学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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あんまり甘くない。
かもです。


反応と表彰とプチ修羅場

 

シルヴィアside

 

 

私は今走っていた。あんなにも激しい戦いの後だったのに、なんでこんなに速く走れるのか自分でも分からなかった。でも、今にも弾けそうなくらい凄く強い想いを彼に伝えたいって事は分かる。優勝したって、彼に一番乗りに伝えたい。

 

 

シルヴィア(八幡くんっ!)

 

 

息切れしているが、どうでもいい。一刻も早く彼に会いたい。ただそれだけだった。

 

そして私の控え室の前まで来た。小さな緊張と大きな喜び。彼は私を受け入れてくれるかな?多分大丈夫だと思うけど。

 

 

シルヴィア「すぅー………はぁー………」

 

 

深呼吸をした後に扉を開けて………

 

 

シルヴィア「八幡くんっ!!」

 

八幡「っ!!」

 

 

彼の名前を叫んだ。

 

 

八幡「シルヴィ………」

 

シルヴィア「八幡くん………私、勝ったよ。私、優勝したよ!!」(うるうる)

 

 

そう言ってシルヴィアは八幡に抱き着いた。

 

彼の事だからきっと困惑してる。でも、私は今凄く嬉しい。今日1日で願いが1つ叶って、もう1つも叶うかもしれないから。

 

 

八幡「……あぁ、観てた。」(ギュッ)

 

シルヴィア「あ………」(うるうる)

 

八幡「ずっと観てた………お前の戦い振り。おかげで俺も自分の事が1つ分かった気がする。俺も今は最高の気分だ。ありがとな、そしておめでとう。」

 

シルヴィア「八幡くん………」(ポロポロ)

 

 

嬉しい……八幡くんからこんな事言ってもらえるなんて。

 

 

八幡「俺は口下手だからな。あんま似合わねえかもしれんが、一応言わせてくれ。」

 

シルヴィア「……うん、ありがとう!八幡くんっ!私も今、最高だよっ!!」(ギュッ)

 

 

そしてシルヴィアは抱き締める力を強めた。今までで一番嬉しいと思えた。

 

 

シルヴィアsideout

 

雪乃side

 

 

あの局面で逆転するなんて……

 

 

結衣「凄かったねーゆきのん!」

 

雪乃「そうね。」

 

 

出るとしたら、私も《王竜星武祭》かしら?それなら私でも勝てる自信はあるわ。

 

たとえ【戦律の魔女】や【孤毒の魔女】でも必ず勝機はあるわ。

 

 

小町「いやー、シルヴィアさん凄かったですね!逆転しちゃうなんて。」

 

結衣「うん!カッコよかったなぁ。」

 

雪乃「あの状況でよく歌う事が出来ると言いたいところだけど、あれも彼女の技であり能力だから何も言えないわね。」

 

小町「でも、やっぱりゴミぃちゃんは居ないですね………」

 

結衣「うん……」

 

雪乃「今回はこれで終わりだけど、3人揃ってまた此処に来ましょう。次は六花の生徒として。そして彼に土下座させるのよ。」

 

結衣「うん!そうだねゆきのん!」

 

小町「了解であります!」

 

 

雪乃sideout

 

葉山side

 

 

「シルヴィアが勝った〜!」

 

「葉山くん!凄かったね!」

 

葉山「あぁ、流石決勝だね。」

 

 

凄いな………彼女は、あんなに強いのか。出来れば1度手合わせしてみたいな。

 

戦ってみてもいいけど、僕は《獅鷲星武祭(グリプス)》に絞ってるからね。星武祭ではまずないだろうね。

 

でも、もしも他学園との共闘がアリなら彼女と組んでみたいかもね。

 

 

葉山「まぁそれはないとは思うけど、早く此処に来たいものだね。」

 

 

早く無様な比企谷を見てみたいからね。

 

 

葉山sideout

 

戸塚side

 

 

