あっという間の出来事だった
ペルシアンたちが青年トレーナからハイパーボールやスーパーボールを奪い、見事な連携プレーでボールを跡形もなく破壊したのだ
ポケモンたちのまさかの反逆行為にトレーナは驚きを隠せない
サトシたちもポカーンとその光景を目を奪われていた
ペルシアンたちはトレーナに見向きをせず、いまだポカーンとしているサトシたちの元に…正確にはサトシの元に歩いていった
「メタグロース♪」
「ぺるにゃ~お♪」
「まにゅー♪」
「グルゥ♪」
「ヨルゥ~♪」
「ギャース♪」
「え…おい、いったいどうしたんだ?」
突然すりよってきたペルシアンたちにとまどうサトシ
特に命を助けてもらったメタグロスはサトシに気をゆるしているようだ
他のポケモンたちも仲間ポケモンを救った恩人であるサトシにかなり好感をもっていた
試合中も試合前も赤の他人のポケモンである自分たちを本気で心配していてくれたからだ
それが口だけでないことはバトルの強さとメタグロスの命を救ったことで理解しているのだ
「バカな…これはいったい…」
ボールを破壊し、サトシに甘えている自分たちのポケモンたちの行動に思考がついていかない青年トレーナ
「どうやら、そのポケモンたちはあなたに愛想つかしたようね」
「!?なんだ貴様等は」
「ジュンサーさんたちとジョウイさんまで」
現れたのはジュンサーさんとジョーイさんだった
「わたしたちはあなたを逮捕しにきました」
「逮捕だと?ふざけるな!オレは反則もポケモンを悪事に使ってもいない!そんなことされるいわれはない!」
「たしかにあなたは反則も犯罪も犯していない。でもあなたはやりすぎたのよポケモンへの無茶を」
「なんだと…」
「あなたに何度も忠告していたわよね。ジョーイさんもわたしたちもメタグロスのだいばくはつを控えろって
ポケモンの体の負担が大きいって、でもあなたはそれを全く聞こうとしなかった。でも違反や犯罪を犯したわけじゃないから
それ以上の対応はわたしたちにはできなかった。現にバトルで勝利をおさめていたし、それにポケモンたちも反抗せず指示に従っていたし」
やっぱりタケシの読みどころジョーイさんはメタグロスの体のことに気づいていたのだ「でもわたしたちは甘かった…そのせいでメタグロスは死にかけたし、サトシくんがなんとかしてなければメタグロスは間違いなく死んでいたわ
さらにポケモンたちは自分たちからボールを破壊した。そしてさっきほど発言。あなたをポケモン虐待行為とみなし逮捕します」
「ふ、ふざけるなー!!オレを捕まえるくらいならポケモンを奪うトレーナやプラズマ団でも逮捕しやがれってんだ!!」
激昂するトレーナだが、シンジたちもイッシュの見物人たちもトレーナの味方を誰もしなかった
「オレのポケモンをどう扱おうが他の奴には関係ねえだろ!」
サトシはもちろんデントやラングレーたちもトレーナに怒りの声をあげようとするが、ジョーイさんに止められたジュンサーさんに任せたいようだ
「ポケモンとの絆の象徴ともいえるモンスターボール…それをただ壊すだけでなく跡形もなく消す行為
これはあなたとの関係を全て消したいというポケモンの意思表示よ」
「マニャー」
マニューラたちが鳴き声をあげながらうなづく
「あなたはポケモンたちから見限られたのよ。いままでかろうじてつなぎ止めていたのは勝利というものだけ
でも今回負けたこととメタグロスが死にかけてことにより、それも切れたのよ」
「くっ」
「ブレイク地方マッドタウン出身ブラッド逮捕します」
スワマやアイリスがどうなるのかはいずれ