人間だけど私は魔化魍を育て、魔化魍の王になる。   作:創夜叉

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こんばんわ。
今年のFGOの水着が全然出なかった。この作品を読んでる読者の内何人がFGOやってるのかたまに気になる作者です。
ガチャショックで意気消沈気味ながらも書きました。




記録百捌

 今回のメンバーは私と従者の赤、緑の2人、捕虜の焙鬼、唐傘、骸、美岬、荒夜、狂姫、常闇、古樹、潜砂、舞、劔、刺馬。

 今回は殲滅特化の人選と言えるだろう。

 

 戦闘能力が高く、鬼との戦闘経験が豊富な美岬、荒夜、常闇、劔。

 

 索敵と状況把握に優れた唐傘、狂姫、古樹、舞。

 

 逃亡者追跡に特化した骸と潜砂、刺馬。

 

 正直、欲を言うのならもう少し連れて行きたかった。朧や暴炎、乱風、屍王、水底、紫陽花、渦潮、鉄といった戦闘能力という意味で挙げたメンバー並みに強い家族にも声を掛けたらしいが、私が留守の間に鬼に攻められた場合の防衛力と各々の用事と地形の相性という理由で来ていない。

 

 そんなメンバーを連れ、跳の残した札から辿って転移して着いたのは私たちの家である妖世館に近い見た目の廃墟の洋館。

 そんな廃洋館の前には五位と跳、そして見たことのない魔化魍が2体が並んでいた。私の姿が見えて跳が反応する。

 

【来やした!】

 

五位

【王、今回の件。責任は全て俺にあります。

 跳たちの罰は軽くお願いします】

 

 跳が私に気付き、次に五位が私の側まで来ると、勢いよく頭を下げて今回のことでの謝罪と責任についての話をする。

 

「謝って済む問題じゃないでしょ。

 今回のことで王がどれほど心配し「いいよ赤」え!? ですがしかし」

 

 赤は五位の言葉に怒るが私は言葉で制する。

 

「いいの。結果論になっちゃうけど、こうして無事だし、五位が助けたい子は助けられたんでしょ?」

 

五位

【はい。ですが、あと少し遅れてたら】

 

「王としての立場なら本来は怒らないとなんだけど、先に家族として今は言わせてもらうね。

 良くやった!!」

 

五位

【ああ、ありがとう、ございます】

 

「でも、今回の件で心配したのは本当だから。帰ったらキッチリ罰は与えるから覚悟しておいてね」

 

五位

【はい!!】

 

 そんな話をしてると此方を見ていた1体が私の近くまで来る。

 

【初めましてニャ。ニャンが『鳥獣蟲同盟』の長。ネコショウだニャ】

 

 そう言って自己紹介するのは協力を求めてきた件の魔化魍ことネコショウ。

 なんと言うか、今までで色んな魔化魍にあった私がいうのもなんだけども、ここ迄キャラが濃く独特な魔化魍はいただろうか。

 

「初めまして。魔化魍の王 安倍 幽冥です。

 ウチの家族がそちらに迷惑は掛けませんでしたか?」

 

【迷惑なんて無いニャ。むしろコッチは仲間を助けてもらったニャ。

 感謝してるんだニャ♬】

 

 やっぱり濃い。

 こんな風にキャピキャピしてる魔化魍は初めてだ。私の家族にも個性的な家族はチラホラといるにはいるが、美人、猫耳、鈴の付いた首輪、猫の尻尾、巨というより爆な実、猫のような四肢、花魁のような艶やかな和服姿、一人称がニャン、語尾はニャと、更に跳から聞いた話によると老若男女問わずに快楽に陥れる生粋のドSで、両刀(バイ)らしい、ここ迄属性てんこ盛りな魔化魍は多分居ないだろう。

 

【どうしたニャ?】

 

「ううん。何でもない」

 

 ネコショウが首を傾けて聞いてくるが、心の中のことを一旦置いてネコショウに答えた。

 

【は、初めまして、魔化魍の王。

 拙はアオサギビが、あ、五位と行動を共にしていたことがあるヨスズメです】

 

 ネコショウの背後にいて五位の側にいた雀の魔化魍ことヨスズメが幽冥に声を掛ける。

 

「ああ、跳から話は聞いたよ。そっか貴女がヨスズメね」

 

【はい】

 

 幽冥はヨスズメを見て、跳から聞かされていた事を思い出す。

 

ボソッ「ヨスズメって五位が好きなんでしょ」

 

