生徒会の一存 -アイドルは生徒会長(補佐)!?- 作:あこ姫
この話前後編じゃ収まらんので一応3部構成の予定です。
あぁ、話をきちんと纏める能力が欲しい・・・・。
ラジオパートのセリフ前の役説明
桜→会長(桜野くりむ)
紅→知弦
夏→深夏
冬→真冬
鍵→杉崎
綾→麻里菜
琴→汐留 琴葉(←前回登場の幽霊ヒロイン)
亜→槇原 亜梨沙(←今回初登場の幽霊ヒロイン)
紅桜→会長&知弦
姉妹→深夏&真冬
鍵綾→杉崎&麻里菜
霊2→琴葉&亜梨沙
全♀→女性陣全員
憑依→麻里菜&杉崎&琴葉&亜梨沙
それをご理解の上お楽しみください
「他人との触れ合いやぶつかり合いがあってこそ、人は成長していくのよ!」
会長が
「えっと、どういう意味ですか?それ」
今ひとつ意味が理解出来なかったので聞き返す私。
「これよっ!」
会長がホワイトボードを叩くとボードは回転して裏返り、今日の議題が出てきた。
「ええと・・・・・ラジオ放送?」
ホワイトボードにくっきりとしっかりと記されていたが、杉崎君は意味が分からず首を傾げていた。知弦さんや椎名姉妹も不思議そうな顔だった。因みに私も以下同文。
そんなのをお構いなしに会長は一人ちっぱいを張ったままで続ける。
「そう!これから生徒会で、ラジオをやろうと思うの!」
「ラジオて・・・」
性格面からしてもラジオパーソナリティとは無縁そうな真冬ちゃんは嫌な予感がしたのか少し怯えた顔をしていた。
なので、私が代わりに訊ねることにする。
「ラジオって、あのラジオのことですか・・・?」
「そうよ。そのラジオ以外に何があるのよ。麻里菜」
「ですよね・・・。でもそれって生徒会の管轄ではないですよね?
どちらかといえば私の所属している放送部の管轄ではないでしょうか?」
私の意見にほぼ全員が同意見のようだった。
だがしかし・・・ただ一人居たんだよな。その意見に納得がいってなくてそういう常識が皆無の人が。
その後、ラジオをやることの理由を「政見放送」の言葉を用いて力説する会長。
「政見放送」という難しい言葉を知っていて知弦さんに撫でられる会長。
一瞬気持ち良さそうな表情を見せるものの、直ぐに我を取り戻し知弦さんの手を払いのける会長。
「ねぇ麻里菜、ちょっといい?」
「ん?どったの?琴葉」
「この前の土曜日の収録って覚えてる?」
「この前の土曜日・・・?あの高視聴率を叩きだしているクイズ番組●さま!!だよね」
「で、それの放送って・・・たしか昨日だったよね・・・?」
「ああ、成程ね・・・・」
どうやら安定の思いつき発進だった。今度はテレビ番組に触発されたか。
この会長はお察しのとおり言い出したら人の意見は絶対に聞かない。
=もう諦めるしかない。
この数式が成り立ってしまうのだ。悲しいことに。
それは会長除く全員がこの生徒会で学んだことだった。
「まぁ、文句言ってもどうせやるんだろ?でもさぁ・・・なんでラジオなんだ?
映像の方が良いと思うけどなぁ・・・」
「それも考えたんだけど、放送部に押しかけたら『今渡せる機材はこれしか無くって・・・・』って泣きつかれたし妥協してラジオなの」
そう言いつつもテキパキと準備を進める会長。どうやら配線関係は水面下で放送部の皆によって施工済なようで、会長は私達の座る位置に
ご愁傷様です・・・・。放送部。
もうこの一言しか言えへん。
関西出身じゃないのに関西弁になるわ。
後日、部に顔出した時に謝っておいた方がいいよねぇ・・・・。絶対。
そう考えてたら、真冬ちゃんが物凄くテンションダウンしていた。
まぁ、見ての通り目立つことが好きではないこの子もご愁傷様だ。
「ほら、最近は声優さんのラジオも増えたでしょ?」
「ええ。そうですね。水樹●々さんとか堀江●衣さんとか林原●ぐみさんとか色々ですよね。
中でも林●めぐみさんは声優ラジオの第一人者ですよね・・・・・」
「流石、アニオタ。引くほど凄いね」
それは褒めてんのか貶してんのかどっちなんだよ、琴葉さん?
「はいはい。ガチの説明ありがとう。
「「「「会長、声優さんやパーソナリティの方々、そしてリスナーの皆を舐めてないですか?」」」」
私と杉崎君、それに琴葉と亜梨沙で突っ込ませていただく。しかし会長はお構いなしだった。
「可愛い声でキャピキャピ喋りあっていれば、男性リスナーなんていちころよ」
何故に魔女っ子メ●ちゃん風?一瞬、「魔女っ子●訪部」思い出したじゃん!
