沙希side
あたしは今、界龍の朱雀の間という道場にいる。周りには何人か此処の生徒が居て、真ん中に居る2人が組手をして戦っていた。多分ここの言い方でいう
星露「主らもやってみんか?良い肩慣らしにはなると思うぞ?相手は主らの中から好きに選んでやってみるとよい。ここの生徒とやっても経験の差で相手にならんからのう。」
そうして皆相談し合って決めていたけど、私は別にやる気はない。ここに来たのは戦いのためじゃなくて、あくまでも見学と比企谷を探すためだしね。
星露「そうじゃのう、そこの青髪の
沙希「え?あたし?」
星露「うむ、主からは何処か雰囲気を感じるぞ。上手くは言えんがな。」
沙希「まぁ……空手ならやってましたけど……」
星露「そうか、なれば………」
虎峰「お、お待ち下さい師父!」
突然、オレンジの髪の女?が割って出てきた。あたしとしては助かったけど……
星露「なんじゃ虎峰?」
星露が気怠げに言うと………
虎峰「わざわざ師父が相手をしなくても……此処には序列外の者もおりますし。」
星露「直に交えんと分からん事もあるのじゃぞ?妾はそれが知りたいだけじゃ。それとも妾に口答えするか?」
虎峰「……申し訳ございません。」
ダメだった……ていうかあの子ってそんなに強いの?
星露「では手合わせ頼むぞ。」
沙希「は、はい……」
そして周りに防護障壁が張られ、
手合わせが始まった。
一応やってはみたが、攻撃なんて当たらなかった。会長さんは攻撃すらしてこないし、かなり手加減されてた。
星露「ふむ……お主誰か人探しをしておらんか?拳からそのような気を感じたぞい。どうじゃ?」
沙希「!?なんで……」
星露「その様子は当たりのようじゃの。(まぁ事前調査をしておったからなんじゃが。)」
沙希「……比企谷八幡って聞いた事ないですか?その人の名前です。」
星露「ふむ……聞いた事がないのう。虎峰、お主はどうじゃ?」
虎峰「僕も聞いたことありませんね。失礼ですが、見つけてどうするのですか?」
沙希「……謝りたいんです。あたしの今いる学校である出来事があったんですけど、その事に気づかずに過ごしていたことを。許してくれるとは思ってませんけど。」
星露「……そうか、辛い事を思い出させたの。ウチの虎峰が済まんかった。」
虎峰「ぼ、僕ですか!?い、いえ、聞いたのは僕ですしね。すみませんでした。」
沙希「い、いえ…気にしないで下さい。」
星露(この者、どうやら本気みたいじゃのう。此奴ならば問題あるまい。)
星露「さ、次は誰じゃ?続けい。」
会長さんがそう言うと、次の組が出てきて組手を始めた。比企谷、此処に居てくれたらいいな。
沙希sideout
材木座side
この会長殿、さっきから何も喋らんではないか。周りの者たちも雰囲気怖すぎ……はっ!いかんいかんっ!
ディルク「テメェらに案内する場所なんてねぇ、好きに回りやがれ。怪我しても俺は責任なんて取らねぇからな。」
な、なんと無責任な………そうだ!会長殿に聞きたい事を聞かねばな!他の者たちは居らぬ。今が一世一代のチャンスッ!!
材木座「会長殿!」
ディルク「あ?」
ひぃっ!やっぱり怖い!
材木座「こ、ここに比企谷八幡という男子生徒は居ないだろうか!?」
ディルク「あ?何だそのダセェ名前の男は?んな奴知らねぇよ。」
材木座「そ、そうであるか……」
ここにはおらなんだか。どこに居るのだ八幡よ。我がこんなに探してるというのに。
ディルク「分かったらとっとと失せろ、目障りだ。好きに回ってこいってんだよ。」
……本当に此処は学校なのだろうか?
