人魚を釣り上げたので世話する事にした   作:ちゅーに菌

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どうもちゅーに菌or病魔です。まだ生きていますよ、ええ。ちゃんと、言い訳も考えてきました。


作者の小説が中々更新されない→読者の頭の中に行き場のない怒りが湧く→興奮して落ち着けない→体は闘争を求める→アーマードの新作が出る


つまり作者の小説が更新されないのはアーマードコア新作への布石なんですよ!(苦し過ぎる言い訳)

え? ホントのところ?

久々に読み返した東京喰種やらONE PIECEやらの熱が再燃し、二次創作を書こうかと色々考えたり試しに書いたりしていたら約3ヶ月経って現実に気がつきました(クソ作者の鏡)。

後、今日のFGOの福袋を引いたらセイバァァァ!(アサシン)の宝具Lvが2になりましたよ(血涙)

…………作者ジャックちゃん以外の星5アサシン全部持ってるんだよなぁ…。




人魚さんと上半身が危ない娘

 

 

 

「えっと……愛憎のアルターエゴ、パッションリップです。よ、よろしくお願いします…!」

 

 

 どたぷーん

 

 

 と、効果音を付けても足りないような揺れ方をしながら、リップちゃんの2個のメロンもといジャックフルーツが、お辞儀に合わせて上下する。

 

 その娘に対する反応は三者三葉であった。

 

「すごいな……その巨大な――」

 

「すごいね……そのおっきな――」

 

『Aaaaa――』

 

 俺とフランチェスカは生唾を呑み込んでから口を開き、それに続いて人魚さんも口を開く。

 

「胸」

 

「おっぱい」

 

『z・…………e?』

 

「う……うぅ…」

 

 巨乳、爆乳、いや魔乳と言っても差し支えないそれは俺に衝撃をもたらした。何故か人魚さんがコイツは何を言っているんだと言わんばかりの驚きの表情を浮かべているが、知らないったら知らない。

 

「その観点だとイブちゃんは爆乳だね」

 

「うるせえ、絶壁」

 

「お? 言ったね? 割りとあるよ! あるんだよ! コッチヲミロォォ!!」

 

 は……まさか人魚さんが食べていたメロンパンと、大食いの人魚さんが触媒となり、特大のメロンを持つサーヴァントが召喚された可能性が微粒子レベルで存在する…?

 

 それはそれとして脱ぎ出すなフランチェスカ。服を着ろ見苦しい。

 

『………………』

 

 ああ……人魚さんのゴミを見るような視線がとても痛い。わかったわかった。ふざけるのはこの辺りにしておくとする。

 

「あ、あの……それで…どうしてわたしを召喚したんですか?」

 

 俺とフランチェスカの言葉を流しながらリップちゃんとやらはそう聞いてきた。流石は市場に出回る成形数の子のような最早芸術に見える成形イケ魂を持つだけはあり、中々心が広いようだ。

 

「うん、それはだな」

 

 人理崩壊を最終的に止めると言うのは簡単だが、それは俺自身の目的であり、彼女を召喚した理由にはなり得ないだろう。そう考えると理由という理由は無かったかもしれないな。

 

 まあ、それは建前で彼女を弄っていたいという、俺の母親譲りの本能が何故か無性に疼いたのでもう少し遊ぼう。

 

「なんとなくだな」

 

「え…? すみません今なんて?」

 

「なんとなく召喚してみた。その胸を間近で見られただけでも後悔はしていない」

 

「………………あんまりふざけているとぎゅってしちゃいますよ?」

 

 目のハイライトのやや消えたリップちゃんはその大きな胸……もとい爪をグーパーしながら呟く。そのぎゅってはとても痛そうなので遠慮したいところだ。

 

『Gaaaaaaaa――!!』

 

「人魚さん痛い痛い、脛を蹴るんじゃない」

 

 なんだかわからないが卵を抱き締めたままふくれた様子の人魚さんが大変ご機嫌ナナメである。それはそれで可愛らしいが、そろそろ脛が持たないので真面目にするとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

「人理崩壊……この世界ではこれからそんな大変なことがこれから起こるんですか…」

 

