学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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あれま……なんという駄文。

では、どうぞ。




2人きりの秋夜

八幡side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………困った。俺は今人生で一番困っている状況に瀕しているかもしれない。

 

 

八幡「……………」

 

シルヴィア「……………」

 

 

話す話題も思い浮かばない、シルヴィはチェックインしてから何も話さない。

 

 

確かこうなった理由は………

 

 

 

ーーー回想・10分前ーーー

 

 

シルヴィア「八幡くんも一緒に……と、と、泊まっていかないかなって/////」

 

シルヴィア「ダ、ダメ……かな?」(ウルウル)

 

八幡「そ、その……な、何でだ?」

 

 

自分の寮に帰ればいいものを、何でわざわざホテルなんて?

 

 

シルヴィア「な、なんか八幡くんとは、あんまり過ごせてないな〜って思って。」

 

八幡「ほ、本当にそれだけか?」

 

シルヴィア「……………」

 

シルヴィア「ほ、本当はね、も、もっと八幡くんと一緒に……居たいから/////」(フイッ)

 

 

本当の理由がそれか!!?断りにくいじゃねぇか!いや断れねぇよっ!

 

 

八幡「……わ、分かった。いいぞ。」

 

シルヴィア「ほ、ホントに?べ、別に強制はしてないんだから無理はしなくてもいいんだよ?」

 

八幡「あんな言い方されたら、断るモンも断れねぇよ///」

 

シルヴィア「っ!///そ、そっか/////」

 

 

………

 

 

………………

 

 

………………………………

 

 

あーくそっ!じれったいな!

 

 

八幡「シ、シルヴィ、ホテルはもう決まってんだろ?早く行こう。俺もうこの雰囲気は限界だ。少しゆっくりもしたい。」

 

シルヴィア「う、うん、そうだね!じ、じゃあ行こっか。こっちだよ八幡くん。」

 

 

ーーーホテル・受付ーーー

 

 

シルヴィア「2名で予約したシルヴィア・リューネハイムと八代界人です。」

 

 

ペトラさんは本名で予約したみたいだ。隠す必要もないと思ったんだろう。俺は何故か偽名だけど。シルヴィに言われて俺は変装している。このためにか。

 

 

受付「リューネハイム様に八代様ですね?お待ちしておりました。それと、先程予約を頂いた方からリューネハイム様宛に言伝を預かってるのですが、ご拝読なされますか?すぐに用意致しますが?」

 

 

………嫌な予感しかしない。

 

 

シルヴィア「はい、お願いします。」

 

受付「ではこちらが預かっていた言伝です。見た後は処分して構わないそうです。」

 

 

ペトラ『ガンガン押さないと、八幡くんは動かないから頑張りなさい。急がないと、こんな超優良物件すぐに売り切れちゃうわよ。押し倒すくらいしてみなさい。』

 

 

シルヴィア「〜っ!!/////」(カアァァ)

 

 

あっ、これはダメなやつだ。

 

 

受付「お客様?」

 

八幡「鍵は私が。何号室でしょうか?」

 

受付「最上階のスイートルームでございます。ごゆっくりお休み下さい。」(ペコリッ)

 

 

サインを求めない辺り流石だな。それに客も少ないから騒ぎにもならないな。

 

 

八幡「ありがとうございます。おいシルヴィ、いつまでボーッとしてる?行くぞ。」

 

シルヴィア「………/////」(コクッ)

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

それからずっとお互いだんまりだ。話そうにも今のシルヴィはこんな感じだが雰囲気がさっきまでと違う。

 

少し不安な……悲しそうな感じだ。チラッと表情を見たが、触れると今にも壊れてしまいそうな程悲しみに満ちた顔である。

 

何があったかは知らないが、話しかけてみない限りは、何も分からない。答えてくれるかは別として少し聞いてみるか。

 

 

 

八幡「………なぁ、大丈夫か?さっきから何か辛そうじゃないか?やっぱ俺と居ると落ち着かねえか?なら俺は帰るが……」

 

シルヴィア「…………」(フンフンッ)

 

 

何も言わないまま、ただ横に首を振るだけだった。これじゃ俺もお手上げなんだが。

 

 

八幡「……なら、俺は少しロビーで時間を潰してる。何かは知らんが、なんかあったんだろ?良くなったら連絡してくれ。」

 

シルヴィア「っ!」

 

八幡「それじゃ、ちょっくらあぁぁ!?」

 

 

