてくれ」

「はい!」

「それじゃあの」

 

 

「神奈子…」

「ああ、分かってる」

「どうしましたか」

「勇人のじいさんだが、やはり本物のようだ」

「何がです?」

「あいつは天降りをした神様で有名なんだよーーそれも、相当な実力者なのに。少し私がカマをかけたが、威圧されてしまったよ。久々にビビってしまったよ」

「神奈子様が…」

「まぁ、手を出してくることは無いだろう、ほら、勇人のところへ向かわなくていいのか?」

「そうでした!早く生きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー…さっぱりしました…」

 

血はすぐにとれました。少し勇人さんに会いに行きますか…

多分、寝室で寝てるでしょう。眠そうでしたし。

「妖夢」

「あ、お師匠様。何かご用で?」

「そうじゃ、お主ももういい歳だからの……その……身を固める気はあるか?」

「え?それは……その……えっと……」

「あるようじゃな、相手じゃが……」

 

え?もしかして、縁談の話が……わ、私は……

 

「幽々子様と話し合ってだな……勇人にしたらと」

「!?」

「べ、別に強制はせん。ただ、候補としてどうかと、あいつも勇人が決めたら構わないと言っておったからのう…」

「わ、私は……べ、別に、構いません…むしろ…」

「そ、そうか、なら良かった(く…もう妖夢も子供じゃないのか…)」

「と、とりあえず、勇人さんと会って来ます…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スー…スー…」

 

「勇人さん……って、やはり寝てますか…」

 

「ここにいるのかな?って、妖夢?」

 

「早苗さんじゃありませんか。何かご用で?」

「いえ、少し勇人さんに会いに」

「そうですか、ですが、今はお休みなので後で…」

「なら、妖夢さんも後にした方が…」

 

「「むむ……」」

 

「うん…」

 

(とりあえず、今はお引き取りください!)

(そう言う貴方こそ!)

(私は勇人さんを見守る役割が!)

(それなら、私がやりますから、大丈夫です!)

(それに私は勇人さんと大切な話があるのです!)

(私にもあります!)

(わ、私は祖父との話し合いで、え、えん…)

(何です!?)

(と、とりあえず、大切な話があるのです!)

(むむ…)

(むむ…)

 

「ふぁ…よく寝た…もう時間かな?」

 

「「!?」」

 

「あ、妖夢に早苗じゃん。どうした?」

「わ、私は勇人さんと大切な話が…」

 

「みんな〜、宴会始めるわよ〜」

「お?ジャストだな。とりあえず、宴会に行こうぜ?」

「はい…」

「とりあえず、久々に会いますので、一緒に飲みましょう!」

「い、いいぜ(な、なんだ、なんか恐怖が…)」

 

 

 

 

「今回は人数減ったから、そこまでおおさわg「先生ー!」ゴフッ!」

 

グオォォ…は、腹に…

 

「ど、どうした…フランドール…」

「先生、みんなで食べよう!」

「そ、そうだな…」

 

「「むむ…」」

 

「ちょっとすまない、生徒達の所に行ってくる」

「は、はい…(今は我慢です!)」

 

 

「あー、先生だー!」

「先生、お疲れ様です」

「でも、なんか顔色悪くないですか?」

「とりあえず、飯なのだー」

「だ、大丈夫だ…それよりも、今日はわざわざ来てくれありがとな」

「なぁに、それよりもお前の戦い素晴らしかったぞ!」

「やっぱり、先生はサイキョーね!」

「どうも」

「そうだね、とてもカッコ良かったですよ!」

「ははは、そう言ってもらえると嬉しいぜ」

 

「お?勇人じゃん」

「あ、魔理沙と…霊夢さんですね?」

「別に呼び捨てでいいわ」

「そうか」

「それにしても、お前すごかったな、妖夢も強くなってたしな」

「そうね、前よりは強くなったわね」

「でも、霊夢よりは弱いかな」

 

はは…霊夢ってそこまで強いのか…男としては負けられないが…

 

「分からないわ、だって、貴方、手加減してたでしょ?」

「まさか、本気だ」

「ふーん…」

「で、あんたの弾幕には足りないものがあるぜ」

「なんだ?」

 

速さか?

