とある六兄妹と名探偵の話   作:ルミナス

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今回の話、いつも通りにアニメを見ながら書いてたのですが、



カ ッ ツ さ ん 再 来 で す ! !



いや、それ以上にヤベェです…咲ちゃん発狂確定したかもです…と、取り敢えず、なんとかコナンくんに頑張ってもらいましたが、犯人さん達…アンタら、トンデモナイ人物、敵に回してるよ??早く気付いて???

それでは!どうぞ!!


日常編
第27話〜命懸けの復活 洞窟の探偵団〜


とある夜の探偵事務所。そこでは、近々、帝丹高校で行われる学園祭で発表される演劇の練習を、小五郎を巻き込んで行われている。

 

「『一度ならず二度までも、私をお助けになる貴方は一体誰なのです?ああ、黒衣を纏った名も無き騎士殿。どうか、私の願いを叶えていただけるのなら…どうか、その漆黒の仮面をお取りになって、姿を私に…!』」

 

姫役に抜擢されている蘭が迫真の演技で台詞を、黒衣の騎士役を務めてくれている小五郎に言えば、目の部分だけ切り取った紙袋を顔に被せた小五郎が、台本を持ちながら、ふざけた調子で返す。

 

「『おお、それが姫のお望みとあらば、醜き傷を負いしこの貌、月明かりの下に曝しましょう!』」

 

そこで台詞を区切り、紙袋を脱いで曝したその表情は、その調子と同じくおふざけの表情だった。

それに蘭は少し顔を顰める。なにせ、蘭は真面目にやっているのだから。

 

「もう、お父さん!真面目にやってよね!!学園祭まで時間がないのよ!?」

 

そんな二人の姿を、頬杖をついて台本を捲っていた手を止め、ジト目でそのやり取りを見たコナンは、退屈そうに欠伸を一つ溢し、再度捲り始める。真面目には読んでないのが態度から窺える。

 

「ば、バーロォ!こんな歯の浮くような台詞、真顔でやってられっかよ!大体、誰なんだ、こんなラブラブな脚本書いたのは!?」

 

「園子よ、園子!『黒衣の騎士』は新一をイメージしたんだってさ!」

 

(ハハッ、あの女ぁ…)

 

「おいっ、ちょっと待てい!!『騎士と姫は熱い口づけを交わす』なんて書いてあんじゃねえか!!!」

 

その言葉に驚いたコナンは瞬時に台本を捲り、該当場所を探す。

 

「やだなぁ、振りだけよ。心配しないで」

 

そんな蘭にコナンは子供の姿を生かして近づき、無邪気を装って問いかける。

 

「ねぇ、蘭姉ちゃん。誰がやるの?その騎士役」

 

「あら、気になるの?コナン君」

 

蘭はにこやかに腰をかがめて、コナンの視点に合わせて問いかける。それにコナンは冷や汗を流し、表情を取り繕う余裕もないまま、下手くそな笑顔で「ちょっと気になる」と返す。

 

「へッ、どうせしょうもねぇ男子生徒だろうけどよ」

 

その小五郎の言葉に、蘭は笑みを浮かべて立ち、小五郎に目を向ける。

 

「あら、二人ともよーっく知ってる人よ」

 

その言葉に目を見開いて少し驚く二人に、蘭は答えを言う。

 

「ほら、前に事件があった校医の『新出』先生。うちの男子みんな照れちゃって、内科検診できてた新出先生にお願いしたの」

 

その名前で二人は思い出す。眼鏡をかけた優しい風貌と表情を浮かべた青年。その青年との出会いは、小五郎が酒の飲みすぎで病院に行き、そこで夕食を新出家でとると約束し、お邪魔した際に顔を合わせることとなった。その時に、彼の父親が亡くなる事件もあったが、そんなことまで思い出す余裕は二人には無かった。彼が騎士役という衝撃がデカ過ぎたのだ。

 

「「えーっ!!!?」」

 

「学生時代に何度も主役張ってたらしくて、とっても上手いのよ!台詞回しとか、女性の扱い方とか!」

 

その言葉に小五郎が焦り、肩をつかんで揺らす。もちろんコナンも焦って両手をバタバタと振る。

 

「お、おい!それはいかんぞ!いかんぞ!!」

 

「だ、ダメ、ダメ!!やめなよ蘭姉ちゃん!!!」

 

そんな二人の反応に、楽しそうに笑う蘭。

 

「なーんてね!先生には練習を見てもらってるだけよ。騎士役は園子が男装して頑張るって言ってたよ!」

 

その言葉に心底安心したらしい二人は肩をなで下ろし、コナンに至っては安堵の溜息を溢しながら苦笑い。

 

(ハハッ、アホらし)

 

そこで蘭が時間を確認すれば、どうやらお風呂に入る予定時刻が過ぎていたらしい。彼女は朝練があるからと少し速足でその部屋から出ようとし、その後ろ姿に小五郎が声をかける。