沙希「あんなに強いんだね序列1位って………て事は、会長さんも強いんですよね?」

 

星露「お主も中々良い目をしておるのう。妾も序列1位じゃ。尤も、星武祭には出られんがのう。」

 

戸塚「でも凄いよ。僕じゃあの状況で逆転するのは無理だよ。」

 

材木座「流石であるな!」

 

海老名「歌ってる所も惚れ惚れしちゃったしね。カッコよかったね〜。」

 

戸塚「うん!」

 

 

……そういえば八幡はどのくらい強いんだろう?いつも目立ちたくないって口癖みたいに言ってたから、冒頭の十二人(ページワン)にも在名祭祀書(ネームド・カルツ)にも入ってはいないだろうけど。

 

 

戸塚「あの、会長。」

 

星露「ん?なんじゃ?」

 

戸塚「八幡ってどのくらい強いんですか?僕の予想ではそんなに強くはないと思うんですけど……実際はどうなのかなって。」

 

材木座「おぉ、それは気になるであるな!」

 

星露「気になるのか?まぁ、これでお別れじゃしのう。土産ついでに教えてやろう。騒ぐでないぞ?彼奴の強さは妾の強さに次ぐものじゃ。意味は分かるであろう?」

 

沙希「…………え?」

 

海老名「て事は……まさか……」

 

材木座「次ぐということは……2番?」

 

戸塚「………序列2位?」

 

 

嘘………だよね?

 

 

星露「その通りじゃ。八幡は我が学院の序列2位にして、この六花最強の魔術師じゃ。」

 

 

八幡ってそんなに強かったの?凄いや……序列2位だなんて……僕には出来ないよ。

 

 

星露「お主らも此処に来るからには、八幡を目指すがよい。彼奴はたった2ヶ月で我が学院の序列2位になったんじゃからな。」

 

 

………もしかしたら、僕たちじゃもう手の届かないところにいるのかもね、八幡。

 

 

戸塚sideout

 

ーーーーーー

 

 

ーーー19:00ーーー

 

 

梁瀬『10日間に渡って行われた《王竜星武祭》、今回も数々の激戦が繰り広げられました。』

 

チャム『今回もやはり、決勝戦のリューネハイム選手とランドルーフェン選手が群を抜いて盛り上がったッス。』

 

梁瀬『今その祝辞が、大会委員長ダニロ・ベルトーニよりリューネハイム選手に送られています。』

 

ダニロ「シルヴィア・リューネハイム。今星武祭の貴女の素晴らしい功績を讃えここに賞する。次の星武祭でも頑張って欲しい。優勝おめでとう。」

 

シルヴィア「ありがとうございます。」

 

 

シルヴィアはトロフィーを受け取る。

 

 

梁瀬『皆様、リューネハイム選手に今1度大きな拍手をっ!!』

 

 

大歓声が起こり、シルヴィアもトロフィーを上に掲げた。

 

 

シルヴィア(八幡くん…見てくれてるかな?)

 

 

梁瀬『それでは皆様!お次は《鳳凰星武祭(フェニクス)》でお会いしましょう!実況は私、梁瀬ミーコと………』

 

チャム『ファム・ティ・チャムでお送りしたっす。』

 

 

ーーー表彰式終了後ーーー

 

 

シルヴィア「♪〜八幡くん!観てくれてた!?私の表彰式?」

 

八幡「観ないわけないだろ?いつも以上に輝いてたぞ。俺も立ってみてぇな。」(ナデナデ)

 

シルヴィア「八幡くんなら出来るよ。」

 

八幡「だといいな。」

 

シルヴィア「うんっ!」(ギュッ)

 

 

八幡はシルヴィアの頭を撫で、シルヴィアは八幡の腕に抱き着く、まるで当たり前のように自然体でいた。2人共特に恥ずかしがる様子もなかった。

 

 

シルヴィア「じゃあそろそろ「やっぱり貴方もいたのね、八幡。」っ!」

 

 