 

「パワーが足りてないぜ!」

「いや、パワーあって当たらなかったら意味がない。しっかりと当たる方が確実だと思うが?」

「何言ってんだ!パワーが最強にきまってんだろ!」

「こいつ、酔ってます?」

「ええ」

「誰か、サイキョーって言ったか?」

「そうさ、チルノ!パワーは最強だぞ!」

「いや、違うね、頭使った方が強いね」

「どっちなのか?」

「チルノに頭使うは無理なのだー」

「そんなこと言うなよ…」

 

「ま、とりあえず、今日はお疲れさん」

「ありがとうございます、慧音さん、みんな。明日からちゃんと授業くるからな!」

「やったー!」

 

 

 

 

 

 

「ふー…このジュース久々だな…」

 

少し1人でジュースを飲んでる。なんでも、紫さんが輸入したそうだ。スキマってスゲー。

 

「あら、1人かしら?」

「どうも、レミリアさん」

「貴方、なかなかやるじゃない」

「褒め言葉、光栄です」

「私の従者になってみる気はない?」

「残念ですが、教師という職務があるので」

「あら、そう」

「まぁ、また、紅魔館に行かせてもらいますのでその時はよろしく」

「いつでも、構わないわ」

 

っと、紅魔館からの勧誘もあったところで、そろそろじいちゃん達のところに行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おー!勇人ー!」

「お?じいちゃん、酔ってる?」

「何言ったんじゃ、まだまだじゃ、な?」

「そうじゃ、お主には話さないといけないことがあるからのう」

「そ、そうですよ!」

「妖夢も酔ってる?」

「そうよ〜」

 

犯人は貴女ですか…

 

「私達も話があるんだが…勇人とじいさんと」

「そうです!」

 

「?わしにか?」

「とりあえず、勇人に聞く!」

「はい?」

「お前は早苗のことはどう思っている!」

「ん?」

 

なんだ?みんな静かになって….うわっ、早苗めっちゃ見てる…

 

「んー、命の恩人として、居候させてもらってさらにお世話もしてもらって、感謝しきれない人ですかね」

「それだけか?」

「え?」

 

なんで、みんな残念そうな顔を……早苗…そんな顔で見ないで…

 

「そうじゃ、勇人」

「なんだ、じいちゃん」

「お主もいい歳じゃろ?身を固めたらどうじゃ?」

「まだ16ですが…」

「そこでじゃな…」

 

話聞け。

 

「妖忌と話してだな…」

「うん、ごくっ」

 

「妖夢とどうじゃ?」

「!?ゲホッガハッゲホッゲホッ…オエッ」

「ワシの妖夢じゃダメか?」

「私は…構いませんよ?」

 

「…………!?」

 

「な!?」

「ちょっと待った!」

「なんじゃ?」

「その相手に早苗じゃあダメか?」

「しかし……」

「わ、私なら勇人さんと長く一緒に暮らしてますし、それに勇人さんのことが好きですから!!」

「!?」

 

この娘とんでもないこと言わなかったか?

 

「しかし…勇人は普通の人間であるとは言い切れん。おそらく、寿命は妖怪並みじゃろう」

 

え?マジで?だからか!身長があまり伸びないのは!

 

「わ、私だって、ゆ、勇人さんのこと…好きですよ!」

 

な、なんだってー!

 

「じゃあ、聞こう。どうして、わしの孫を好きになった?」

 

おい、やめてくれ…頭がショート寸前だ。何がなんだか……

 

「わ、私は最初、助けてあげてから、一緒に暮らしていると……勇人さんはいつも手伝いをしてくれたり、私のために何かできないかと言ってくれたりと心遣いができる人でその優しさに惹かれたのと、私自身、ここに来て日が浅い方なので、外から来た勇人さんのおかげで精神的にも助けられました!」

 

お、おお…

 

「そうさ!同じ外の世界出身者同士結ばれるのがいいさ!」

 

「それはどうじゃか」

「わ、私は…当初は剣と銃ということで、剣の素晴らしさを教えるつもりが、勇人さんの強さに見惚れました!それでもって、はたから見れば何も考えてないようですが、誰よりも負けず嫌いで、自分の信条を貫く勇人さんの姿にいつの間にか、惚れていました!」

「そうじゃ、武器は違えども向上心の高さは同じ、2人して互いに高められる関係なんて素晴らしいじゃろう」

 

あ、ああ。

 

(じいちゃん、これどうすれば…)

(これはお前さんの問題だ、自分でしっかり考えなさい)

(そ、そうだよな……)

 

 

「お、俺は!………」

 

頼む、2人ともそんな目で見ないでくれ…

 

「少し時間をくれ」

 

ど、どうすれば?こ、これは、世に言う告白ってやつですよね?しかも、2人も!?やばい、全然意識してなかった…冗談ってことは……

 

「「……」」

 

無いようです。

 

ガシッ!

