とある六兄妹と名探偵の話   作:ルミナス

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今日のコナンの話、皆さんは見れましたかね?私としては満足でした!

ネタバレはしませんが、一部私が体験したい場面もあったとだけ感想を述べさせてください!!


第15話〜黒の組織から来た女 大学教授殺人事件・後編〜

遺体発見後、すぐに警察へと連絡し、その警察が来たあと、刑事に殺人事件なのかと聞けば、これは『事故』だと答えられた。

 

「事故、ですか?」

 

「ええ。まだハッキリとは言えませんが、事故死の可能性が高いですね」

 

静岡県警の横溝刑事はそう言ったところで、遺体の近くに倒れていた置物を検死をしていた医師が手に取り、声をかけてきた。

 

「横溝刑事、死因はどうやらこの置物によるものかと……おそらく、転倒したとき」

 

「やはりそうですか」

 

「転倒したと?」

 

その博士の質問に横溝は説明をしてくれた。曰く、正巳は本棚の上に乗っていた何かを取ろうとして棚に足をかけ、バランスを崩して本棚ごと倒れこみ、その本棚から落ちた置物に後頭部を強打し、死に至ったと言う。

 

「その証拠に、この部屋のドアにもドアの上に並んだ窓にも、しっかりと鍵が掛かっていました。そして!たった一つしかないこの部屋の鍵は、床に落ちていたノートの下に」

 

横溝が床に落ちていたノートを捲れば、確かにそこには鍵が落ちていた。

 

「それじゃあ、本人が鍵をかけ、その後、事故で亡くなったとしか考えれんと言うことですな」

 

「ええ、これはどう考えても……」

 

「誰かに殺されたかもしれないよ」

 

横溝の言葉の途中をコナンがそう遮り、横溝は驚いた顔でコナンを見る。しかしコナンはそれを気にせずに、床にひっくり返った状態で床にある電話とその上に開いた状態で落ちてしまったらしい本のところに近づく。

 

「君は確か、毛利さんの所の……」

 

そこで博士が慌ててコナンに近づき、親戚の子だと説明する。そんな博士を他所にコナンは電話を指差す。

 

「ほら見てよ、この電話。床に落ちてるでしょ?」

 

博士はそれに疑問を持つが、しかし電話が落ちているのはそれを置いていた台も倒れているからだという。しかしそれに咲は疑問をぶつける。

 

「ならば、なぜその電話の受話器が外れていない?」

 

博士と横溝が咲へと視線を向ければ、彼女は腕組みをしてその場に立ち、鋭い視線で博士達を見ていた。

 

「その電話、ひっくり返してカモフラージュをしているようだがまだまだ甘い。落ちたように見せかけたいなら受話器も外すべきだったんだ。つまり、誰か別の人間が、作為的にこの部屋を散らかしたと考えるべきじゃないか?」

 

「じ、じゃあ、まさか殺人!?」

 

それに横溝が待ったをかける。そう、そうなるとこの事件は『密室殺人』という事になるのだ。部屋の鍵は全て閉められ、その鍵は室内にあった状態。結論的にはそうなるだろう。

 

「じゃあ誰が主人を……?誰が主人を殺したんです!?」

 

奥さんが錯乱し、それを横溝が宥め始める。その間にコナンは咲に近付き、小声で話しかけた。

 

「……お前、さっきのアレは組織での殺し屋としての目線からか?」

 

「……そうなるな。……ふっ、皮肉にも、そういう知識ばかり得てしまったからな。様々な殺し方、暗殺の技術……そんな私からの言だ。ありがたくもらっておけ……これはまず計画的な殺人ではない。突発的な殺人だ」

 

その言葉にコナンは耳を傾ける。彼女のそれは確かに長年続けてきた知識。信じることはできるものだ。何より、今は潰そうとしているあの組織でその専門をしてきたのだから聞いておいて損はない。

 

「突発的な殺人だと思ったのは、明らかに証拠が残りすぎている。特にあの電話。あれは明らかに雑だ。しかしそれでも、密室にさせることが出来るほどの頭は回ったのには賞賛に値するな」

 

「……オメーがその技術で人を殺すとして、どうやって事故に見せかける?」

 

「……撲殺後、その遺体の近くにあの置物を置く。それも後頭部の方角に。そしてその後、すぐに本棚を倒し、あの受話器も倒す。受話器はもちろん外しておいてな。それらの作業を全て手袋をつけて指紋をつけないようにし、外に出る。これはあくまで私の考えた方法であり、密室じゃないことが前提になってしまうものだ。……正直、私は殺しをしたとしても密室にしたことはないんでな。組織の他の連中のなかでそんな事をする奴もいるかもしれないが……私には分からんことだ」

 

