人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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こちらの回は幽冥の視点と西口での戦闘回です。
そして、今回のおまけコーナーは悪維持さんの鬼崎 陽太郎がゲスト登場します。
では、どうぞ!!


記録百拾漆

 本当に『お告げ』通りに現れた。

 ネコショウもとい鈴音から聞かされた予言の能力。

 

 予言たちクダン種の魔化魍は、魔化魍とは関わり合いの無い普通の牛から産まれる突然変異で誕生する珍しい魔化魍だ。

 しかし、突然変異の末で誕生するクダン種の魔化魍は産まれて間も無く死ぬことが多く、無事に成体まで成長する事は極めて難しいとされる。他の魔化魍に比べて、その肉体は脆弱、鬼ではなく木の棒を持った子供に殺されるほどの弱さだ。

 だが、そんな彼らの持つ固有能力、その能力だけは魔化魍種全体で見たら間違いなく高位に位置するほどの能力だ。

 占いによる予知……人間を捕まることもできず、他の魔化魍に獲物である人間を捕まえて貰えなければ碌に飯も喰えず、あまりにも弱すぎる脆弱な肉体を持った魔化魍の誇るべき力だ。

 アマビエこと波音も少し先の未来を見るという似た能力を持つが、違いを言うのなら波音は『未来視』で、クダン種は『占い』というくらいだろう。

 

 そして、予言の『お告げ』で次の猛士の奇襲を聞き、それに合わせて家族を分けてその場に向かってもらった。

 ただ、前回の静岡支部の襲撃の際に悪魔魔化魍のチュパカブラによって目をやられた三尸と兜は跳の協力で作った『転移の札』を使い、目の療養と今の状況、そして共存派との同盟の話を改めて留守番組に伝えるために先に妖世館に帰ってもらった。

 

 目の前には此処、中部地方の『8人の鬼』である狼鬼とその背後にいる鬼と天狗を合わせて11人の猛士がいる。

 その中で此処、中部地方の『8人の鬼』の狼鬼が私と鈴音の姿を見てわなわなと震え始める。

 

「やっと、やっと会えたなああ!! ネコショウウウウウ!!」

 

 怨みの籠った声を上げる鬼。

 どうやら、鈴音と過去に何かあったようだ。

 しかし、私には関係のない話。何故なら、私は目の前にいる魔化魍根絶を企む鬼共を絶対に許さない。

 

 鈴音から聞かされた。

 魔化魍殲滅派閥こと過激派のことを、この地での猛士の行いを、幼体魔化魍の無意味な大虐殺、成体魔化魍への実験など、似た話は北海道に行った時も聞いたけど、そこよりもタチが悪い。

 

「さあ、開戦です!!」 

 

鈴音

【開戦だニャ!!】

 

 さあ、始めよう。復讐という感情に支配された人の皮を被った愚か者どもに裁きを–––

 

SIDE坂鬼

 狼鬼さんの指示で俺たちは魔化魍の潜む廃洋館の西口に待機している。

 正直、魔化魍たちは入り口のある南口や出口のある北口から逃げるだろうから西口とか東口はそんな心配しなくて良いだろう。

 

「坂鬼さん。魔化魍の奴らこっちに来ますかね」

 

「ああ。どっちだって良いよ」

 

 正直どっちだって良い。俺は女の見た目をした魔化魍や妖姫を犯したくて仕方がねえからな。

 過激派に入ったのだってそれが理由さ。コイツら家族の復讐だの恋人の仇って言ってりゃ、俺が魔化魍を犯しても誰も文句も言わねえし、何だったら肯定もしてくれるから嬉しいもんだぜ。

 おまけに死ねば、何も残らねし、便利なもんだ。

 

「(メスの魔化魍でも逃げて来ねえかな〜)」

 

 だが、そんな考えごと中におかしな空気が漂ってきた。

 

「おい、テメエら。なんかおかしい、辺りを警戒しな!」

 

 そんな空気を感じてか、辺りを警戒に促した瞬間–––

 

ジャラララララララ

 

「え? うあああああああ」

 

 地面から突然飛び出した骨の尾が近くにいた無銘の身体に巻きつき、地面に引き摺り込まれる。

 

「唯彦!! ぐはっ、こ、この腕は………」

 

 地面に引き摺り込まれた無銘の腕を掴もうとした無銘の身体に地面から飛び出た鮫の鰭に似た鎌が突き刺さっている。

 

「クソ、『砂鮫』め! なあ、ギャアアア」

 

 無銘が『砂鮫』の鎌を撃とうとした瞬間、地面から飛び出た大顎が無銘の身体を挟んでその身体を両断する。

 

 おいおい、こりゃ奇襲失敗じゃねえか。しかもいきなり3人もヤられた。

 魔化魍が逃げては来ないだろうと、高を括っていたが、まさか逆に奇襲を受けるとは思わなかった。

 