 

「わ、私じゃダメでしょうか?」

「ヘアッ!?」

 

さ、早苗何を!?あ、あ、あ

ぎゅ

 

「あ、あた、あた…」

「私の方が妖夢さんよりスタイルがいいと思います!」

 

ガシッ

 

「アヒャ!?」

「ゆ、勇人さんはスレンダーな女性が好みなんですよね?」

 

ああ…お、俺の許容量を超してる!

 

「わ、私は勇人さんとキスしましたよ!」

シュー…「は!?」

「私だって、お、同じ布団で寝ました!」

「は!?は?」

 

は?は?何?理解不能、理解不能。そんなことは記憶に……無い!探したけど無い!

 

「そ、そんなことはしt「「したんです!」」ア、ハイ…」

「む…かくなる上は、勇人さん!」

「はい!」

 

チュウ

 

「!?」

 

え?え?あら?今……

 

「よ、妖夢さん!」

 

「な!よ、妖夢、お主……」

 

「…ん…ん」

 

ふぇ?く、口ん中に舌入れてんのか!?

 

「プハッ……こ、これで、私の方が……」

 

シュー…ボフッ

 

「ゆ、勇人さん?」

「は、はは…」

 

バタッ

 

「ゆ、勇人さんとキスしてしまった…」

 

プシュー…

 

「妖夢!?」

 

「わ、私もって勇人さんは!?」

「あれ?どこ、行った!?」

「よ、妖夢しっかりせい!」

「はうあ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュー…ボスッ

 

「うーん…」

 

シュー…シュー…

 

「ほら、勇人、いい加減にしっかりしなさい」

「グフゥ……」

「ダメね、藍、水を」

「はい」

 

バシャッ

 

「は!?わ、私は!?」

「あら、まだ治ってないわ」

 

バシャッ

 

「ふー…俺は…」

「妖夢とキスして失神寸前。見た目によらず初心ね」

「ぬぁ!き、き」

「はいはい、落ち着いて」

「はー…スー…はー…よし…で、なんで紫さんが?」

「本当はあのままほっといて良かったのだけれど、どうしても、貴女に聞かなければならないことがあってね…」

「結婚はまだ考えてませんよ!?」

「違うわ、外の世界のこと」

「え!?」

「貴方、まだ外の世界に未練があるのでしょう?」

「そ、それは……」

「幻想郷は貴方を既に受け入れてるわ、でも、貴方は心のどこかでまだ外の世界に未練を残してるせいで、幻想郷を受け入れてない」

「うっ……」

「それに、今はあの2人のどちらかと結ばれるのだから、外の世界の女の子に未練残したままじゃね?」

「ホワッツ!?そ、そんなことはないっすよ…」

「と言うわけで、貴方に1週間外の世界に、里帰りしてもらうわ」

「へ?」

「だから、里帰り」

里帰りね…帰省ね…

 

「へ?」

「スキマ送りにするわよ」

「は、はい、里帰りですね!?」

「詳しくは後日連絡するわ、それじゃあ、また、楽しんできなさい」

「ぬおおおお!」

 

 

 

 

 

 

ボスッ

 

「……ツテテ……」

「あ、勇人ひゃん!」

「よ、妖夢!?」

 

ギュッ…

 

前から抱きつかないでおくれ…

「勇人!どこに行っておったのじゃ!」

「妖忌さん!?」

「全く…これからワシの義理の息子になるというのに…」

「ちょ、まだ答えは……」

「私ではダメですか?」

「うっ……」

 

「あ!勇人さん!そこにいたのですね!」

う、後ろからだと!だ、だから…あ、あた、あたた…

 

「ほら、勇人も男だろ?」

「そうだ、守谷神社の婿としてしっかりしてくれ」

「だ、だから、答えは!」

 

は!周りの視線が!

 

「ヒュー、よ!色男!」

 

おい、魔理沙。

 

「先生モテモテだなー」

「え!先生は私のだよ!」

「そうだー、そうだー!」

 

何を言ってるんだ?

 

「はは、さすがだな勇人」

 

言ってる場合ですか。 どうしよう…これでは、俺の容量だとすぐにいっぱいに…

 

「もう一度キスをしましょう!」

「pardon?」

「いえ、今度は私と!」

「勢いでするのは後悔するzむぐっ!?」

 

「プハッ…二回もしてしまいました」

「あ、あ…」

「私だって!」

 

チュウ

 

シュー…ドフンッ!

 

 

「あはは!また、気絶してんよ!」

「なんで、慧音隠したんだー」

「お前達には早い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇人……強くなれよ…」

 

 


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