その間に奥さんからお客さんは博士を入れてお客が3、4人来ていたと言う。博士はそこで知り合いのフロッピーを取りに来たのだと言い、パソコンの方へと視線を向ければ、そこには哀が既に作業を始めていた。

 

「……なくなってるわよ?フロッピーディスク。全てごっそり」

 

「え?」

 

「この分じゃ、コンピューター内のデータも消されているかも」

 

「なんですか?あの少女……」

 

そこで博士は哀もまた親戚の子供だと言い訳をし、哀を止める。

 

「兎に角、儂は事件と無関係。子供連れで人を殺しに来る馬鹿はおらんじゃろう」

 

(組織だったらその盲点を突いて、組織の研究所にいる人体実験者の中から子供を連れ出し、殺すこともするだろうな。そういう心理を突いて。……まあ、そこまでの準備に時間が掛かるから、本当にするかと聞かれたら……ないな)

 

その間に哀とコナンは横溝から部屋の物には触ってはいけないと注意を受けていた。そして別の部屋で博士と大人しく待ってるように言う。そして咲にも顔を向けた。

 

「そこのお嬢ちゃんもだよ?……君もお爺ちゃんの親戚の子だろう?」

 

咲はそこで違うと答えようとした。勿論、子供じゃないと言う意味ではなく、単純に博士の親戚設定ではなく、北星家の親戚筋の設定だからだ。しかししかしそこで博士が肯定してしまい、なにも言えなくなってしまった。

 

「あ、あの、お爺ちゃんって……まだ52歳なんじゃが……」

 

事件現場から出た所で、コナンは哀に小声で問いかける。

 

「おい、まさか奴らがフロッピーを……」

 

「考えられるわね。あの薬をデータのフロッピーを紛失した記録と、それと同じ時期に私が姉に郵便物を送り返した記録が組織に残ってるから」

 

「なるほど。組織を抜けたお前が、データを受け取りに此処に来るのを、奴らは予測出来たかもしれなーってわけか」

 

「組織は取り敢えずデータを回収しようと此処に忍び込んだが、広田教授に見つかって撲殺した……悪くないわね」

 

「いや、最後のは頂けない」

 

そこで咲が否定し、二人が咲に顔を向ける。

 

「あの教授に見つかったとして、そこで彼を殺したならあんな雑な証拠は残さない。組織はそこまで馬鹿じゃないんだ。それを入ったばかりの新人構成員がしたならまだ考えようもあるが、それなら逆に出来過ぎな密室すぎる。むしろ証拠がアレだけしか残してないなら、その新人はこの先、コードネームをもらうか、もしくはミスが暴露てジンの銃の餌になるかもな」

 

「兎に角、まずは今夜此処に来た人の話を聞いてから……全てはそれからだ」

 

そしてその3人を待っている間に横溝は奥さんから話を聞いていたのだが、奥さんは事件当時、町内会の会合に出ていたと言う。

 

「近所の奥様と8時から11時まで3時間」

 

「じゃあ、奥さんは今夜、ご主人に会いに来た客人を見ていないんですね?」

 

「いえ、最初に来られた方とはお会いしました。ちょうど私達が出かける時で、主人が教え子だと言ってました。名前は確か、『細矢』さんと」

 

そこで横溝は部下にその細矢という人物を連れて来るように言う。その後、他の客の名前を聞くが、出かける前に電話を貰った博士以外は分からないらしい。正巳からの2、3人教え子が来ると言っていただけのようだ。

 

「うーむ、そうなると広田氏の教え子を一人残らず調べるしか……」

 

「あれ〜?なんか光ってるよ?この電話」

 

そこでいつの間にか入っていたコナンの声が聞こえ、横溝はそちらに振り向く。どうやら電話に留守電が入ったいたらしい。それに横溝も頷き、留守電を聞き始める。留守電の数は13件。まず最初に留守電を入れた人物は『白倉』という声から考えて男性。その内容の中に『約束は今晩』という単語があったため、横溝がその人物のことを奥さんに聞く。すると白倉という人物は若い男らしい。しかしコナンはそれに疑問を抱く。

 

(変だな。このテープ、所々、音が飛んでる)

 

次に入れたのは『盛岡』というこちらも声からして男性。この男もまた、『今夜何時にそちらに行けばいいんですか?』と尋ねており、また奥さんに聞いてみれば、正巳の最初の生徒だと言う。その盛岡という人物はよくこの広田家に遊びに来るらしい。そんな時、後ろから若い男が入って来た。しかし横溝はそれ気付かないまま、白倉と盛岡の住所を奥さんに聞く。そこで男が割って入ってきた。

 

「あの、『白倉』は僕ですけど……どうしたんです?この騒ぎ。何かあったんですか?」

 

入って来た男『白倉 陽』が聞けば、横溝は答える。

 

「殺されたんですよ、広田教授が何者かにね」

 