 ドリームマンから聞いた夢の内容をそのままリップちゃんに伝えると、リップちゃんは大変驚いた様子で、その童顔を青くしていた。俺が言うのもなんだが、よくもまあこんな眉唾どころか歯の浮くような事を信じれるものである。

 

「そのゲーティアさんをぎゅっとすれば止められませんか…?」

 

「止めとけ、ゲーティアはそれぞれ7つの時代に崩壊の楔を撃ち込んでいる。それらは正しく起動された後、きちんと修復しないと特異点に残された魔神柱がどうなるかわかったものじゃない。主犯だけ殺るなんてダメだ」

 

「そのゲーティアを倒せないとかが理由じゃない辺り流石だよねイブちゃん」

 

 あれから何度か夢に出て来たドリームマンから聞いた詳細な情報の中には、ゲーティアの能力や、所有している貴い幻想(ノウブル・ファンタズム)から導かれた戦闘力なども勿論ある。

 

 それから考察すると本体に魂を戻した十全な状態なら兎も角、この身体なら対処は難しいという結論に至った。

 

 やはりカルデアとやらに頼らなければゲーティアの殺害は難しいだろう。まあ、どのみち7つも特異点を巡るとかいう面倒そうな仕事はあまりやる気が起きないので道連れは多い方がいい。

 

 ちなみにゲーティアは名前を呼ぶだけで呪い殺す事も可能なそうだが、自宅(ここ)は既に幻夢境の一部と化しているので奴の目は届かないし、そもそもフランチェスカやリップちゃんに呪いが来ても横で俺が弾けばいいから問題はない。ああ、人魚さんは見た目よりかなり頑丈だから多分ゲーティアの呪いぐらいじゃビクともしないので大丈夫だな。

 

宝具(ノウブル・ファンタズム)は知ってるのになんで……いや、もういいや…」

 

 だって、人間の幻想を骨子に作り上げられた武装の貴い幻想(ノウブル・ファンタズム)はアラヤの中の幻夢郷でいっぱい見れるしと言おうとしたが、フランチェスカが話を切り上げたので俺もそれ以上の言及は止めた。

 

 ちなみにクラスのアルターエゴについてもリップちゃんから聞いておいた。

 

 フランチェスカが基本的に分類されると言っていたのは、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、アサシン、キャスター、バーサーカーだけである。

 

 話を聞いたところアルターエゴとは神格を持つ存在の自我から別れた別人格に設定されるクラスだとかなんとか。故にリップちゃんは、一体の母体から人工(デザインされた)のサーヴァントの一体らしい。

 

 なるほどなるほど要はあれか。

 

「"ナイアルトラホテップの化身(俺の母さん)"みたいなもんか」

 

「マスターのお母さんですか?」

 

「いや、こっちの話だ」

 

 こればかりは言ってもわからんだろうし、面倒事が増えるだけになるのでまだ知らない方がいい。というかどうせ母さんのことだ。カルデアとやらで腐るほど目にすることになるであろう。母さんはそういう存在である。

 

「おお、そういえばこっちの自己紹介がまだだったな」

 

 話を切り替えるついでにそんなことを思い出し、まずは人魚さんに掌を向ける。

 

「彼女は人魚さん。俺の家に居候している海産物だ。ちなみに俺が釣った」

 

『Aaaaa――』

 

「……え……人魚…さん……?」

 

「うん、人魚さん」

 

 片手を上げて会釈をした人魚さんをガン見しながらリップちゃんは、何か言いたげな表情を浮かべていたが、更に紹介を進める。

 

「ソイツは人魚さんの眷属のシャイガイ。腕っぷしの強さは中々のもんだぞ」

 

「………………」

 

「あ……よろ、よろしくお願いします!」 

 

 無言で握手の手を差し出したシャイガイの手を、リップちゃんは爪で握ると握手が成立した。触れる一瞬、シャイガイの手から火花が上がり、金属音が響いたが、まあ、それぐらいでどうにかなる奴ではないだろう。シャイガイは異常なぐらいあらゆる面でタフガイである。

 

