学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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始まりの場所

 

 

八幡side

 

 

………思えばあの日に色んな負の感情が爆発したから星脈世代になれたんだよな。けど、なれるもんなのか?血縁にも血統にも星脈世代がいない人間が、ただ負の感情が溜まりに溜まった状態を一気に解放したら星脈世代になれるのは?現実的には不可能だと思うんだが………まぁ俺はそんなもんに興味ないからいいけど。

 

今俺たち3人一行は、俺が星脈世代になった場所を目指している。総武高に近い場所にあるからあまり遠くはない。それに、広場みたいになってるから散歩している人や、ジョギングしている人もいる。冬でも芝生の上で寝転がっている人も偶にいるしな。今はわからんが。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん、八幡くんの星脈世代になった場所って何かあるの?」

 

八幡「いや、特別何かあるわけではないな。そこに隕石が降ったなんて情報も無いしな。」

 

シルヴィア「それって千葉の端っこにあるの?」

 

八幡「端ではないが、海が見えるな。それに海の逆側は街が見える。夜になったら明かりがついてるから、低い摩天楼みたいな感じだ。」

 

シルヴィア「へぇ〜。」

 

 

………そういえばあの時は秋の丁度いい季節だったのにも関わらず、周りには誰も人がいなかったな。少し暗くなっているとはいえ、あの場所にあの時間帯で人が0になるとは思えない。

 

 

オーフェリア「………どうしたの?」

 

八幡「ん?あぁいや、何でもない。ただ、思い返してみると、あの時は人が誰も居なかったなぁって。誰もいなくて良かった。そしたら俺は今頃、モルモットになってるかもしれなかった。」

 

シルヴィア「それは大袈裟なんじゃ………」

 

八幡「いやいや、そうも言い切れないって。オーフェリアには劣るとはいえ、星辰力はある方だからな。」

 

オーフェリア「………あったかもしれないわね。アルルカントの《超人派》が欲しがりそうだわ。」

 

 

やめて……そんな事言わないで。

 

 

ーーー展望台ーーー

 

 

八幡「……此処だ。此処が俺が星脈世代になった場所だ。特に何も感じない、普通のところだろ?」

 

シルヴィア「うん、確かに何も感じない。万応素だけかとおもったけど、それだけじゃない。マナダイトやウルム=マナダイトの力も一切感じない。本当に普通の場所。」

 

オーフェリア「………えぇ、私にも感じないわ。」

 

八幡「だろうな。俺はこの場所で確かに星脈世代になった。それは小苑さんにも聞いている。おかしな話だ。万応素も何もないような場所で星脈世代になったんだからな。」

 

 

そんな事例や前例なんてないからな。あったら不思議には思われないだろうが、ないからこそ逆に怖い。

 

 

八幡「………あの日から、7年前の10月から変わっちまったんだよな。俺の日常の全てが。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………戻りたいの?」

 

八幡「まさか。例え戻れる道があったとしても、俺は戻る気なんてサラサラねぇよ。力に目覚めたのに何でわざわざ戻りたいって思えるんだよ。」

 

オーフェリア「………私だったらこの力は今すぐにでも投げ出したいわ。」

 

八幡「………悪い、そんなつもりで言ったわけじゃなかったが、オーフェリアにとっては自身の《魔女》としての能力は最悪だよな。」

 

オーフェリア「………えぇ。でも貴方がなんとかしてくれたから、今はもう平気よ。」

 

 

……失念していたな。オーフェリアは好きでなりたかったわけでもない星脈世代にさせられたんだよな。オーフェリアからしてみれば気分のいい話ではなかったな。

 

 

シルヴィア「それにしても此処って遊具とかもたくさんあるんだね。遊びはみたいな感じかな?」

 

八幡「広場みたいな感じだからな。子供たちもよく遊ん出たりするぞ。今はどうか分からないが、遊んでるんじゃないか。今は居ないけどよ。」

 

シルヴィア「ねぇ、ちょっと遊んでいかない?私こういうところで遊んだことってあまりないんだ。」

 

オーフェリア「………私もないわ。ずっと孤児院で育ってきたから。出来れば私も遊んでみたいわ。」

 

八幡「俺も構わないぞ。俺もこういうところで遊んだことはあまりし、少し興味もある。」

 

シルヴィア「じゃあ皆で遊んじゃおっか♪色んな遊具があるから色んな遊びができるよ!」

 

 

その後、俺たちはその場所にある遊具を使って遊びまくった。登ったり滑ったり走ったり飛んだりして。勿論遊具だけで遊んでいたわけではない。遊具を使わない遊びもたくさんした。

 

 

シルヴィア「はぁ……はぁ……あぁ〜疲れたっ!はぁ……でも、こんなに楽しい疲れ方は初めてかも。」

 

オーフェリア「………そうね。」

 

八幡「俺もだ。こんなに遊んだのは初めてだ。」

 

 

最近は遊ぶなんて事はしてなかったからな。そんな暇がないというか、忙しいからな。

 

 

シルヴィア「……こうやって芝生の上に寝転がるのも初めてかも。」

 

八幡「俺は何度かあるが、その時の記憶がないから初めてみたいなものだな。」

 

オーフェリア「………私の生まれ育った場所はそんな所なかったから、ベッドの次に居心地が良い感じがするわ。」

 

八幡「ベッドの次に居心地の良い床か……なんか、説得力があるな。そんな気がするしな。」

 

シルヴィア「天然のベッドって奴かな?お布団はないけどね。」

 

 

もし寝たら風邪引くのは確実だな。2月だし。

 

 

オーフェリア「………あまり雰囲気を壊したくないのだけど、今何時かしら?」

 

八幡「………11時半だな。オーフェリアはそろそろ横浜に戻らないといけない時間か?」

 

オーフェリア「………そんなにマズイ時間ではないけど、余裕は持っておいたほうがいいわよね。」

 

八幡「なら3人で飯を食べてから横浜に行ったらどうだ?3人で飯食う時間くらいならあるだろう。」

 

シルヴィア「あっ、そうだね!そうしようよ!」

 

オーフェリア「………えぇ、私もそうしたいわ。」

 

八幡「じゃあ場所は………」

 

シルヴィア/オーフェリア「「サイゼで!(………サイゼよ。)」」

 

八幡「な、なんだよ急に?」

 

シルヴィア「八幡くんがよく行ってたんでしょ?ならそこに行きたい!」

 

オーフェリア「………私も行きたいわ。」

 

八幡「まぁ2人がいいのなら俺は構わないが……いいのか?」

 

2人「うん!(………えぇ。)」

 

 

………決まりだな。

 

 

八幡「んじゃサイゼに行くか。」

 

シルヴィア「道案内をよろしくね♪あ・な・た♡」

 

オーフェリア「………お願いするわ、旦那様。」

 

 

………君たち本当に仲良いね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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