物語の執筆者   作:カボチャッキ―

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第四話

 

 心の中に納得が出来ない感情がありながらもその日は寝ることにした。何度も見て来たのだ例え命に変えてもやらなければいけないことを。そしてそれをやってきた英雄たちを。

 

 

 そして次の日、クー・フーリンからマシュちゃんの宝具のことや、敵の親玉がアーサー王であることが聞かされた。

 

 俺知ってる。その人めっちゃ知ってる。会いたくない感情に支配されながらも諦めて進む。そして、俺たちは近くの山に到着した。その山の中に変な洞窟があった。

 

 小学生ぐらいなら肝試しに使えそうだなとのんきに思っていると後ろから声が掛る。

 

「ココから先には行かせんよ」

 

 出て来たのは浅黒い男であった。凄い筋肉が盛り上がっているな。

 

「おっと来なさった。アーサー王のファンだぜ」

 

「別にファンになった覚えは無いのだがね」

 

「知り合い?」

 

「ああ、アーチャーだ。いつでも気に食わない奴だよ」

 

 凄く嫌そうな顔をするクー・フーリン。馬が合わないのだろう。

 

「さて、こいつの相手は俺がする。先に行け!」

 

「行かせると思うか?」

 

「逆に聞くが俺が何もしないと思うのか?」

 

 おお、火花が散ってる。これは熱い戦いになるぜ!

 

 観客気分で二人を見ていると、藤丸君たちは洞窟の中へと進んでいく。どちらを見るか迷ったが俺も着いていこう。

 

 そう思い歩きだしたら、クー・フーリンに肩を掴まれた。

 

「おいおい、マスターがサーヴァント置いて行く気か?」

 

「おいおい、サーヴァントがマスターを戦闘に巻き込むつもりか?」

 

 にやっと笑うクー・フーリン。

 

「当り前だろう」

 

「やっぱ、お前死んだ方がいいよクソ犬」

 

「俺は飼い主がいないと寂しんだよ……避けろ!」

 

「緊急脱出!」

 

 クー・フーリンと話していると俺たちに向かって攻撃をしかけてくるアーチャー。俺の知ってる矢と何か違う!

 

「こっちは急いでいるんだ!」

 

「はっ、かかってこいよ!」

 

 自慢の杖を燃やしながら槍のように振り回すクー・フーリンと剣を持って迎撃するアーチャー。俺の知ってるアーチャーとキャスターとなんか違う。

 

 そのままジャンプして離れていく二人。洞窟の前に置いてかれる俺。あいつは何がしたかったのだろう?

 

 疑問に思っていると頭に声が聞こえてきた。

 

『すまん、無理やり連れていくつもりだったがミスった。もう戻るの面倒だから先に行ってくれ』

 

『お前、いい加減にしとけよ。ひとりぼっちとかこっちは泣きそうだぞ』

 

『こういうのも慣れっこだろ、相棒』

 

『……ああ』

 

 相棒とは懐かしい呼び方をしてくれる。もしかしたら気付いているのかもしれない。けど、あいつ頭悪そうだしないや。

 

 それじゃ、行くかと洞窟を進んでいると広い場所に出る。そこではマシュちゃんと黒くなったアルトリアがいた。

 

 マシュちゃんはボロボロになりながらも盾を構えていた。その盾からは不思議な模様が出ていた。これがクー・フーリンが言っていた宝具の開放と言う物なのだろう。一方で黒いビームを放つアルトリア。

 

 状況は分からないが攻撃を防ぎきったようだ。それにしてもあの格好どっかで見たな。

 

 そう思っていたら俺の頭に稲妻が走った。あれは一時期黒色にハマったアルトリアがしていたコスプレの格好ではないか。俺が小さい子供を見るような目で見ているのに気付いたアルトリアが泣きながらビームを放ってきたのはまだ覚えている。

 

 あいつ、あの格好気に入ってたんだな。

 

 少し生温かい目で見ているとアルトリアがじっと俺を見ていた、怖い。顔を引き攣らせながらアルトリアを見る。

 

「……そこの男名前は?」

 

「藤丸です」

 

 俺が来たことに少し驚きながらも藤丸君はすぐに言い返してきた。

 

「ちょ、夏目さん勝手に俺の名前を名乗らないでください!」

 

「……オルガマリーです」

 

「私の名前も止めてよ、春樹!」

 

「春樹と言うのか。貴様の目線がかなりイラッとした。よって貴様から殺してやる」

 

 目線で殺すなんて言われたの初めて。

 

「どんな目で見ていたのよ!」

 

「見てない、見てない! そんな変な目で見てないよ。ただ、変わった格好をしているなって」

 

「夏目春樹という名前は先ほど聞いた。アーサー王は女装の変態だと広めた者の名前だったな」

 

「……同姓同名ですよ」

 

 誰だ、こいつに俺の名前出した奴。殺してやる。

 

「あの時は男であると書いていたと思ったのだがな」

 

 ぼそっと呟いたアルトリアの声にびくっとなる俺。もしかしてばれたのか。確かにあいつは勘のいいやつだったが、ばれるはずはない。

 

「まあいい。私がやることは決まっている。ここで貴様らを滅ぼすことだからな」

 

 何かやばそうな黒い光を剣に集め出すアルトリア。再び防ごうと盾を構えるがボロボロで立っているのもやっとなマシュ。

 

 万事休すと思っていると声が聞こえた。その声の命令に従いすぐに叫ぶ。

 

「来い、キャスター!!」

 

「待たせたな! ほら、速く次のも言え」

 

「宝具を放て!」

 

「あいよ!」

 

 何か呪文らしきもの唱えたと思ったら樹の巨人が出てきた。あれって、悪趣味な処刑道具じゃね?

 

 そう思っていると予想以上に素早い動きをした樹の巨人に捕まりアルトリアは燃やされた。

 

 どうやら、いきなりで対応が出来なかったようだ。知っている者同士が戦うのを見るのは正直きついが、これからも起こることだろう。

 

 いきなりであったがこの戦いは俺たちの勝利で終わったようだ。


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