立ち上がろうとした瞬間、突然押し倒されてしまった。いや、違う。

 

 

八幡「お、おい!?どうした!?」

 

シルヴィア「…………」(フルフル)

 

 

抱きつかれていた。しかもさっき抱きつかれていた時よりも、腕の力が倍くらい強く。そして小刻みに震えていた。

 

 

シルヴィア「……怖かった。」(フルフル)

 

八幡「………え?」

 

シルヴィア「私、八幡くんに嫌われちゃったんじゃないかって思ったら、凄く怖くて……それで……」(フルフル)

 

八幡「な、何でお前を嫌わなくちゃいけねぇんだよ?意味が分からんぞ。」

 

シルヴィア「ライブの時………八幡くんすごい目で私を見たから。」(フルフル)

 

 

あっ、そういや謝るの忘れてた!!いっけね!すっかり忘れてた!

 

 

八幡「あー、そん時は悪かったな。別に悪気があってやったわけじゃないんだ。」

 

シルヴィア「うん……でもそれだけじゃないんだ。最初あの会場はブーイングしかなかったでしょ?」

 

八幡「あぁ。」

 

シルヴィア「八幡くんはその時に酷い事沢山されて……怪我とか……軽蔑とか……凄くバカに………されてて……」(ポロポロ)

 

八幡「お、おい……」

 

シルヴィア「それで……ヒグッ……八幡くんに……嫌われるんじゃないかって……グスッ……もう会いたくないって……うっ……言われるんじゃないかって………ずっと思ってて……私………私………すごく不安になって……怖くなって……グスッ……仕方なくて」(ポロポロ)

 

 

………俺があんな事になってる時にそんな事考えてたのか。

 

 

シルヴィア「それで……それで……」(ポロポロ)

 

八幡「もういい、よく分かった。」(ギュッ)

 

シルヴィア「っ!」(ポロポロ)

 

 

どうなるかは分からんが、今はシルヴィを慰めるしかない。それに、今俺にはこれしか思いつかん。

 

 

八幡「先に言っておくが、俺はあんな事でお前を嫌いになんてなったりしない。あんなのは奴らの事情にしか過ぎない。シルヴィがやったわけじゃないだろ。」

 

八幡「それによ、付き合いはまだ短いから分からないだろうが、俺はそう簡単に友人を嫌いになんてなったりしねぇよ。友達あんまいねぇからよく分かんねぇけどよ。」

 

 

むしろ六花に来て初めて友達なんて出来たからな。その前なんて居なかったしな。

 

 

八幡「話逸れるけどよ、俺ってそんなに安っぽい男に見えちまうか?だったら俺はそれでも別にいいんだけどよ。」

 

シルヴィア「そんな事ないっ!!八幡くんはとても優しい人だよ!!」

 

八幡「ありがとな。それに、お前あの時言ってくれたじゃねぇか。信じたいって。」

 

シルヴィア「っ!!」

 

八幡「俺、そんな事言われたの初めてでよ、すげぇ嬉しかったんだよ。お前なら、信じていいと思えた。そんな良い奴を俺は嫌いになんてなれねぇよ。俺もお前を信じたいからよ。」(ナデナデ)

 

シルヴィア「うっ……うぅっ……」(ポロポロ)

 

八幡「だから、嫌われたなんてもう言うなよ……これで2度目だぞ?これ以上は勘弁だからな?」

 

 

そう言って八幡は、シルヴィアを抱き締めながら優しく頭を撫でた。シルヴィアは涙腺が無くなったかのように、大声と共に大粒の涙を流し始めた。

 

 

シルヴィア「うわああぁぁんっ!!八幡ぐうぅぅーーん!!」

 

 

シルヴィも呼応するかのように、俺の身体をさらに強く抱き締めた。かなり不安だったんだろうな。

 

 

その後も八幡は、泣き続けるシルヴィアを無言で撫で続け、抱き締めていた。

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

シルヴィア「………ありがとう八幡くん。すごく落ち着いたよ。」

 

八幡「おう、スッキリした顔になってるぞ。やっぱお前は笑顔が良いな。」

 

シルヴィア「う、うん……///」

 

 

何故かシルヴィが顔を赤く染めた。よく分からんが、もう8時半だし、風呂にするか。

 

 

八幡「シルヴィ、風呂に入ってきたらどうだ?もう9時に近いからな。疲れたし、早めに寝たい。別にシャワーでもいいが。」

 

シルヴィア「なら、ゆっくりしたいしお風呂にしようかな。お湯入れてくるね。」

 