【え? ……はわわ///////!?】

 

 跳から聞いた話から推測して、ヨスズメがアオサギビの五位に恋してるのはすぐに分かった。もっと言えば跳から聞かされた五位の反応からして五位もヨスズメに恋心を抱いてるのは分かっている。

 盲目的で一方的な愛は許容しないが、両方想いあってるのなら話は別だ。

 これでも自慢ではないが、前世で恋愛相談で何人ものカップルを成立させゴールインさせたこともある。そんなこともあってか一時期は恋愛コンサルタントの会社を運営していた友人の手伝いをしていたこともある。

 

「ふふ、私は貴女の恋を応援してるよ♩」

 

【あ、ありがとうございます】

 

「はあーーー」

 

 そんな話を聞き、他人の恋ごとには敏感なくせに自身のことは鈍感だと将来の義姉予定の人に聞かされていた赤は幽冥のその姿を見てため息を吐き、自身のこの気持ちに気付いてほしいなと犬猿の仲な最初の従者と同じことを思っていた。

 

 ヨスズメの恋の応援の後に再びネコショウとの話に戻った幽冥はある事をネコショウとヨスズメに聞いた。

 

「あ、そうだ。ネコショウとそのヨスズメに聞きたいんだけど」

 

【何だニャ?】

 

「私の家族のならない?」

 

【にゃああ?】

 

【え?】

 

 幽冥の言葉でフリーズしたパソコン画面のように固まるネコショウとヨスズメ。

 

「どうしたの?」

 

【…………にゃ、ニャンたちを家族にしてくれるのかニャ!?】

 

「うん。えっと、なにか問題あった?」

 

【全然だニャ! むしろニャンたちは嬉しいニャ!】

 

 ネコショウの言葉を肯定するようにヨスズメも首を縦に振る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、とんとん拍子に話は進み。

 

【ニャンたち、『鳥獣蟲同盟』は9代目魔化魍の王の矛として盾として、そして家族になることを宣言します】

 

 ネコショウの宣言に私の家族も『鳥獣蟲同盟』の魔化魍も関係なく歓喜の雄叫びをあげる。

 

【オラたちも王の家族だか。嬉しいなあヒダルガミ】

 

アア。本当に喜ばしいことだな………………人間でも、魔化魍でもない私も家族ですか。アレ(・・)に遭ってから数十年。

 もう出来ないと思っていた家族を作れるとは夢にも思いませんでしたよ」

 

 タンコロリンは噂の魔化魍の王の家族になったことの嬉しさを隣にいたヒダルガミの姿から戻った曙美に言い、曙美も過去のあることが理由でもう作れないと思っていたものが作れて巻かれた包帯で隠れた顔で少し分かりずらいがその顔は優しく微笑んでいた。

 

【そうだなぁ。…………だけんど、アイツらも一緒が良かったなあ】

 

「…………」

 

 だが、タンコロリンは素直に喜ぶことは出来なかった。中部の鬼との戦いで死んだ仲間たちがいないことを残念に思う。

 

 誰よりも他人を気遣うお人好しのジョロウグモも。

 

 周りを盛り上げたお調子ムードメーカーのオンボノヤスも。

 

 部下と自称した負けず嫌いのバケガニも。

 

 仲間思いのド変態のオクリイヌも。

 

 ちょっと天然お馬鹿のバケネコももう居ない。

 この喜びをもう2度と共有することが出来ないことに寂しい気持ちを口にし、それに曙美は答えられず、壁画に描かれた仲間たちの絵を見るのだった。

 悲しい雰囲気に包まれるタンコロリンたちと違って一方、コチラでは–––

 

五位

【またよろしくなヨスズメ】

 

【はい!! せ、拙も嬉しいです/////】

 

 翼を大きく広げながら喜ぶ五位と離れてからかなり時が経ったのを感じさせないナチュラルな五位に頬を赤らめながらも答えるヨスズメ。

 

【これで兄貴とまた一緒だな!】

 

単凍

【ああ、弟よ。また昔のように武器を打とうではないか!!】

 

【ああ!!】

 

不動

【良かったな】

 

 2人の兄弟は肩を組みながら、昔のように武器を造る喜びの声を上げ、その姿に少し嬉し涙を流しながら眺める不動。

 

【めでたいなぁ。お、そうだシュチュウ。

 アレ(・・)出したらどうだ?】

 

【アレ? あーーアレですね。

 そうですね。丁度新しく作った物が頃合いですので、それを出しましょう】

 