「死にたくないなら、急いでそこから離れろ!!」

 

 流鬼がカスタムした音撃管から放たれる重厚のある音と共に放たれる空気の弾丸の嵐は無銘を殺した地面に向けてばら撒かれる。

 

「おいお前、葉栄支部長に連絡を入れろ」

 

「は、はい! 葉栄支部長。こちら西奇襲班。現在、魔化魍から攻げ、ぃ………」

 

 牧鬼の指示で錫鴉を使って葉栄支部長に連絡を取ろうとした無銘の頭に1本の矢が突き刺さり、そのまま倒れる。

 

 ご丁寧に錫鴉も壊しやがって、だが、あの矢の脅威は俺からすればそこまで脅威じゃねえな。なら–––

 

「おい牧鬼ぃ! オメエは『砂鮫』を追え! 流鬼は無銘たちを連れて、あの骨の尻尾の魔化魍を探しな!! 飛んでくる矢は俺が弾いてやるよ!」

 

 そう言った瞬間に俺に向かって矢が飛んでくる。

 どうやら矢を撃つ魔化魍はそこまで気が長くないようだな。俺に矢が集中してる間に他のメンツは指示通りに向かった。すると先程まで来た矢が急に来なくなった。

 

 廃洋館の方からこっちに向かって何かが歩いてきやがる。

 そうして歩いてくるものを見て納得した。

 

 なるほど、どうやらの俺のお相手は目の前にいるヤシャ(荒夜)ハンニャ(狂姫)のようだな。

 重なっていた音撃像板(カスタネット)を取り外し、構えるのだった。

 

SIDEOUT

 

SIDE砂灸

 ようやく見つけた。

 猛士中部地方愛知支部所属の牧鬼。それが私の父と母を惨たらしく殺した鬼の名だ。

 あの時の私は幼体で、突如来た牧鬼に父は殺され、母は戦うことが出来ない私を庇いながら戦ったが、徐々に母は身体の一部を切り落とすようにバラされていった。母は最後の力を振り絞って私を遠くに投げ飛ばし、私だけ助かった。

 今でもその光景が悪夢として出てくる。でもそれも今日まで–––

 

砂灸

【あの時に殺された父と母の仇を討たせてもらう】

 

 偶然なのか私を追いかけて来たのは、牧草のような色合いで縁取りされた面に、棘の生えた音叉鞭を持った仇の鬼である牧鬼がいた。

 

「へっそ。まあ俺も正直そこまで覚えて無いし、どうでも良いんだよ!!」

 

 振るわれた音叉鞭を砂灸は避ける。だが、牧鬼は音叉鞭を軽く捻ると、鞭先は避けた砂灸を追いかけるように動く。

 

砂灸

【なっ!】

 

 避けた筈の攻撃が自身に迫るのに驚く砂灸は地面に潜ろうとするが、穴を掘るよりも速くに鞭が砂灸に迫る。

 

【危ないなあ】

 

 だが、砂灸を狙った鞭は地面から飛び出た大顎に掴まれる。

 

「おいおい。当てられると思ったんだが」

 

潜砂

【偶然出ようとしたら鞭があったから掴んじゃった】

 

 そう言って出てきたのは潜砂だった。

 

「じゃあ、離せよ!」

 

 牧鬼は潜砂に掴まれていた筈の音叉鞭を腕の力だけで引っ張って自分の手元に戻す。

 

潜砂

【ありゃりゃ、割と強く掴んでたのに】

 

「まあ、そんなのはどうでも、いんだよ」

 

 音叉鞭を潜砂の大顎に巻き付けると、鞭の反動を利用して潜砂の方に跳び、腰に付けた音撃棒を取り外す。

 上空から降ってくる牧鬼はその勢いのまま音撃棒を潜砂の大顎に叩きつける。

 

オギャアアアアアアアア

 

 鈍く砕ける音が響くと、潜砂の右大顎の先端が砕ける。

 

ウエエエエエエエエエン

 

 それを見た砂灸が牧鬼に鰭の鎌を振り下ろすが、牧鬼は潜砂の砕けた大顎の破片を余った鞭で宙に浮かせると、脚で破片を蹴り飛ばす。

 破片は振り下ろされる鎌の軌道を逸らし、いつの間にか解いた音叉鞭を砂灸に振るう。

 

ウエエエエエエエエエン 

 

 振るわれた音叉鞭は砂灸の目元付近を切り裂く。

 苦悶の声を上げる砂灸に音撃棒を振ろうとした瞬間、地面から飛び出た潜砂の大顎が砂灸の身体を掴むと地面に引き摺り込まれて消える。

 

「あらら逃げるの? 別にいいけど」

 

 牧鬼は音撃棒を腰に戻して消えた潜砂たちを追い掛けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 そして、少し離れた場所で飛び出た砂灸を抱えて飛び出した潜砂。

 

潜砂

【大丈夫?】

 

