生徒会の一存 -アイドルは生徒会長(補佐)!?-   作:あこ姫

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ようやくできたお話。
駄文ですがそこはご了承のうえで。
ではどうぞ。


第三話   怪談する生徒会

「本当に怖いのは幽霊や化物じゃないの!人間自身なのよ!」

会長がとあるゲーム(アイ●ス)に出てくるアイドル(如月●早)ネットどころか公式に弄られている部分(貧乳)を張って本の受け売りを偉そうに語っていた。

正論とは思うがあまりにも既出(デジャヴ)感がハンパないので私とキーk・・・杉崎君はテキトーに相槌でも打ってスルーすることにする。

「あー、うん、そうですよね」

「その通りですねー会長」

「そうよ!幽霊も化物も、結局人間が生み出すものだからね!」

「・・・・解釈が微妙で些か極論過ぎな部分もありますが」

人間が怖いっていうのは、そういう事ではないと私は思う。

そう考えている私の横で会長はスッゴイドヤ顔で満足そうに椅子にふんぞり返っていた。

本人は威厳があると思っているだろうが実際は微塵も無い(笑)

パクリ名言で威厳が出てると思っている会長は実におめでたいお人だ。

知弦さん・深夏・真冬ちゃんも感心したふりをしてテキトーにスルーしていた。

そもそもこの会長がこんな事を言いだしたのは最近再びこの学園の生徒をはじめとした巷で七不思議の噂が流行りだしているからだ。

七不思議。七つ知るとどうかなるっぽい・・・とかいうアレである。

私は特に興味も無いが49個くらい知っている。

周囲から聞いてたら何故かそうなった。

Overkill 

もうこの一言だ。呪いが降りかかったら無関係の人を6人巻き込むか自分が7回死ぬ。

残機アップとかゲームじゃあるまいし存在しないのだから前者になるだろうが。

興味の無い私でこれだけなのだから校内の状況は推して知るべし・・・・であろう。

・・・平均値が49と仮定すると呪いが真実だと学校どころか日本壊滅だ。

「事態は既に切迫しているのよっ!」

会長は滅茶苦茶意気込んでいらっしゃるご様子だった。

ホワイトボードに「今日の議題→怪談の蔓延りすぎな現状について!」と極太に書かれている。

ホワイトボードに「今日の議題→怪談の蔓延りすぎな現状について!」と極太に書かれている。

大事なことなので二回言いましたよ。

どーでもいいけれどよく「蔓延る」って漢字書けたね会長。

私はてっきりそこの部分は平仮名で書くと思ったんだけどね。

(仮にも)高校3年生というのは伊達じゃないということか・・・・!

(何故か)会長はこの現状がお気に召さないようだ。

バイオハザードが発生するわけでもなかろうに。

杉崎君と深夏がこそこそとなにか耳打ちをしていた。

・・・なんだろう。すっごく嫌な予感がするのは気のせいだろうか・・・・。

「はいはーい!」

「はい、深夏」

「会長さんは知ってるか?ある女子が3階の女子トイレに入った話なんだけど・・・・」

「わ、わにゃ!?な、なんでそんな話を!?会議を脱線させないでよっ!」

「脱線じゃねーよ。ホラ、こういう類の議題って対処する為には、先ず詳しく知るべきだろ?」

「うぐっ・・・・。と、とにかく私は聞かなくていいのっ!」

天使の●P!の五●潤みたいな驚き方をして動揺しまくる会長。

会長と私を除く生徒会メンバー全員の眼が怪しく光っていた。

真冬ちゃんもウズウズしていた。普段が責められ役なだけにこういう状況は大歓迎みたい。

さしずめ、「椎名真冬の大・大逆襲」といったところか。

私?私はあくまでも中立。後々の対応めんどくなるし。

事は会長の想いとは裏腹に進んでいく。いやぁ、現実は非道だよねwwww

最初に知弦さんが動き、「現在の出回っている怪談の検証」を提案。

次に杉崎君が賛成し、真冬ちゃんがそれに便乗。

会長がたじろいだのを確認して杉崎君がトドメ。

更に知弦さんが追撃し、椎名姉妹がダメ押し。

案の定、会長のHPとLPはガリガリ削られていた。

もう、レッドゾーン突入してるんじゃね?