 

「風呂なら壊れてっぞー」

 

「えー、僕も入りたかったのに…」

 

「だったら二人で銭湯にでも行って来いよ」

 

「でも、確か今日は定休日よ」

 

「だったら博士ん家のお風呂、使わせてもらう?僕、これから週末のキャンプの打ち合わせに行くとこだし」

 

蘭の困っている様子にコナンが子供らしく提案すれば、蘭もそれを承諾。そこで二人は着替えを取りに行くために事務所を出ようとする。そんな二人を、小五郎は懐から煙草を取り出しつつジト目で見やり、煙草を咥えながら声をかける。

 

「たくっ、迷惑にならないように二人で一緒に入って、さっさと帰ってくるんだぞ」

 

その言葉にコナンは顔を赤らめる。何せ彼の思い人と共に入れと言われたのだから仕方ない。しかし、それ以上に意外なのは、その言葉に、出ようとノブを回そうとしていた腕を止めた蘭である。

 

彼女は肩を震わせ、赤らめた顔で振り向き、叫ぶ。

 

「じ、冗談じゃないわよ!?なんで私がコナン君とお風呂に入らなきゃいけないのよ!!?」

 

その叫びに小五郎とコナンが驚きで体が少し後ろに仰け反った。そんな二人を見てハッと我に返ったらしい蘭が取り繕ったように笑みを浮かべて誤魔化す。

 

「…だから、やっぱりそういうことは教育上よくないわよ…ねえ、コナン君??」

 

蘭は笑顔を浮かべているが、それは同意以外許さないような迫力ある笑顔で、コナンは少し冷や汗を流しながらも同意した。

 

 

 

 

 

阿笠邸に辿り着き、蘭が鼻歌を歌いながら入浴している間、コナンは博士と秘密の話し合いを始める。

 

「なーんか変なんだよなぁ、蘭の奴…最近」

 

「え?どういうことじゃ?」

 

「時々、感じるんだよ。蘭が俺を見る目や態度が、小学一年生の子供に対してじゃなくて、まるで…」

 

その言葉に焦るのはコナンではなく、博士だった。

 

「おいおい、新一…!」

 

そんな博士にお気楽な笑みを見せるコナン。彼はそのことを気のせいだと判断したが、そこに横やりを入れたのは、哀だった。彼女は、バレてるのではないかと冷静に告げると、朝までやることがあるから邪魔しないよう言い、地下室へと移動してしまう。

 

そんな彼女をジト目で見送るコナンだが、博士はその意見にさらに焦る。

 

「お、おい。哀君の言う通りだとしたら…」

 

「バーロォ、だったらなんで俺に言わねえんだよ。蘭に限ってんなことは…」

 

「なに?私がどうかしたの?」

 

その声にコナンは驚き、反射で後ろを振り向けば、お風呂から上がったらしい蘭がいた。

博士が否定すれば、蘭はさほど気にせず、辺りを見渡して哀を探す。博士はそれに地下室にいると答えれば、挨拶してくるといって地下室に向かい始めてしまう。それを慌ててコナンが止めるが間に合わず、研究室の扉が開けられてしまった。

 

「こんばんは!あーいーちゃ…」

 

蘭が朗らかに挨拶するが、薄暗い中、静かにパソコンのキーボードを叩いている哀の様子に言葉が尻萎みしてしまう。

 

「こ、これ!挨拶ぐらいせんか!」

 

「いいわよ博士、邪魔しちゃ悪いし…」

 

博士の叱りの言葉に、少し悲しそうな様子を見せながらも蘭は言い、またねと言って扉を閉める。そこで漸く、一瞬だけ視線を扉に向け、またパソコンに向かい合う。

 

(…もしかして私、逃げてる?)

 

一瞬、そう思考し、手が止まったが、すぐに何かを決意したような目で作業を再開した。

 

(…冗談じゃないわ)

 

 

 

 

 

翌日、博士の車でキャンプ地に向かう少年探偵団。車の中でワクワクしている探偵団三人は歌を歌い、右端に座る、黒い長袖ジージャンと白の半袖シャツ、ベージュのショートパンツ姿の咲は、博士特注のヘッドホンで、耳に入る音量を調整し、快適そうに外の景色を眺めている。

このヘッドホンは、所謂、『補聴器』である。ただし、彼女の場合、聴覚が鋭すぎるのが日常生活を送るのにデメリットになっているため、音量は最小。しかしそのぐらいが彼女には丁度よかった。これは最近、漸く博士に相談し、作られたもの。耳当ての外側のみ緑で、あとは黒とツートンカラーでシンプルだが、咲にとってはとても日常生活で役立ってくれている代物である。

 

そんな彼らを後目に、コナンは運転中の博士に小声で声をかける。

 