そこに居たのは、準優勝者のオーフェリア・ランドルーフェンだった。

 

 

八幡「よぉ、オーフェリア。あっ、頼まれてたもんは出来てるぞ。」

 

オーフェリア「………そう、では早速貰ってもいいかしら?」

 

八幡「あぁ、3つで足りるか?」

 

オーフェリア「………えぇ、ありがとう。それと八幡、まだ話は終わってないわ。」

 

八幡「………ですよね。」

 

オーフェリア「………決勝戦で【戦律の魔女(シグルドリーヴァ)】の斬撃が私の毒を打ち消したわ。これは貴方の仕業じゃないのかしら?八幡?」

 

 

当然とばかりに言い当ててくるオーフェリアに八幡は複雑そうな顔をしていた。

 

 

シルヴィア「あぁ〜、多分これだよ。」

 

 

シルヴィアはそう言ってからブレスレットを見せびらかすように出した。

 

 

シルヴィア「これのおかげで君の毒が消えたんだと思う。この力が斬撃に乗ったから、毒が一部消失したんだと思うよ?」

 

オーフェリア「………じゃあ、貴女が最後に出したあの技に、私の技が聞かなかったのも、このブレスレットの効果という事かしら?」

 

シルヴィア「それは分からないけど、毒が無効化されたのは、これのおかげかな。」

 

 

シルヴィアはジーッと見つめていた。

 

 

オーフェリア「………ずるいわ。」

 

2人「え?」

 

オーフェリア「………私は校章なのに、彼女にはアクセサリーなんてずるいわ。八幡、なぜ私にはアクセサリーではないの?」

 

 

八幡(え?なんで?オーフェリアさん?なんかキャラが………もしかしてそういう拘りあったりするん?)

 

 

八幡「いや、特に理由はないんだが……お前もこういうのがよかったのか?」

 

オーフェリア「………選べるのなら私は迷わず、アクセサリーを選ぶわ。」

 

シルヴィア「そ、そうなんだ……」

 

 

オーフェリアの顔を見ていると、少し拗ねているようにも見える。

 

 

オーフェリア「………それとそこで見ていたのだけど、八幡。今彼女の頭を撫でていたように見えたのだけど?」

 

八幡「あ、あぁ撫でていたが……それがどうかしたのか?」

 

オーフェリア「………【戦律の魔女】。それは気持ち良いのかしら?」

 

シルヴィア「え?う、うん。」

 

オーフェリア「…………」(ジーッ)

 

八幡「ん?な、なんだ?」

 

シルヴィア「八幡くん、もしかしたら撫でて欲しいんじゃない?」

 

オーフェリア「…………」(コクッ)

 

 

オーフェリアは気恥ずかしそうに頷いた。随分としおらしい感じである。

 

 

八幡「………撫でてもいいのか?」

 

オーフェリア「………貴方がいいなら。」

 

八幡「じゃあ撫でるからな。」(ナデナデ)

 

オーフェリア「んっ………既にやってるじゃない。」

 

 

…………………………

 

 

オーフェリア「………もういいわ。」

 

八幡「おう。」

 

シルヴィア「ど、どうだった?」

 

オーフェリア「…………………とても至高とだけ言っておくわ。」

 

 

八幡(ねぇ?今の間だけ長くなかった?長かったよね?)

 

 

オーフェリア「………八幡、今日の私は彼女に負けてとても傷ついているわ。今夜は私の寮に来て慰めてくれないかしら?」

 

八幡「はぁ!?」

 

シルヴィア「ちょ、ちょっと!?聞き捨てならないよ!?それを言うなら、私も彼女に勝ったからご褒美が欲しいな!」

 

八幡「え?」

 

 

八幡(え?何この状況?さっきまで何もなかったのに、どうしていきなりこんな慌ただしくなっちゃったの?)

 

 

2人「………八幡。(八幡くんっ!)」

 

八幡「どうしてこうなった?」

 

 

 

 

 




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