わんわんおなんて言わせない   作:暇人(暇では無い(´・ω・`))

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はい、すいませんでした。はい。
決して。決してサボっていたわけではありません。なにせ私、絶賛テスト期間中なのです。じゃあ何で今投稿できるんだって話なんですけれども、はい。
...精進します。(´・ω・`)


第6話 「予定が狂うって、よくあること」

 

 

 俺は、ミツネさんの死を乗り越えて、新天地、『天空山』を目指して足を進めていた。そこで修行して、強くなるのだ。しっかし修行とか、前世じゃあ絶対面倒くさがってやらなかっただろうなぁ...。

 

 んで、ようやく渓流を出て、野を越え山越え谷越えて。やっとの思いで天空山に着いたと思うと...。

 

 

 ーーーそこは、見渡す限りの砂原ーーー

 

 

 

 .../(^o^)\ナンテコッタイ。

 

 

 

 ######

 

 

 しばらく放心状態だったが、こうしちゃあいられない。俺は天空山を目指さなければならないのだ。すぐに出発しよう。そうしよう。

 

 ...あれ、ここ、どこだ?

 

 あ、画面の前の君。目、逸らしただろ。君だよ、君。君さ、今、

「迷うのはっやwwwくっそわろwww」

 とか思っただろ。

 大丈夫。隠さなくてもいいよ。俺も思ったから。

 まあ、一つ言い訳をするとすれば、地図、無いんですよ。原作と地形、ちょっと違うんですよ。つまりどうなるか?

 ...迷うんですよぉ(ネットリ)。

 とまあ残念な言い訳は置いておいて。どうしましょ。闇雲に動けば絶対ひどい結果が待ってるし、かと言ってここに居りゃあ格好の的である。早いとこ移動しないと、ハプルさんあたりが食べに来る。

 

 ...あ、遠くで振動の音が聞こえる。ドドドド、って感じの。それがどういう事かと言うと。先ほど挙げた、ハプルさんが迫ってきているということでして。さらにそれがどういう事かと言うと。今、結構やばい状況でして。さらにさらにそれがどういう事かと言うと。このままだと食べられてしまうということでして。

 ...うーむ、仕方が無い。ここは、伝家の宝刀を抜くしかない。よし、いくぜ!これが俺の最終手段!

 

 ズバリ!『逃げる』!!

 

 

 はっはっは!逃ぃーげるんだよぉー!ミツネさぁーん!

 これならば戦闘を避け、かつ安全に生きることが出来る。『逃げる』。ああ、なんて素晴らしい響き。この間、シャボン玉の方が好きと言ったな。あれは嘘だ。ジョセフさんまじ神っす。

 

 

 しばらく走り続けて振り向くと、どうやら撒けたようだ。ああ、初めての砂漠でこれか。先が思いやられるな。なんてことを考えながら前を向くと。

 

 整った綺麗な顔立ち。美しい黒い長髪。ずっと見ていれば吸い込まれてしまいそうな双眸。丁寧に整備されてあるナルガ装備。それを完璧に着こなすすらっとした身体。背中からチラリと見えているのは、おそらく双剣。

 

 ...つまり、ハンターだ。紛うことなきハンターだ。

 

 ああ、これはきっとあれか。神さまの気の利かないジョークか。それとも蜃気楼か。はたまたハプルさんから逃げることに疲れて、それによって幻影でも見ているのか。

 

 正直、何でもいい。ただ、夢かなにかであって欲しい。だって何かあの人、『私強いですよオーラ』をガンガンに出してきてるんですもん。ガン飛ばしてきますもん。近くに血塗れのデルクス何匹か倒れてるし。あれもう絶対女の子じゃ無いでしょ。阿修羅の化身か何かでしょ。

 あーもう嫌だ。せっかくハプルさんから逃げてきたってのにまた逃げなきゃならんのか。はあ。砂漠なんて二度とくるか。忌々しい禁忌の地として覚えておこ......っ!