「なあ博士。この前の蘭の件だけどよ…」

 

「ん?」

 

「もしもの時のために、なんか良いメカ作ってくれよ」

 

「ふむ、メカと言ってもの…」

 

「例えば、動いてしゃべる俺そっくりのロボットとかさ」

 

そのアイデアに博士は笑って、作れたら今頃金持ちだと返す。それにコナンも肯定し、到底無理だと判断する。そこで右隣から視線を感じた。コナンはその隣にいる咲ーーではなく、哀を見る。コナンと咲の間に座っていた哀は、ジッと静かにコナンを見つめる。しかしすぐに、咲越しに外の景色を見だした。窓が少し開いているようで、二人の髪が風で靡いていた。

 

 

 

 

 

キャンプ場へと辿り着き、テントを博士が設置する。それに元太が、前回、忘れたことを遠回しにからかい、それに博士も声をあげて笑った。その後、役割が分担される。博士と哀がかまど係、他が薪集め係となった。それに子供たちは元気に返事し、コナンは顰め面、咲はそんなコナンに苦笑を向ける。

 

キャンプ場から少し離れた場所で薪拾いを開始。しかし、人数が人数のため、すぐに拾い終わってしまい、コナンが早く戻ろうと言い、元太と歩美が子供らしく元気に了承。しかし、少し離れた所で拾っていた光彦が声を上げる。

 

「ちょーっと皆さん、来てください!面白いもの発見しましたよ!」

 

その声にコナンたちは興味を抱き、光彦と、その側で拾っていた咲が近づけば、大きく入り口が開いている鍾乳洞と、その入り口を封鎖するように絞めている縄と、立ち入り禁止と書いている立て看板。もうこの時点で嫌な予感しかない咲が顔をしかめる。

 

「ただの鍾乳洞じゃねえか」

 

「『入るなキケン!』と書いてあるよ」

 

「注目するのはこれですよ!」

 

光彦がそこで指さしたのは、入り口近くにある石。コナンと咲が見てみてみると、そこには、『龍の道に 歩を進めよ さすれば至福の光 汝を照らさん』と書いてあり、その上から大きくひらがなで『と』も書かれている。

 

「『至福の光』?」

 

「要するに、幸せいっぱいの光のことだ…嘘くさいがな」

 

咲が元太に説明しつつそう本音を漏らすが、しかし子供たちは、それはお宝かもしれないと俄然やる気を見せる。それにコナンは呆れた様にハハッと笑い、再度、石碑に顔を向ける。

 

「問題は、ここに彫り込んであるひらがなの『と』だな」

 

それに子供たちはそれぞれ思いつくものを口にする。特上うな重、トパーズ、トンネル…しかしどれも宝になりえず、ましてやヒントにもなりえそうにない。咲も考えるが、将棋の駒ぐらいしか思いつかない。

 

「徳川の埋蔵金…」

 

咲が考え込んでいる間に、コナンがふっと思い浮かんだことを言えば、子供たちは目を輝かせてすぐ様、鍾乳洞へ。咲とコナンも少し遅れて気づく。すでに探検気分で時計のライトを点けて中を歩く三人に声をかけるも、ちょっとだけと言って聞かない。それに二人は溜息を吐き、子供達とともに探検することになった。

 

「でっけぇ洞穴だなぁ」

 

「鍾乳洞ですよ」

 

「中はこんなに広いんだね!」

 

子供たちが前を歩き、コナン達は後ろを歩く。ただ探検で終わると、ヘッドホンをつけたままの咲は思っていたが、コナンが足元を見て立ち止まったために首をかしげて止まる。

 

「どうした?」

 

「いや、煙草の吸殻がここに…」

 

そう言いながらコナンがそれを拾い上げる。フィルター部分を触れば、まだ湿っていた。

 

(俺達の他に誰かいんのか…?)

 

 

 

 

その頃、博士が子供たちの帰りを待っているが、なかなか戻らない子供たちに心配が募る。

 

「遅いのぉ…一体、どこまで行っとるんじゃ」

 

「森の中でも探検してるんじゃないの?好奇心旺盛な探偵さんが引率者だし、咲も、小島君たちが楽しそうにしてたら止められずに、一緒に探検してるかもね」

 

そんな博士の心配をよそに、哀はカレーの材料となるジャガイモの皮を器用にもナイフで剥きながら答え、それよりもと手伝いを要求した。

 

 

 

 

 

そう考えて辺りを見渡す。しかし、誰かが隠れている様子はない。疑問が解消されないまま子供達の後を追い、さらに奥へと歩く。そこで光彦が奥が照らされているのを発見。それで先程の煙草の持ち主ではないかと推測を立てるコナン。

 

「もしかしたら、誰かが先にお宝見つけたんじゃない?」

 

「おいマジかよ!」

 