それに白倉が驚いた瞬間、次のメッセージに移行する。次のメッセージはまた白倉だった。その内容は翌日は都合が悪いらしく、今からそっちに行く、という連絡だった。しかしメッセージを入れていた盛岡は2件しかなかったにも関わらず、白倉は10件もメッセージを入れていた。この数は流石に違和感を持ったらしい横溝が白倉にそのことを尋ねた。しかしそれに白倉は何度連絡しても来ないからしょうがないから直接来たと言う。それに横溝は納得はしていない様子だが一度放置し、最後の一件を聞く。

 

『どうも、黒地生命です。当社の新しい保険の説明にお伺いしたんですが、お時間はいただけないでしょうか?あ、また、改めてお電話します』

 

「保険屋さんか」

 

横溝は何の疑問も持たずにそう言葉にする。しかしコナンは違う。彼は気付いたのだ。

 

(機械で多少声色は変わっているが、この口調、この声は……!!)

 

「ウォッカ」

 

哀の一言を聞き、コナンは素早く振り向く。その哀の隣には咲もいた。しかしその彼女は小さく震えていた。彼女の中で、ジンとウォッカは恐怖の対象なのだ。名前を自分の口から出すだけなら構わない。他人の口から名前が出るのも、その姿を思い浮かべるのも問題ない。しかしその声を聞き、その姿を見るなら話は別なのだ。

 

「お、おい、じゃあやっぱりこの事件……」

 

「いや、奴らの仕業の可能性は低くなった。もし奴らがフロッピーを取りに来たのなら、自分の声が入ったメッセージを現場に残すようなヘマはしねーよ」

 

「そうね。彼らなら、こんな密室を作り上げる前に、テープを回収してるはずだもの。留守番電話のメッセージは、もし広田教授が在宅していた場合、彼の警戒を柔らげ、目的を遂行しやすくする手段の一つ」

 

そこで哀は可笑しそうに笑う。

 

「今頃彼ら、焦ってるでしょうね。回収出来なくなったから」

 

その言葉を聞き、咲もその姿を思い浮かべてこちらも可笑しくなった様で、ふふっと笑う。

 

「じゃが、そうだとしたら奴らは……!」

 

「ああ、博士のワーゲン、他所に停めて正解だったぜ。奴らはもう既に、この近くに来てるかもしれねぇからな」

 

それからまた少し時間が経ち、この家に来た筈の獣医『盛岡 道夫』と証券会社課長『細矢 和宏』がやって来た。そこで二人に事情説明をすれば、二人は驚きで目を見開く。

 

「はあ!?先生が殺された!!?そんな馬鹿な!!」

 

「さっきまで元気でおいでだったのに……」

 

そこで横溝は細矢に奥さんと入れ違いでここに来たコ事を聞けば、それに細矢は頷く。

 

「は、はい。今度、娘が南洋大学を受けることになりまして、その推薦状を先生に書いてもらおうと伺ったんですが、先生は大分お酒を召されていた様で、今日のところは帰ったんです」

 

そこで横溝が奥さんにお酒の有無を聞けば、夕方から飲んでいたと頷かれる。それに少し考え込み、次に盛岡に話を聞く。

 

「留守番電話のメッセージでは、貴方も広田教授と会う約束をされていた様ですが?」

 

「ああ。チェスだよ。俺と広田先生はチェス仲間で、今夜もやろうって先生に誘われたんだよ」

 

そこで盛岡が床に散らばったチェスの駒を指差し、いつもこの事件があった書斎でやっていたと言う。しかし始める時間を決めていなかったらしく、それで2度電話したらしい。しかし留守番電話になっており、誘っておいてどういうつもりだと様子を見に来たと本人は言う。

 

「来たんですか!?今夜、ここに!」

 

「ああ。俺が来たのは9:30頃。玄関の鍵は開いてんのに呼び鈴鳴らしても出ねーから、約束忘れて寝てんじゃないかと、うちの中に入ったんだ。でも書斎に来てノックしても返事はねえ。鍵も掛かってたから仕方なく帰ったってわけよ」

 

「なるほど。その1時間半後に阿笠さんが来て、部屋の異変に気付き、ドアを破って死体を発見したと言うわけですね」

 

「ああ、そうじゃ」

 

そのタイミングで横溝はとある質問をぶつける事にしたらしく、白倉に顔を向ける。

 

「ところで、我々が到着したすぐ後に来られた白倉さん。貴方、今夜此処に来た要件。また聞いていませんでしたね」

 

「あ、はい。実は僕、モデルをやってて、今度雑誌の企画で『モデルの意外な素顔』というのをやる事になったんです。それで、大学生の時に僕が女装して、広田先生と写真を撮ったのを思い出して、その写真のデータが入ったフロッピーを先生に貸してもらおうと思ったんです」

 