 潜砂はそう聞くが、砂灸から返事はない。

 

砂灸

【な…で、邪……した】

 

潜砂

【え?】

 

砂灸

【なんで、邪魔をした!!】

 

潜砂

【ええ!!】

 

 潜砂は助けたと思ったら相手にまさかこんなことを言われるとは思わず、驚く。

 

砂灸

【奴は私の両親を殺した鬼だ。私は奴を殺すことで本当の意味で前に進める】

 

潜砂

【…………】

 

砂灸

【手出しは無用だ。私ひとりで奴を】

 

 え? 顔が痛い。

 

 砂灸が顔を上げるとそこには大顎を振った潜砂の姿が目に入る。

 

潜砂

【はあーーーもう。なんで僕って自分ひとりで何でもしようとするのと組まされるの】

 

 と、ため息を吐きながら言う潜砂。

 そして、大顎で私の顔を抑えて、私の顔を見ながら言う。

 

潜砂

【あのね。砂灸があの鬼に対して復讐したいとか、今はどうでも良いの!】

 

砂灸

【はあ!?】

 

潜砂

【勘違いしないで欲しいけど、復讐を否定してるじゃない。

 ひとりであの鬼を殺すことに拘ってるその思考がどうでも良いの】

 

砂灸

【しかし、私は…】

 

潜砂

【もう一回言うよ。ひとりで鬼を殺すことに拘ってないで僕に頼れって言ってるの】

 

砂灸

【え?】

 

潜砂

【良い。僕たちはもう魔化魍の王の家族なんだよ。

 なら、家族である砂灸のやりたいことは家族である僕が手伝う。ひとりで出来ることなんてたかが知れてるんだから】

 

 私の頭を音撃棒が叩いたような衝撃がくる。

 父と母が死んだ私はひとりで生きることになった。幼体の獲れる獲物なんてたいしたものは無く、酷い時は何もない時があった。それからある時に鈴音に助けられて、『鳥獣蟲同盟』の魔化魍たちに鍛えられて今の私がいる。

 ずっと、奴をひとりで殺すことを考えていた私は関係もない誰かに頼るのは嫌だった。だが、潜砂は言った。

 家族と、そうだ関係のない誰かではない。会って間もない自分を心配してくれる同種に私は嬉しかった。

 

砂灸

【なら、お前の力を借りたい。協力してくれ潜砂】

 

潜砂

【いいよ。それに丁度来たみたいだよ】

 

 そう言った潜砂の視線の先には–––

 

「見つけた。さあ続けようじゃねえか」

 

 痕跡を辿って潜砂たちを探し出した牧鬼が現れる。

 

潜砂

【やろうか。砂灸!】

 

砂灸

【ああ。潜砂!】

 

 潜砂と砂灸は互いの大顎と鰭の鎌を重ね、地面に触る。

 

「ああ?」

 

潜砂

【むううううう】

 

砂灸

【はあああああ】

 

「何をおっ始めるつもりだ?」

 

 ふたりの何かを溜めるような動作に牧鬼は音叉鞭を構えながら注視する。

 

潜砂、砂灸

【【砂大津波!!】】

 

 ふたりの叫びと共に、重なった大顎と鰭の鎌の触れる地面が徐々に砂へと変わり、砂はどんどん波立ち、小さな波へと変わって、やがて、幾つもの砂の波が生まれ、さらに互いにぶつかり合い、大きな波へと変わる。

 潜砂と砂灸の互いの意識が完全に同調し、術で作り出した砂の波は互いを取り込み、巨大なる砂の大津波へと変わり敵である牧鬼を呑み込もうとする。

 

「ちぃいいい!!」

 

 牧鬼は音叉鞭を振り回して砂を削るも、下の砂が削れた箇所を補い、削れた砂は下の砂に吸収され補う砂に変換される。

 いくら攻撃しても、無限に再生する砂で牧鬼は忘れていた。

 

「奴らは何処に!!」

 

 そう術の使用者である潜砂と砂灸がいつの間にか消えていたことに、だが牧鬼は直ぐにふたりを見つけた。

 

オギャアアアアアアアア ウエエエエエエエエエン

 

「津波の中だと!!」

 

 そう砂の大津波の中を泳ぐように移動する潜砂と砂灸。

 

「だが、場所が分かればどうでも良いなあ!」

 

 牧鬼が音叉鞭を砂大津波の中を泳ぐように移動する潜砂たちを狙うが–––

 

オギャアアアアアアアア ウエエエエエエエエエン

 

 だが潜砂と砂灸は砂大津波の中に潜って、音叉鞭を避ける。

 

「くそおおおおお!!」

 

 もはやなりふり構わず牧鬼は無茶苦茶に音叉鞭を振るう。

 そして、牧鬼の近くまで到達すると、砂大津波が盛り上がり、そこから勢いよく交互に潜砂たちが飛び出す。

 最初に飛び出した潜砂に牧鬼は音叉鞭を振るうも、潜砂は身体を僅かに傾かせて、音叉鞭を紙一重に避け、牧鬼の横をすれ違うと同時に音叉鞭を持った腕を折り砕く。

 

