このすばBS11で視聴してるんですが一週間待てずにニコ動に上がってた荷台じゃんけんのアクアの泣き顔に萌えた作者です。
予定より一日遅れました、すいません。
主にFGOバレタインや1.5部に追われてたからです。
今回、試験的に三人称で書いてます。なにぶん初めてなもので、おかしなところがあれば指摘お願いします。
「ちょっ、何よそれ!風でバスター弾き返すとかあり得なくない!?普通無理でしょ!ぐぅっ、ゴッドブロー喰らわせてやろうかしら」
とある日、寝室として使っているカズキの自室にて。その一画に設置してあるテレビでアクアは悪態を吐きながらもゲームをプレイしていた。
このゲームはカズキの趣味みたいなもので新旧様々なゲームのハードが設置してある。その中でも旧いものが多数を占めており、今アクアがやっているものも現在より10年以上前に発売されたものだ。何故こんな旧いものが多いのかというと
──え?昔の奴の方が安く手に入るから、いっぱい遊べるだろ。それに今やっても充分面白いし。
アクアには「貧乏性wプーックスクスww」なんて嘲笑われるものの彼はこれを一蹴。一度やらせてみればテレビの前から退かない
「ねぇカズキ~、カズキさ~ん。こいつどうやって倒すの~?アドバイス~、アドバイスちょうだ~い」
アクアは画面からは目を離さず催促する。
旧いゲーム、所謂懐ゲーと呼ばれるジャンルのゲームの特徴の一つとして難易度の高さが挙げられるだろう。理由は様々な点が挙げられるが、その一つに難易度の高さ=名作とするような風潮みたいなモノがあったからじゃないかと思われる。勿論その中でも名作と呼ばれるものも多々生まれたが、同時にただ理不尽に難しいだけのクソゲーと呼ばれるものも大量に生まれてしまった。
閑話休題
さて、ここで一つの疑問が立ちはだかるのだが。カズキの家にあるゲームは旧いモノが多い。そして彼の趣向もあり、現在発売されているモノより総じて難易度が高い懐ゲーの中から更に難易度の高いモノが購入されている中の多数を占めるのだ。
そこで皆さんは思うだろう。彼にバカ、アホと称される女神がそれらのゲームを自身の力のみで進めることが出きるのか。
答えは勿論NOである。
カズキも最初はアドバイスなんぞやらなかった。色々な意見があるだろうが彼の中での定義はこうだ。「その攻略法を探すのもゲームの醍醐味の一つだ」と。
渋々納得しゲームを再開するも、まぁご想像の通り直ぐにダウン。最後にはカズキに泣きつきある程度の道筋のみ教える、という形に落ち着いたのだった。
「?、何よ無視してんの?天罰落とすわよ」
自身の声に反応が返って来ないことに腹を立てつつ、ゲームをpause画面にし中断してダイニングの方へ向かった。
この駄女神に天敵を!
「ちょっとカズキ~、何処にいんの~、隠れてないで出てきなさいよ~」
そんなことを口に出しつつ家中探し回る。風呂、トイレ、鍋の中からベッドの下まで。といってもそう広くもない物件だ、そこ数分で全てを探し終えることができるだろう。
「全く、女神様置いてきぼりにしてどこほっつき歩いてるんだか……、ぅん?」
先程とはうって変わって、勝手に居なくなったことに腹を立てつつ部屋へ戻ろうとするとダイニングテーブルの上に一枚の紙切れが置いてあるのを発見した。
そこには「一応伝えたがゲームに熱中してるみたいだったんでここに書いておく──」という文から始まるアクアに宛ててのメッセージが書かれていた。
「そういえば……」
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『おーいアクア。俺、今日バイトで家に居ないから勝手に昼飯食っといてくれ。金はテーブルの上に置いてある。早ければ昼過ぎには帰ってこれるかと……、聞いてんのか?』
『うーん、聞いてるわよー』
『……、それなら復唱してみろ。俺が何て言ったかを』
『何よもう、今いいとkア゙ア゙ァァア゙ア゙ッ!ちょっ死んだ!アタシの□ックマン死んだんですけど!ちょっとカズキのせいよ!』
『はあ?お前が気ぃ抜くからだろ。このくらいでミスんなよ。ったく、聞いてなかったみたっぽいから紙にでも書いてテーブルに乗せとくぞ』
『しっしっ、行くんならさっさと行きなさいよ。これ以上カズキの手で私の□ックマン殺されるわけにはいかないわ』
『っコイツ!…………はぁぁ、ゲームやらせんの早まったかなぁ』
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「そういえばそんなこと言ってたような……」
朧気ながらに朝の出来事を思い出すアクア。やはりというか何というかしっかりと聞き取っていなかった。カズキの受難はまだまだ続くのだろう。
「お昼か~。うわっ、もう十二時回ってるじゃない。道理でお腹減ってると思った、思いの外長くやってたのね」