そこで元太がぐちぐちと文句を言いながら光の方へと歩き出す。コナンが止めるような声で呼ぶが無視。そして光の下へと辿り着き、見えた光景は、二人の男が懐中電灯を持ったまま何か大きな『モノ』を持ち運んでいるらしい姿。その『モノ』はと言えばーーー額を撃ち抜かれて絶命しているらしい、男性。

 

「ひっ…うわぁぁぁっ!!?」

 

それを見た元太は驚愕して尻餅をつき、そこから恐怖が体を支配し、叫びながらコナン達の下へと走った。

 

そんな尋常でない姿にコナン達にも緊張が走る。

 

「どうした?元太」

 

コナンが冷静に問いかければ、元太は怯えたままの声で答える。

 

「し、死体…」

 

その声は小さく、普段であれば聞き取れたであろう咲も、ヘッドホンをしているために分からない。全員が困惑する中、足音が響き渡った。先程、元太が向かい、そして怯えて帰ってきた場所だ。少しして男が一人現れ、薄暗い中でも子供たちを認識したらしく、懐に手を入れた。それを見れば何が出てくるかなど、咲とコナンは理解してしまった。

 

((拳銃…!!))

 

「伏せろ!!」

 

咲が叫び、三人の背中を勢いよく押す。しかし、ここで咲は判断を誤った。

ーーーコナンが咲も守るように後ろから押し、発砲音が響くと同時にコナンの表情が痛みを堪える表情となったのだ。

これで、『コナンが撃たれた』と認識してしまった咲。

 

 

 

ーーーその脳裏に浮かんだのは、目の前で綺麗な白い長髪を、真っ赤な水溜りに浸からせて横倒れている白衣の男性ーーー

 

 

 

「咲、だめだっ」

 

そこで腕をつかまれ引っ張られ、岩陰にてコナンに拘束された。抗議しようと口を開けば口を押さえつけられる。子供達にはバレていないが、あからさまに咲は殺気立っている。獲物を狙う猫の(瞳孔が開いている)目だ。あの青い城の時よりも、まずい状態である。コナンが拘束していなければ、きっと子供の身ながらに、殺戮ショーが行われただろう。コナンが怪我をしていると無意識に覚えているからこそ、理性が飛んでいるような状態ながらも無理矢理に拘束を解くような行動をしない。それだけが、安心の要素である。

 

「おい、どうした!?」

 

岩の向こうでは、男声が聞こえてきた。その問いに、先程、撃ってきた男が子供に見られた事を説明してしまう。

 

「おいおい、親はいねぇだろうな」

 

「いや、餓鬼が5人だけだ」

 

彼等はその中に殺し屋(黒猫ワイン)がいるなど知る由もない。

 

「くっそ、ついねぇなぁ。銀行強盗やりゃ、仲間の一人が面見られるし」

 

「そいつをバラして此処に捨隠しゃ、足は付かねえと思ったら、今度は餓鬼かよッ!!」

 

そこで彼等は探偵団を探し始める。コナンは荒い息を出しながらも気配を出来るだけ殺す。

 

「おい、餓鬼を見つけたらどうする気だ?」

 

「決まってんだろ?」

 

仲間の男の一人が問い掛ければ、リーダーらしき男が話し出すと共に鳴る『ガチャッ』という音。あからさまに拳銃を構えた音だ。

 

「ーーこの暗い穴蔵ン中で、永遠にオネンネしてもらうんだよ。これで餓鬼どもの脳天に風穴開けてな」

 

それに子供達は小さな悲鳴を零し、(カッツ)は逆に殺気が鳴りを潜めた。しかし猫の目はそのままーー殺しの準備が整ってしまった。

 

「取り敢えず、お前は入り口を張れ。俺らはもう少し此処を探す」

 

「おう」

 

そこで足音が聞こえ、緑の上着を着た、先程、撃ってきた男が走り去っていく。それを見送り少しすると、コナンはバッチの電源を付け、それを横目に見ながらヘッドホンを外す咲。

 

「灰原!!おい、灰原!??灰原、応答しろ!!!灰原!!!」

 

しかし反応は返されない。当然だ。その場から少し離れたところで、切った野菜が繋がったままで放置している博士を、少しからかいながら料理している。咲なら聞こえたが、残念ながら彼女はこちら側だ。

 

「どうしたんでしょうか?」

 

「スイッチ入れてないのかな?」

 

「よし、俺、アイツらに何も見てねぇって言ってくる!」

 

「馬鹿がっ!!」

 

そこで元太の頭に咲の拳骨が降った。それに頭を抑えて見上げれば、恐ろしく無表情な咲がいた。

 

「さ、咲ちゃん…?」

 

「そんな事、言いにいってみろ。獲物が自ら死にに来た、と喜んで撃つぞっ!!」

 

「きっとコナン君が良い方法を考えてくれるよっ!ねっ!!コナンくん…」

 

