さて、お久しぶりです!!!この挨拶何度目でしょう!!!
紺青の拳を見た勢いのまま書こうと思ったら睡眠不足が祟ってバス酔いし、しばらく呻いていたルミナスです!!因みにDVDが見つからなかったことも要因の一つですが、書けなかったのはもう一つ…中々展開が、思いつきませんでした!!!orz
取り敢えず、今のうちに続きを書きたい所ですが、飼い猫にも餌をあげたいので、もしかしたらまた暫く上げれない事になるかもしれません。もう本当にすみません!!
それでは、どうぞ!!
米花中央病院に一台のタクシーが止まる。そこから降りてきたのは、毛利小五郎。彼は少し小走りで、しかし焦った様子で中へと入っていく。
当然だ。なぜなら、彼の一人娘が電車に轢かれかけたのだから。
「蘭!」
小五郎が声を掛けて入れば、それを静かにと英理が少し注意し、ちょうど鎮静剤を打ったところだと説明する。小五郎が蘭の容体を問いかけると、擦り傷程度で特に問題はないことが説明される。しかし、今回のことでストレスが掛かり、記憶を思い出すことを恐れる可能性が出たことを、担当医である風戸から口に出す。それを聞けば、次に小五郎が目を向ける相手は分かりやすい。目暮や彰と共に来て顔を俯かせている高木だ。
「っ高木!!お前、どこに目をつけていたんだ!!」
「っすいません!!!」
「しかし、これでハッキリしたな…蘭くんは、佐藤くんが撃たれた時、犯人の顔を見ているということがな…」
「…あの小僧の言った通り、か」
「?小僧とは?」
小五郎がそう言えば、風戸が首を傾げて問いかける。それに彰が軽く自身の弟で、前に説明があった時には壁に寄りかかっていたと説明すれば、少し考え込んだ様子を見せた後、思い出した様子で「ああ、彼ですか」と少し嬉しそうに顔を彰に向けた。その彰は、目暮に高木と共に何が何でも蘭を守り抜くようにと命を受けていた。今回の件で、警備を増やすことを決めたらしい。
その声を耳に通しながら、コナンは守るだけではなく、こちらから攻めなければと理解した。そうして真っ先に向かったのは事件があった米花サンプラザホテル。
(あの時、ホテルに残っていた人達は全員消炎反応が出なかった。ただ、それは修斗さんが説明したことで、残さない方法がある事が出来たけど、その証拠となる傘が…)
そこでフッと思い出す二点。コナンが来た時には傘が止めてあったのに、事件があった時には傘立てに適当に放られていた事。そして蘭が雨が降りしきる中で退院した際、何かに怯えた表情をした事を。
(…一度、傘を見てみるか)
そこでコナンが行ったのは荷物を預けたりするセンター。そこにいるお姉さんに自身の傘だと偽って何処にあるかと聞けば、穴が空いていたため捨てたと言う。それにコナンが残念そうな反応を示せば、お姉さんは喜んだ様子で嘘といい、そのビニール傘を出してくれた。これに少し呆れながらもお礼を言ってそのお姉さんの死角になる傘立てがある通路に入り傘を開けば、穴が空いていることを確認した。
(しかし、これでパーティーに来ていた全員が容疑者…つまり、説明した修斗さんも…もしあの人が犯人なら、手強いな…)
そして傘を一度処分するために持ち帰り、次いで向かったのはカフェ『Kotone』のすぐ隣にある地下ライブ会場。その会場に入れば、敏也が他のバンドメンバーと共に演奏している所だった。そこで後ろに気配を感じ、コナンが後ろを振り向けば、そこには壁に寄りかかって見ている環がいた。その視線を追えば、その先にいたのは敏也。
(そうかっ!!環さんがパーティー会場にいたのは、敏也さんを尾行していたからなんだ…)
そこで唐突にギターを弾いていた敏也がピックスクラッチをし、仲間が驚いて演奏を中断して敏也を見る。その本人である敏也は、ギターの弦が切れたにも関わらずそれを気にするそぶりもせず、マイクを掴んで叫ぶ。
「テメェ!!なんで毎日毎日俺を尾け回すんだよ!!!」
その視線の先を観客全員向けてストーカーだなんだと騒いでいれば、環は意味深な笑顔を浮かべる。
「…気になる?」
「何っ!?」
環は敏也に指を指し、宣言する。