「そんでこの白くてちみっこいのはフランチェスカ・プレラーティ、或いはフランソワ・プレラーティだ。気軽に親しみを込めずフランさんと呼ぶといい」

 

「ハーイ! フランさんだよー! 幾久しくね」

 

「プ、プレラーティ!? ひっ……!?」

 

 何故かリップちゃんは悲鳴を上げて俺の背中に隠れる。身体を縮めている姿は大変可愛らしいのだが、動揺しているのか、地味に俺の背中にリップちゃんの爪が突き立っているのがやや痛い。

 

 それよりも、どうやらフランさんはもうリップちゃんに手を出していたようだ、この節操無しめ。

 

「違うし、知らないし!?」

 

「こんなこと言ってるけどそこのところどうだリップちゃん?」

 

「いえ……その…フランチェスカ・プレラーティはムーンセルで地球の特定危険人物、フランソワ・プレラーティはムーンセルでは聖杯戦争に際しての要注意サーヴァントにマークされていたのでつい……」

 

「良かったなフランさんや。君の悪評は月にまで届いているみたいだぞ」

 

「これッッッぽっちも嬉しくないよ!!? ……ってか私サーヴァントにもなってるの!? その話もっとkwsk……ぐぇ!?」

 

「後で個人的に聞きなさい」

 

 今明かされた衝撃の真実に声を荒げるフランチェスカの首根っこを掴んで人魚さんにパスしておいた。人魚さんは体を少し傾けて避けたのでフランチェスカが畳の間に沈んだが問題ないだろう。

 

 最後にリップちゃんに向き直ると、俺は自分自身を指差しながら自己紹介を始めた。

 

「俺はイブ・ツトゥル。遠い遠いところに住んでいたが、母さんに無理矢理連れられて随分前にこの星に引っ越してきた邪神だ。よろしくな」

 

「はい! 邪神さん……なんですか?」

 

「うん、そう」

 

 俺は一応、純粋な邪神であり、神が闇落ちしたり、荒魂が変化したりしたわけではない。よって邪神といっても俺が特に何か悪事を働いたわけではない。カエルの子はカエル、人間の子は人間、神の子は神、邪神の子は邪神だ。

 

 要は生まれつき血統書付きの邪神だから邪神なのである。ただ、この星の神々とは神性の意味合いが違うので、俺に神性特攻なんかの宝具は意味がないけどな。

 

「そうなんですか、なんだか…わたしと似てますね。えへへ…」

 

「そうかもな」

 

 リップちゃんは人工サーヴァントらしいが、純粋な女神なのは疑いようがないだろう。

 

 それにしてもおっきな胸と爪にかなり童顔な顔がついているリップちゃんは非常にアンバランスではあるが、それがまた彼女の可愛らしさを引き立てて言えよう。

 

「ひゃぁっ!?」

 

「おお…?」

 

 なんだか、ほのぼの気分が加速し、いじめたい衝動から可愛がりたい衝動へとシフトチェンジしたので、頭に手を置いて撫でるとリップちゃんは声を上げながら大きく身体を跳ねた。

 

「わ、わたし……感覚が敏感なので……いき、いきなり触られるとびっくりしちゃいます」

 

「ああ、そうなのか。次は気を付ける」

 

「はい…お願いします」

 

 そうは言いながらも撫でる手は止めない。撫でる側としても髪がサラサラしていてとても気持ちがいい。

 

『Aaaaa――』

 

いつの間にか卵を抱き締めるように抱いている人魚さんが俺の隣に来ていた。そこで一度俺を見上げて視線を送ってから頭を下げた姿勢で止まった。

 

心なしか人魚さんの様子が何処か期待しているような、浮き立っているように見える。

 

「………よしよしいい子いい子」

『Aaa――aa――』

 

 人魚さんの頭に触れると、人間の髪質ではありえない程つやつやした感触が返ってくる。いつもお風呂場で触れているが羨ましいぐらい上質な髪質である。

 

 さて、二人の頭を撫でているわけだが、完全に止めるタイミングを逃した為、暫くこの時間が続く。おのれコンマイ。

 