歩美がそこで振り向けば、息を荒くし、腹部を押さえて座り込んでいるコナンが目に入った。

 

「う、うわっ、コナンッ!?」

 

「コナンくんっ!?」

 

子供達3人が目を見開いてコナンの様子を見る。どう考えても只事じゃなく、腹部を抑えていることから、そこを怪我したのが伺える。

 

「こ、コナンくん…」

 

「どうしたんですか、その血…」

 

「光彦、現実逃避するな。…撃たれたんだよ、拳銃で」

 

咲が冷静に言えば、子供達が小さな悲鳴をあげる。それを知らぬふりをして咲はコナンに近付いた。

 

「…そんな怪我の奴に言うことでもないが…なんで庇った?」

 

「ハァ…ハァ…」

 

そこでコナンが痛みをこらえたような顔をしながらもなんとか目を開き、辛そうな様子で咲を見上げる。そんな様子に、咲は一層、辛そうな様子を浮かべた。

 

「お前、知ってるはずだろ?…なんで私まで庇ったっ!!??」

 

その咲の言葉に、コナンはフッと笑う。

 

「ハァ…バーロォ…例えお前が誰であろうと関係ねぇ…うっ…助けたいから、助けたんだ…」

 

「ッ!?」

 

その言葉に、咲が目を見開く。自身の『業』など関係なく、助けるなど…そんなこと言われたのは、『四度目』だ。

 

(…『四度目』?)

 

ふっと、それがおかしいことに咲は気付く。

 

(先生、修斗、そしてコナン…あと一人は…?)

 

そこで意識が飛んでいる咲に気づかず、歩美は涙目でコナンに近付き、早く逃げようと、怖い人達が来るから逃げようと言うが、コナンが待ったをかける。

 

「ハァ…ハァ、遅かれ早かれ、外で待ってる博士と灰原が、この鍾乳洞に来る…何も知らないで奥まで入り、奴らに見つかったら、殺される可能性が高い…」

 

「どころか、確実に殺されるだろうな…」

 

コナンの最後の希望的観測を、絶望的観測に変えていく咲。しかしこれは紛れも無い事実でもある。入り口近くまでなら、まだもしかしたら何かしら相手が口達者に話し、引き返させるかもしれない。しかし、奥に入れば入るだけ、殺される確率は上がっていくのだ。

 

「取り敢えず、この鍾乳洞は危険だと、外にいる博士たちに知らせないと…」

 

「でも、どうすんだよぉ…メモなんて残しても、奴らに見つかって破られちまうぜ?」

 

「やっぱり、奥に逃げながら、探偵団バッチで、諦めずに二人に呼びかけたほうが…」

 

「呼び掛けは良いが、奥に逃げるのは得策じゃないな。奥に行けばいくほど、電波は届かなくなっていく」

 

「じゃあ、どうするの…?」

 

歩美が心配そうに咲を見上げる。咲も考えるが、妙案は浮かばない。ゆっくり首を横に振ると、子供達は絶望の表情を浮かべる。しかし、コナンは胸ポケットの中を探る。

 

「…この、犯人追跡用の、発信機を使うんだよ…裏はシールになってて、10枚ほどめくれるようになってる…」

 

そういって取り出したのは、指先に乗せれるほど小さな黄色いシールのような物。実際、めくれるとコナンも言った通り、シールに近い物なのだろう。

 

「え、でもそれでどうやって…」

 

「説明してる時間は、ねえ!…早く、俺の言う通りに、これを…」

 

声はドンドン苦しさを増していき、それを見て子供達も行動する事を決意する。それを見て、コナンが咲に視線を向ければ、咲は一つ深く深呼吸し…普段の冷静な目へと、戻した。

 

 

 

 

 

その後暫くして、先程、コナン達がいた場所に、強盗グループが捜索に来た。辺りをライトで照らして探すが、子供達は見つからない。

 

「チッ、餓鬼どもめ!どこに行きやがった!!」

 

そこで誰かの走る音がその場に響き、入り口方面の道を見れば、入り口を張らせた仲間の一人が戻ってきた。

 

「おい、いたか?」

 

「いや、入り口から外には出てねぇみてーだぜ」

 

「妙だな…この辺りは粗方探したし…」

 

そこでグレーの上着を着た男が奥へと入っていく道へと視線を向ける。もうそこしかないと言えば、入り口から戻ってきた男がそれなら探すことはないと言う。曰く、その奥は入り組んでおり、遭難者がゴロゴロと出ているらしく、子供達は遭難して死亡するだろう、と。それに赤い服のリーダーらしきヒゲの男は追うと言う。それに驚くのは話していた二人だ。それを無視し、落ちていた眼鏡を拾いながら喋る。

 

「万が一、ということもある。餓鬼どもが奥に行ったのは、確かなようだしな…」

 

