学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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最後の打ち合わせ

 

 

八幡side

 

 

現在11時半。客はかなり収容出来ているみたいだ。手が空いているスタッフも入り口付近で手伝いをしているため、順調に人を中に入れられているみたいだ。偽造チケットをした奴らは………今のところ19人か。まだ行列は続いてるから偽造チケットを持ってる奴はまだいるだろうな。俺も行きたいところだが、それは出来ないからな。それにもうすぐ打ち合わせもある。俺が出ていくわけにはいかない。

 

……よく見たら、偽造チケットを持ってる奴らの中に葉山みたいな奴がいるな。もしかして本人か?俺の能力じゃあ特定までは出来ないから確認できないな。まぁどの道こいつらの処遇は打ち合わせで決めるからな。決めるっつっても、最終的な判断はシルヴィかペトラさんに一任する予定だけどな。俺はただ違法した奴らをあぶり出しただけだ。その後どうするかは、このライブの主催者と主役に決めてもらうのが1番だろう。

 

 

シルヴィア「ふふふ、オーフェリアさん来てくれたみたいだね。」

 

八幡「あぁ。うちの両親の隣にするなんて、お前も中々粋な事をするんだな。」

 

シルヴィア「ちょっとしたドッキリみたいなものだよ。別に驚かしてやろうってつもりはないけどね。」

 

八幡「………おい、陽乃とめぐりもいるぞ。」

 

シルヴィア「えっ?ホントに?めぐりさんって本当に運が良いんだね〜!私と八幡くんが参加したライブは全部で3回だけど、それに全部当たってるんだもん!」

 

八幡「大したもんだな。それもかなり良い席取れてるし。結構な金額注ぎ込んだんじゃ……」

 

 

いや、考えるのやめておこう。こういう事は考えない事が1番だしな。

 

 

シルヴィア「でもこうやって見るとさ、六花の生徒も多少はいるんだね。ほんのちょっとだけど、いるのが分かるよ。」

 

八幡「そうだな。ウチにはお前の熱狂的なファンがいるからすぐに分かったけどな。」

 

シルヴィア「虎峰くんの事でしょ?彼も何気ない服装だけど、なんかすぐに気がつくんだよね〜。何でだろう?見慣れちゃってるからかなぁ?髪の色とかで。」

 

八幡「それもそうかもしれないな。六花外にオレンジの髪色した奴なんて限られてくるしな。職業柄染めてるか、悪い方向に向かってしまったかのどちらかに。」

 

 

まぁ虎峰は地毛だろうけどよ。あれで染めていたら、俺今後虎峰にどう接していいか分からなくなる。まぁ今後はそんなに接点持たなくなるとは思うんだけどよ。

 

 

「シルヴィアちゃ〜ん!比企谷く〜ん!そろそろ打ち合わせだよ〜!」

 

シルヴィア「あっ、はーい!今行きま〜す!八幡くん、行こっか!」

 

八幡「あぁ。」

 

 

ーーー会議室ーーー

 

 

ペトラ「皆揃っているね?じゃあ打ち合わせを始めるわよ。今回は今までやってきたライブの中でも、最高規模の人数を誇っているわ。その数は70000人よ。この数はシルヴィアを応援してくれているファンの事だけど、貴方たちスタッフがいてこそのファンだと私は思っているわ。そして今日で、シルヴィアのライブは全てに終止符を打つ事になるわ。全員、失敗は絶対に許さないわ。シルヴィア・リューネハイム最後のライブはこれまでで1番最高のものにしなさい!!」

 

 

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

 

それからの打ち合わせは順調に進み、問題なく終わろうとしていた。

 

 

ペトラ「じゃあ最後ね……八幡くん、貴方からは何かある?例えば……偽造チケットを使った人の件とか。」

 

八幡「それは俺ではなく、ペトラさんかシルヴィに任せたいと思ってます。いくら俺が考えた策とはいえ、このライブの主催者と主役を立てなければ意味はありません。最終的な判断は2人にお任せします。俺が口出ししていい立場ではないので。」

 

ペトラ「そう………シルヴィアはどうしたいの?」

 

 

一気に視線がシルヴィに集まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………私は八幡くんに助けられてばかりでした。いつも八幡くんが私の前に出て守ってくれていました。でも今回は、今回ばかりは私が八幡くんを守りたいです。なので、彼らは、偽造チケットを使って中に入ろうとした人たちには断罪を受けてもらいます。私は彼らを許すつもりはありませんし、その判断で私のファンをやめると言うのならそれでも構いません。私も八幡くんと同じで、たとえ世界中から嫌われようとも、八幡君さえいればそれで構いません。」

 

「「「「「………………」」」」」

 

 

シルヴィの声だけでも分かる。本気だ……シルヴィは本気で違法をした奴らを断罪するつもりだ。

 

 

ペトラ「……決意は固いみたいね。分かったわ、違法者については貴女に一任するわ。」

 

シルヴィア「ありがとうございます、ペトラさん。彼らにはちゃんと罪を償ってもらいます。」

 

 

偽造した罪は、有価証券偽造罪という罪になる。この罪に問われたら3ヶ月以上10年以下の懲役になる。どのくらいの懲役になるかは分からないが、主犯、そして作った奴は少なくとも3年以上にはなるだろうな。

 

 

ペトラ「それじゃあ打ち合わせは終了よ。シルヴィア、最後のライブ、思いっきりやりなさい。八幡くんもサポートをよろしくね。」

 

シルヴィア「はい、思いっきりやってきます!」

 

八幡「任せてください。シルヴィの安全は俺が保証しますので。」

 

 

こうして打ち合わせが終わり、観客も全員入り、いよいよライブが始まる。残り時間、10分をきっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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