「謝れ!俺以外の男性に謝れ!」
「(やっぱり)杉崎は騙されるんだ・・・。まぁ、それに八人もいれば会話も尽きることもないでしょうし、大丈夫よ。いつもどおり喋れば」
「いつもどおりに・・・・八人?」
「そうよ。私に知弦、深夏に真冬ちゃん、麻里菜、杉崎、琴葉に亜梨沙の八人よ」
「「いつの間に人数に数えらてれたの、私達・・・・」」
その隣で杉崎君の存在自体が放送コード抵触云々の話になっていた。
流石の私も否定しづらい。だって事実だし。
そんなこんなしている間にどうやらセッティングが完了したらしい。
ノートPCが起動しているという事は今回、録音放送って訳ね。
これだったら、ヤバい発言は編集カットできるし助かる。
半ば諦めモードな真冬ちゃんを始め、それぞれが準備をしていた。
「さぁ、始めるわよ!」
会長が声を上げて手元に据え付けられた大量のボタンの一つを押す。
いよいよ、始まるのか・・・・。
-ON AIR-
桜 「桜野くりむの!オールナイト全時空!」
綾 「無駄にデカいね!放送範囲!」
鍵 「俺のセリフ取られた!?」
♪ OP BGM ♪
琴 「さぁ始まってしまいました。桜野くりむのオールナイト全時空」
桜 「それ私のセリフなんだけど!? それと、『しまいました』ってなんなの!?」
紅 「夜じゃないけどね」
亜 「『オールヌーン全時空』というのは響き悪いしこのままでいい」
桜 「この番組の提供は・・・・麻里菜任せた!」
琴 「一目キューシート見て多かったので丸投げか!」
綾 「桜野くりむのオールナイト全時空。この番組は富士見書房、バン●イナ●コゲームス、
セ●、(多過ぎるので中略)、JR北●道。以上の提供でお送りします」
夏 「何か無駄な投資している
桜 「まぁ、ギャラゼロ円+機材も自前だしスポンサー要らないんだけど・・・・」
冬 「じゃあ、なぜにこんなに集めたんですか。スポンサー」
桜 「何か麻里菜の名前出したら自然と集まったの」
亜 「驚きだね。この影響力」
琴 「全くだ。何時も一緒にいる私でもよくわからんわ」
綾 「まぁ、アレだよ。『気にしたら負け』。そういう事だから、真冬ちゃん」
冬 「・・・・はぁ。(もう何でも)いいですけど」
桜 「こら、真冬ちゃん!駄目よ!そんなテンションじゃ!リスナーは女の子の元気トークを
望んでいるんだから!」
冬 「そ、そうでしょうか・・・・・」
桜 「うん。男子リスナーってそんなものだし」
鍵 「オイコラ!なんでリスナーを見下げた発言すんの!?生徒に喧嘩売ってんの!?」
桜 「パーソナリティあってのリスナーじゃない」
鍵綾 「「リスナーあってのパーソナリティだ!!」」
霊2 「「見事にハモってるねぇ・・・・・(2828」」
綾 「オイそこの霊×2。なに2828してるんだよ!」
霊2 「「ベツニ2828ナンテシテマセンヨー」」
夏 「おお、鍵が物凄く真っ当な発言してる!ラジオ効果って凄ぇ!」
桜 「・・・・そうね。私が間違っていたわ、杉崎、麻里菜」
鍵 「分かればいいんですよ、分かれば・・・・」
桜 「そうよね。やっぱりある程度は媚びておいたほうが良いよね。うん」
綾 「やっぱり分かってなかったよ。この人!」
鍵 「だから、そういう発言を堂々としちゃ駄目だって―」
桜 「お便りのコーナー!」
鍵 「無視!?ラジオなのにまさかの言葉のキャッチボール拒否!?」
紅 「それがアカちゃんクオリティといふもの」
琴 「何故に貴女は要所要所のみの喋りなんですか!?もっと舵取りを・・・・」
紅 「・・・・・・・・・・・」
綾 「ラジオで無言という最大の
桜 「さて、一通目のお便り」
亜 「まさかの進行重視!会話の流れ無視ときたよ!」
桜 「『生徒会の皆さん、こんばっぱー!』はい、こんばっぱー!」
鍵 「何その恥ずかしい挨拶!恒例なの!?」
全♀ 「「「「「「こんばっぱー」」」」」」
鍵 「俺以外の共通認識!?」
桜 「『オールナイト全時空、いつも、楽しく聴いております』ありがとー」
鍵 「嘘だっ!第一回目の放送なのに!」
琴 「また(駄弁る生徒会①参照)そのネタなの?もう4回目じゃん」
綾 「もう飽きられていても不思議じゃないけど何故か出したくなる?」
桜 「
亜 「時空列なんて瑣末な問題。このラジオにおいてはね。JKだよ、キー」
鍵 「流石は『全時空』!」