時計を見るなりそう呟く。
こんなことを言っているが最近はいつもこうだ。朝起きて飯食ってゲームして、昼飯食ってゲームして、晩飯食ってゲームして寝る。しかもカズキが声を掛けない限りテレビの前から動かないのだ、そりゃカズキも頭を悩ませるだろう。
「き・ん・が・く・は~、……千円か。カズキもケチよねぇ~、もうちょっとアクア様に贅沢させても良いと思うんだけど」
昼飯代に千円あれば充分だろう。本当に居候の分際で厚顔な女神である。
そんなことを呟きながら外出の準備を始める。
最近は全くいっていいほど外出しないアクアは基本的にパジャマで過ごしている。このパジャマなんかは少し前にカズキとヴィネットと共に購入したものだ。ここでも一悶着二悶着あったのだが、その話はいつか違う場所で語ろうと思う。
因みに、この無防備な姿を見て不意にトキメキを覚えてしまい、何かの嘘だと壁に頭を打ち付ける年頃の男の姿がたまに観られる。元凶の少女は何事かとその方を向き実態を知ると白い目を向けるという。
そうこう言ってる内にいつもの装いに着替え、お札を握りながら玄関をくぐる。
「いってきま~す」
誰も居ない部屋に向かってそう呼び掛けるも、勿論のこと返事はない。そのことに理不尽ながらも少ない苛立ちを覚えつつ、アクアの足は近所のコンビニへと向かった。
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「ふっふふふ~ふ~ん♪」
そんな苛立ちもコンビニから帰る頃には跡形もなく消え去っている。そこ数分の内に鼻歌を歌うほどに機嫌は治っていた。こんな直ぐに切り替えれることに少なからず羨ましいという感情も抱く。……バカは見習いたくないが。
「ゲームの続きもあるし帰ったらパッパと食べましょうか。早くあのプロペラ野郎にゴッドブロー打ち込まなきゃなんないし」
勿論あのゲームにゴッドブローなんて技はない。……カズキ早く帰ってくるんだ、下手したらこの駄女神テレビ画面に拳を打ち込みかねない。
「ふっふふふ~……ん?」
昼食後のゲームの内容を思い浮かべながら、決して辿りつけられないであろう攻略法を足りない頭で考えていると前方から何かが近づいてくるのが目に入る。
余談だが頭の中での攻防は何故かアクア自身が青いあんにゃろーに拳を叩き込んだ所で終わっている。
「あれは……?」
どうやら赤髪の少女が必死に何かから逃げているらしい、時折後ろへ視線を向けては前を向き、足に再び力を込め地面を蹴るということを繰り返している。
「くっそぉぉぉぉおお!!何で休日にもコイツに追っかけられなきゃなんないよぉぉぉおおぉお!」
「ワンッ」
「だぁぁあ!来るんじゃないわよ!毎度毎度メロンパンを取るんじゃなぁぁぁい!」
そんな叫び声が聞こえてくる。丁度少女の背に隠れてるのかアクアからは何に追い掛けられているのか見えない。そんな様子を眺めながらもアクアは口元を邪悪に歪めていた。
「ふ~ん、何か知らないけど最近良く悪魔に会うわねぇ。ヴィーネはカズキに釘刺されたし、色々お世話になったから見逃してるけど……。ふふっ、私に会ったのが運の尽きよ。あのプロペラの前にゴッドブロー叩き込んであげるわ、ちょうど鬱憤も溜まってたし」
そんな危ないことを口にしながら、拳を光らせシャドーボクシングを始める。徐々に近づいてくる悪魔らしき少女を目に納めると振っていた拳を下ろし待ち構えるように道の真ん中に立った。
「──ん?ちょっと退きなさいアンタ!危ないわよ!」
「ふんっ!悪魔言うことなんて誰が聞くもんですか!散りなさいっ私の鬱憤と共に!ゴォォッドブロォォオオオ!!!」
「ッ!?!?」
近づいてくる少女に思い切り振りかぶった光る拳を打ち込む。
出会い頭にそんなことをされれば誰だって驚くだろう。その少女も例外では無く、向けられた何故か悪寒を感じる光る拳を潜るように、咄嗟に上体を下げスライディング気味に拳の下を通り抜けて
ここだけ切り出すと何処のバトル漫画だと思うが、無論偶然である。
「ちょっ、急に何すんのよ!危ないじゃない!」
「チッ避けられたか。いいわ、次こそh「ワン!」ムグッ」
避けられたことに憤りつつ追撃を仕掛けようとするアクアの顔に、何かが張り付くかのように飛び掛かって来た。悪魔へ向けた怒り、中々クリアできないゲームへの鬱憤、様々な感情を抑えつけるように飛び込んできたナニカを苛立たしげに引っ剥がす。
「ふぉなふぇふぁい!っ離れなさいよ!!何邪魔してくれてんの!?先にアンタにゴッドブ…ロ……ォ?」
「ワン!」
顔に飛び込んできた白い犬を掴みながら凝視する。アクアはそのどこか見覚えのある犬を見ながら思い返す。それはカズキと出会う前のこと。
『ちょっと!何で追い掛けてくるの!?私何も悪いことしてないのに!!