「ぐがああああああああ!!」

 

 次発として飛び出した砂灸は、鰭の鎌を前に突き出し身体に回転を始める。徐々に回転が上がり暗緑色の弾丸と化した砂灸が衝突し、牧鬼の身体をバラバラに四散し、砂灸は先に着地した潜砂の側に鰭の鎌を突き刺して着地する。

 バラバラになった牧鬼の上半身が着地した潜砂と砂灸の前に落ちてくる。

 

潜砂

【言い残すことある?】

 

「が、げほげほ、へ、魔化魍にやられるとは俺も焼きがまわ、た………」

 

 そう言いながら牧鬼は事切れた。

 

潜砂

【この鬼、喰べる?】

 

砂灸

【いらんさ。こいつの死体なぞケモノの餌で十分さ】

 

潜砂

【そう。じゃあ荒夜と狂姫のところにいこう!!】

 

 そう言って、潜砂は走り出す。見た目は成体で、さっきはあんな事を言っていたが、中身はまだまだお子ちゃまのようだ。

 しかし、この子とは何処かで会ったことがあるような気がする?

 

 そんなことを思いながら砂灸はどたどた先を走る潜砂の後を追いかけるのだった。

 

SIDEOUT

 

SIDE骸

 お、来た来た。

 俺を追って来たのは、愛知の流鬼とあの場にいた無銘が全員か。

 

【おお!! あの場にいた無銘を全員こっちに付けて、俺を脅威と判断したのか?】

 

「貴様が『独眼蛇』のガシャドクロか?」

 

【へえ〜。俺の名前も結構売れたもんだなぁ。やっぱ、あの鬼を殺したのが理由かねえ〜】

 

「へえ、ということは四国の暴鬼を殺したのはお前か!」

 

【ああ? ああ、あの鬼か。あいつの骨は良いものだった。

 あの時、襲撃した支部の鬼は殆ど弱くてなあ、あの中で唯一マトモな骨だったのは、あの鬼のだけだったな】

 

「…………」

 

【そうそう。見るか?】

 

「見るだと」

 

 コレクションを人間に見せびらかす趣味はないが、いい感じに冷静さを保てなくさせるという目的で見せるんだけどな。

 

【こいつが、その鬼の骨さ】

 

 空間倉庫から取り出された頭蓋骨は見て、俺は思う。

 鬼の強さとしてのレベルが骨に表れているのだとしたら間違いなく、この骨は俺の持つ骨でもトップクラスだ。まあ、あそこで貰ったお詫びの品として渡された水晶頭蓋骨の方が間違いなく凄いが………まあ、人間じゃ無さそうなものも混じってるから当たり前か。

 

「それが暴鬼さん?」

 

【ああ、あの鬼を殺した後に頭をもぎ取って、骨を残すように溶かした後に残った骨は喰らった】

 

 俺の言った言葉に無銘共は、口元を抑えたり、恐怖で震えてたりしてる。だが、流鬼は違った。

 

「ああ、暴鬼さん。暴鬼さん。今、救ってあげます」

 

 予備動作などもなく急に音撃管を撃ってきやがった。慌てて、頭蓋骨を仕舞い、地面を抉るように持ち上げて流鬼の空気弾を防ぐ。

 

「流鬼さん。どうしたんですか!!」

 

「死ね死ね死ね死ね死ね」

 

 ヤベっ、どうやらあの鬼の何かに触れちまったか。冷静さを失わせることは出来たんだろうが、こりゃ、ミスっちまったか。

 

「流鬼さんのことは気にするな。固定砲台と思って、俺たちは流鬼さんのフォローすればいいんだよ」

 

 無銘の1人がそんなことを言い、他の5人もそれに納得したのか音撃武器を構え始めた。

 ヤバいな。見たところ無銘の音撃武器は音撃管が3人、音撃弦3人か。音撃弦は問題ないが、あの鬼と共に撃たれたらこっちもマトモに防げねえな。なら–––

 

【あいつから借りて良かったぜ】

 

 俺が取り出したのは、この中部に来る前に蛇姫から借りてきた音撃武器 音撃金棒 戰。

 そして、空間倉庫から取り出したのは、さっきの暴鬼の頭蓋骨じゃねえ。別の鬼の頭蓋骨だ。

 

屍闘術(しとうじゅつ) 骨刻残思(こつこくざんし)(ほう)

 

 出した頭蓋骨に宿る記憶を呼び覚まして憑依させた竜牙兵を操る俺が独自に生み出した屍闘術(しとうじゅつ)

 ただこれを使ってる間は、俺自身動けなくなるので、術を使って地面を隆起させて壁を作った。しつこい流鬼の攻撃はこれで防いでる。

 

