1日遅れの投稿になってしまい申し訳ありません。
それではお楽しみ下さい。
side???
「お願いします!誰か、誰か助けて下さい!中に私の友達がいるんです!」
私はダメだ。ダメダメです。
「彼女はケガをしてるんです!早く助けないと……」
何を言っているんだ。ケガをさせたのは私ではないか。
私が人質にならなかったら、足手まといにならなければ、
白井さんがケガをすることはなっかた。
「お願いします………お願いし、ます……………」
私にはなにもできない。私は無力だ。
だから周りにすがるしかないのだ。
「誰か………誰、か……………」
そもそも私は
本来なら、困っている人を助ける側だ。
それなのにこんな体たらくで----------本当に私はダメダメです。
ポンッ
「え?」
なんだろう、頭に重みを感じる。
だけどまったく不快じゃなくて、むしろ心地よい。
「大丈夫だよ。」
そんな声が聞こえた。声の主の方に視線を向けると自分と目線を合わせるために少し中腰になっている。自分の頭の上に乗っているのは彼の手だったようだ。
「僕が」
彼の手はどこか温かく、安心できて、
「君の友達を」
彼の声には絶対的な決意があり、
「必ず助けるから。」
彼の言葉には1つ迷いも感じなかった。
そして彼が私に向けた微笑みは私の不安を根元から取り除いてくれた。
私は私の不安消し去ったこの微笑みを----------一生忘れないだろう。
sideout
side北桐
(……どうしよう。)
現在、僕こと北桐博威は頭を悩ませていた。もちろん周りに悟られないようにだ。
花飾りの女の子が助けを求めていた。だから助けたいと思った。
だがそれは後先を考えていない行動であったため
(…どうやって中に入ろう……)
助ける方法をまるっきり考えていなかった。
能力でシャッターを壊してしまうことも考えたが警備員を呼んだと言っていたので却下である。僕の認識が正しければ警備員とは警察のようなものなのだろう。もし壊したことが警備員にばれたら最悪強盗と一緒にお縄になってしまう。
なら外から強盗を引き寄せ、壁に叩き付けることは出来るだろうか。答えはNoである。僕の能力は人やものを知覚・観測しなければ能力を使うことが出来ない。
結論から言うとシャッターをどうにかしない限り僕は彼女の友達を助けることが出来ないのだ。
打開策が思い浮かばず、心の中で頭を抱えていると、突然1枚のシャッターが内側からひしゃげ始め、1つの穴が開いた。その穴を開けたのはなんとパチンコ玉だった。強盗の能力だろうか。警備員が来る前にずらかるつもりだろう。
(くそっ、こうなったら捕まることを覚悟して能力でシャッターを………ん?)
確かシャッターって軸を中心にして巻きつけることで開閉する扉だったよな。
(あっ、これなら行けるかもしれない。)
思うが早いか彼は早速能力をつかった。
sideout
side白井
今、わたくしこと白井黒子は強盗と相対していますの。
風紀委員の知り合いである初春を逃がすことが出来ましたの。
後は時間を稼ぐことが出来れば……
「おいガキ、お前警備員が来るまで時間を稼ごうって思ってるだろ。」
「!?」
(ばれてしまいましたの。ですがやることは変わりませんの。)
どうやって時間を稼ごうか考えていると強盗は懐から何かを取り出しそれをシャッターに向けて投げる。それはパチンコ玉のようでゆっくりとだが徐々にシャッターに近づいていく。やがてそれは、窓ガラスを突き破りシャッターをゆがませて穴を開けた。
「俺の能力は
強盗は能力の説明を白井にしながら次々とパチンコ玉を投げてシャッターを破壊していき、あっという間に大穴が開いてしまった。
「残念だったな。」
強盗は白井に向かってニヤリと笑う。
白井は悔しそうな顔で強盗を睨み付ける。
「おいガキ、取引だ。お前の能力で金を引き出せ。そうすればここにいる奴らは全員解放してやる。」
強盗は白井に向かって言葉を続ける。
「それとこれは提案何だが、俺達組まないか。俺達が組めば最強だぜ。」
(………最悪の初仕事ですの。)
勝手に独断専行して、初春を危険な目にあわせて、更には固法先輩にケガまで負わせてしまった。
「ええ、そうですわね………」
挙げ句のはてに強盗から強盗のスカウトが来る始末だ。
本当に最悪ですの。それでも、わたくしは----------
「両方とも絶っっっっ対お断りですの!」
どんなに間違えても、どんなに失敗しても、
「わたくしは自分の信じた正義は曲げないと決めておりますの。」
「……そうか。それは残念だ。」
強盗は懐に手を入れ、身構える。攻撃体制をということだろう。
自分は今、足を負傷しているが、幸いなことに強盗の能力は破壊力はあってもスピードは遅いですの。避けることなら造作もないだろう。
片方は緊張した面持ちで、もう片方は余裕の表情で互いを見つめている。銀行内は静寂に包まれた。
ガラガラガラガラガラガラガラガラガシャンッ
それは、突然の事だった。銀行内の静寂は一瞬で崩れ去り、相対する二人の顔は同じ困惑の色に染まっている。音のなった方をみると銀行の入口のシャッターが開いている。二人は更に困惑する。その困惑は伝染するようにして銀行内に広まり先程とはまた別の静寂がこの空間を飲み込む。
そして入口の自動ドアが開き1人の少年が入ってくる。
少年は何処にでもいる黒髪にアホ毛が一本立っている。
顔は整っているほうで片手にはキャリーバッグを持っている。
少年は白井を-----というより白井と相対している男を見ている。
そして少年は口を開いた。
「貴方が強盗ですか。」
その言葉はとても丁寧なのに、その声には明確な敵意が籠められていた。
どうだったでしょうか?
白井の口調がこれでいいのか凄く不安です。
次で銀行強盗の話は終わりです。
では次回でお会いしましょう。