【ああ、楽しみだな】

 

 チントウとシュチュウは何かコソコソと話しているが何を話しているのかは分からない。

 

 ネコショウの言葉で喜ぶ家族や『鳥獣蟲同盟』の姿を見た幽冥はネコショウの隣に立ち、目の前の家族に向けて声を掛ける。

 

「これでネコショウたちは私たちの家族となりました。これにより私たちはネコショウたちを守るために、そして今も命を落とすこの地の魔化魍のためにこの地の猛士に鉄槌を下さねばならない!!」

 

 幽冥の言葉で先ほどの喜びを心に仕舞い、幽冥の言葉に耳を傾ける家族。その姿に幽冥は宣言をする。

 

「さあ!! この地の、中部地方の猛士に、鬼どもに我らの力を見せつけよう!! 魔化魍の王の家族の力を!!」

 

 幽冥の言葉に先ほどとは比べ物にもないない雄叫びが廃墟の洋館中に響き渡る。

 ここに9代目魔化魍の王 安倍 幽冥と『鳥獣蟲同盟』ネコショウとの同盟は締結され、ネコショウたちは家族となった、そしてその同盟もとい新たな家族となったネコショウたちに王の家族の力を中部地方の鬼たちに見せるために幽冥とネコショウはふたつの支部の襲撃を決定する。

 ひとつは中部地方の『8人の鬼』狼鬼の弟子であり、支部長でもある浜 なたねの居る長野支部。

 もうひとつの場所は–––

 

「今日も癒してくれてありがとね」

 

「ありがとう、ありがとう」

 

 猛士の動きを探るために猛士の鬼のペットとして行動するフラリビとその飼い主である魔化魍穏健派閥、共存派の鬼である診鬼が潜入先としている猛士中部地方静岡支部だ。




如何でしたでしょうか?
幽冥とネコショウは同盟を結び、そのまま家族に、そして家族としての最初の攻撃先は長野支部と診鬼とフラリビのいる静岡支部になります。さあて、次回は『鳥獣蟲同盟』の残りのメンバーも出てきてからの戦闘回。
長野と静岡、どっちが先になるかはまだ未定ですが前後編っぽくなります。
では次回もお楽しみに!!

ーおまけー
迷家
【で、どんな魔化魍(ひと(?))なの?】

サーティセブン
【ふむ。では紹介させてもらいましょう?
 ドクター! 出番ですよ】


【ん? もう出番ですか?
 もう少し遅いと思っていたのですが】


【………珍しいお方が来やしたね】


【おや? 私を知ってるですか?】

常闇
【ある意味、大物がきたな】

迷家
【えっと、ふたりは理解してるというか知ってそうなんだけど、どちら様?】


【そうでやしたね。迷家が知らないのは仕方ないでやすね。
 そこのお方は魔化魍きっての名医と謳われるお医者さんでやす】

常闇
【あらゆる医学に精通していて、魔化魍だけでなく人もなんなら鬼ですらも対価次第では治療してくれる変わり者だがな】


【これは手厳しいですね。
 しかし、医療は常に苦しむものを救う技術です。たとえ殺されるようなことがあったとしても私はこの意思を変えるつもりは御座いません】

迷家
【うんと、名医っていうのは分かったけど、なんて呼べばいいの?】


【ドクターで構いません。親しい者からもそう呼ばれてますから】

迷家
【分かった。
 それでドクターは変な人にどんな解説を頼まれたの?】

ドクター
【私の担当は魔化魍の亜種や異常種、派生特種の進化の条件または進化過程の解説ですね】

迷家
【えっと、どういうこと?】

ドクター
【まあ、メタいことを言うのなら◯ケモンの特殊進化やリージョンフォームですね】

迷家
【それなら分かる!!】


【いや確かにメタいでやすね。というかなんで迷家は◯ケモン(ソレ)を知ってるんでやす!?】

迷家
【前にねぇ、雛に教えてもらった。因みに好きなのは水色の竜の落とし子。
 なんか親近感湧くんだよね♩】


【そ、そうでやすか】

ドクター
【まあ、そんな訳でお世話になります。
 折角ですので、次回のおまけは私が担当で宜しいでしょうか?】

迷家
【うん。いいよ!!
 僕もどんなのか聞きたいから出るけど良いよね?】

常闇
【ああ】


【是非ともお願いでやす】

迷家
【じゃ、今日はここまで、次回はドクターのコーナーだからよろしくね♫
 じゃあーーーね♩】

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