諸行有常記   作:sakeu

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第20話 平日の青年

「…ん…ふぁ…あ、頭が…飲み過ぎましたね…」

 

頭がガンガンします。どうにも、私はお酒に弱く、すぐに酔っ払ってしまうようです。

それにしても、この抱き枕、暖かいですね…また、眠く…

 

「え?…」

 

博麗神社に抱き枕?そんなのあるわけ無いじゃないですか。ただでさえ、金欠だと聞いているのに…

 

「…スー…スー…」

「ゆ、勇人さん!?」

 

ど、どうして、ゆ、勇人さんと!?も、もしかして…

 

「あら、早苗、起きたのね」

「れ、霊夢さん!き、昨日は何が…」

「…覚えてないのね、まぁ、昨日はあんたいつもより、酔っ払ってたからね…」

「そうだぜ、なかなかお熱かったぜ、な?」

「魔理沙…まだ、帰ってないの…確かに熱かったわ。ホント、他所でやって貰いたいわ」

「え、ええ?一体、私は何を…」

「ハハ!昨日お前ら、堂々とキスしてたぞ!」

「き、キス!?」

「あぁ、そうさ。お前の方からな。まさか、お酒を口移しで飲ませるとは…」

 

ど、どうしましょう!は、初めてのキスがゆ、勇人さんなんて…

い、いや、別に嫌ではなく、寧ろ… で、でも、勇人さんも多分、ふぁ、ファーストキスですよね!こ、これは…

 

「ん…ふぁぁ…体が痛い…」

「あら、起きたのね」

「あれ?なんでここで寝て…」

「あら、あの時のことを覚えてないの?」

「…?なんの話だ?」

「え、昨日…「なな、ナンデモナイデスヨー!」

「そ、そうか」

「貴方は二日酔いしてないの?」

「ん?全然大丈夫だが?」

 

そういえば、七杯飲んだはずだが、全くそういうのは無いな。寧ろ、布団もひかずに寝たせいで体が痛い…でも、寒くは無かった気が…まぁ、いいか…

 

「そういえば、今何時だ?」

「んー、お昼前ぐらいかしら?」

「何!?授業始まってしまってんじゃんか!ちょっと、片付けは手伝えない、すまん!」

 

「あら、行っちゃったわね」

「あいつ、飛ぶの速いなー」

「お、覚えてないようですね…」

 

良かったのでしょうが、なんだか、残念な気もします。

 

「あら、そういえば、慧音から明日は休みだと伝えてくれと言われたわね…」

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウォォォォォォ!完全に遅刻じゃあねぇぇかぁぁ!」

 

只今、人生で一番早く飛んでいます。もう、霊力使い果たしそうな勢いで。

 

「みんな!遅れすまない!って、アルェ?」

だーれもいない。どいうこと?理解不能、理解不能……

 

「も、もしかして…もう、終わったのか?」

 

や、やってしまった…あぁ、俺も慧音さんの頭突きを喰らってしまうのか…

 

「おや?勇人じゃないか」

「あ…け、慧音さん…」

 

終わった…

 

「す、すいませんでしたぁぁぁぁぁ!」

「な、何だね、急に!」

「え?だって、授業に遅れるどころか….終わってしまって…」

「何を言ってんだ?今日は休みだぞ?霊夢から聞いてないのか?」

「いや…」

「まったく…あの巫女は…すまない、直接伝えるべきだったな、さすがに宴会の次の日に授業はキツイだろうから、今日は休みだ、ゆっくりしなさい」

「は、はい…」

 

もう、ゆっくりできてない…

 

「そうだ、これを機にこの里を見て回るがいい」

「そうさせて貰います」

 

たまには、ゆっくり出掛けるのも悪くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

只今、片付けをしております。宴会がある度にここは散らかるので、いつも、私と霊夢さんと魔理沙さんで片付けをしています。今回は咲夜さんも手伝ってくれてます。この前の事は、もう和解しました。勇人さんが許したのなら、私がグダグダ言っても仕方ないです。

 

