学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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襲来?

 

 

八幡side

 

 

何時間小苑さんの店にいたんだろうな。入った時はまだ晴れてた空が出る時にはもう陽が落ちてた。時間なんてそんなに気にしてなかったからそのまま過ごしていたが、恐らくは3時間は軽く超えているだろう。

 

まぁそれも当然かもしれない。小苑さんの話にはいつも惹かれてしまう。あの人は俺の知らない事ばかりを教えてくれるからだ。今回に至ってもそうだ。あの人がよく職を変えるというのも初めて知ったし、鉄細工をしてるのも初めて知った。だがその金はどこから来ているのかは分からないままだが。

 

にしても、この鈴は良い音だ。金剛鈴というものらしい。音は普通の鈴と比べて低いんだが、そこに気品さがあるような音だ。2つもあるから六花の家に帰ったら玄関の扉にでもぶら下げるか。シルヴィも気に入ったみたいだからな。

 

 

八幡「にしても去年ぶりかぁ……意外とすぐに来ちまうもんなんだな。」

 

シルヴィア「ほんの1年前の事なんだよね。カマクラくん元気にしてるかなぁ〜。」

 

八幡「まぁ行ってみれば分かるだろう。デブってなけりゃ良いが。母ちゃんも親父もライブには見に来てくれていただろうから元気なのは分かったし、この時間ならもう家にいるだろうしな。」

 

シルヴィア「そうだね!じゃあ行こっか!」

 

 

ーーー電車・車内ーーー

 

 

ヒソヒソ……ヒソヒソ……

 

 

八幡「移動手段が電車くらいしかないからな。タクシーなんて使ったらバカ高いから使えたもんじゃない。まぁそれも千葉までの辛抱だけどな。」

 

シルヴィア「やっぱりあまり変わらないよね。六花の電車と。」

 

八幡「違うといったら地上を走ってるか、空を走ってるかの違いだな。」

 

シルヴィア「ふふっ♪もしくは、地上に張り付けられながら走っているか、空から吊るされて走っているか、だね!」

 

 

………急に電車が不憫に思えてきた。言葉の力って恐ろしいね。

 

 

シルヴィア「倉庫でも中華街でもお買い物はあまりしなかったね。見て回るので楽しんじゃったせいかな?充分楽しかったから良いんだけどさ!」

 

八幡「俺ら、買い物といえば食材みたいなものだからな。インテリアの買い物なんてした事ないしな。今はまだやってないが、店の内装やインテリアも落ち着いた風にしてもらっただけであって俺たちが決めたわけじゃないからな。今度は俺たちでやってみるか。」

 

シルヴィア「うんっ!じゃあそうなったら小苑さんの鉄細工の作品をテーブルの上に置くとかはどうかな?あっ、でも窓の位置に置くのも良いなぁ……」

 

 

様々な可能性を考えて始めているシルヴィであった。俺も考えてはいるからな?

 

 

ーーー千葉駅ーーー

 

 

シルヴィア「んん〜!あぁ〜着いた!乗り換えがあったから座りっぱなしではなかったけど、やっと目的地に着いたね!長く住んでいたわけでもないのに懐かしく感じるよ。」

 

八幡「大袈裟だって言いたいが、今は俺も懐かしく感じる。この前きたのは10月だったから……ちょっとは気温とか似てるんだな。」

 

シルヴィア「少し冷えるくらいだね。」

 

 

………うぅ〜寒っ!急に冷えた風が吹いて来やがった。早く家に行くか!

 

 

八幡「シルヴィ、行くか。」

 

シルヴィア「はーい♪」

 

 

ーーー比企谷家ーーー

 

 

八幡「漸く着いたな。1時間半くらいか?」

 

シルヴィア「そのくらいだね。やっぱりこっちは寒いね。六花があったかいっていうのが分かるよ。手袋は必須アイテムだねっ!」

 

八幡「あぁ、六花では手袋してなくてもいられるからな。こっちは無理だな。なくちゃ手がかじかむ。んじゃ、早速入るか。」

 

 

さて、ただいまの一言でも言ってやるか。

 

 

ガチャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………?」

 

八幡「………………え?」

 

 

ん?あれ?俺幻覚でも見てるのか?目の前に私服姿で雑巾みたいなのを持ちながら棚を吹いているオーフェリアがいるんだが……あっ!これは幻覚ですね!オーフェリアが家にいるわけがない。教えてもいねぇし。

 

 

ガチャッ

 

 

シルヴィア「あれ?八幡くん入らないの?」

 

八幡「いや、ちょっと幻覚見ただけだ。すぐ入るから待っててくれ。」

 

 

よし、はいもう1度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………お帰りなさい、八幡。」

 

 

ガチャッ

 

 

うっそおぉぉぉん!!?なんで居るの!?え!?何で!?何で家の場所知ってんの!!?

 

 

シルヴィア「は、八幡くん?」

 

八幡「………シルヴィ、落ち着いて聞いて欲しい。」

 

シルヴィア「な、何?散らかってるとかなら別に気にしないから平気だよ?」

 

八幡「いや、もっと悪い……オーフェリアがいる。」

 

シルヴィア「………え?」

 

八幡「信じられないかもしれないから、今度は同時に行くぞ。」

 

シルヴィア「う、うん。」

 

 

よし、三度目の正直だ。

 

 

ガチャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………お帰りなさい、八幡、シルヴィア。ご飯かしら?お風呂かしら?それとも……私かしら?」

 

八幡「そんなお出迎えを三つ指をつきながら言うなっ!!お前何でここにいるんだよ!!?」

 

オーフェリア「………挨拶?」(コテッ)

 

 

よし分かった。オーフェリアには六花に帰ったら執事の刑確実執行だ。

 

 

シルヴィア「でも、どうしてここに?」

 

オーフェリア「………握手会の後に八幡の両親に『家に来ないか?』って誘われたのよ。勿論私は即決でOKしたわ。」

 

シルヴィア「そ、即決なんだ。」

 

オーフェリア「………そして昨日は八幡のベッドで寝たわ。熟睡できたわ。過去最高の10時間よ。」

 

八幡「お前サラッと不法侵入した事言いやがったな……まぁいいや。お前も羨ましがるなよ?」

 

シルヴィア「そ、そんな事思ってないもん!」

 

オーフェリア「………1日住んでみて凄く感じたわ。家庭というのはこんなにも温かいものなのね。八幡は良い両親に恵まれたのね。」

 

 

………そういえばオーフェリアには俺の過去の家庭事情を話していなかったな。まぁ今更だから話さないけど。

 

 

オーフェリア「………外は寒かったでしょう?早く居間に行きましょう。お茶を出すわ。」

 

八幡「分かってるとは思うが一応言っておくぞ?此処はお前の家じゃないからな?」

 

シルヴィア「あはは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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