「で、でもよぉ…その眼鏡、前に遭難した奴のものかもしれねぇじゃねぇか」

 

「…」

 

ヒゲの男はその直ぐそばの岩を灯りで照らしだし、ニヤリと笑う。

 

「バーカ、コレを見ろ」

 

「ち、血じゃねぇか!?」

 

「ああ、しかもまだ乾いてねぇ」

 

「成る程。餓鬼どもに追いつくのは造作もねぇって事か…」

 

「フッ、そういう事だ」

 

 

 

 

 

既に外は夕焼け空。薄暗くはなっていないが、夕日も落ちだし、鴉も鳴いている。そんな現在時刻は午後5時少し過ぎたところである。

 

「…ねぇ。幾ら何でも、遅過ぎると思わない?」

 

「ムッ?そうじゃのぉ…」

 

哀に話しかけられ、カレーをかき混ぜる手を止める博士。

 

「…ちょっと私、森の方を見てくるわ」

 

そう言うと、直ぐに森へと歩き出す哀に、博士は慌てて火を止めて、その後を追い出した。

 

 

 

 

 

子供達は、時計のライトを頼りに歩いていた。ただし、コナンは既に歩けるほどの体力も無く、元太におぶられている。その顔には汗が流れていた。

 

「大丈夫ですか?コナンくん…」

 

光彦がコナンに問いかければ、コナンは気障に笑って、大きな絆創膏を貼ったから、一応は大丈夫だと言う。しかし、そんな言葉で安心出来るほど、咲も子供達も、能天気ではない。しっかりコナンの様子も見ながら、歩いている。

 

「ッ…それより元太、もっと早く歩けねえのかよ…奴らに追い付かれちまうぞ」

 

「で、でもよぉ、揺れると痛ェんじゃねぇか?」

 

その言葉に歩美の目に涙が止まり、足を止めてしまった。それで全員の足も止まり、歩美の方に顔を向ける。

 

「…歩美?」

 

「…私の所為だ。私が、ちょっとくらい平気とか言って、この鍾乳洞に入らなきゃ…コナンくん、こんな間に合わなくて済んだのに…」

 

「いえ!歩美ちゃんだけの所為じゃないですよ!元はと言えば、僕がこんな所を見つけなければ…!」

 

「バーカ!悪いのは俺に決まってんだろ!!俺が調子に乗って、あの悪い奴らがエライことをしてるのを見ちゃったからよ…!」

 

その子供達の言葉に、コナンがフッと笑う。

 

「…バーロォ、オメェらがこの鍾乳洞に入ったお陰で、迷宮入りしそうだった、殺人事件が、解決しそうなんだぜ…?」

 

「そうだな…だが、それぞれの後悔も、事件の解決も、まずは奴らから逃げきる事が出来なければ、話にならない…」

 

「そのあとは、バーベキューだ…もっとポジティブに行こうぜ…」

 

「一番重症のやつが、言うことじゃないな」

 

咲が鋭い目付きでコナンを見れば、コナンはフッと気障に笑うだけ。自身は全然平気だと言いたげである。

そんな二人を見て、三人は少し元気が出たようで、再び歩き出す。しかし、歩いたその先は、二又になっていた。

 

「道が二つになってますよ!?」

 

「ど、どうしよう…」

 

光彦と歩美が悩み、元太がそこでジャンケンをしようと言う。しかしそれに待ったをかけたのはーー咲だ。

 

「…元太、その腕時計、貸してくれないか?」

 

「え?」

 

「コナンをおぶっていては使えない。だからこそ…ちょっとした誘導に使う」

 

そう言いながら、元太から受け取った時計のライトを付けた。

 

 

 

 

 

外はさらに日が落ち、夕闇色に染まる空。そんな中でも、哀と博士は懸命に子供達を探す。

 

「おーい!みんな、どこじゃ!?おーい、返事しろ!!」

 

そうして叫びながら探し続け、ついに鍾乳洞入り口へと、辿り着いた。

 

「…見て、博士」

 

哀が座り込み見つめる地面には、5人分の薪が置かれていた。それを博士も見て、鍾乳洞の中に入ったのではと思考が辿り着く。

 

 

 

 

 

強盗グループもまた、あの二又に辿り着いてしまった。もうその場に子供達はいないものの、どんどんと距離が縮まっているのが分かってしまう。

 

「…おい!なんだ、アレは!?」

 

グレーの男が、右の通路の地面にから漏れる光を見つけ、そこに足早に近付き、拾い上げる。それは、時計型ライトだった。それを後を追った緑の男も目に止めた。ヒゲの男はその通路には入らず、眉を寄せている。

 

「…へっ、ライト付きの腕時計…洒落たモン持ってんじゃねえかよ」

 

「じゃあ間違いねぇ!餓鬼どもはこっちの道をーー」

 