「お、大人なこの私がか、怪談話で怖がるはずなんてにゃ、にゃいじゃない!」

噛んでるし、私に抱きついて私の陰から顔を見せて言っても説得力はないよ。お子様会長。

約2名はSモードとなっていた。「やめてぇー」と「あぁ、納得」と半々な感情で私はそれを見ていた。

知弦さんが「まずは形から始めましょうか」と言って手を叩くと

生徒会室の扉が開きガタイのいい男子生徒が数人入ってきて机の撤去・畳の設置を終えてさっさと退出していった。(無駄に作業テンポが恐ろしく早かった)

確か、土木研究会の皆様だよな・・・?あの人達。それを使役する知弦さん。

「知弦さんを七不思議に追加してもいい感じだよね!」

その光景を見て私を含んで知弦さんを除く全員が思ったのであった。

 

そういう訳で開始された怪談話大会。

一番手は深夏だった。

「この学校の家庭科室には包丁がなく、隣の家庭科準備室で戸棚にまとめて厳重管理されている。

 それは、何故か。それは昔に起こったとある悲劇が原因なんだ。仮にここではくりむちゃんとしよう・・・」

「なんでくりむちゃんにするのよっ!」

設定が気に入らなかった会長は反論するが深夏はそれを華麗にスルー。

「かなり容姿のメリハリと背丈は残念だけど顔は良くそれなりの需要が有った・・・所謂、ロリっ娘・くりむちゃんは学校に忘れ物をした。その日に絶対要る物だった上に家から学校も近かったので学校に忘れ物を取りに行くことにした。

夜の学校は確かに怖かったけれど前にもこんな事があったし、慣れていた。その日もいつもみたく学校に忘れ物を取りに行くことにした。そして、翌日冷たい体となって発見された。」

「ひぅっ」

ア●マスの水谷●理のアイデンティティな台詞で反応する会長。

上手いなぁー、深夏。場慣れしてるね。アンタ。

くりむちゃん(真)は私の後ろで見栄を張っていた。

無論、説得力は存在するはずもなく。

「くりむちゃんは死んでたんだ。家庭科室で・・・・しかも全身をメッタ刺しにされてね」

「な、なんか『くりむちゃん』という名前設定が嫌になってきたんだけど・・・・」

くりむちゃん(真実)は青褪めていた。だが、深夏は見なかったことにしていた。

「犯人は現行犯逮捕された。それはその頃地域で出没していた変質者だった。

学校に侵入して悦に入っていたところでくりむちゃんは出くわしてしまったんだ。

格好の餌食にならないわけがない。

勿論、くりむちゃんは逃げた。しかし追い詰められて逃げた所が不幸にも家庭科室だった。

犯人は当然のごとくそれに気づき調理台下の戸棚から包丁を取り出して・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

会長は無言だった。意識をシャットアウトしようとした結果だが。

まぁ、杉崎君の猫騙しで妨害されて失敗してるけど。

「そ、その程度?過去に殺人事件があって包丁が別の場所に移されたってだけじゃない」

「いや、違うんだよ会長さん。包丁が準備室に移されたのはそれが直接の原因じゃないんだよ」

「え?」

「大変な出来事があったんだよ。あの殺人事件の後、放課後の家庭科室に残っていた生徒にさ・・・・」

「な、なにが起こったの・・・?」

ごくりと唾を飲み込む会長。話はいよいよ佳境(クライマックス)へ!

「家庭科室にあった包丁が全部突き刺さって死んだんだ・・・・・」

「ーーーーっ!」

会長は硬直状態だった。場の雰囲気的に私達も些か緊張してしまう。

だけど・・・・・皆分かってるんだろうね。(勿論会長除く)

(んなわけねーでしょ。)

そんな猟奇的な事件があって話題が一つもないなんて可笑しいでしょ?

まぁ、深夏の話の前半部分は実際に発生してるけどね(笑)

ここでは言わないほうがいいでしょうね。うん。

だけど、あの会長には効果覿面だった。

「そ、その犯人って一体・・・?」

深夏に真剣な面持ちで尋ねてるし。最早深夏の思う壺になってるね・・・・。

「決まってるじゃねーか。それは・・・・・」

「そ、それは・・・・」

「それは・・・・」

深夏が暫し沈黙し、生徒会室に静寂が訪れる。

その直後

「おまえだっ!」

「ひうっ!」

突然に会長を指差して大声で叫ぶ深夏。あまりの迫力に私達も多少はビビった。

だが、このオチになるのは大方予想出来てたし衝撃はそれほどない。

だが、会長はというと・・・・

「・・・・・・・・・」

口から魂が抜けていた。幽体離脱と言っても過言じゃない。

・・・・・怖いですね~。ホラーですねぇ~。(←ホラー●ンか)

本当に肝付●太さんのご冥福をお祈りします。

・・・・ってやばいじゃん!早く戻さないとこのままじゃ召されちゃう!