「写真のデータをフロッピーに……」

 

「ええ。主人は気に入った写真の全てパソコンに入れていましたから。写真だけじゃありません。大学の入試問題、生徒の成績表、盛岡さんとのチェスの勝敗と結果まで入れてましたわ」

 

それを聞き、横溝はそのフロッピーを犯人は殺害後にごっそり持ち去ったと考えた。そしてそれが犯行動機だとも。そこまで考えて横溝は細矢に横目を向ける。

 

「細矢さんは娘さんが今度、南洋大学を受けますよね?」

 

「ええ」

 

「入試問題のフロッピーが手に入れば、入学は確実になりますね」

 

その横溝の言葉に細矢は慌てて否定する。彼はそんな事、考えてもいなかったと言う。

 

「第一、私達の他にも誰か来たかもしれないでしょ?それに、先生は大学のコンピューターも使ってらっしゃったんですよ?先生本人が全部大学に持っていったかもしれないじゃないですか」

 

それは確かにあり得る可能性だと盛岡は言う。正巳はフロッピーに何も書かないから可能性があると言う。

 

「それにこの部屋、密室だったんでしょ?」

 

「しかも、この部屋の鍵は部屋に落ちてたノートの下にあったと言うじゃありませんか」

 

それだけ考えればやはり事故だと思う。コナンもその考えに至るのは否定出来ない。なぜならこの部屋へと入るための扉や窓は全て閉じられ、隙があるとすれば入口のドアの下。しかしそこは鍵がやっと通るぐらいの隙間しかない。勿論、輪ゴムかテグスを使えば正巳撲殺後、鍵を奪って部屋の扉の鍵をかけ、ドアの下の隙間から鍵を部屋の中央に運ぶことも出来るだろう。しかしそう都合よくノートの下に滑り込ませることは出来ない。

 

(気になるのは、部屋中に本が散乱してるのに、なぜかドアから電話の一直線上には問題のノートしか落ちていないことと、少々ワカメになっている留守番電話のカセットテープ。でもこんなもの使ったってノートの下には……)

 

そんなコナンの後ろ姿を哀はジッと見つめている。彼女の中では、姉と会話した時のことが思い出されていた。

 

『江戸川コナン?』

 

『ほら、この前、話したメガネの男の子よ。ほら!貴方も何か用があって米花町の誰かの家に行ってたって行ってたでしょ?』

 

『ああ、工藤新一』

 

『そうそう!あの近所の探偵事務所の子よ!なーんか変わってるのよね。子供のくせに落ち着いてるって言うか、大人っぽいっていうか……』

 

『それよりお姉ちゃん、大丈夫?なんか、やばい事になってるって聞いたけど……』

 

『心配しないで、上手くいってるから。心配なのは『志保』、貴方の方よ。?いい加減、薬なんか作ってないで、恋人の一人でも作りなさいよ。お姉ちゃんは大丈夫だから』

 

しかしその後、彼女は10億円強盗犯として新聞に取り上げられ、その後に自殺し死亡したと報道された。その事を思い出し、彼女の眉間に皺が少し寄る。その様子に咲は気付き首を傾げる。しかし、あの事件にはコナンも関わっていた事を思い出し、そこで咲は彼女が姉を助けることが出来なかったコナンに対して恨みを持っているのではないかと考えた。しかし、それを咲はなだめることもしなければ慰めることもしない。そんな事しても、彼女の中の傷は癒えない事を知っているからだ。

 

(……すまんコナン。しかし、お前と彼女は一度ぶつかりあうべきだ)

 

咲がそう考えているとも哀の中の感情にも気づいていないコナンはひたすら考える。そこに遂に我慢の限界が来たらしい哀は怒りに身を任せたままコナンに近づく。それを後ろから見ていた咲は、何かあれば止めようとだけ考えて見守る体制に入った。

 

「無理よ」

 

「え?」

 

「部屋の外で鍵をかけ、部屋の中央の、しかも中にあるノートの下に鍵を運ぶなんて、物理的に不可能よ。たとえ、その留守番電話のテープを使ったとしてもね。色々不可解な点は多いけど、死んだ広田教授が泥酔していたなら、本棚と一緒に倒れて、後頭部を強打した事件でも考えられなくはない。それにこれ以上ここにいるのは危険だし、無理よ」

 

彼女は白のナイトを手に持ち、コナンの目の高さに合わせて片膝をつき、鋭く見据える。

 

「諦めなさい、工藤くん。この事件はもう……」

 

彼女は持っていた白のナイトを電話の上に置き、背を向ける。

 

「ーーーチェックメイトよ」

 

歩き出した哀を咲は見たあと、コナンを見る。彼女は今のところ、哀と知り合った時間の方が長いために彼女寄りだが、中立に立っている。別にここで彼ら組織に見つかろうが、それで自分の命が失くなろうが、構わないのだから。だから、コナンがここでそれを了承して帰ると言えば、それについて行くだけ。しかしコナンがそんな簡単に諦める人間ではないことも知っている。そう、今も彼は彼女が置いたナイトを手に、何かを考えているのだから。

 

(チェックメイト……っ!)