「待て」

 

二人がその声に顔を上げれば、ヒゲの男がそれは罠だと言い切ってしまう。なぜだと言いたげな二人に、幾ら子供でも、光っているものを落として気付かないわけがない、しかもご丁寧にベルトまで付いていることもと説明する。総合的に見て、逆の道へと行ったのだと言えば、二人の男は子供にナメられたと怒りに燃える。

 

「益々拝んで見たくなったよ…その4人の餓鬼どもの面を!」

 

「ああ!恐怖に引きつり、命乞いをする顔をな…!」

 

 

 

 

 

歩くにつれて、ドンドンとコナンの息が荒くなっていくのを、咲は後で理解していた。しかし、脱出しない限り、助けることも出来ない。最悪な展開を頭から追い出すために、軽く頭を振った。

 

「でも、大丈夫なんでしょうか?腕時計型ライトを、わざわざこっちの道に置いてきてしまって…」

 

「ああ、それなら大丈夫だ。相当頭が回って、相手の裏の裏を掻くぐらいの奴なら引っかからない程のものだ。奴らも思いもしないだろう…態々、『私達の行った道』を教えているようなものだとはな」

 

「だからこそ、引っかかる…銀行強盗をするぐらいの奴らだ…頭の回るやつが、1人くらい…」

 

「例えトランシーバーを持っていたとしても、この鍾乳洞の中だ…通信なんて出来ない。1人行動に出れば命取り。それぐらい、奴らも頭が回るだろう」

 

そこで咲が足を止め、右へと顔を向けた。それに全員が顔を向ければ、其処には水路があった。その瞬間、魚がジャンプし、一瞬、その姿を見せた。

 

「あ!お魚さん!」

 

「…なぁ、その魚、目玉付いてるか?」

 

コナンの問い掛けに、水辺の近くで魚を観察していた歩美と光彦が確認すれば、目が付いていることがわかった。それと共に、光彦は鮎ではないかと言う。それに元太は食うのかと問い掛け、コナンがバーロォと止める。

 

「俺たちは、ただ逃げ回ってるだけじゃねぇよ…」

 

「目玉が退化していない魚が此処にいると言うことは、何処かの川からここに来たというのが分かる」

 

「つまり、その道を遡っていけば…」

 

それで子供達も理解する。この先に、出口があるということだ、と。

 

 

 

 

 

鍾乳洞に入った博士と哀は、少しして眼鏡を見つけた。

 

「この眼鏡…工藤くんのよね?」

 

「ああ…じゃあやっぱり、この中で迷っとるんじゃ」

 

博士が心配そうに辺りを見渡す。そんな博士を他所に、哀は考える。なぜ、此処に眼鏡があるのか、と。

そこで彼女はその追跡眼鏡を掛け、電源を入れれば、辺りに沢山反応がある。それを見て、奥まで探しに行こうとした博士を止める。

 

「待って!何か落ちてるわ。この側に、沢山」

 

「えぇ?」

 

そこで博士が懐中電灯を辺りに向けて照らせば、岩に貼り付けられているシールのようなものを見つけた。

 

「こ、これは!?ボタン型発信機!!?」

 

「触らないで!何かの形になってるみたい」

 

「何かの形…?」

 

そこで哀が眼鏡の受信範囲を縮小し、それにーー気づいた。

 

(ーーー『110』!?)

 

 

 

 

 

子供達とは反対の道へと誘導されてしまった強盗グループは、壁につき合わせてしまい、これ以上進めないことを理解し、更に怒りに火が付いた。

 

「クッソ!!餓鬼だ!!餓鬼に一遍、食わされたんだよ!!!」

 

「ヘッヘッヘッ!」

 

そこでヒゲの男が笑い、グレーの男が振り向けば、血走った目を見開き、叫ぶ。

 

「すぐに引き返して後を追うんだ!!!ブチ殺してやる!!!!!」

 

 

 

 

 

「えぇ、ウソォ…」

 

歩美と光彦、咲がライトを上に当てている。その先には確かに流水が流れていた。しかし、その入り口は細く、とてもではないが、子供1人でも通れない。しかし、鮎は間違いなくその流水から流れてきていることは、鮎がまた一匹、その場でジャンプした姿を見せたことで、理解してしまった。

 

「じゃあ私達、死ぬまで此処から出られないの…?」

 

「そんなぁ…」

 

元太が絶望の声を上げるが、それに希望を与えるのは、やはり彼である。

 

「ーーいや、諦めるのは速えぞ」

 

その言葉にコナンへと全員が視線を向ければ、コナンが上を向いてライトを当てていた。そこでその先へと視線を動かせば、そこには木の根が生えていた。

 

「…そうか、アレがあるということは」

 

「ああ、地表が近いという証拠だ!どこかに出口があるかも知れねぇぞ…!」

 

