「なんだとっ!」
サトシは一瞬耳を疑った
いくらポケモンへの思いやりや愛情が欠如していて、マニューラなどに虐待に近い行為をしているトレーナーとはいえダメージを負っている自分のポケモンを巻き込んでメタグロスにだいばくはつをさせるとは思っていなかったからだ
ほとんどの見物人がサトシ同様青年トレーナーの指示に驚く
いつかだいばくはつを使ってくるんじゃないかっと疑っていた見物人も
「あいつ…まじでやりやがった…」
「信じらんねえ…」
と言葉を漏らしていた
「ピカァー!!」
「グルゥゥゥ!!」
「カビィィィ!!」
「ピカチュウ!リザードン!カビゴン!」
メタグロスの捨て身の技によってフィールド全体が爆発したそのあまりの威力に爆風で砂ぼこりが舞い上がり、戦っているサトシだけでなく見物人であるケニヤンたちも目を開けるがつらいほどだ
あまりの爆発の余波に煽られ小さな子供は一瞬ふらついた
味方ポケモンであるメタグロスのだいばくはつによってギャラドスは爆発に巻き込まれ地面に転がる
体が大きいカビゴンはモロに受け、足を凍らされさらに混乱状態のリザードンも空に逃げられずも爆発を受け、ピカチュウも爆発に巻き込まれた
すさまじい爆発のダメージによりカビゴンはふらふらしついに倒れてしまう
青年トレーナーは人差し指を頭に当て
「BANG!ヒャーハハハハハ!!どうだぁオレのメタグロスのだいばくはつのお味はぁ~!かなり効いただろう~!!」
メタグロスがだいばくはつ使用により戦闘不能にさらに自分のポケモンが爆発に巻き込まれたというのに心配やねぎらいの言葉が一切なく、トレーナーの楽しげな狂気混じりの笑い声にサトシはキレった
「何がおかしい!!だいばくはつして瀕死になったメタグロスをいたわりもしないどころかダメージを負っていたギャラドスをだいばくはつに巻き込みやがって!!
それでもおまえトレーナーか!?」
「ああ、そうだ。文句あるか?」
悪びれことなく堂々と答える青年トレーナー
その態度に見学者たちの怒りのパラメータが上がる
「メタグロスやギャラドスがかわいそうだろう!」
「てめーそれでも人間か!」
「自分のポケモンが傷つけたのに笑ってるなんてあなたどこかおかしいわ!」見学人の怒りの声に気にせず涼しげな表情でトレーナーは「ふん!」と鼻を鳴らした後、見学者に目を向ける
「いちおう言っておくとおれは別にポケモンが傷ついて笑ったわけではない
自分の策が思い通りにいったからだ
まあポケモンに悪いとも思ってもいないが」
そういいながら両手を広げ、まるでヤレヤレと表現しているかのようだ
「おまえにとってポケモンは何なんだ!?」
怒り震えながらトレーナーに問いかけるサトシ
その普段のサトシとかけ離れた低い声とただならぬ雰囲気にベルは「サトシくんなんだか怖いよ…」と怯えており、シューティも冷や汗を流していた
そんなサトシを昨日、一度目撃したラングレーたちも息をのんでいた
シンジやタケシも静かに場を見守る幼なじみのシゲルも「あそこまで怒ったサトシを見るのは初めてだよ」と呟きながら見守っていたサトシの問いに普通のトレーナーだったら友達、仲間、相棒、家族など答えることだろう
だが
「ポケモン?そんなの戦いのコマだろ?」
「っ!?」
その青年トレーナーの言葉にサトシは血管がブチ切れそうだった
「…カビゴン戦闘不能」
険しい表情で審判の役割をこなすデント
デントも今の発言にかなり怒っているようだ
「戻れカビゴン
よくやった。ゆっくり休んでいてくれ」
いつものサトシに戻り、カビゴンをボールに戻し感謝の言葉をかける
「あーもうこれじゃあサトシに勝ち目ないわね~まあいいわあのサトシでここまであのトレーナーを追い詰めたんだから
私がカイリュウでバトル挑めば勝ったも同然ね!そしたらサザンドラを私の物にできるのよ!」
誰もがアイリスの戯言に無視していた
トレーナーは
(意味もなく自分から手持ちポケモンをバラすなんて、あいつアホか?)
と思っていた「オレの頭の辞書に油断や遠慮なんて言葉はねえ!最後のとどめいくぜ!」
メタグロスのだいばくはつにより形勢を逆転させたトレーナーだったが攻撃を緩めない
サマヨールに地面を凍らせ、リザードンとギャラドスの前に氷の道ができる
ギャラドスは少し段差がある氷の上に乗り、いきおいよく滑っていく
「逃げるんだリザードン!」
トリックルームによって動きが遅くなったギャラドスだが重い体重と摩擦0の氷によってすごい勢いでリザードンに迫る
「まずいわ!あれをくらったらいくらサトシのリザードンでも!」
「がんばれサトシ!」
「早く正気に戻って!リザードン!」
「根性だ!根性で乗り切るんだ!」
タケシやラングレーたち、見物人の人々もサトシを一生懸命応援するかろうじて戦闘不能をまねがれていたリザードンだったが、りゅうのまいによって威力が高まったギャラドスのたきのぼりが炸裂!さすがのリザードンも耐えられず倒れてしまう
「グルル!」
「リザードン!!」
「これでバトル終了~ちょっと早い反抗期はこれでおしまーい!!ジムバッチは破壊破壊はかーい!!!ま~た1から、お勉強だね~」
「戻れリザードン。よくがんばったなゆっくり休んでいてくれ」
リザードンをボールに戻すサトシだが絶望していない
目に宿る闘志はさらに高まっている
ここでようやくだいばくはつによって発生した土煙が晴れる
そこで見た物は
「バ、バカな…」
「ピカチュウ!」
かろうじて立っているピカチュウの姿だった
リザードンと違い体が小さなピカチュウはだいばくはつのよって発生した土煙で姿が見えなかったのだ
そろそろ俺ガイルのss書かないと…