「なんだあれ!」 「魔化魍の術か!?」 「さっきとは違う骨だったぞ」

 

「あははははははっはははははっは、死ね死ね死ね死ね」

 

 いい感じに出てきた竜牙兵に驚く無銘たち。だが、流鬼はそんなことに構わず俺を攻撃する。あの様子じゃ、仲間の事はすでに眼中にないだろう。

 だったら、ちゃっちゃと周りの無銘を片付ける。

 

 音撃金棒 戰を持った竜牙兵は音撃管を持った無銘たちに一気に近付く。

 

「は、速いがびゃ」 「ぎゃああ」 「がべっ」

 

 先ずは、流鬼を除いた遠距離要員を潰す。

 

「クソ!!」

 

 音撃弦を持った無銘の1人が竜牙兵の身体に音撃弦を振るうが、竜牙兵は音撃金棒を盾に音撃弦の攻撃を防ぎ、隙むき出しの身体に重たい一撃を振るう。

 

「がばっ……」

 

「イヤアアアア!」 「シャアアアア!」

 

 くの字に折れ曲がって遠くに飛ばされる無銘を見た瞬間、残った2人の無銘が喊声(かんせい)を発する。

 だが、竜牙兵はイナバウアーのように身体をのけ反らせて、無銘の大振りの一撃を避け、地面に手を付いた瞬間に竜牙兵は2人の無銘の腹に向けて強烈な蹴りを入れて無銘たちを吹き飛ばして、その勢いに追走させて音撃金棒を飛んでる無銘2名に振り下ろして撲殺する。

 

「がば」 「あが」

 

 残りは、無銘がやられてるっていうのに土の壁の中にいる俺に向けてずっと撃ち続ける流鬼のみだ。

 

「なあ、そこから出てきて戦え。自分だけ引きこもって恥ずかしくないのかよ!!」

 

 流鬼があんなことを言っているが、あの音撃管は独自にカスタマイズされているな。

 大方、空気弾自体が音撃と似た性質を持たせてるんだろうな。だから、俺に出てこいと言ってるんだろう。

 

「はやく。ハリー、ハリー、速く殺させろおおおおおお!!」

 

 流鬼は我慢できないのか更に音撃管の横にあるダイアルを回すと、空気弾の勢いはそのままだが、弾の大きさが変化し、威力が増して壁の破壊を急かす。

 

【このままじゃマズいな。

 さて。外にある竜牙兵じゃやられるなぁ。なら】

 

 そう言って骸が空間倉庫から取り出したのは鬼崎 陽太郎からプレゼントされた水晶頭蓋骨のひとつ。

 黄水晶の頭蓋骨。これは人間の頭蓋骨ではない水晶頭蓋骨のひとつで、王に見せて貰った図鑑によると太古に存在した肉食恐竜に似た頭蓋骨だ。

 これに竜牙兵を作る時のように骨の身体を作り出す。

 

「何をする気か知らないが、どんなものがこようが蜂の巣にしてやる!!」

 

 そうして生み出されたのは黄水晶の頭蓋骨を頭部とし、頭部と同じ黄水晶に染まった巨大な骨の肉食恐竜が生まれる。

 

【初めてやるから遊びはナシで、速攻で決めてやる】

 

 黄水晶恐竜は、流鬼を視認する(目はねえが)とその大きな口を開きながら流鬼に向かって爆走する。

 

「な!? 壊れろ壊れろ壊れろ、壊れろっつんだよおおお!!」

 

 音撃管の空気弾を黄水晶恐竜に向けて撃つも、従来の黄水晶とは異なる硬度を持った身体の恐竜にはまるで意味がなく、どんどん迫る。煩わしいく思ったのか黄水晶恐竜は太い骨の尻尾を振り回して、流鬼を空中に飛ばすと宙で動けない流鬼の身体にその牙を食い込ませる。

 

「がああああああ、うう、暴鬼さん、助けて、助けてえ………」

 

 死んでるはずの鬼の名を叫んだ流鬼は黄水晶恐竜によって噛み砕かれ、なき別れた肉が地面に汚い音を鳴らしながら落ちていく。

 骸はそれを見て、戦闘が終わったと確認して黄水晶の頭蓋骨と鬼の頭蓋骨を回収するのだった。

 

 

 

 

 

 

 結局、何が原因であの鬼が暴走したのか知りたくはねえが、めんどくさかった。

 おまけに骨はいまいちな奴らばっかだな。まあ、悪いことばかりじゃねえしな。

 

 骸が尾で持ち上げたのは先程の戦闘で使った黄水晶の頭蓋骨だ。あの時、流鬼の身体を噛み砕き、僅かに口元に残った血や肉片を黄水晶に吸収された。すると、黄水晶の輝きが少しだけ増したのだ。

 この水晶頭蓋骨だけがそうなのか、それとも他の水晶頭蓋骨もそうなのかは分からないが、次の機会があったら別の水晶頭蓋骨を使うのも良いかもしれないと骸は思うのだった。

 