「アンタが射殺した刑事二人の代わりに、私がアンタの殺人の証拠を見つけてやる!!!」
「っ!!」
環は宣言し終わると歩き出し、出る直前で再度意味深な笑顔を浮かべてから会場を後にする。その後をコナンも追い、その背中に声をかける。
「囮になるつもり?」
環がその声に後ろを向けば、そこにいたのは小さな子供。
「お姉さん、仁野保さんの妹の、環さんだよね?」
「ぇ…」
「一年前、お兄さんの口論していた相手が小田切敏也さんで、父親が警視長の為、事情聴取もされなかったことを突き止めたんでしょ」
「…坊や、誰?」
環のその当たり前に出る疑問に、コナンは振り返って答える。
「ーー江戸川コナン、探偵さ」
「探、貞?」
「もし、環さんがお兄さんの事を本当は好きだったとしたら、お兄さんを自殺として処理した警察3人を、恨んだかもしれないね…?」
そのコナンの言葉に眉がピクピクと動く。そしてあからさまに不機嫌な声で大っ嫌いだと宣言し、事件を調べる理由はただ真実が知りたい為だと言う。それにコナンは提案する。
「それなら、一か八か、敵の本拠地に乗り込んでみようよ」
小田切家に到着し、家政婦の案内で小田切がいる庭まで来れば、彼は刀を持って畳表の前に立っていた。それでコナンは理解する。
(居合の試し斬りだ…)
小田切は腰に佩た刀を抜き、振りかぶると、右に袈裟斬りすれば、見事に斬り裂かれ、次いで左袈裟斬り、そのまま逆袈裟斬り。それは素人のコナンから見ても凄いの一言が思い浮かぶ程の腕前だった。
小田切は刀を静かに納刀すると、環に目を向け名を告げて、彼女に渡す物があると告げると、洋風の客間にそのまま案内し、お互いに腰を据えると、小田切がその物を差し出した。
「一ヶ月前、息子の敏也の部屋で見つけました」
環がそれを確認する。それは、保のイニシャルが入ったライターだった。
「…兄のですか?」
「そうです。その名前は一年前、心臓発作で急死した智成警部が担当した最後の事件という事で、覚えていました。敏也を問い詰めると、仁野保さんが薬を横流ししているのを知って、金と共に脅し取った、と白状したんです」
しかしその事どころか、敏也のことさえ、当時の事件資料には書かれておらず、小田切は奈良沢にもう一度事件を調べなおすように命じたと言えば、環が驚きを示す。
「えっ!?再捜査を命じたのは、小田切さん自身だったんですか!?」
「奈良沢刑事が射殺された今は、目暮警部が引き継いでいます」
「もし再捜査が奈良沢刑事自身の意思だったとしたら、息子さんに捜査の手が及ぶのを防ごうとしたのかもしれないね」
コナンが気障な笑顔を浮かべて口にすれば、小田切はコナンに目を向ける。それにコナンは笑顔を浮かべたまま真っ直ぐにぶつければ、小田切はフッと笑った。
「確かに私にも、三人を殺害しようとする動機があるわけか…」
「ねえ、真実を明らかにするつもりがあるなら、捜査資料を見せてよ」
コナンがそう言った瞬間、小田切の顔が厳しくなる。
「それは出来ん!!」
「ぇ…」
「真実を明らかにするのは、我々警察の仕事だ!」
その言葉を聞き、コナンの顔も険しくなった。
米花薬師野病院の談話室では、蘭が園子と夕陽を浴びながら会話をしていた。
「でも本当に怪我がなくて良かった!」
「ありがとう。先生ももう退院して良いって」
それを警護している千葉と瑠璃が聞いている中で、蘭がふと疑問に思った事を園子に問う。
「ねえ、園子さん」
「やーだぁ!園子で良いって!」
「コナンくんって、どういう子なの?」
「え?」
「私のこと、命懸けで助けてくれたりして…」
そこで園子は少し考え、自身の印象を話す。
「そうねぇ、子供の割には機転が効くというか、勘がいいというか…不思議な子。まっ!私に言わせれば、ただの生意気なガキンチョだけどね」
「そう…っ!」
そこで蘭が何かに気付いたように徐に立ち上がり、ジッと視線を固定し見つめ続ける。それに驚いた園子も振り返れば、そこには丁度テレビでトロピカルランドに新たに野生と太古の島が加わった事が紹介されていた。そのテレビを見つめて、蘭が言う。
「私、あそこ知ってる…」
