「「「えっ?」」」
「なぜですか?」
「このままいくと将来この子はとんでもない人物になる
いずれ人からドラゴンポケモンを盗んだり、力づくで奪ったり
さらに悪化すると悪の組織を作って、世界中のドラゴンポケモンは自分(たち)のものよ!といいだして大きな犯罪を起こす可能性もあるね
最悪の場合…氷タイプのポケモンは皆殺しよ!と根絶やししようとするかもしれない…」
「そんな…」
「ダメよ!そんなこと!」
「いくらアイリスもそこまでは…」
デントたちはカミジョーの言葉に動揺する
さらにナエギィがカミジョーの話に補足する「あくまで可能性の話さ、でも多くのポケモン犯罪者を見てきたぼくらにはわかる
何人かの悪の首領の子供のころの思考回路がいまの彼女のように独善的な考えをしていたよ」
「ほんとですか…」
「うん、だから大人になって性格が定着する前に子供のうちに性格を改善していこうと思うんだ
今までぼくたちは逮捕された犯罪者の子供を真人間にしてきた」
「サトシ、その子のことはナエギィさんとカミジョーさんに任せよう」
「タケシ…」
こうしてアイリスはポケモン保護機関に連行された
「希望は前へ進むんだ!!」
ナエギィが決めゼリフをいいながら、カミジョーと共に去っていく
アイリスは捕らわれた宇宙人のように連れて行かれた
カミジョーはキバゴに引っかかれて「不幸だ…」と呟いていたサトシたちは三人の姿が見えなくなるまでその光景を見届けた
アイリスが連行され、ようやく元の話に戻った
マニューラたちをどうするかだ
「サトシ、このポケモンたちはあのトレーナによって深い心の傷を負っている
しばらくはずっと手持ちにいれておいたほうがいいぞ」
「ああ、そうだな」
タケシの言葉はもっともだ。ポケモンたちは傷ついている
それに同じ境遇のポケモンたちとも一緒にいたいだろう
そうなると今サトシのポケモンを全て預けてしばらくこの六体で旅をすることになる
でも一つ問題がある。普通のトレーナならそれで問題ないがサトシの場合は違う
そうピカチュウだ。ピカチュウはサトシの一番の相棒。どの旅もずっと側にいた
そんなピカチュウを預けるなんてとんでもない。できるわけがない
だが、ピカチュウと五体のポケモンを手持ちにしたとしても残りの一体がかわいそうである
疎外感を感じずにいられないだろう
「なあシゲルポケモンの手持ちを七体にできないか?」
「さすがにそれは無理だよ
ポケモンリーグとかの施設内ならともかく普段は」
「………」
マニューラはサトシの気持ちに感づいたようだ
ペルシアンたちに何かを伝えたい後
「マニュ~」
「えっ、あたし?」
ラングレーに手持ちになる道を選んだ
「マニャ」
「あたしでいいの?」
マニューラはうなずく
「どうやらマニューラは君が野生児からかばったことに好印象をもっていたようだね」
そうラングレーはバトル中、オニゴーリやマニューラに石を投げようとした野生児をとめていたのだ
オニゴーリだけでなく自分もかばってくれたことがうれしかったのだ
それにラングレーが氷タイプのポケモンに慣れているのもマニューラは感じていた
「マニューラあたしと来る?」
「マニャ!」
「よし!これで決まりだな!マニューラ、ラングレーなら絶対大事にしてくれるから安心していいぞ」
マニューラをなでながらサトシはいう
マニューラはなでられながら元気よく返事をした
「よし!いけモンスターボール!」
器用にもサトシは5個のモンスターボールを一度に投げてメタグロスたちをボールに当てた
しばらく揺れていたモンスターボールはポンと音をたて、動かなくなった
「よーし!メタグロス、サザンドラ、ギャラドス、ペルシアン、サマヨールゲットだぜ!」
「ピッ、ピカチュウ!」
この日、ついにサトシは全タイプのポケモンが揃った
「さすがサトシだぜ!」
「いいな~五体も!私も新しいポケモンほしい~」
サトシの新たなポケモンゲットにケニヤンが喜び、ベルが羨ましそうにしている
「それじゃあたしも」
ラングレーもマニューラにモンスターボールを当て問題なくゲットした
「マニューラゲットよ」
あの後サトシに質問する人々やあのトレーナにポケセン送りされたトレーナたちに感謝されたり、町長に大木のこと少し怒られたり、シゲルとシンジにバトルフィールド外に飛んできたピカチュウのほうでんの事を注意されたり
いろいろあったがそれも終わり、サトシたちは今日の宿のポケセンセンターに行くため山を降りていた
「ケニヤン、ラングレー今日のバトルの時、アイテム貸してくれてありがとな!おかげで助かったぜ!」
「おう!」
「別にいいわよ、あたしもあのトレーナに頭にきていたし」
「そういえばケニヤン、ゴウカザルと戦いたかっていたよな
明日でいいならバトルやろうぜ!」
「い、いや遠慮しておく…」
あのゴウカザルのごうかを見た直後に戦いたがるのはよほどの自信家か戦闘狂か身の程知らずだろう
「ラングレーはどうだ!フカマルと?」
「う~ん…いますぐ頼むわ!といいたいところだけど…もっとポケモン鍛えてからにするわ」
おそらくそのフカマルもカビゴンたちと同等くらいの実力持っているだろうと思ったラングレーは今は戦うべきではないと悟ったのだ
「でもいつかアンタのフカマルに勝負挑むんだからね!」
「ああ!いつでも受けてたつぜ!」
「ピカピカ!」
うんうん!ライバルしてるね~と満足げに見ているデント
そして何かを思いついたのか二人の間に入り話し出す
「そうだ!ラングレー、よかったら君もぼくたちと旅をしないか?アイリスがいなくなって、ぼくとサトシの二人だけなんだ」
ウボアアー