 

「さあ、早く裏口から……」

 

「待てよ」

 

哀はその声を聞き、振り返る。コナンは立ち上がり、キザに笑いながら哀へと語りかける。

 

「お前は知りたくねーのか?この事件の真相を」

 

「だから言ってるでしょ?これはどう見ても……」

 

「事故じゃねえ、殺人だ。広田教授を殺したあと、トリックを使ってこの部屋を密室にし、事故死に見せかけたんだ。今からお前に見せてやるよ……真実ってやつを」

 

哀は目を見開き、コナンを見つめる。今、彼女の目にはコナンの向こうに彼の本当の姿、工藤新一の姿がダブって見えてるのだ。

 

「『この世に解けない謎なんて、塵一つもねーって事をな!』」

 

そんな彼らの横で、3人は事故死だと決めつけ、それに横溝は彼の中で気になる点があり、素直に頷けず、捜査は停滞していた。しかし、その彼の気になる点などどうでもいいと盛岡は言う。部屋は密室であり、唯一の鍵はノートの下では誰も犯行は無理であり、犯人がいたとしてもどうやって鍵を閉めたのか。それが無理だと考え、彼は事故だと言っている。その事を横溝もずっと考え続けている。そんな時、細矢が翌朝に用事があるから帰ると言いだし、白倉、盛岡も帰ると言いだす。横溝がその3人を待つように声をかけたとき、「ちょっと待つのじゃ!」と声が掛かる。そちらに全員が振り向けば、なぜか言った本人である博士が驚いた顔をしている。

 

「ああ、いや今のは……」

 

その博士の後ろに隠れるように立っているコナン。そのコナンに向けて博士はなぜ自分の声を急にと問い掛けるが、それに返答は返されずに「分かったんじゃよ」と続けられ、慌てて博士は口パクをしだす。

 

「密室を作り出したトリックが。そしてそれを実行した犯人が誰なのかがの」

 

「な、なんだって?」

 

博士の言葉に全員が驚きの顔を向ける。哀と咲はコナンの方を観察していた。

 

「おい新一……」

 

「いいから、俺の声に合わせて」

 

二人のその会話は誰にも聞こえることはなかった。しかしだからこそ、盛岡は博士を責める。

 

「たく、さっきから言ってるだろ?これはどう見たって……」

 

「甘い甘い。これだから素人さんは困るんだ」

 

「素人ってあんた……」

 

(むしろ博士の演技は下手すぎる……いや、急だからか)

 

咲がそんな事を考えてるとも知らずに、言葉は続けられる。

 

「確かに部屋は密室。どう見ても事故にしか見えんが、留守番電話のカセットテープとチェスの駒を使えば、物の見事に密室を完成させることができるのじゃ」

 

その言葉に皆んな頭の中でハテナを浮かべる。それは博士も同じだ。そんなものでどうやって密室を作るというのか。誰が考えてもそれだけでは無理だと思うものだ。しかし、博士の向こうのコナンは出来る方法を理解し、解答を投げ掛け続ける。犯人を追い詰めるために。

 

「本当かね、新一」

 

博士が背後のコナンにそう小声で質問を投げかければ、コナンにチラチラこちらを見るなと怒られてしまった。そんな様子に哀は可笑しそうに小さな笑みを浮かべる。

 

「論より証拠。やって見せてもらおうじゃない?貴方が頭の中で描いた空想のトリックを、今、ここで」

 

(シェリー……)

 

「ああ、望むところじゃ。今からコナンくんに手伝ってもらって再現しよう」

 

博士は一瞬だけ焦りの表情を浮かべるが、しかしすぐに哀を見据えながらそう口パクする。しかしそれでも心配はあるようで、コナンの方に小声で問いかける。

 

「ほ、本当に大丈夫か?」

 

「ああ、俺を信じろ。100%成功する」

 

そこでまずコナンは警官の一人に声をかけた。

 

「ねえお巡りさん!携帯電話とか持ってない?」

 

しかしそのコナンに咲が近付いてきた。

 

「……ほら」

 

「……え、咲?」

 

「お前の望みの携帯だ。これを使えばいい」

 

「……良いのか?」

 

「ああ。私はお前のことを彼女よりは実際に見て知っているからな。……信じてるのさ」

 

咲はチラッと哀を見たあと、コナンに微笑みながらそう伝える。それに一瞬だがキョトン顔を見せたコナンだが、すぐにニヤリと笑って頷き、今度はまた笑顔で警官に手袋を貸して欲しいと頼む。そのとき、カセットテープを買ってきたという警官がやって来た。それに横溝は意味がわからないという顔をする。どうやら先にコナンが手回しをしたらしい。