 ふと、さっき投げ飛ばしたフランチェスカのことが気になりそちらに目を向けると、フランチェスカは畳に墜落したままの体勢で、首だけを向けてこちらの方を見ながら何やら呟いていた。

 

「感度3000倍なの? 対魔忍なの?」

 

 フランチェスカ(コイツ)は人魚さんとリップちゃんの教育に悪いので叩き出そうかと考えたが、そもそも家に招き入れたのは俺である。無念。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「とってもおいしいです!」

 

『Aaaaa――』

 

「スッッゴい! 倍の速度で食べ物が消えるよ!」

 

 その日の夜の夕飯時。あつあつおでんをものともせずに人魚さんとリップちゃんは食べ進めてた。あつあつおでんでリップちゃんがあつあつしないかな、とか邪なことを思いながら作ったが、まるで無意味なようである。

 

 サーヴァントは俺と同じように食事を特に取る必要はないらしいが、ご飯の話をするとなにやらリップちゃんが何処か期待するようにそわそわしていたので必要だと思った。絶対に必要だと思った。

 

 爪の長さ的な問題で菜箸で食べている以外、リップちゃんは普通の人と変わりない……いや、倍以上の速度で食べ進めている。やはり、寸胴鍋でおでんを作って正解だったといえるだろう。キッチンの寸胴鍋からリビングの土鍋に移すだけの作業なので楽である。

 

「しかし……」

 

『ui?』

 

 俺の隣に座る人魚さんが着ている黒いセーターを捲ると、陶器のように白く美しい肌と共に、少しだけあばら骨の浮いたお腹のラインが顔を覗かせる。

 

 人魚さん、体型に全然変化がないなぁ……あれだけ食べた量のカロリーはいったいどこへ行くというのだろうか。

 

 確かに俺のこの身体は食事は必要ないが、半分は人間で出来ているので食べ過ぎると太るのである。

 

「羨ましいぞ。えい、えい」

 

『Aa………Aaa…』

 

 人魚さんの脇腹を指でつんつんつつくと、人魚さんはいつもの半眼を少し見開き、何やら戸惑っているようである。つつく度に困ったような表情を浮かべた。

 

 かわいい。

 

「おー、イブちゃん大胆なセクハラだね!」

 

「俺は女で人魚さんの保護者じゃボケ」

 

 とある白面金毛の知り合いからその昔、"ヌシ、魂が緑の老人(オッサン)のようじゃのう"等と言われて割りとショックだったことはあるが、それでも歴とした女である。魂がエロオヤジみたいだと言われても俺は歴とした女性である。

 

 人魚さんのセーターを捲るのを止めて、お腹を戻しながらそんなことを考えていると、俺の携帯電話が震えて、例のThe Carol of the Old Onesこと、旧支配者のキャロルが鳴り響いた。

 

 思わず顔をひきつらせながらも食事中には悪いと思い、携帯電話片手にリビングの外の廊下まで行く。

 

 一度、大きく深呼吸を済ませてからその電話に出た。

 

《もしもし、バカ息子よ》

 

「もしもし、賢い娘です」

 

 ほんの少しでも母さんの携帯電話で電話を掛けてきているかもしれないという望みは打ち砕かれた。

 

《いやはや、随分楽しんでいるようではないか。人理崩壊が起こる前は、この私ですら流石に自重している英霊召喚まで手を出しているようで何より》

 

 母さんに情報が筒抜けなのはいつものことなので特に気にはならない。だが、何やら皮肉混じりの小言を良い始めたのはいただけないな。こういう時の母さんは多少機嫌が悪くなっているのだ。無論、機嫌の悪い母さんの危険度は言うまでもない。

 

「……それで要件はなんだ?」

 

 電話越しの母さんは、俺の言葉を聞くと叱るように、あるいは囁くように優しげな声色で言葉を吐いた。

 

 

 

 

 

《お前、来るならさっさとカルデアに来い》

 

 

 

 

 

 どうやら我が母はあまりにも自宅でのんびりしている俺にお冠のようであった。

 

 

 

 

 




次回……主人公一向ついにカルデアへ?

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