 さてと、他のところの手助けにでも行くか。

 

SIDEOUT

 

SIDE坂鬼

 目の前にいるのはヤシャとハンニャか。確か、魔化魍の血を飲んだ瀕死の人間が成り果てた魔化魍だったか。

 しかし–––

 

 坂鬼の見る視線の先にはハンニャこと狂姫がいる。

 そして、ある点を見て面の下で薄汚い笑みを浮かべる。

 

狂姫

【援護します荒夜様】

 

 矢を番えて、坂鬼に向けようとした狂姫を荒夜は手で制す。

 

荒夜

【……姫、此処は私にお任せを………】

 

 そう言って、ヤシャがハンニャを後ろにさがらせて刀の鍔に指を掛ける。

 

「へえ〜居合か? 変わったヤシャだな」

 

荒夜

【…………】

 

「おいおい。人間と話す口を持たねえってか?」

 

荒夜

【…………フン!!】

 

 って、一言も喋らずに首を落としにきやがった。

 

「ちょ、危ねえな。加減してくれよ〜。それでも元人間かよお!!」

 

 だが、坂鬼はその一閃を身を屈めて避け、荒夜の喉元に向けて音撃像板(カスタネット)を振るう。

 荒夜は腰に差した鞘を抜いて、音撃像板(カスタネット)を弾いて、後ろに跳ぶ。

 

「おー、逃げんのかよ」

 

荒夜

【…………】

 

 煽ってみるも、驚くほど何の反応も無しで、すぐさま居合でまた首を狙ってきやがった。しかも連続でひたすら首を斬ろうとしてくる。

 

 だが、坂鬼は風に揺れる木の葉のように荒夜の居合を軽々と避ける。

 しかも坂鬼は避けると同時に何度も音撃像板(カスタネット)を荒夜の身体を切り裂く。

 

荒夜

【っ……】

 

 音撃像板(カスタネット)

 音撃振張よりも小型化した小型の丸刀のような音撃武器なのだが–––

 

「ちっ。じゃあこんなのはどうだ!」

 

 坂鬼は音撃像板(カスタネット)を重ね、荒夜の前に突き出す。

 

音撃響(おんげききょう) 合掌爆裂(がっしょうばくれつ)

 

 坂鬼が音撃像板(カスタネット)を叩くと音撃像板(カスタネット)の内側に付けられた鬼石同士がぶつかり合い、その衝撃が荒夜の周囲が一瞬で爆裂し、辺りに黒い煙を生み出す。

 さらに坂鬼はリズム良く叩くたびに爆発していく。

 

狂姫

【荒夜様!!】

 

「どうよ。俺の音撃はビックリしたろう。この音撃はそうそう避けれんからな跡形もなく吹っ飛んだか」

 

狂姫

【荒夜様! 荒夜様!!】

 

 涙を流しながら煙の方を見るハンニャの姿に俺のムスコはもう大興奮。

 さて、手脚を落としてから、たっぷり可愛がってやろうかな。と、その前に心を折っとくか。

 

「無駄無駄、どうせ死んでるんだ。それよりもお前、む!」

 

 刹那、その続きは言わせないと言わんばかりに猛烈な殺気を出す荒夜が広がる煙の中から静かに歩いてくる。

 

狂姫

【荒夜様!!】

 

「何故だ!! あの爆発でどうやって!?」

 

荒夜

【…………こいつのお陰だ】

 

 そう言った荒夜の手に握られていたのは先程までの心討(しんうち)ではなく黄緑色の刀身の小太刀 風鼬(かざいたち)が握られていた。

 あの爆発の瞬間に荒夜の腰にあったはずの風鼬(かぜいたち)は手にあった心討(しんうち)と入れ替わるように荒夜の手元に現れた。そして、何故か自身の手元にある風鼬(かぜいたち)を使い、瞬時に風を作り出し、その風を自身の周りに発生させることで音撃の爆発から身を守ったのだ。

 

 荒夜は風鼬(かぜいたち)を腰の鞘に戻し、心討(しんうち)の鞘に手を置く。

 

荒夜

【坂鬼ですね】

 

「あ?」

 

荒夜

【貴様の名を聞いてる?】

 

「ああそうさ。俺が坂鬼だ。何だ俺の名を知ってのか?」

 

荒夜

【ああ、鈴音から聞かされてな。よーーく聞かせてもらった】

 

 荒夜は最初に相対した際に、坂鬼が狂姫に劣情を抱いていたのに気付いていた。

 だからこそ、徹底的に首を狙ってさっさと殺そうとしたのだが、今だに生きている鬼にまさかと思い名前を聞いたのだ。

 そして名前を聞いて、ますます荒夜は殺気立つ。

 