「トロピカルランド?…はっ、そうだよ!!あんた新一くんと二人で行ったんだよ!!」
(…そういえば明日、修斗と梨華がトロピカルランドに行くって言ってたっけ)
瑠璃がそう思考にふけている間に園子は小五郎に連絡し、事の詳細を話し、英理と共にやって来ると、風戸に説明すれば、風戸は蘭の記憶はかなり戻りかけていると言う。
「先生、実際にトロピカルランドに行けば、記憶が戻るんじゃないですか?」
「うーん、確かにその可能性はあります」
「私、明日行ってみます」
「待って、私は反対。また犯人に命が狙われるかもしれないし、事件のことを思い出せば、貴方苦しむ事になるのよ?」
それに蘭は弱った笑みを浮かべて、本心を晒す。
「正直言って、私も事件のことを思い出すのは怖いんです。…でも、このままじゃいけないと思うの…私の方から一歩踏み出さないと…」
「蘭…」
それに風戸は笑顔を浮かべて勇気があると褒め、その気持ちがあれば行っても大丈夫だと太鼓判を押す。
「それならせめて明後日にしない?明日はどうしても抜けられない用事がーー」
「心配するな!俺が命を賭けても、蘭を守る!!」
その言葉に英理は安心したような笑みを浮かべ、反対するのをやめた。それで予定が決まった事を理解した園子が自身もついていくと宣言すれば、蘭は安心した様子を浮かべた。
「ありがとう…でも、コナンくんには内緒にして?」
その言葉に全員が疑問の声を上げれば、コナンに言えば必ず付いて来ること、そうなれば危険な目に合わせてしまうからと言えば、全員が理解を示し、コナンには内緒にすることが決められた。
夕陽は落ち、夜となった時間。コナンは環と共にタクシーに乗り込んでいた。環がコナンを送ってくれているのだ。そのタクシーの中で、環はコナンに笑顔を向けて得意げに、上機嫌に言う。
「コナンくん、捜査資料が見たいなら私、コピー持ってるわよ?」
「本当!?」
「これでもルポライターですからね!アパートにあるから、明日見せてあげる!」
それにコナンが嬉しそうに頷いた。
翌日、コナンが元気に挨拶をして外に出るのを見送り、高木が乗る車に三人が乗り込むその様子を、その後ろに止められた黄色のビートルの中から博士と灰原、そして子供達三人が見ていた。
「やった!蘭お姉さんが出掛けるわ!!」
「朝から張り込んでた甲斐がありましたね!!」
「…江戸川くんは、知らされてないのかしら」
「偶にはいいさ、あいついつも抜け駆けしてっから」
「でも、咲ちゃんは…」
「咲は用事があるって言ってたから…仕方ないわ」
そこで博士が再度、危ない事はしないようにと注意し、二台の車は同時に出発。その僅差で隠れて見ていた真がタクシーを呼び止め乗り込み、前の車を追うように指示。こうして三台の車がトロピカルランドへと向かっていった。
都内のとあるカフェにて、コナンは環から約束の捜査資料のコピーを見せてもらっていた。
「どう?何かわかった、探偵さん?」
環が少しからかう様子でコナンに問い掛ければ、コナンは冷静に疑問を落とす。
「この芝刑事が握ってる手帳…」
「手帳がどうかしたの?」
「胸ポケットから出したんだとしたら、手帳の向きは文字が上になるんじゃなくて、下になるんじゃない?」
その指摘を受けて環が試しにしてみれば、指摘通りに文字は上下反対になる。それでコナンは、手帳を抜いたのは芝ではなく、犯人の可能性を指摘。それに環が本当に驚いた様子を浮かべ、右手で箱を取り出して煙草を加えると、左手でライターの火を付ける。それにコナンは疑問に思う。
「あれ、環さんって右利きじゃなかったの?」
その時に浮かんだのは、昨日のライブ会場。指を敏也に指した際に出した腕は右だった。しかしライターの火を付けたのは左。それに環は元は左だったのを右に直したのだと戸惑いながら答える。
「だから考え事しながら吸うときや咄嗟の時につい左手を使っちゃうの」
(咄嗟の時…そういえば、確かあの時……待てよ、じゃあアレは…!!)
そこで思い浮かんだのは奈良沢の事件時の時のあのーー右手で左胸を抑えたーー行動。
(まさかっ!?『アレ』はそういう意味だったんじゃっ!!)