 

入れてくるといっても、設定をすれば後は自動的に機械がやってくれるからな。戻ってくるか、そのまま入ってくだろうな。

 

 

お湯の入れる音が聞こえてくると、シルヴィアも戻ってきた。

 

 

八幡「そのまま行かなかったのか?」

 

シルヴィア「今は少しでも長く八幡くんの近くに居たいから。ねぇ八幡くん。またやってくれないかな?さっきの抱き締めながら頭撫でるの。凄く気持ちよかったし、落ち着くから。いいかな?」

 

八幡「わ、分かった。」

 

 

うぅむ、さっきは全然意識してなかったが、女の子の身体ってのは、凄く柔らかいな。それにこの前の柑橘系の香りがする。

 

シルヴィも目瞑ってるな。

 

 

シルヴィア「ん……」

 

八幡「また寝るなよ?」

 

シルヴィア「寝られないよ。この感じをもっと長く感じていたいから。」

 

八幡「………そうか。」

 

 

不思議と今は恥ずかしさがない。まぁ今更かもな、さっきもやってたし。

 

 

風呂が沸くと、シルヴィは名残惜しそうにしながらも風呂の方へ行き、風呂から上がったシルヴィがこっちに来た頃合いで、俺も風呂へと入りった。

 

言うまでもないが、風呂から上がった後のシルヴィは蒸気で頰を染めていた上に、すげぇ色っぽかった。

 

あれって反則じゃない?上がった後にも抱きつかれたし、あの子ちょっと節操なくなってきてるよ。

 

 

だが俺たちにはまだ問題があった。寝る場所だった。普通のダブルベッドではなく、キングサイズのベッドだった。最初は部屋変えてもらおうと思ったが、あの雰囲気だったからな。すっかり忘れてた。

 

 

八幡「シルヴィ、一応言っていいか?」

 

シルヴィア「ダメだよ八幡くん、床で寝るなんて言わないでね?」

 

 

流石シルヴィアさん、俺のことを大変よく分かっていらっしゃる。

 

 

八幡「け、けどなぁ……」

 

シルヴィア「わ、私は別に八幡くんとなら……エ、エッチな事してもいいけど、ここじゃダメだからね?普通のホテルなんだから/////」

 

八幡「お、おい!///そんなこと言うなよ。余計寝にくくなるじゃねぇか。」

 

シルヴィア「と、とにかく!床では寝ちゃダメッ!ベッドしか認めないからね!」

 

八幡「わ、分かったよ。」

 

 

多分譲らないだろうからな。こうなったら絶対動かないタイプみたいだしな。

 

 

八幡「一応聞くが、寝る時も撫でて欲しいのか?俺にはそう言う風に見えるが。」

 

シルヴィア「う、うん/////」(ポッ)

 

八幡「………分かった。」

 

 

呆れながらも俺とシルヴィは、ベッドに寝転がって布団を掛けた。勿論、シルヴィはその直後に抱きついてきた。

 

 

八幡「お前……凄い素直になったよな。」

 

シルヴィア「……きっと今だけだよ。明日になったら、恥ずかしくなって出来ないと思うから、今の内に目一杯やっておくの。」

 

八幡「さいですか。」(ナデナデ)

 

シルヴィア「んっ………やっぱり落ち着く。これならすぐに眠れそうだよ。」

 

八幡「俺は眠れそうにないな。女の子にこうしてる時点でそれは決定だ。」

 

シルヴィア「そう?意外にもすぐ寝ちゃうものかもよ?」

 

八幡「安心しろ、絶対お前より先には眠んない自信はある。」

 

シルヴィア「私だってこんな良い時間(とき)に早く寝るなんて無粋なマネはしないよ?長く起きていたいな。」

 

八幡「ほう、じゃあ勝負だな。」

 

シルヴィア「望むところだよ。」

 

 

………

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………

 

 

八幡「……ぷっ。」

 

シルヴィア「……ふっ。」

 

2人「はははは……」

 

 

俺とシルヴィは同時に笑った。やっぱ可笑しかったんだな。

 

 

シルヴィア「ふぅ……こんなことしても意味ないし、早く寝よっか、八幡くん。」

 

八幡「あぁ、そうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「お休み、八幡くん。」

 

八幡「お休み、シルヴィ。」

 

 

そう言って2人は、すぐ眠ってしまった。お互いに抱き合いながら幸せそうな笑顔で。

 

 

 

 




僕もこんな事してみたいなー。


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