オーフェリアside
………やっぱり至高だわ、八幡のベッドで八幡に抱き着きながら眠るというのは。いえ、至高という言葉が物足りなく思えるくらいの価値があるわ。夜が過ぎて今は朝の5時半を回っているわ。早く起き過ぎてしまったけど、私にとっては好都合だわ。だって八幡と一緒に寝られるという時間を堪能出来るんだもの。
オーフェリア「………」
………良い匂いだわ。花の匂いの次に好きな匂い。だから昨日は10時間も眠ることが出来たんだわ。八幡の匂いを嗅ぐと、やっぱり安心感が溢れるのよね。でも八幡、昨日眠ってからずっとこの状態だったのかしら?姿勢が良いままだわ。少しくらい寝返りしてもいいんじゃないかしら?
※君たちが抱き着いて眠ったせいです。
………このままもうちょっと眠っていたいけど、そうしたらこの時間が勿体無いわ。だから頑張って起きている事にしましょう。
ーーー1時間後ーーー
八幡「……ん?おぉ朝か。」
オーフェリア「………おはよう八幡。」
八幡「おぉ、起きてたのかオーフェリア。おはよう。いつから起きてたんだ?」
オーフェリア「1時間前からずっとよ。」
八幡「1時間前?二度寝すりゃよかったのに……なんで起きてたんだ?」
オーフェリア「………八幡の匂いに包まれているのに加えて八幡に抱き着いているのよ?そんな尊い時間を眠るのに使えないわ。1日の睡眠は省いて。」
八幡「あぁ、そうっすか……あっ、思ったんだが、お前リーゼルタニアには帰国してるのか?」
オーフェリア「………してるわ。年に1〜2回は帰って孤児院で子供たちと遊んだりしてるもの。」
八幡「そうか……孤児院の人たちなんか言ってなかったか?大分前に帰ってるとは思うが、お前の身体とかについて。特に毒についてはな。」
オーフェリア「………聞かれたわ。でも六花最強の男の人のおかげで治ったって報告してあるわ。その瞬間皆私を抱いて泣いていたわ。」
八幡(そりゃそうだ。実験とはいえ星脈世代の魔女になったが、無尽蔵な星辰力のせいで自身の毒すら制御出来なかったんだ。その上、周りには被害が出るし、大好きな花も枯らしてしまうしで最悪だっただろう。そんな最悪な人生にやっと花が咲いたんだ。そりゃ泣くわな。)
八幡「その孤児院の人、余程お前が心配だったんだろうよ。良かったじゃねぇか、【華焔の魔女】以外にもそんな風にしてくれる人がいてよ。」
オーフェリア「………えぇ、これも全て八幡のおかげだわ。本当にありがとう。私がこうやっていられるのも全て貴方のおかげだもの。」
事実、本当に私はそう思っているわ。だってあの7年前の噴水のある花畑で八幡に出会っていなかったら、私はきっと今でも運命は覆せないものだと言っていたと思うわ。それが、そんな想いが出会って1週間くらいで覆されてしまったわ。これを感謝しないでいられる人なんてどこにもいないわよ。
八幡「……まぁ、何ともないんならいいんだ。俺としても作った甲斐がある。学院でも普通に過ごせてるみたいで何よりだ。」
オーフェリア「えぇ、何ともないわ。残り少ない学院生活だけど、残りも満喫するつもりよ。」
八幡「そうか。」
シルヴィア「ん〜……んん?もう朝ぁ?」
八幡「どうやら寝坊助が起きたみたいだ。」
オーフェリア「っ……ふふっ!そうみたいね。」
八幡、やめて頂戴。
シルヴィア「おはよぉ〜八幡くん、オーフェリアさん。まだお眠になっててもいい?」
オーフェリア「………なら八幡は私が独り占めするけど、いいかしら?」
シルヴィア「それはダメだから今起きるね。うん、パッチリ目が覚めたよ。」
………少しくらいは時間を分けてくれてもいいと思うのだけど。
………その後は洗面台に行って着替えたり髪を整えたりしてたわ。因みに今日の私も絶好調よ。八幡に包まれて眠ったおかげね。
ーーー居間ーーー
八幡「俺の学院だったら朝稽古している奴がいる時間だな。俺なんて朝飯作ってるくらいの時間なのに……朝稽古なんて俺、1度もした事ねぇよ。」
オーフェリア「………何か違うのかしら?」
八幡「向上心とかだろうな。後は半分眠ってる身体を起こすとか。」
シルヴィア「単純だけど、効果はありそうだね。」
………私は体術はそんなに嗜まないから分からないけど、今ならナイフを使うから少しなら出来るのかしら?でもレヴォルフにはそんな場所、模擬戦をするステージくらいしかないわね。
八幡「まぁいいか。さて、母ちゃんと親父が起きてくる前に朝飯作るか。」
シルヴィア「今度は洋風のアレにしようよ!」
オーフェリア「………焼いたトーストにベーコン、目玉焼きかスクランブルエッグ、牛乳かオレンジジュースにサラダ、と言ったところかしら?」
シルヴィア「流石オーフェリアさん、分かってる!」
八幡「んじゃあ今回は2人に任せるか。俺は一切手出ししないから。」
オーフェリア「………サボる気?」
八幡「ん?愛妻が作る朝飯を待つだけなんだが、ダメか?なら手伝うが?」
シルヴィア「任せて八幡くん!!愛妻が作る愛がたくさん詰まった朝ごはんを作るから!!」
オーフェリア「私も張り切って作るわ。夫のために作る朝ご飯は素敵だと思うわ。任せて頂戴。」
八幡「お、おう……任せた。」
その後、シルヴィアとオーフェリアは抜群なコンビーネーションで調理を始めて出来上がった頃には比企谷両親も居間にいた。全員揃って朝食を摂ることができたのであった。
因みに2人の料理はとても美味だったとのこと。