初投稿です。誤字や間違った表現があった場合、ご報告をお願いします。作者の心は絹ごし豆腐を3倍もろくしたような心なので誹謗中傷は出さないでください。
魔化魍・・・仮面ライダー響鬼に登場する怪人又は巨大な生物の総称。
太古の昔から森や山、海などに発生し、人里に降りては人を襲い捕食する恐ろしい生物でもある。特定の気象条件や生活環境の下でしか生育しないことが多く、その生態は謎に包まている。不死身のため、通常の物理攻撃などが効かないが、猛士の鬼が使う清めの音…通称 『音撃』により清められ土に帰される。
なぜ、急にこんな話をしているのかと言いますと。
ガルルッ
全身虎縞模様のコガネグモに似た生物
ピィィィィィ
燕と糸巻鱏を合わした生物
ギリギリギリ
白蟻と蜘蛛を合わした生物
今、私の目の前に見えているのは本来なら空想の存在のツチグモ、イッタンモメン、オオアリの3体の魔化魍がいるんです。しかも、本来の大きさと違い小さいのでまだ育っていない幼体だと思うけど。
私、おかしいことを言いますと前世っていうのがあるんです。
小さい頃、気まぐれで特撮好きな弟と一緒に見ていたのが『仮面ライダー響鬼』だったんです。
それに登場する『魔化魍』という妖怪をモチーフにしたものに目を奪われました。
それ以来、私は響鬼に出る魔化魍とそのモデルの妖怪が好きになり、オカルト好きな兄からそういう知識を教えて貰ってかなりの魔化魍マニアになったと自負しています。
前世のような暮らしとは違い、今の私の生活は最悪といってもおかしくないです。両親からの虐待が嫌になり、近くにあるこの山へ逃げた。
山中を歩いていると、この3体が出てきたんです。急に現れたからびっくりして、尻餅をついたけど、現れてからそのままジッと私を見ているだけで、なにもしてこないのです。糸で身体を包んでこないし、尻尾で身体を締め付けてこないし、落とし穴に落して蟻酸を吐こうともしない、ただじぃぃぃっと私を見ているだけ。
それから、数分経ったとき、イッタンモメンが私の肩に向かって飛んで来た、私の肩に止まり、ピィっと鳴いて、首に身体を擦り寄せる。擦り寄せて来たから、なんとなく撫でてあげたら。気持ちよさそうにピィィと鳴く。
それを見た、ツチグモとオオアリが私の足元に近付き、イッタンモメンと同じように頭を擦り寄せてくる。イッタンモメンを撫でるのをやめて、ツチグモとオオアリの顎の部分を撫でる。ツチグモは複眼が怪しく輝き、オオアリが顎をカチカチと鳴らし、嬉しそうにしている。
ピィィィ
それを見たイッタンモメンはもっと撫でろというかのように鳴き声をあげる。
「なんで、私を襲わないの?」
本来、魔化魍は童子、姫と呼ばれる怪人かクグツと呼ばれる存在によって生み出される存在で幼体から成体までは童子、姫によって餌を与えられて、育てられる。
さらに、本来この3体はそれぞれ生まれる特定の気象条件、生活環境とはまったく合わないこの山で、同時に発生することがありえない。
もっと言えば、水中で暮らすイッタンモメンが長時間陸にいて大丈夫なのかと思う。
ガルルッ ピィィィ ギリギリギリ
3体が少し離れた茂みに向かって唸り始めた。茂みが激しく揺れて、こっちに向かって何かが現われる。
「「我々の子が人間のそばにいる?」」
全身にたっぷりとした布を巻きつけた男女が現れた。男は女のように高い声をだし、女は野太い男のような声をだしている。イッタンモメンの童子と姫である。
非常にまずい、私は響鬼たちのような音撃戦士じゃないただの一般人だ。何も出来ずに殺されるがオチだ。
「こいつを絞って我が子のご飯に」
童子はそう言うと、童子の戦闘形態でもある怪童子に姿を変えて、私に向かって歩き始める。そして、逆立ちをして片足を私に向けて伸ばす、ああ、私これで死んじゃうんだ。そう思い、目を瞑った。だが、いつまで経っても身体を締め付けられない、目を開けてみると。
ガルル ピィィィィィ ギリギリギリ
怪童子の顔をツチグモが糸で巻きつけて見えなくし、腹にイッタンモメンの尻尾が突き刺さり、伸びている足にオオアリが乗り上顎で切断していた。
私は驚いた、ツチグモとオオアリは他の魔化魍だから分かるが、育たれる子供であるイッタンモメンまでもが怪童子を攻撃している。
それを遠くから見てる姫は驚きながら、倒れている怪童子を見ている。倒れている怪童子をツチグモとオオアリは少しずつ喰べていく、怪童子は暴れるが、腹に突き刺さったイッタンモメンの尻尾が怪童子を地面に縫い付けるように押さえつけている。
「何故だっ!! 我が子よ、何故!! 人間ではなく俺を襲う!!」
身体の半分以上がツチグモとオオアリに喰われた怪童子が自分の腹を突き刺しているイッタンモメンに問う。
イッタンモメンは何も声を出さずに、自分の尻尾をグリグリと怪童子の腹に突き刺し、動けないようにする。その間、ツチグモとオオアリは半分しか残っていない身体の怪童子を喰らっていく。喰われていく怪童子を見ながら、姫は魔化魍たちが、少女を襲わずに逆に怪童子を襲う理由を考える。
「(何故、あの人間を守る?)…うん?」
姫は、少女のまくった服の袖から見える腕にある
怪童子はすでに影も形もなく、魔化魍たちは少女を守るように前に立ち、姫を睨みつける。姫は少女の前で片膝をつけた。急な行動に少女が驚くが、姫の入った言葉にさらに驚く。
「先ほどは、失礼しました。我らが王よ」
「………えっ?」
どうでしたでしょうか?
感想を楽しみに待っています。オリジナル魔化魍をだしてほしいお方は、感想と一緒に出してください。