 

「この部屋の留守番電話のと同じものがありました」

 

「なんで……私はこんなもの頼んでないが?」

 

「あれ?でもさっきこの子が……」

 

そう言って警官はコナンを指差す。そのコナンはといえば笑顔で横溝に近付き、手を伸ばす。

 

「まあまあ!良いから良いから、テープ頂戴?刑事さん」

 

横溝はまだよくわかってない顔をしていたが、しかしそのままカセットテープを渡してくれる。それを受け取り、すぐにトリックの説明を始めた。

 

「まずカセットテープの中身を適当な長さまで外に出して……」

 

「あ、こらっ!」

 

そこで警官に怒られる。せっかく買ってきたものがすぐにダメになってしまったのだから当たり前だが、構わず続ける。

 

「カセットを電話にセットする。勿論、テープははみ出させたままね。次にはみ出したテープを真っ直ぐ伸ばしながら、ドアの外に出て、鍵に付いてるリングにテープを通す。そして、その鍵を外のドアに残したまま、余ったテープを持って、部屋の中のノートが落ちてた位置まで戻る。あとは、高さの同じポーンの駒を3つ、三角形に置き、余ったテープの先端を電話に一番近い駒にかけて、その上にノートを乗せて……」

 

「ふん、とんだ茶番だわ」

 

そこで哀は鼻で笑う。コナンの推理を聞き、哀は無理だと考えたのだ。

 

「テープの引っ張られる力で駒を倒すつもりでしょうけど、所詮、机上の空論。駒の台座はシッカリしてるから、倒れる前に鍵は駒に引っかかったまま、ノートの外に出て……」

 

しかしコナンはそこで白のポーンを逆さ持って見せつける。

 

「逆さだよ。このあと駒を逆さにするんだ」

 

そのコナンの言葉に哀は驚きの表情を浮かべる。咲はそのコナンの言葉で理解した。

 

「なるほど。駒の頭は丸いが、そのノートのように裏の厚紙がシッカリしていれば……」

 

「ああ。乗せられるはず」

 

そうしてノートを手で支えながらポーンの駒を一つずつ反対にしていく。

 

「灰原、此処からは私達は大人しく見ていよう。きっと、面白いものが見られるぞ」

 

咲がニヤリと笑って哀を見る。そしてコナンに視線を向ければ、コナンはそれに頷き、部屋の外に出て扉を閉める。

 

「まずは部屋の外で鍵をかけ、鍵を床に置き、電話を掛ける」

 

すると書斎の電話が鳴りだし、暫くして留守電へと変わり、テープが巻かれだした。

 

「その力で鍵はドアの下の隙間を通り、部屋の中央に仕掛けたノートの下に入り、やがて駒にぶつかり、駒はバランスを崩して……」

 

そのまま駒は全て弾き出され、鍵はノートの下敷きとなってしまった。それに哀や被疑者3人が驚愕する。

 

「なるほど、留守番電話を流し続ければ、テープは巻き取られ、証拠もなくなるという訳か」

 

そこでコナンが入ってきて、うまく言ったかと聞いてくる。それに咲は口角を上げたまま頷き、博士も褒める。

 

「おお!バッチリじゃ新一!!」

 

しかしそこでミスをする。彼の本来の名前を言ってしまったのだ。勿論、それを聞いていた横溝は疑問全てを詰めて一言「え?」と出した。それに博士は慌て出し、すぐに自分が思った通りだと訂正した。

 

「ちなみに、駒を立てる位置をノートの隅にすれば、駒はノートの下に入り込みにくくなるが、まあ入ったとしても不自然には見えんじゃろ」

 

「となると、このトリックを使えたのは、留守番電話に10件もメッセージを入れている……白倉陽さん、貴方ということになりますね」

 

陽はそれに焦り顔を見せる。そんな彼に正巳の奥さんは怒った顔で詰め寄った。

 

「じゃあ、あんたが主人を!!」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

「テープが所々捻れていたのは、トリックを使った証拠!……間違いありませんね?」

 

それに陽は待ったをかける。先にトリックの方を褒めながら、しかしそれをやったのがなぜ白倉なのかと聞かれる。

 

「僕は留守番電話に多めにメッセージを入れただけじゃないですか!第一、僕が犯人なら、態々現場に戻って来たり……」

 

「戻ってきたのは『ある物』を回収するためじゃろ?」

 

その博士の言葉に陽は不思議そうな顔で博士を見る。しかしその顔はすぐに青ざめる事となる。

 

「そう、貴方の指紋がベタベタ着いた留守番電話のテープをな。……先にテープを見せてもらったとき、一目で分かったよ。誰かの指紋が多数、付着しているのが。そしてこれが準備なしの衝動的な犯行じゃという事もな」