材木座sideout
戸塚side
クローディア「ですのでここのーーー」
今、僕たちは星導館の純星煌式武装の選定室に来ている。クローディアさんの説明はすごく分かりやすくて、純星煌式武装が如何に凄くて危険な物かが充分に伝わった。
クローディア「説明は以上です。皆さん、何か質問はございませんか?」
生徒「えーと、会長は純星煌式武装持ってるんですか?」
クローディア「えぇ、持っていますよ。パン=ドラという未来視の能力を持つ双剣です。ですが、この子の代償は悪夢…自身が死ぬ夢を見せられることです。私としてもこの子は性格ド最悪なので、私から奪い取ろうなんて考えない方がいいですよ?」
……想像以上の対価だよ。自分が死ぬ夢を見せられるなんて。よく耐えられるなぁ。僕じゃ無理だよ。
クローディア「さて、質問はありませんね?では、自由に回って結構ですよ。それから、純星煌式武装には絶対に触らないで下さいね。危ないですから。」
そして皆が散り散りになって見学を始めた。見学する前にクローディアさんに聞いておかなきゃね。
戸塚「クローディアさん、ちょっと質問があるんですけど、いいですか?」
クローディア「はい、なんなりと。」
戸塚「この学園に比企谷八幡っていう名前の生徒はいませんか?ここに限らず、この六学園の中でも構わないので。」
クローディア「……聞いた事がない名前ですね。入学であればその記録があるのですが、生憎この学校には来てませんので。他の学園にもそのような情報がないので、おそらくは居ないかと。」
戸塚「………そうですか。」
此処にはいないのか……じゃあハズレだね。材木座くんや川崎さんの結果を待つしかないか。此処だと思ったんだけどな。
雪乃「どうやら、この学園には居ないみたいね。何処にいったのかしら?あの行方不明くんは。」
結衣「ゆきのん、くろろんが隠してるとかは?あり得そうじゃない?」
雪乃「いえ、あの人にそんな感じはなかったわ。エンフィールドさんの言ってることは事実と受け取ってもいいわ。」
小町「じゃあこの学園以外ならいるかもですね!ホテルに行ったら、中二さんと沙希さんに聞かなきゃですね!」
結衣「うん!そうだね!」
戸部「うーん居ないっぽくね?どう思う海老名さん?」
海老名「此処には居ないかもだけど、他の学園で男同士と激しくまぐわってたりして……キマシタワー!!」
戸部「え、海老名さーん!?」
戸塚「あ、あはは……」
戸塚sideout
葉山side
アーネスト「だから此処での決闘は禁止されているんだ。序列を上げるには、公式序列戦しか上げる方法はないことになるね。質問はあるかな?」
うん、俺にピッタリの学園だね、ここは。それにこの学園の
アーネスト「じゃあ好きに回ってくるといいよ。ただし、許可無く物には触れないようにね。」
此処で僕が銀翼騎士団になれば、雪乃ちゃんは俺に振り向いてくれるはず。比企谷にも、仕返しができる。はは、ここに来てからは良いことを教わってばかりだ。
アーネスト「君は葉山くんだったね?学園内は回らなくていいのかい?」
おっと、考え過ぎてたみたいだね。
葉山「すみません、あまりに良い校風だったので感動してました。決闘は禁止、平和で良いですね。」
アーネスト「うん、私的な決闘があっては落ち着かないからね。常に純粋で気高くあり、規律と忠誠を守るのがこのガラードワースだからね。」
聞けば聞くほど俺の事じゃないか、気に入ったよ。
葉山「では、僕も回ってきます。」
アーネスト「有意義に過ごすといいよ。」
アーネスト「……レティシア、彼をどう見る?僕は少し危険な思想を持っていると思う。」
レティシア「私もですわアーネスト。彼の目を見ましたが、何かを企んでいるような目でしたわ。」
アーネスト「この学園の事に嘘はついていないみたいだけど、あまりこの学園には好ましくない人格だね。」
レティシア「えぇ。」
待ってなよヒキタニ、直ぐにこの学園に入って君をつぶしてあげるから。
あの4人の危険思考がレベルアップした。
次回もお楽しみに!