取り敢えず鎖鎌で会長(魂)を捕まえて会長(本体)に戻してやる。

良かったわ。星●神社の超偵の武装巫女さん(緋巫女・星伽●雪)に御札借りといて。

意識を取り戻した会長が逆ギレしていた。

「な、何よそれ!わ、私が犯人てば、馬鹿にしてるの!?」

会長の反論に苦笑を浮かべる深夏。

「いやいや、そーじゃねぇんだ。つまり、犯人はくりむちゃんだって言いたかったんだ。

そう・・・幽霊・・・いや、悪霊となったくりむちゃんだってな・・・・」

「う・・・・」

「とても人間業では無い死に方だったらしいぜ。全身に包丁が集中豪雨みたく降ってきて

ほぼ同時に全身くまなく刺さってたんだからな。・・・それが家庭科室に包丁が置かれなくなった原因さ。会長さん、もし生徒会活動で遅くなって誰が包丁を置き忘れた家庭科室に入る時は気ぃつけな。命の保証は・・・・・出来ねーぜ」

「・・・・・・・・」

また会長の魂が天に召されていた。

電●のγさんの台詞(「召されな!」)って言ってないのにね・・・・。

取り敢えずもう一回戻すとしますか・・・・。

鎖鎌で捕らえて本体に戻す・・・・っと。

「く、くだらない与太話ね!」

・・・・だから、私に抱きついて言ったって説得力皆無!

こんな反応を見せる会長に対して2828(ニヤニヤ)が止まらない私以外の生徒会役員共。

その後も怪談話は続いた。真冬ちゃん→知弦さん→杉崎君の順番で。

そして話の主人公は「くりむちゃん」だった。全部。

ナニコレ、ヤサシクナイ。

杉崎君の怪談話はベクトルの方が明々後日の方向に歪んでいて悪寒が止まらなかった。

・・・いいのか、それで。

ちなみに私は怪談話はしなかった。と、いうより出来なかった。

会長の魂捕縛の回数の多さと会長が離れてくれなかったら疲れが多くてねぇ・・・・。

会長といえば、杉崎君の(方向が迷子な)怪談話によって完全K.O.だった。

 

暫しの休憩後、(畳を土木研究会の皆様に戻してもらって)会議を再開させる。

あ、会長は使い物にならないので不参加である。

最初は杉崎君が知弦さんに話しかける。

「でも皆好きですよね。怖い話。そもそも『怖い』ってなんでしょうね。どちらかといえば負の感情でしょうに」

「『スリル』って言葉があるでしょ?『安全性が保証されている危険を楽しむ』と、いうのかしら?ほら、例えて言うならジェットコースターやバンジージャンプみたいな。」

それに私が意見を挟む。

「そもそも『スリル』からしても不思議な感覚じゃないですか?“怖い=楽しい”この数式とも言いますか・・・それって倒錯してる気がしますよね。皆が当然のように・・・ってなってますし誰も指摘しませんけど、観点を変えれば凄く歪だし『楽しんでる人は異常だ!』って言われてもしょうがないですよね」

「確かにそうかもしれませんね」と真冬ちゃん。

「ふむ・・・」と考え込む知弦さん。

「まぁ、考えてみるとそうだよな・・・」と腕を組む深夏。

会長の方を見ると会長は未だ一人で震えていた。

会長の方を見て

“会長みたいに怖い話に対して怖がって嫌がる方が普通(ノーマル)

多数派ではあるがそれ(怖い話)を「面白い」と思ってる方が異常(アブノーマル)じゃないのか”

私はそう思えてくる。

「そういう意味だと今のこの学校の状況自体が一番怖い事の様な気がしてきました」

「そうね・・・。そうかもしれないわね」

杉崎君の意見に同意する知弦さん。

「怖い話を楽しむ事が異常ならこの学校・・・いや、この地球はそんな異常な人間がわらわらといるコミュニティってことになりますよね。・・・そう考えてしまうととても怖い事ですね・・・・」

私も賛同する。

「そ、そんな考え方やめろよぉ・・・・。三人とも」

深夏は少しだが怯えていた。

「そうですね・・・真冬は怖い話が大好きですけど『どうしてなのか?』って聞かれるとあんまり説明がつかないですね・・・・。それこそが“理解不能な事”の怖さ、かもしれませんね」