桜 「あと、言い忘れていたけど、一応生でも放送されているわよ、これ。
ま、聴いている人も少ないだろうから、明日の昼休みに校内放送で流すけど」
綾 「生放送だったのね・・・・。てっきり録音放送かと思ってた・・・・・」
琴 「まさにあのノートPCに騙されたって感じだね・・・」
鍵 「道理でメールが来るはずだ!・・・ってか、じゃあもっと発言に気をつけて下さい!」
桜 「はいはい。じゃ、メールの続きね。『ところで、皆さんに質問なのですが、皆さんは、
どんな告白をされたら嬉しいでしょう?どう告白したらいいか迷ってます。
くりねぇ、是非アドバイスお願いします』」
亜 「こんなロリっ娘が『くりねぇ』って呼ばれる違和感ときたらwwww」
桜 「そうねぇ・・・・。これは難しい問題ね。でも恋愛経験豊富な私に言わせれば―」
琴 「生まれてこの方、同世代の男と手さえ繋いだことないくせに・・・・」
桜 「普通に告白すればいいと思う」
綾 「なんかテキトーなアドバイスで対処しおった」
桜 「知弦はどう思う?」
紅 「そうね・・・・好きにすればいいんじゃないかしら。私には関係ないし」
琴 「まさかのパーソナリティがリスナーに冷たいという事実・・・・」
桜 「真冬ちゃんは?」
冬 「え?そ、そうですね・・・・。えと・・・真冬は・・・・。・・・・わかりません」
鍵 「まさかの『わかりません』発言キタ――(゚∀゚)――!!」
桜 「深夏は?」
夏 「当たって砕けろ!以上!」
亜 「砕けたくないからメール送ってると思うんだけど・・・これ」
桜 「麻里菜は?」
綾 「あれこれ考えて取り繕っても必ずどこかでボロが出ちゃうわけだし、
今自分が思っていることをそのまま伝えるのがいいんじゃないかな?」
琴 「それが一番いいと思うよ。
まだ何か不安だったら私達がしっかりサポートしてあげるから!」
鍵 「おぉ・・・。まともに回答しているだけでこんなに感動できるとは・・・・」
亜 「それだけこのラジオは常識からかけ離れているということね・・・・」
桜 「次のお便り。『妹は預かった。返して欲しくば、指定口座に―』
・・・・ん?あれ?これ間違いメールじゃないの。ちょっとスタッフー、
しっかりしてよぉー。まったく。・・・・じゃ次」
鍵 「スルーしていいの!?今の内容、そんな簡単にスルーしていいものだっけ!?」
綾 「このラジオに送られてくる時点でたかが知れているものだと思うけど」
琴 「なんか今、狩野●孝思い出したの私だけ?」
亜 「安心しろ。お前だけだ」
桜 「『生徒会の皆さん、こんばっぱー』こんばっぱー!」
全♀ 「「「「「「こんばっぱー!」」」」」」
鍵 「だから、なんでこれだけ皆ノるの!?いつ打合せしたの!?」
綾 「打ち合わせはしてないよ?こーいうのは高い適応力がモノを言うのよ」
霊2 「「流石は現役。説得力が違う」」
桜 「『くりねぇ。どうしよう。私、早急にお金が必要で・・・・。
というのも、私の妹が誘拐されちゃって、両親が金策に走り回ってるんだけど、
中々集まらなくて ・・・・どうしたらいいかなぁ』」
琴 「今すぐ警察に連絡だ!以上」
亜 「絶対にさっきのメールと関連してるわね」
桜 「ううん・・・そうねぇ。わかった。R.N.《被害者の家族》さんには、
スポンサー各社から、“まとまったお金”をプレゼントします!待っててねー」
鍵 「えええええええ!?用意すんだ!しかも勝手にスポンサーから引き出すんだ!
いいんですか、それ!」
桜 「大丈夫よ。麻里菜の名前出したらあっさり出してくれそうだし」
綾 「勝手に人の名前使ってやらないでください!なんか実際にやりそうだから怖い!」
琴 「まぁ、間違いなく麻里菜の名前出したら出しそうだよな。スポンサー各社様」
桜 「全てはスポンサー各社の誠意次第ね」
鍵 「なんでアンタはそんなに偉そうなんだ!」
桜 「一旦CM 入る前にここで一曲聴いてもらいましょう。
先日私が出したニューシングル、“妹はもう帰ってこない”です。」
憑依 「「「「空気読め━━━━!!」」」」
桜 「どうぞ!」
♪ 《妹はもう帰ってこない》 full再生 ♪
《CM》
次話 「放送する生徒会 Bぱーと」に続く!
作注:キューシート→演劇、テレビ番組、ラジオ番組で使用されるタイムテーブルを
個々に記した物。大体は提供先(スポンサー)とかも記してある。