そこでコナンは確認のために聞く。
「ねえ!!お兄さんが勤めてたの、東都大学付属病院だったよね?」
「そうだけど…ごめんコナンくん、私ちょっと行くとかあるんだ…」
そこで環はカフェを去る準備を始める。捜査資料を鞄に戻し、代金を払う。そうしてタクシーを一台捕まえるとそれに乗り込み、コナンに別れを告げると、トロピカルランドに向けて去っていった。
丁度その頃、トロピカルランドに到着した蘭たち。蘭はその場所を見て既視感を覚える。
「私、ここ覚えてる…」
「確か、新一と二人で来た時、ジェットコースター殺人事件を解決したんだったな…」
「じゃあ私達も乗ってみようよ!もっと何かを思い出すかもしれない!!」
そこでその現場であるミステリージェットコースターに向けて、怪奇と幻想の島へと移動する。そしてジェットコースターの一列目に蘭は園子と共に乗り込んだ。
ー分かるか?コナン・ドイルはきっとこう言いたかったんだ…ー
そこでそんな声が聞こえ、隣に思わず顔を向ければ、其処にはあの写真で見た少年がいた。しかしそれは一瞬で消え去り、園子が戸惑った様子で蘭を見つめてきた。蘭は何でもないと言い、そこでジェットコースターは走り始める。
その様子を子供達は外で見ていた。
「あっ!蘭お姉さん達だ!」
「ちぇ、俺も乗りてーなー」
「何を言ってるんですか!!この間に僕達は怪しい奴がいないか見回りしないと!」
「行きましょう!!」
そこで子供達は三手に別れて走り出す。その様子を見送り、フッと博士は思い出す。
「はて、確か毛利くんは高い所が苦手だったが…」
その博士の言葉は的中。小五郎は顔を青ざめさせるがもう遅い。ジェットコースターは無情にも高い所から猛スピードで滑り落ち、登り、曲がりを繰り返す。そして降り立った頃には小五郎は心臓を抑えて死の淵から帰ってきたような様子を見せた。その様子に蘭が思わず心配で声をかけるが荒い息を吐き出すだけで返ってこない。園子はそれを見てコーラを買ってくると告げて、すぐ近くの、丁度リスの着ぐるみが風船を配っている横を通り、自販機でコーラを買う。そして戻れば、蘭は城に目を向けて気付かない。そこで園子は買ったばかりの缶コーラを頬に付けた。
ーほらっ!喉渇いたろー
蘭が慌てて顔を向ければ、そこには少年が缶コーラをこちらに渡してくれていた。それにまた目を見開けば、その幻影はまた消え去り、園子がコーラを渡してくれていた。それに蘭は礼を言って受け取り、コーラを静かに見つめる。
(…あなたが『工藤新一』?…でも、貴方が誰なのか、まだ思い出せない…)
蘭はコーラを飲まず、そのまま鞄のポケットに入れた。
高木がそこで小五郎にトイレに立つ事を伝え、去っていく。それを見たリスが、一人の男の子に風船を渡した後、それを全て離してしまった。そのままゆっくり蘭達に近付きーーー。
「そこの着ぐるみさん?」
あと一歩で蘭の横に立ちそうなところで声が掛かり、足を止めたリスがゆっくりと振り向けば、其処にはーーー額を抑えた修斗と、とても綺麗な笑顔を浮かべる梨華がいた。
「その女の子に何か御用なの?仕事を放ったらかしにして」
「ーーー蘭さん!!危ない!!!」
そこでリスは慌てて梨華達がいない方へと走り出す。しかし着ぐるみの所為でそんなに速く走れていない。けれど子供達は容赦しない。
まず光彦がブーメランを投げるが、それは着ぐるみの真横を通ってしまう。それに光彦が驚いた時、ブーメランは他のお客さんの手元に当たってしまい、お客さんは鞄を落としてしまった。それにリスが引っかかり、大きく転倒。そこで起き上がろうとした所を元太が唐辛子入りの水鉄砲を撃つ。それは運良く口に入り、リスは口を押さえて咳き込み悶える。そこに抜き足差し足で歩美が両足にオモチャの手錠を付ける。動かなくなったところで小五郎がその頭を取れば、そこから現れたのはーーー指名手配された、友成の息子・真がいた。
そこで高木が戻ってきた。それと共にポケットに入れていた物を取り出してみれば、それはナイフのケースだった。勿論、中身は入ったまま。
「お、俺はっ…!」
「友成真!!殺人未遂の現行犯で、逮捕する!!」
子供達は犯人を捕まえたことに喜び、高木は小五郎と共に本庁へ向かうことになった。その前に小五郎は蘭に向かう。
「もう狙われる心配はないし、俺がいねー方が、新一のことを思い出しやすいだろ?」
「お、おとぅ……」
蘭が頑張って『お父さん』と言おうとしたがその一言が出ず、小五郎はそれに気を悪くする事なくすべて思い出した時にそう言って欲しいと伝えて、背を向けた。その際、少年探偵団三人に大手柄だと褒めて去っていった。子供達はその喜びのまま博士に夜までいていいかを聞き、許可が出たため、パレードまで見る運びとなった。
(…これで、本当に終わったのかしら)
その哀の心配をその胸に残しながらーーー。