 『魔化魍に劣情する畜生』と、鈴音から聞かされた荒夜。

 何でも妖姫や女性の特徴を持つ魔化魍を重点的に狙い、動けなくなったところで凌辱し、飽きれば殺すという鬼だという。

 一般的な思考を持つ猛士では考えられない考えだが、彼のいる過激派は魔化魍が苦しむ姿が見れるのなら何でも良いのだ。そこに倫理なんてものは無い。

 だからこそ、下半身と直結してる脳ミソの鬼を殺そうと荒夜はある技の使用を決断した。

 

「むぅ?」

 

 心討(しんうち)を抜いて刀を回転させ、熱を帯びた刀を鞘に再び収め、荒夜は深く構えるとそのまま、動きを止める。

 

「今までと違う大技か。だが、動け無いなら、良い的に………」

 

 再び、音撃像板(カスタネット)の音撃を撃とうとした坂鬼の動きも荒夜と同じように止まる。

 

 待て待て、何を躊躇う。

 動きを止めた奴に音撃を当てるのは簡単だ。だが、それで奴は死ぬのか?

 

 1度音撃が通じなかったことを見た坂鬼は音撃では荒夜を殺せないと思った。

 なら、どうするのか?

 

 坂鬼は音撃像板(カスタネット)を2つにして、荒夜に向かって歩き始める。

 そこまで離れていなかったこともあり、徐々に一歩、また一歩と坂鬼は近付くが荒夜は動かない。だが、構えを解かない。

 そして、荒夜の身体に音撃像板(カスタネット)を当てることのできる距離に入った瞬間–––

 

荒夜

煉獄繚乱閃(れんごくりょうらんせん)

 

 赤銅色に染まった刀身がヤシャの鞘から抜かれ、刀が振るわれる。ぎりぎりまで俺を引きつけての一閃。

 先程までの攻防で分かっている。あのヤシャは居合を用いての近接戦闘しか出来ない。

 刀が振り切った瞬間に俺の音撃像板(カスタネット)であの腕をへし折り、それと同時に脚を斬り裂く、そしてなぶり殺し。もしくは、あのヤシャの前であのハンニャを犯すのも良いな。

 

 しかし、坂鬼は振るわれたのは一振りの斬撃ではなく、三振り(・・・)の斬撃だった。

 一振りだった攻撃が急に三つに増えたように見えた坂鬼はそのまま3方向から身体を斬られ複数の肉塊へと変わるのだった。

 そして、刀を戻した瞬間–––

 

荒夜

【ぐああああああ!】

 

狂姫

【荒夜様!! 荒夜様、大丈夫ですか!!】

 

 突然叫び声を上げた荒夜が心配で側に駆け寄った狂姫は荒夜に声を掛ける。

 

狂姫

【荒夜様! 腕が!!】

 

荒夜

【ぐぅ…………大丈夫です姫】

 

 狂姫の視線の先には刀を握ったまま腕全体が赤紫に染まった腕だった。

 

荒夜

【大丈夫です姫。1週間刀を振れないくらいです。

 この技はまだ未完成でしたから】

 

狂姫

【荒夜様、なんでそんな無茶を!!】

 

荒夜

【姫、あの鬼は姫に邪な視線を向けて、劣情を抱いておりました。私はそれが許せなかった】

 

 狂姫の荒夜の言葉を聞いて、顔を赤くした。

 狂姫は自身の身を案じて未完成である技を使った。その事実が狂姫には嬉しかった。

 そして偶然にも荒夜の顔と狂姫の顔は近く、周りには誰も居ないと思った狂姫は愛する男(荒夜)の唇に自分の唇を合わせようとすると–––

 

【ヒューヒュー。お熱いねお二人さん】

 

荒夜、狂姫

【【っ!?】】

 

 2人が声の方に顔を向けると、草むらの陰で微妙に隠れてるようで隠れてない身体で荒夜たちの様子を見ていた骸たちだった。

 

砂灸

【こ、こら潜砂。こういうのは静かに見ないと】

 

潜砂

【でも砂灸だって、そこでキスしないでどうするってさっき言ってたじゃん】

 

砂灸

【それとこれは違うでしょ】

 

【おいオメエら、そこまで五月蝿いと【五月蝿いと?】……】

 

 声が聞こえて骸たちが顔を上げると–––

 

狂姫

【どうなのか教えて下さいみなさん】

 

 口元は天女の如き笑みを浮かべてるのに、目が明らかに笑っていない狂姫が立っていた。

 それを見た一同の行動は–––

 

【一抜け!!】

 

潜砂

【あ、ズルい!!】

 

砂灸

【逃げろ!!】

 

狂姫

【逃しませんよ!!】

 

荒夜

【く、はははははは!】

 

