八幡side
ふぅ……やっと終わった。これでα1〜4、β1〜4、γ1〜4の12機に全部データ移し終えた。まぁ機材にデータを移すだけだったから思ったよりも早く終わったな。後はこの事をスタッフの皆さんに言えば済むな。
八幡「終わりました。取り敢えずはミーティングの時に一通りやり方を教えてから全員に打たせるって感じですね。ぶっつけ本番じゃあアレなんで。」
ペトラ「それもそうね。こんな時間にご苦労様。」
八幡「いえ、こちらこそすいません。こんな早い時間に仕事みたいなのさせちゃって。」
ペトラ「いいのよ。この時間に起きる事は別に私にとっては珍しい事じゃないから。あの子とのライブで海外に行くでしょ？それで慣れたわ。」
やっぱり何度も思うが、慣れって恐ろしいよね。
ペトラ「八幡くんも少しだけ寝てきたらどう？今はまだ5時半だから2時間くらいなら余裕あるわよ。朝食は8時からだから。」
八幡「そうですね………じゃあ部屋に戻って仮眠してきます。ペトラさんも仮眠を取るんですか？」
ペトラ「私はライブの設営とかの見直しとかをするから、ライブ前にこの時間に起きるのは当たり前になってるのよ。だから安心して眠ってきなさい。」
八幡「……分かりました。では、失礼します。」
ペトラ「えぇ、お休みなさい。」
ーーー八幡とシルヴィアの部屋ーーー
八幡「仮眠っつっても、画面とにらめっこしてたから目が冴えちまってるんだよな。椅子に座って目を瞑るだけでもいいか。」
ガチャッ
八幡「たでーま。」
分身「おう、戻ったか。どうだった？」
八幡「採用されたぜ。」
分身「おめでとさん。」
八幡「俺、少し仮眠取るから。あっ、別に消えてもいいからな？」
分身「ならこっちに来てくれよ。」
八幡「いや、そっち入ったら爆睡しそうで怖いから遠慮しておく。」
分身「どうせ目が冴えてるくせによ。」
流石は俺の分身。俺の事を熟知している。いや、俺自身だから当たり前か。
八幡「んじゃ、そういう事で頼んだ。」
分身「結局かよ……分かったよ。2時間後まで、御機嫌よう。」
さて、眠るとしますかね。
ーーー1時間半後ーーー
八幡「……ん、んんぅ〜……おぉ、7時か。」
シルヴィア「うん、7時だよ。」
八幡「そうか。じゃあ後30……あら？」
シルヴィア「おはよっ！八幡くんっ♪」
八幡「お、おう、おはようシルヴィ。」
シルヴィア「それにしても、八幡くんも中々ヒドイよね。私を分身に任せて1人椅子で仮眠なんて。」
八幡「……分身から聞いたのか？」
シルヴィア「うん。私のライブのためにありがとう。でも、出来ればベットで寝て欲しかったよ。その方が少しでも疲れが取れたでしょ？」
八幡「……済まない。けど仮眠程度だったから別にいいと思ったんだよ。そんなにグッスリ眠るわけじゃなかったから。」
シルヴィア「それを考える辺りは八幡くんらしいけど、終わったら私の側に来る事！分かりましたか？」
八幡「肝に銘じておきます。」
シルヴィア「よろしい。じゃあ、後の30分は私の膝枕で寝ようね♪1時間半も1人で寝てた罰なんだからね。」
八幡「なんともお優しい罰です事。とってもありがたいね。」
俺はシルヴィの言うことに従ってベッドに乗ってから横になり、シルヴィの膝に俺の頭を乗せた。
八幡「あぁ〜良い枕だ〜。今まで頭に置いたどの枕よりも寝心地が良い。流石は最高品質の膝枕だ。」
シルヴィア「そっかぁ〜♪他には？」
八幡「良い匂いがするし柔らかい。あったかくてずっとこうしてたくなる気持ちになる。」
シルヴィア「もう、八幡くんってば褒め過ぎだよ。」
八幡「本心だが？」
シルヴィア「そうなの？でも嬉しいよ、私の膝枕なんかでそこまで言ってくれるなんて。」
八幡「何言ってんだよ。俺はシルヴィの膝枕だからこそ言えるんだよ。他の人のだったらこんなに感想言えない。」
実際、今までにシルヴィ以外の奴に膝枕なんてされた事ないし、した事もない。シルヴィオンリーなのだ。
シルヴィア「そう言ってくれると嬉しいなぁ。私も膝枕のやりごたえがあるってものだよ。」
八幡「膝枕のやりごたえって初めて聞いたな。まぁ兎も角、30分よろしくな。」
シルヴィア「はい、任されました。30分間の仮眠、ゆっくり眠ってね。」
八幡「おう。」
それからは匂いやシルヴィが居る安心感もあるからか、すぐに眠ってしまった。さすがはシルヴィアマジックだ。俺を一瞬で眠らせるとは……