…………、そんな苦い思い出が頭を過る。これ以外にも何度も何度も追い掛けられたのだ。
アクアの顔は先程とは違う形に歪められ、口は引きつり冷や汗が肌に浮かんでくる。これまで何度もこの犬に追い掛けられたことは、アクアにとって苦手意識を植え付けるには充分な出来事だった。
「ア゙っアンタ……」
「ワン!」
「~~~ッ!!」
手に持つ白い犬を放り、全力で距離を取るように後ろへ向かってひた走る。犬の方も上手い具合に着地したあと逃げ出すアクアを追い掛け始めた。
「何よ何でよ何なのよぉぉぉお!!何でアンタは毎度毎度私を追い掛けてくるのよっ!
っ!そこの赤髪悪魔!待ちなさいっ!アンタ私の代わりに追い掛けられなさいよ!」
「ハァァアアア!?何で私がそんなことしなくちゃいけないわけっ!?アンタこそアイツ引き連れてどっか行きなさいよ!」
「何よ!そもそもアンタがアイツ連れてきたk「ワン!」ヒィっ!」
「「来るなぁぁぁああぁぁああああ!!!?!?」」
「ワン!ワンっワン!」
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「はぁはぁぁ、はぁぁぁ~~。どうにか逃げきってやったわ。まぁあの悪魔は取り逃がしちゃったけど、今日は気分も良いし見逃してあげるわ」
「ふっふっふ、それにお弁当も守りきれたし、アーッハッハッハ!ざまぁ見なさい!これで前の借りは返したわよ!もうアンタなんかに恐がることはないわ!」
未だカズキと会ってない欠食の頃、何度も理由なく吠えられては追いかけ回されたのだ。逃げ切った今、調子に乗るのも無理はないだろう。そんな満足感と高揚感に包まれながらそのままのテンションでドタドタと寝室─ゲーム─を目指して歩を進める。
「ふっふっふ、見てなさい。今の私ならアンタなんてコテンパンにっ」
宣戦布告のつもりだろうか、テレビ画面へと指を差しドンっと一際強く足で床を踏みしめた時だった。
ブツッ
という嫌な音がアクアの耳に入ってきた。
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「ただいま~。アクア~昼飯ちゃんと食っt……、何やってんだよ」
「うっゔうぅぅ!ガジュキ~ゲームがゲームが!」
「どうしたんだよ?」
「うゔうぅぅぅぅゔう、ゔうぅぅ」
「なになに。飯買いに行って、帰りに犬に追っ掛けられた」
「ゔっ!うぅぅぅぃい゙い゙」
「逃げ切った後、部屋でドタドタやってたら電源落ちてゲームのデータがパァになった、と」
「ゔん」
「…………お前のせいじゃね?」
アクア
パスワード?何それ?って感じで撃沈、渋々最初から……、と思わせつつ元の所までカズキにやらせる。
私は□ックマンの流星が好き。エグゼも好きだけど5,6しかやったことがない。どっちも次回作とかないかなぁ。
赤髪の少女
アクア曰く悪魔。いつも犬に追い掛けられてはメロンパンを強奪されている。作者としてはアクアを彷彿とさせる愛すべきアホ。
みなさんはふとしたことでゲームのデータが消えて、泣いてしまったことはありますか?
私は小学校上がったばかりの頃、64でポケモン銀やってたら弟に消されてました(泣)。たまたまコントローラーのコードに足音引っ掻けてブツリと。
当時ルビサファ出てたけど目が悪くなると言われ携帯ゲーム買ってもらえず、苦肉の策として64のポケモンコロシアムでプレイ。