 

それは確かに咲も見た。あれを見て、更にこれが衝動的なものだと彼女の中でも確信させるものとなったのだから、忘れるわけがない。

 

「貴方は恐らく今夜、広田教授に会い、なにかで口論になり、思わず撲殺してしまったんじゃ。運良く今のトリックを思いつき、事故死に見せかけて密室にすることは出来たが、所詮は準備なしの殺人。手袋無しじゃどうしてもテープに指紋が残ってしまう。そこで貴方は死体の第1発見者になり、現場は密室だったことを奥さんに確認させたのち、隙を見てテープをすりかえるつもりじゃったが……先に儂等に発見され、警察が来てしまい、仕方なくメッセージ通りにここへ来たという訳じゃ。わざわざ自分のメッセージに自分の名前を名乗ったのは、テープを回収することが出来なかった場合でも、トリックを見破られにくくするため。自分のメッセージがたくさん入って入れば、否が応でも自分の指紋の着いたテープが注目されてしまうからの。なんなら白倉さんの周辺を調べてみればいい。何処かに教授のフロッピーがあるはずじゃ。ごっそり持って行ったフロッピーの中身を、この短時間で全て確認するのは無理じゃろうからの」

 

そこで横溝がまず陽の部屋から調べていいかと聞けば、もう逃げられないと陽は理解し、自白しだす。

 

「……この家の前に止めた僕の車のダッシュボード……フロッピーは全部そこにあるよ。あの写真のデータが入ったフロッピーもな」

 

「『あの写真』?」

 

「さっきも言ったでしょ?雑誌の企画で『モデルの意外な素顔』ってヤツをやることになったって。それて広田先生に、僕が大学祭で女装した写真を送ってくれと頼んだんだ。。ところが、先生から送られて来たのは『君の素顔はこれに勝るものなし』というメッセージと共に入っていた……僕の昔の顔」

 

「昔の顔?」

 

横溝の疑問の言葉に、彼は整形したのだと言う。それも、モデルになった時に、その上、名前までも変えたという。

 

「丁度いいと思ったんだ。化粧とかカツラで顔がハッキリしないし、女装の写真なら笑えるし。当然、昔の顔を編集部に渡せる訳もなく、何とか女装の写真を貸してもらおうと先生に掛け合ったけど、先生は、僕が女装した写真をふざけた写真と言い、あげく直接編集部に送ってやるとまで言って……その言葉に切れて、我に返ったら、目の前に広田先生が倒れていたんです。……あとはその人の言った通り、何もかも、ズバリ的中ですよ」

 

その言葉に、咲は目を伏せる。コナンと会い、咲はずっと殺人や誘拐などといったものを見続けてきた。その度に彼女の中で、何度も何度も浮かんでは叫びそうになる怒りの言葉を……彼女の嘆きを、ずっと抑え込んできた。そして今回もまた、彼女の中でそれは浮かび、必死にそれを押さえ込む。

 

(こんなに簡単に人の命を殺して……それから逃れようとして……。お前はいいじゃないか。傷付くのは『それだけ』なんだから。私が失いかけたものは私の『命』だったと言うのに……抵抗しても死の道しかなく、飼い猫のように躾をされ、従わないとまた命を失うかもしれないという恐怖もなく、最後には、私の一番の心の支えだった先生を……私は……っ!)

 

そこで彼女は一度深呼吸をし、何とか精神を落ち着けにかかる。もちろん、それだけで絶対に彼女の中では落ち着きはしない。しかしそれを吐き出すことだけは、防ぐことが出来るのだ。

 

陽は手錠を掛けられ、警察署へと連行されて行く。その背中に、博士は声をかける。

 

「白倉さん。余計なことかもしれんが、きっと広田教授は自分を偽らず、もっと自分に自信を持てと、そう伝えたくて昔の写真を送ったんじゃと思いますよ」

 

「……その言葉、広田先生から直接聞きたかった。……残念です」

 

そこで広田は去っていく。その背を見送ったあと、横溝は博士に笑顔で近付いてきた。

 

「いや〜見事な推理!事件が解決したのはあなたのお陰ですよ!阿笠さん!」

 

「あ、あはは!いや〜、それより、儂が取りに来たフロッピーを直ぐに返して欲しいんじゃが……」

 

しかしそれは証拠物だから警察署で一度調べてからだと断られる。それなら仕方ないと諦め、一度この家から引き上げることを決めたコナン。それを聞き、博士は横溝に変える事を伝える。その後を咲も付いていくが、哀だけついてこない。そんな哀にコナンは声をかける。

 

「ほら、オメーも早く……」

 

「……どうして?」

 

哀はコナンに静かにそう問いかける。その頬には一滴の雫が零れ落ちた。

 

