○月O日(雨→曇り)
しばらくの間日記を空けてしまった。
最近本当に忙しくなってきた、それもこれも同僚のせいだ。
まさかこんなにアイドルを捕まえてくるとは…やるじゃない…
とは言っても、まだまだアイドルは少ない方だろう、当分プロデューサーも増える事は無いだろうし、ここが頑張りどころだ。
さて、ここからは一ノ瀬が失踪した所からの話になる。
トレーナーさんには「一ノ瀬は体調不良で休みます」と伝え、
俺は一ノ瀬を探しに事務所を抜け出した、が、勿論居場所なんて検討もつかなかった。
そりゃそうだ、メールアドレスすら知らないし、
ってかあいつ携帯持ってるのだろうか?まあそれは置いとこう、
意外と早く見つかった。
一ノ瀬はギョッとした顔で振り返ったが、
俺もびっくりした、まさかこんな簡単に見つかるとは…
一ノ瀬になぜレッスンをサボったのか聞きたかったが、すぐに笑いながら逃げてしまった、
俺もすぐに追いかけたのだが、
そこからだ、そこからがどうしても思い出せない…、
記憶がすっぽりと抜け落ちている、目が覚めたら俺は事務所のソファーの上にいた。
そして何があったのか、俺に覆い被さる形で興味深そうな顔をした一ノ瀬がこちらを見つめていた。
…何分くらいだっただろうか、結構長い間無言で見つめ合っていた気がする、
状況の整理が追いつかないまま、ただ一ノ瀬の目に引き寄せられていた。
しばらくすると千川さんが事務所に戻ってきたので、すぐに一ノ瀬から離れたが…、
もしも、千川さんが戻って来なかったら、どうなっていただろうか…まあ、何も無かっただろうけど、、
記憶が抜け落ちてるのはなぜなのか、一ノ瀬に聞いても教えてはくれなかった、不自由は無いから別にいいんだけど…
とりあえず必要なところだけまとめると、
一ノ瀬見つけた!アイドル増えた!以上、
もう寝る。
○月P日(曇り)
あああああああ!!クソッ!ふざけんな!
なんで俺は12歳のガキに論破されてるんだ?
サボってないと言ってるだろ!
何が「ありすとは呼ばないでください、橘です」
だよ!生意気なやつめ!
あーやばい、どうしようこの高ぶった気持ちは…、
近くにいるウサミン星人でも弄って落ち着かせるしかないか…
他にあった出来事といえば、一ノ瀬志希と宮本フレデリカ二人のユニットができた事だ、
名前は「レイジー・レイジー」、まさか俺の案がいきなり採用されるとは思わなかった。千川さんが褒めてくれた。やったぜ、
今日は早く帰りたい所だが、今日は残業で徹夜になりそうだ、スタドリでも飲んで頑張ろう…
○月Q日(雨→曇り)
どうやら事務所で眠ってしまったらしい、身体中が痛い、
「大丈夫ですか?無理しないでくださいね?」と、コーヒーを入れてくれたナナさんが天使に見えた。いや、17歳とは思えないほどの母性だ、天使に違いない。
肩には緑色のタオルが掛かっていたが、これは千川さんのだろうか?後でお礼を言っておかねば、
そしてなぜか一ノ瀬がこちらを見つめている、こんな朝早くから来るとは珍しいな。
ただいま帰宅、今日は疲れた…
何があったかと言うと、橘が仕事先で問題を起こしたそうなのだ。
すぐその場に向かい、代わりに謝った、お偉いさんもひどく怒っていた。橘はどうしても自分の意見を曲げようとしなかったみたいで、
とにかく頭を下げて、その姿に免じて許してもらった。が、
また同じ事が起こりうるかもしれない、と考えるとため息が出た。
橘もずっと俯いたままだったし、疲れるわあ…
さっさと寝てしまおう。
○月R日(雨)
ありすが謝ってきた、「昨日はすみませんでした」って、
ありすのこういう姿は初めて見た、何か言ってやりたかったが、反省しているようなので
「お前なりに頑張っているのは知っている、気にするな」とだけ言っておいた。
それで話を終わらせれば良いものを、気が済まないのか、ありすはさらに謝ってきた、
2回目の謝罪は今までの俺に対する接し方についてみたいだ、
ありすは俺が「事務所で寝るほど徹夜で仕事をしていた」と、千川さんから聞いたようで、それから謝りたいと思っていたらしい、
なんだか、この出来事があった後だとあんなにムカつくガキだと思っていたありすがとてもかわいらしく見えてきた。
しかも「下の名前で呼んでいいですよ」とまで言われた。
なんだよすっげえかわいいじゃん、この方面で売り出して行くのもアリだと思った。本人は嫌がるだろうけど。
それにしても最近一ノ瀬のスキンシップが激しい、お前体つきがエロいんだから、少しは俺の事考えろよ…。
疲れた、明日からも頑張ろう。
ところでSSRありすはまだですか…?