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明日行われるシルヴィア・リューネハイムの引退ライブ。その発表がされた日、全世界から衝撃が放たれた。ある人はまだ早過ぎる、ある人はまだ現役でいて欲しい、ある人は自分の価値が分かってない、っと述べている。しかし、その言葉を聞いたところで彼女の心は揺らぐ事を知らず、前夜まで来た。
彼女の真意は彼女にしか分からない。故に今回は彼女とその彼、比企谷八幡の真意を探るのは次の機会にしよう。今回は2人の近くて遠いような存在の行動を探ることにしてみよう。
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小苑side
……久しぶりに戻ってきた横浜じゃが、相も変わらんのう。じゃが、そうじゃな……明日の影響もあってか、観光客の数が異常じゃな。それに、中には星脈世代もおるようじゃ。シルヴィアのライブに応募して当選した童たちじゃろうな。
まぁ、儂にとってそんな事はどうでも良い。儂はただ明日のライブを楽しむだけじゃ。中には入れずとも、楽しむ事は出来るからのう。
小苑「しかし多いのう……これでは観光なんてままならんじゃろうに。」
???「汪小苑様!!?」
ん?
虎峰「やはり小苑様でしたか!!私です、虎峰です!」
小苑「ほう……確か【天苛武葬】じゃったな。お主がここにおるという事は……目的は明日じゃな?」
虎峰「は、はい!明日の引退ライブはこの目に焼き付けておこうと思いまして!!」
小苑「ほほほ、若いのう。まぁそれも若さ故の行動じゃな。」
虎峰「小苑様はどうして此方に?」
小苑「ん?儂はこっちに戻ってきたというだけの事じゃ。大体、ここは儂と八幡が共に過ごした地でもある。戻ってくるのは当然じゃろう?」
虎峰「そうでしたか……」
小苑「ところでお主、宿は決まっておるのか?」
虎峰「それが、どこも満席でして………」
小苑「何じゃ、お主は宿も取らずに此方に来たのかえ?大胆な奴じゃのう。」
虎峰「ち、違います!予約しようと思ったのですが、見た時には何処も満席だったんです!」
成る程のう………
小苑「ならば儂の家に泊まるがよい。それなら困らんじゃろう?」
虎峰「よ、よろしいのですか!?」
小苑「構わん。後輩に優しくするのも先輩の務めじゃろうて。」
虎峰「あ、ありがとうございます!!」
人助けをするのも、悪くはないのう。
小苑sideout
比企谷両親side
比企谷母「あんた、いよいよ明日ね。」
比企谷父「そ、そうだな。」
比企谷母「八幡のライブなんて初めてだけど、目一杯楽しまないとね。」
比企谷父「そ、そうだな。」
比企谷母「ペンライトは買った?私は予備も買ってあるけど……なんか年柄もなく楽しみなのよね。」
比企谷父「そ、そうだな。」
比企谷母「………」
比企谷父「そ、そうだな。」
比企谷母(はぁ………まただわ。何でこんな風になるのかしら?この前の春休みに2人が来た時もそうだったけど、ガチガチになり過ぎよ。)
比企谷母「ちょっと?今からそんなんじゃ当日持たないわよ?あんた本当に行けるの?」
比企谷父「し、失敬な!大丈夫に決まっているだろう!!何を心配しているんだ!?」
比企谷母「あんたのソレ以外何を心配すればいいのよ、私は。」
比企谷父「う、うぅむ………」
比企谷母「もっとシャキッとしなさい。明日は息子と義娘のライブなのよ?」
比企谷父「い、いや、確かにそうなんだが……」
比企谷母「じゃあ私の友達にそのチケット上げてこよっか?」
比企谷父「いや、これは俺が使うんだ!!」
比企谷母(全く、本当に手間のかかる旦那ね。今から緊張してどうすんだっての。)
比企谷両親sideout
オーフェリアside
………シルヴィアから貰ったプレミアチケット。ライブなんて行った事がないからペンライト以外は飲み物を持って行くくらいしか分からないけれど、楽しめそうだわ。
………だって八幡の……違ったわ、八幡とシルヴィアの歌を間近で聞けるんだもの。エルナトでやった時とは違ってもっと激しい曲なのよね。今からペンライトを振ってもしょがないのだけど、どうしても振ってしまうわ。
オーフェリア「………八幡のカッコいいところを見るの、楽しみだわ。」
………っ!まただわ、また八幡だけになってしまったわ。別にそんなつもりはないのよ?どうしても八幡の事ばかりを考えてしまうから抜けてしまうのよ。シルヴィアの事を考えていないわけじゃないのだけど、どうしても私の中での八幡の優先順位が圧倒的に上だから。
オーフェリア「………こればっかりはどうしようもないわね。」
オーフェリアsideout
めぐりside
めぐり「いやぁ〜チケット取れて良かったですね!はるさん!」
陽乃「そうだねー。でも、明日でシルヴィアちゃんのアイドル人生が終わっちゃうのかぁ〜。なんだか寂しいね。私はそこまで見てたってわけじゃないけどさ。」
めぐり「そうですね……あっ!でもでも、六花に居るんですから、もしかしたら何かの講演会とかで出てくれるかもですよ!」
陽乃「あはは、うん、そうかもね。」
めぐり「それに比企谷くんの歌声も聞けるなんて、本当にラッキーですよ!あぁ……あの歌声を聴くのも5年ぶりなんだなぁ……そして最後の声でもあるのが残念。」
陽乃「さっき六花にいるんだからまた聞けるかもしれないって言ったのは誰だっけ?」
めぐり「はっ!!」
陽乃(この子、早速天然ボケだよ。)
めぐり「えへへぇ〜……」
陽乃「全く……自分で言ったことを忘れるんじゃないの。しっかりしてね?あなたは私の秘書なんだから。」
めぐり「はぁ〜い♪」