「……どうしてお姉ちゃんを、助けてくれなかったの?」

 

彼女の目からはポロポロと涙がこぼれ落ちている。それにコナンは目を見開き、驚きながらも彼女の言う『お姉ちゃん』が誰なのか、分からなかった。

 

「お姉ちゃん……?」

 

「まだ分からないの?『ヒロタマサミ』は広田教授から取って付けた、お姉ちゃんの偽名よ!」

 

そこでコナンは漸く理解する。そう、その名前はあの10億円強盗犯の『広田雅美』は……哀の姉『宮野明美』なのだ。

 

コナンはあの時の事件の事を思い出す。彼女を死なせてしまった、助けれなかったあの事件を。

 

「あの人が、君の姉さんだって……?」

 

「そうよ!」

 

その二人の会話は声が大きくなり、遂には横溝にも聞こえるほどの大きさとなったようで、横溝がコナン達の方に顔を振り向かせた。それに気付いた博士と咲が止めようと声をかけるが、哀は止まらない。

 

「あの時……貴方ほどの推理力があれば、お姉ちゃんのことなんて直ぐに見抜けたはずじゃない!!なのに……なのに……どうしてよ!?」

 

哀はそこでコナンの服を掴み、泣き出してしまう。咲はそれを悔しそうな表情で見続けた。その事件に咲事態は関わっていない。明美の死も新聞で初めて知ったぐらいだ。けれど、その布石があったのは知っていた。コナンが修斗に電話を掛け、それに修斗が行くのをやめろと止めた時、彼女は丁度、部屋の前を通っていたのだ。その時は修斗の声しか聞こえず、行くとマズイところに行く誰かを必死に止めてるのだろうぐらいにしか思っていなかった。その電話が、今もあの事件と関係しているのかは咲には分からない。しかしもし関係していたのだとしたら……咲は、ほとんど見捨てたも同然となる。

 

知らなかったという言い訳は咲の場合、通じるだろう。そしてそれは咲も分かっている。しかしそれでも、彼女の中の悲しみもまた、癒えることは一生ないのだ。

 

その広田家の事件から一週間後、警察からフロッピーが届き、コナン達は早速それを博士のパソコンで立ち上げることにした。

 

「しかしよくチェックが通ったのぉ」

 

「組織のフロッピーは、パスワードを入力しなきゃただの文書ファイル。怪しまれるなんてないわ」

 

「どうだ、出そうか?」

 

「ええ。それに、入ってるデータは薬だけじゃないわ。私がこの研究チームに配属される前に、薬に関わった実名と住所が、コードネームと一緒に入ってるはずよ……この研究に出資した人物の名前もね」

 

それを聞き、コナンはニヤリと笑う。そう、上手くいけば組織を丸裸に出来るほどの大きな違い可能性の塊が、今、目の前にあるのだ。彼がそれを聞き、嬉しがらないわけがない。しかし反対に咲は不安に駆られる。彼女も大人に戻りたくないわけじゃない。戻ったあと、警察に出頭すればいい。相手にされないなら彼女は一人、毒でも飲んで死ぬつもりがあるのだ。

 

(まあそうなれば『自殺』……姉と小さな頃に交わした『自分を殺さない』という約束は守れないが……いや、そんなことは後で考えればいい。問題は……本当に組織はそれほど重大なフロッピーに、何も仕掛けていないなんてことが、果たしてあるのか?)

 

その咲の予想はーーー見事に大当たりする。

 

フロッピーのデータを開いた瞬間、パソコンのデータが全て消え出したのだ。

 

「な、なんじゃこれは!?」

 

「それはっ!?」

 

「コンピューターウイルス『闇の男爵(ナイトバロン)』」

 

「「なにっ!?」」

 

「組織のコンピューター以外で立ち上げると、ウイルスが発生するようにフロッピー自体にプログラムされていたのよ。迂闊だったわ」

 

「じゃあ、データは全部!?」

 

「ええ、何もかも、消滅したわ。コンピューターのプログラムもね」

 

それを聞き、博士は悲鳴に近い驚きの声をあげる。コナンはデータがなくなったことに悔しがる。そんなコナンに、哀は静かに言葉を投げかける。

 

「……貴方とは、長い付き合いになりそうね。江戸川くん」

 

二人の視線は交わり合う。そんな二人を見て、密かに咲は深い溜息を吐いたのだった。




書いてて思ったのですが、この頃の哀ちゃんとコナンくんはこんなにギクシャクしてたんですね。この回を見たのも久しぶりでしたのでうっすら記憶に残ってる程度でしたから、書くときにアニメを見てるんですよね、私。

今の二人の信頼しあった相棒関係しか知らない方には、こんな時代もあったのだと知ってもらって、もっとコナンを楽しんで見てほしいですね!

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