 

 

 咄嗟にバックジャンプで回避する。しかし、息付く暇もなく接近し、連続攻撃を仕掛けてくる。こういう時はハンター側の気持ちになって考えるのが良い。無闇に攻撃を仕掛ければ、相手の動きに翻弄され、手痛いしっぺ返しを喰らうのがオチである。ならばどうするか。相手の動きを見るのだ。

 見て、見て、見続ける。そして相手の動きを完全に見切った時、ようやく反撃を仕掛ける。それが俺のプレイスタイルだった。

 

 が。なんだこの子。ジンオウガ慣れした動きで逆にこちらが翻弄される。お手の時は反対方向にまわる。回転ジャンプは少し離れ、飛んだ瞬間に近づく。そうした華麗な動きによって、時が経てば経つほどただただ徒にこちらのダメージが増えていく。何か。何か手は無いか。この戦局をひっくり返せるような手は。

 ...ッ!...グフッ......う、ああ、また俺の悪い癖だ。戦いの途中だというのに考え込み、相手から手痛い一撃を喰らう。胸に2本の傷が入り、血が吹き出る。まずい、本気でまずい。

 仕方ない、一旦距離をとろう。そう考え、バックステップをする。...それが、運命の分かれ道だった。

 

 目の前で、鮮血が吹き出す。砂埃が舞う。視界が悪くなる。その中でも、はっきりと見えるのは...

 

 

 ーーー宙を舞う、1匹の巨大なハプルボッカーーー

 

 

 ハプルボッカは宙を舞った後、悠々と砂原を泳いでいった。

 

 ...砂埃が、晴れた。

 

 影が見えた。

 

 先ほどのハンターが倒れていた。

 

 左腕が肘から無くなっている。

 

 ドクドクと血が流れ出る。

 

 ナルガ装備が血に染まる。

 

 ゲホッ、と、血反吐を吐く。

 

 いてもたってもいられず、俺は、駆け出した。

 俺の中の負の感情が話しかけてくる。

 何故助けようとする?何故手を貸す?あいつはついさっきまでお前を本気で殺そうとしていたんだぞ?

 戦っている時、あいつの目を見なかったのか?あの目には明確なる殺意が宿っていたぞ?『殺す』の二文字だけが浮かんでいたんだぞ?

 戦っている時、あいつの太刀筋を見なかったのか?あの太刀筋は相当に鍛えられたものだったぞ?モンスターを殺すために鍛え上げられたのだぞ?

 なのに、なぜ走る?ミツネさんの事を忘れたわけでは無かろう?ミツネさんは人間に、人間の都合で殺されたのだぞ?それなのに、何故あんな奴を助けようとする?左腕が無くなったことに同情しているのか?あんなもの、避けなかったあちらが悪い。こちらには何の責任もありゃしないじゃないか。

 そうだ。一層の事、こちらから止めを刺してやればいい。もし今助けたとしても、片腕を失った状態ではハンターとしての活動は続けられない。ろくな収入も無く、苦しい生活を強いられるだろう。それならば、今この場で殺してやった方があいつの為なんじゃ無いのか?殺したやった方が楽になるんじゃないのか?あいつを助けたいんじゃ無いのか?

 

 

 ...うるさい。

 そんな事、分かりきっている。

 本気でかかってきたことも分かっている。左腕を失ったことに対しては同情している部分もある。とどめを刺してやった方が良いんじゃないかと思うところもある。ミツネさんの事を決して忘れたわけでは無い。

 だが、そんなことは関係ない。殺す殺されるの関係はこの世界では当たり前なのだ。たくさんの命が生まれ、そして簡単に散っていくのだ。それはモンスターも人間も同じ。そんな中のたった一つの命など、ちっぽけなものだろう。それでも、こちらの責任で一つの命の運命を狂わせる訳にはいかない。こちらの勝手な意思で一つの命を終わらせる訳にはいかない。

 

 だから、助けるのだ。

 偽善?お人好し?押し付けがましい?そんなもの知らん。ただ俺が正しいと思った事を行動に移していくだけだ。相手が助けて欲しいと思っていなくとも、それはそれでいい。死にたいと思っていたのなら、目が覚めてから自殺すればいい。

 俺がそうしたいと思ったからそうする。簡単なことだ。彼女のことを知りたいという気持ちもあるのだ。とにかく今は彼女の治療に専念するのだ。

 

 もう、負の感情は話しかけては来なかった。来るだけきて、帰りは勝手に帰っていくとは、全く礼儀の一つもあったもんじゃない。自分の感情に礼儀なんかあったらそれはそれで怖いが。ふう。まあハンターの応急処置も完了したし、もう後は巣に運ぶだけ...で......あぁ。

 

 

 

 ......砂漠に巣、無いじゃん…。

 




新キャラっぽいのが登場です。
彼女はジンくんにどんな影響を与えるのか。
あと、『私強いですよオーラ』は鬼神モードです。デルクスで稼いでたんですね。
では、気長にお待ち下さい〜。

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