そこでライトを持つ三人が辺りを照らし、元太も辺りを見渡すが、何処にもそれらしきものが見つからない。

 

そんな時、歩美がたまたま後ろを照らした瞬間、そこには不自然な卵があった。

 

「卵だ!!デッケェ卵があるぞ!!」

 

「えぇ!?」

 

光彦が驚いて照らしてみれば、それはただの石で出来た卵型の石が、岩の上に乗ってるだけである事を理解し、そう説明する。それに元太は一気にテンションがだだ下がってしまった。その間に、歩美と咲がその先を照らしてみれば、更に穴が5つあった。それを見て、子供達はどれかが出口に繋がっていると推測。咲もそれが間違いだと断じる証拠もないため、何も言わない。しかし、頭の中では何かが引っ掛かっている。

 

(この卵…なんで此処に?何も意味なくある訳もないはず…)

 

そこで光彦が石の下に灯を照らした途端、文字を発見した。そこには『闇に惑いし者 龍の道に歩を進めよ さすれば至福の光 汝を照らさん』とある。

 

「…似たようなものは、入り口にもあったな…」

 

そこで歩美が途端に悲鳴を上げた。それはイキナリだった為になんの準備もなかった咲がダメージを喰らい、しかも至近距離だった為に、倒れかけてしまった。しかしそれを光彦が腕を伸ばして支えてくれようとしたが、その瞬間、岩蓋にぶら下がっていたらしい無数のコウモリたちが、一斉に子供達へと向かっていく。頭がクラクラする中でも殆ど反射でヘッドホンを耳にかけた咲は、歩美の声よりも低くなった音ともに、コウモリから身を守るように腕を前に出して顔を覆った。子供達は叫び声をあげる。

 

ーーそしてその声が、強盗グループに届いているなど、誰も思いもしていない。

 

「動くな!!じっとしてろ!!」

 

コナンがそう叫び、全員が指示通りに体の動きを止めれば、コナンは自身の探偵団バッチを投げた。それにコウモリたちは反応し、バッチの方へと飛んでいく。

 

「洞窟のコウモリは、昆虫を食ってんだ。だからッ、小さな物や音に敏感に反応するんだよッ」

 

その説明に、光彦は変なものを見つけないでと歩美に言い、歩美は涙を拭いながら言い訳しようとするが、その行動はお手柄だとコナンが褒めた。それに全員がコナンに目を向ければ、コナンは気障に笑っていた。

 

「洞窟のコウモリは、出入り口から300メートル以内の所にしか生息しないんだ…つまり、俺たちが目指す出口が、もう目と鼻の先にあるって事だッ!」

 

それに子供達に笑顔が浮かぶ。しかし、コナンはその『出入り口』がどれなのか、まだ判断が出来ていない。

 

(俺の推理が正しければ、『龍の道』がそれに通じてるはずなんだが…)

 

しかし、彼の視界はどんどんと霞み始める。その上、焦りを増させたのは、ヘッドホンを外した咲だった。彼女は気付いてしまったーー複数が走って近づく音に。

 

「ッ!複数人の足音が微かに聞こえてきた…まずいぞ!!」

 

その言葉に子供達が小さく悲鳴をあげる。しかし、コナンはそれでも考える。

 

(…気になるキーワードは、入り口の足に大きく掘られた『と』の文字と、龍の道、そして岩の上に置かれた卵型の石…『と』、『龍の道』、『卵』…ッ!)

 

「ど、どうすんだよぉ!?どの道に入ればいいんだ!!?」

 

「順に入っても、追いつかれちゃうかも…!!」

 

「も、もう終わりですっ!!」

 

子供達が絶望の声を上げる中、咲が覚悟を決めた目を、音のする方に向ける。いや、寧ろ彼女にとっては好都合。コナンに怪我を負わせた事に、彼女は殺意を覚えている。しかし、そんな子供達に冷静になるように、コナンが言葉をかける。

 

「で、出口は、1つだけ…だから、冷静になれ…オメェら」

 

「だが、コナン…」

 

「その出口がどれなのか、わかりませんよぉ!!」

 

「きッ、刻まれた文字の、『闇に惑いし者』とは、道に迷った者…シッ、『至福の光』とは、出口の光の事…つまり、入り口の石や、その岩には、この鍾乳洞からの脱出方法が書いてあったんだ…で、出口の『龍の道』とは、その道の…」

 

コナンが力を振り絞って指差し、子供達が希望を持ってその先を見た瞬間、コナンの力が抜け落ち、腕が垂れ下がってしまった。そこで歩美がライトを向ければ、背中から血が出ている事が確認できる程となっていた。応急処置が絆創膏だけなのだから、血を止める事など不可能だった。そして最悪な事に、子供達の耳にも複数の足音が聞こえ出し、絶望が辺りを満たしーーー遂に犯人が、光を照らした。


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