「今回も結局大騒ぎでしたね」

「そうね、久々にやったせいかしら、まぁ、お酒と食料を持ってきてくれるからいいけど」

「相変わらず、貧乏なのな」

「うるさいわね、あんたが来る度にお賽銭くれれば、苦労せずに済むの」

「へいへい」

「ところで早苗」

「何でしょうか?」

「勇人とはどんな関係なの?」

「あー、それ私も思ったんだぜ」

「えぇ!」

「もしかして、付き合ってるとか?」

「い、いや…あの…何というか…同居人というか…」

「それだけ?」

「えっと…確かに頼もしくて…でも、どこか抜けてて…顔は無愛想ですけど…実際はとても、優しくて…」

「こりゃあ、ダメだな」

「結局、あいつのことは悪い方には捉えてないわね…」

「ふーん…」

「結論から、言うといい人です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん!この団子うめぇな!」

今、ゆっくりとしています。団子屋にて団子を食べております。こういうのも、いいなぁ。お茶も美味い。こんな、何ともない感じがいいねぇ。

だけど、ここは本当に妖怪がよく来るのね…あの人なんか…うさ耳が、生えとる。どう見ても、おかしいはずなのだが…

あれは、藍さんだ、尻尾の存在感が…モフッてみたいな…ん?油揚げばっかり買ってないか?ま、いいか。団子うめぇ。

 

「お隣いいですか?」

「あ、どうぞ、どうぞ」

「って、貴方は!」

「へ?あ!貴女は…」

 

アルェ?名前が出てこん。確か幽々子さんと一緒にいた娘で…

 

「魂魄妖夢です。覚えてくださってないのですね…」

「え?いや、そ、そんな事はないですよ?それより、団子食べましょう?ほら、どうぞ」

「あ、ありがとうございます。それでは、言葉に甘えて」

 

モグモグ…あぁ、うめぇ。こういうのが、幸せと言うのだろうか…

 

「あの、昨日の事なのですが…」

「ん?あぁ、白玉楼へのお誘いか?いつか、行かせてもらうよ」

「それもそうなのですが…剣か銃のどちらが強いかという話なのですが…」

「え?あ、あぁ。剣もいいと思うぞ」

「そうですか!なら、是非、剣術を学びに!」

「お、おう。でも、刃物ならこのナイフが…」

 

と俺はナイフを取りだす。なぜ持ってんのかて?入れっぱだっただけ。

 

「拝見させて貰います…ふむ、悪くないですね…」

「だろ?だから、じゅう「ですが!」ア、ハイ」

「やはり、剣を学ぶのは心も鍛える事です!教師なら心も強くあるべきです!やっぱり、剣術を学びにましょう!」

「あ、じゃあ、い、いつか…ね」

「それでは、明日にしましょう!」

「でも、授業が…」

「安心してください!慧音さんに頼んで生徒さんも連れて行ってもらうようにします!」

「なるほど、課外授業か…いいかもな…」

「なら、決まりです!それでは、早速!」

「え?ちょっと…あぁ、行ってしまった」

 

剣の事になるとやや暴走してしまうようだ。それにしても、あの団子の量は…まぁ、課外授業も悪くない。だからと言っても、俺は銃は剣より強し派だが。

 

「あ!勇人さんじゃないですか!」

「げっ、文だと!?」

「げっとは何ですか!失礼ですね!」

「で、なんだ?」

「それはですね、是非、取材を!」

「あぁ、構わんよ」

「そうですよね…って、えぇ!」

「今は機嫌がいいんだ、気が変わらんうちに取材するんだな」

「えぇ、是非是非!」

 

「それでは、紅魔館での事件を詳しく!」

「どこで知ったんだ?」

「企業秘密です、さぁ!」

「そうだな…」

 

 

青年説明中……

 

 

「な、なるほど!その時に能力が、分かったのですね!これはいい記事が書けそうです…」

「脚色した場合、お前を潰しにいくからな」

「しませんよ…では、次に貴方のプロフィールを!」

「まだ、すんのかよ…」

「では、いきますよ!まず、趣味は?」

「読書」

「好きな食べ物は?」

「うーん…蜜柑?」

こんなんでいいのか?

 

「では、嫌いな食べ物は?」

「キノコ」

「身長は?」

「…172…」

「本当は?」

「くっ…168……」

 

まだ、希望はあるのだ!

 

「年齢は?」

「16」

「誕生日は?」

「5月5日だ」

 

ふっ…俺の誕生日は絶対休みなんだよ。あと、工藤監督と同じ誕生日だぜ…今年も優勝してくれっかなー?

 

「早苗さんとの関係は?」

「…!?ま、まぁ、住む場所を貸してくれる人?」

「えー、なんか無いんですか?」

「無い!やましい事なんか何1つ無い!」

「そうですか」

 

となんやかんやで取材は終了っと。

 

「ありがとうございましたー」

「脚色したら、容赦無く倒すからなー」

 

そういえば、身長伸びたんじゃね?いつか、測ろう。

もう、日が落ちてきたな、帰るか。

そうして、今日も終わりを迎えるのだった…





はい、これにて第2章終了です!
ソフトバンク、優勝してくれませんでしたね(泣

次回も是非読んでいただけるとありがたいです!

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