真冬ちゃんの意見に沈黙してしまう私達。

「・・・・そんな理解不能の得体の知れない楽しさを抑制する事なんて土台からして無理じゃないか。つまるところ、“この学校の現状を変えるなんて到底無理な事”」

そう感じていた。                               

そんな沈黙を破ったのは(意外にも)会長の一声だった。

「ほら、だから私言ったでしょ?『一番怖いのは人間だ』って」

復活したらしくドヤ顔&偉そうに(無いというくらい平坦な)胸を張る会長。

それに私たちは苦笑したが心の奥底では「確かのその通りだね」と全員そう思っていた。

「怖ぇよな。人間ってさ。意味が分かんなくなっちまう」

深夏の呟きが妙に大きく生徒会室に響き渡った。

 

「怖い話の流布を止めようなんて到底無理!」

 

と、結論は出た。だがしかし、会長はシュンとしていて元気はなかった。

ま、ホントに嫌な人とっては嫌なもの極まりないもんね。怖い話。

それに会長みたいな人にとっては怖い話自体よりそれを楽しそうに語っている状況、それこそがホントに怖いことなのかもしれない。

 

 

 

「『怖い話の止め方』ねぇ・・・・」

その日の会議終了後の生徒会室で私は一人悩んでいた。

「どうしたの?そんな難しい顔して」

麻里菜以外の女子の声が生徒会室に響く。

「琴葉か・・・。もう出てきてもいいよ」

「そう?わかった」

ぽんっ

可愛い効果音と共に姿を現す一人の女子生徒。

スタイルこそフツーなものの、顔立ちは整っている美少女だった。

フツーとは違う感じがバリバリだがそれもその筈だ。

彼女は人間じゃない・・・正確には()()()()()

俗に言う幽霊というやつである。

深夏が話していた怪談話の前半部分で実際に命を落とし、天に召されることなく

この学校に留まっていた。

ひょんな事によって麻里菜と出会ってから行動を共にしている。

本人曰く「麻理菜と出会ってから実体化できる時間が増えた!」とのこと。

因みに深夏の怪談話の際は「私、そんな事してないもん!」とかなりご立腹だった。

 

「で、どうしたの?今日の会議のこと?」

「ご名答。いい方法が見つからなくって」

「じゃあ、こういうのはどう?」

「?何かあるの?」

「『目には目を』・・・・。どういう事かわかるよね?」

「あぁ、成程・・・。いいアイデアかもそれ」

 

✽✽✽✽✽

 

あの会議から三日後の昼休み、私は杉崎君から「昨日の生徒会活動で会長が『怪談話を聞かなくなった』事が嬉しく思っていた」と聞いた。

「でも不思議だよな。沈静化するの急じゃないか?」

「まぁ一時的だと思うけどね。《言霊の怪》の話」

「ってか、よく思いついたなそんなの」

「話を作ったのは私だけど思いついたのと監修は私じゃないのよ」

「ああ、琴葉のお陰で・・・か」

「そういうこと。というかもう驚いたりしないのね」

「そりゃ最初は驚いたけどさ。今は少なくともこのクラスの全員はもう慣れてると思うぜ?」

「じゃ、実体化してもいい?」

「ええ、良いわよ」

ぽんっ

琴葉が霊体から実体になる。

「今頃は深く洗練されてるでしょうね」

「大体こう言う系は洗練されるからこそ意味があるのよ。洗練されど『話した怪談話は全て話した人の身に降りかかる』この基礎が壊れる事はないし、基礎を押さえておけばどういう形で伝わろうと問題ないのよ」

「流石、現役の幽霊が言うと説得力が違う」

「もう、褒めたって人魂しか出ないよ?鍵くん?」

「いや、出さなくていいから」

「・・・・・・・・・・・」

「どうしたんだ、麻里菜?」

「・・・・なんか負けた」

「????」

なんだよ!私は未だキーくんの事、まだ苗字で呼んでるのに琴葉(アイツ)は最初から名前呼びなんだよ!ちくせう!

「人、それを『逆恨み』という」

「お前は元・人だけどな」

「それは言わないお約束」

「そ、そうか。なぁ麻里菜、次の授業ってなんだっけ」

「家庭科。しかも調理実習」

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

深夏の怪談話を思い出して包丁を握るのが少しだけど怖くて、でも包丁を置いて帰ったらどうなるのかという好奇心も確かにあって。

「人間って怖いよな。麻里菜」

「ええ、ホントよね」

「幽霊の私でもそう思っちゃったわ」

改めてそう思う三人(?)だった。

 




よかったわ。一話完結できて。
分割なったらどないしよと思ったもん。
次回はラジオ回だし分割必須だもんね。
何気に新キャラ出てますが紹介は次回以降ということで・・・・。
(だってまだ詳細設定できてないし)

ではではまた次回お会いしませう。

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