 走って逃げる骸たちを追い掛ける狂姫の姿を見て笑いながら、荒夜は王の勝利を信じて待つのだった。




如何でしたでしょうか?
前の月に出せなかったので、今回は前の話を含めて2話投稿してみました。
最近は暑さにダウンして、色々と体調が良くなかったのですが、頑張って書きました。
それと前話に登場したオリジナルディスクアニマル 錫鴉の説明をちょっとさせてもらいます。
錫鴉は錫色の鴉の形をしたディスクアニマルで魔化魍の探索ではなく味方の通信のために使われる少し特殊なディスクアニマルです。
猛士版トランシーバーと考えて下さい。通信距離は50kmで条件次第では100kmまで届きます。ただし、通信能力に特化してる為に攻撃力はなく、茜鷹よりも長く飛べません。
骸には水晶頭蓋骨を使った新技を出してみました。
次回は灯子たちのいる班と北口での戦闘回です。次回もよろしくお願いします。
それと、上に書いた通りにおまけコーナーは、悪維持さんの鬼崎 陽太郎がゲスト登場します。

ーおまけー
迷家
【は〜い。おまけコーナーの時間だよぉ〜】

迷家
【前の話の時は跳が代わりにやってくれたんだね。
 もう〜少し寝たら治ったって言ったのに〜】

迷家
【まあ、そんなことはさておき、早速本日2人目のゲストを呼ぼうかなあ〜。さあ、カモン!!】

迷家
【あれ? おーーーい出番だよ!】

「おっと、すまないね。ゲストとして呼んでる彼は来ないよ」

迷家
【な!! 誰だ!!】

「ふむ。義姉さんが僕のことを紹介してくれてると思ったんだけど」

迷家
【義姉さんって、誰のことだよ!!】

「ああ、それじゃ分からないよね。僕の姉さんは兵鬼 薫だよ」

迷家
【え? ………ええええええええ!! 薫の弟!!】

「そこまで驚くことかな?」

迷家
【じゃあ、前に薫が言っていた黒服たちの前の主人?】

「義姉さんはどんな紹介をしたんだろう。そう。僕は鬼崎 陽太郎。
 『煉獄の園(パーガトリー・エデン)』の主人さ」

迷家
【で、荒夜はどうしたの?
 僕は彼を呼んだつもりなんだけど】

「すまないね。荒夜と屍王とは再戦の時まであまり顔を合わせるわけにはいかないから。
 まあ、代わりに彼女を連れてこさてもらったよ」 パチン

常闇
【むっ、此処は………おお、お前は鬼崎か!!】

「お久しぶりですね常闇さん」

迷家
【本当に知り合いなんだね】

常闇
【ああ、知り合いだ。この場所は質問コーナーだったな。
 私が来たということは宝具風紹介をすればいいのか?】

迷家
【ホントは、その技を使った荒夜は呼ぼうとしたのに、この人がぁぁぁ!!】

常闇
【荒夜? ああ。そうか鬼崎は荒夜と戦ったことがあったな。
 なるほど、お前の教えた技がどうなったのかを知りたかったのだな】

「はい。僕も彼や屍王との再戦のために鍛えていますが、彼らもどうなってるか気になって」

常闇
【なるほど。まあ、荒夜はお前との再戦の為に幾つも技を考えてるからな。
 まあ、ひとつくらいなら教えても問題なかろう】

迷家
【いいの勝手に教えて?】

常闇
【秘匿すべき情報ではないだろうし、荒夜もおそらく気にしないだろう】

煉獄繚乱閃(れんごくりょうらんせん)
ランク:A
種別:対人
レンジ:1〜9
最大補足:1人
由来:荒夜が人間だった頃に最も得意とした刀技 『閃居合流』と『煉獄の園(パーガトリー・エデン)』の主人である鬼
崎 陽太郎が伝授した『煉獄一閃』を合わせた『煉獄重閃』を更に発展させた荒夜の新奥義。
元となった『煉獄重閃』は一定の距離を超えた相手の攻撃に合わせて無数の斬撃を浴びせていた。
此方はギリギリまで相手を引きつけ、相手の攻撃が自身に当たる直前に抜刀、全く同時に放たれる円弧を描いた3つの斬撃を浴びせるという某運命の世界の『セイバー無銘』と言われたある剣豪と似た「多重次元屈折現象」を引き起こしている。
魔化魍の身になったとはいえ、不可能を可能にした代償は大きく、この技を使用した直後、荒夜は「1週間刀を振れなくなる」。
荒夜は「この技はまだ未完成」と述べている。
この技がどのように発展していくのかは不明である。

常闇
【ふむ。このような感じかの】

「へえ〜僕の技でここまで出来るようになったんだ」

常闇
【しかし、1度振えば、1週間は闘えないということはまだまだこの技を使い切れていないということだな。
 本人も未完成と言っておるしな】

「ええ。ですが、彼ならばこの技も極めて更に新たな技を生み出すのでしょう。再戦のその時が楽しみですよ」

迷家
【……………じゃあ、今回はここまで、また次回のおまけコーナーで、バイバイ】

常闇
【また会おう】

「では、皆さんさようなら」

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