学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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さて、いよいよライブが始まりますが、何があるんでしょうね?


ライブ開始!の前に……

 

 

シルヴィアside

 

 

いよいよライブがスタート、しかもこれで最後の………私の公式最後のライブ。これが終わったら正式に引退。絶対に失敗なんて出来ない。

 

 

八幡「落ち着け。」

 

シルヴィア「っ!は、八幡くん。」

 

八幡「肩に力が入り過ぎだ。いつものお前らしくないぞ?力を抜け。リラックスだ、リラックス。出ないと歌えなくなっちまうぞ?」

 

シルヴィア「そ、そうだね………」

 

八幡「絶対に失敗出来ないとか考えていたんだろ?」

 

シルヴィア「やっぱり八幡くんには分かっちゃうんだね。流石は私の彼氏くんだね。」

 

八幡「当たり前だ。一応言っておくが、もう10年くらいの付き合いになるんだぞ?それくらい分からなくてどうする。」

 

シルヴィア「……そっか、もう10年になるんだね。」

 

八幡「だな。だから今日はいつものお前らしくやればいいんだよ。最高なんて目指すな。その舞台はペトラさんや他の皆が作ってくれる。勿論俺もサポートはする。お前は堂々と歌えばいい。シルヴィア・リューネハイムの歌を見せてやればいい。」

 

 

嬉しいなぁ………こうやって側にいるだけでも落ち着くのに、私の事をちゃんと見てくれてる。

 

 

シルヴィア「……八幡くん、君から勇気をもらいたいんだけど、いいかな?」

 

八幡「ダメな理由があると思うか?」

 

シルヴィア「ううん、八幡くんなら許してくれると思ってる。」

 

八幡「なら……愚問だろ?」

 

シルヴィア「ふふっ……そうだね。」

 

 

私たちはその場で唇を交わした。唇から全身に八幡くんが流れ込んでくるかのように、幸福感と安心感が広がった。

 

 

シルヴィア「んっ………うん、行けそう。今なら十二分に力を発揮できそうだよ。」

 

八幡「俺も同じだ。シルヴィのおかげで調子がうなぎ上りになった。」

 

シルヴィア「じゃあ行こっか!」

 

八幡「あぁ。」

 

 

そして私と八幡くんは、同時にステージへと向かった。そこには冬とは思えないくらいの青空、目の前には壮大とも言える程の観客数だった。

 

 

シルヴィアsideout

 

ーーーーーー

 

 

シルヴィア「皆〜!今日は来てくれてありがとう〜!」

 

 

〜〜〜〜〜っ!!!!!!

 

 

シルヴィア「うんっ!皆元気いっぱいだね!今日の為に合わせてきてくれたのかな?そうだとしたら、私はすごく嬉しいなっ!」

 

八幡「これだけの人数の前で歌うのも初めてだしな。いつもより気合が入るってもんだ。」

 

シルヴィア「さて、ここで皆さんに悪いニュースが2つ程あります。私、シルヴィア・リューネハイムは今回このライブが終わりましたら、正式に引退することを発表致します。前以て言うのは、その言葉を取り消さない為です。なので皆様、どうか私の最後のライブを思い切り楽しんでいってください!!」

 

 

〜〜〜〜〜っ!!!!!!

 

 

シルヴィア「ありがとうございますっ!!そしてもう1つの悪いニュースは……これは私だけではなく、隣にいる八幡くんや関係者スタッフ、そして皆様にもご不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。ですが、今日は包み隠さず全てを曝け出して終わりたいので、発表します。今日この会場に入れる人数は70000人です。それはネットや情報誌にもお伝えした通りです。」

 

シルヴィア「今回のライブでは徹底した対策を取りました。誠に残念なお知らせになってしまいますが、30名の偽造チケットを使用した方々がいました。」

 

 

シルヴィアの告白に会場がどよめいていた。それもそのはず。彼女のライブで偽造チケットを使ったのだ。ファンからしてみれば許せない事だろう。

 

 

八幡「今回はその30名を捕えました。皆様から向かってステージの右側をご覧下さい。」(パチンッ!)

 

 

八幡が指を鳴らして。その瞬間、右側にあった黒い大きなボックスが消えて鉄格子があった。その中には、犯罪を犯したであろう30名の人がいた。

 

 

1「な、なんだこれは!?檻!?」

 

2「これって俺たち、閉じ込められてるんじゃ!?」

 

3「バカ言うなよ!受付に言われてこっちに来たんだぞ!間違えるわけねぇだろ!」

 

4「けど、さっきのシルヴィが偽造チケットを使用した人々って……」

 

 

今の状況を理解出来ないでいる30人は檻を叩くなど扉を開けようと必死だった。その中には葉山隼人もいた。

 

 

シルヴィア「お見えになっていると思いますが、彼らはライブのチケットを偽造して使用した人たちです。私は自分のライブで犯罪者を出したくありませんでしたが、今回は最後のライブですので、潔く終わりたいです!なのでこの中にいる30名の方たちを偽造有価証券行使等罪で警察へと突き出します!」

 

 

檻内一同「「「っ!!?」」」

 

 

シルヴィア「警備員の皆様は檻の中にいる方たちの逮捕をお願いします。そして会場にいる皆様にはライブが遅れてしまった事と、今回の偽造チケットでご迷惑をおかけした事をお詫びします。申し訳ありませんでした。」

 

 

シルヴィアは頭を90度下げ、八幡もそれに続いて頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、観客側からは盛大な拍手と歓声が上がった。

 

 

ファン男1「気にすんなよシルヴィアちゃん!!」

 

ファン男2「俺たち気にしてねぇから!!」

 

ファン男3「逮捕されて当然だあんな奴ら!!」

 

ファン男1「シルヴィアちゃんが謝る事ねぇって!!悪いのはそいつらだ〜!!」

 

 

 

ファン女1「卑怯者を捕まえてくれてありがとう〜!」

 

ファン女2「カッコ良いよ〜!!」

 

 

 

 

 

シルヴィア「………ありがとうございます!!凄く嬉しいです!!では、彼らがいなくなるまで少々お時間を「そうは行かない!!」……え?」

 

 

檻から出てきた奴が1人暴れ出した。葉山隼人だった。警察官はあっという間に投げ飛ばされてしまった。それもそのはず。葉山は星脈世代で警察官は非星脈世代、身体能力には大きな差がある。

 

 

そして葉山はステージへと真っ直ぐ走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




葉山暴走!!さて、どうするんでしょうね?

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