学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回、メチャメチャ進めました。




近くライブ

 

八幡side

 

 

あれから1ヶ月が経ち、もうライブは明日にまで迫っていた。それにしても、この船に乗るのも1年ぶりくらいだな。前は春休みの時に一時帰省したんだっけか?しかし、船を貸切にするって思い切った事するよな。前の千葉でライブした時は貸切じゃなかったからな。乗ってた人は少ないが、一般の人はいたからな。

 

 

シルヴィア「ん〜♪潮風が良いね〜。あんまり髪には良くないっていうらしいけど、気にならないくらい海の匂いと良い風が鼻を刺激してくれるね。」

 

八幡「……そうだな。」

 

 

隣にはシルヴィ。うん、お決まりのパターンだが全く悪くない。むしろ良いと言っていいでしょう。

 

 

八幡「ウチの両親は元気にしてっかねぇ……プレミアのチケットを渡して以来、連絡が来ないが……元気だったらいいんだが……」

 

シルヴィア「大丈夫だよ。お義父様もお義母様も元気に決まってるよ!だからそんな浮かない顔しないのっ!」

 

八幡「別に浮かない顔をしていたわけじゃないんだが……にしても、なんで今回は貸切なんだ?」

 

シルヴィア「今回は、使う機材とかが多いからなんだって。向こうも用意してくれるって言ってたんだけど、やっぱり時代的に進んでいる六花の機材を使うって方向性になったから、今回は貸切にしてもらったんだって。この前の千葉のライブは中でやってたけど、今回は中でも外でやるようなものだからね。しかも70000人の前だからかなり良い機材を使わなきゃいけないからね。」

 

八幡「そりゃ、ご苦労様って言いたくなるな。俺も何か手伝えることがあるといいんだがな。」

 

ペトラ「貴方たちは本番で実力を出し切ってくれればいいの。それが私たちの何よりの願いなんだから。」

 

八幡「ペトラさん。」

 

ペトラ「貴方が私たちの事を気遣ってくれるのはありがたい事よ。でもね、今回の主役はシルヴィアと貴方なんだから。自分の身体と喉を気遣いなさい。」

 

 

いや、主役シルヴィだよな?俺は別に頼まれてるだけだからどうでもいいよな?

 

 

ーーー横浜・船着き場ーーー

 

 

八幡「ほら、来い。」

 

シルヴィア「うん。」

 

 

飛んできたシルヴィを俺はそのまま抱き締めてキャッチした。潮風なんかよりもずっと良い匂いがするな。柑橘系の香りとシルヴィ独自の甘い匂いがする。

 

 

シルヴィア「やってきたね〜横浜っ!」

 

八幡「あぁ。」

 

ペトラ「はしゃぎ過ぎないようにね?」

 

シルヴィア「分かってますよ〜♪」

 

 

全く、どの口が言ってるんだか。

 

 

シルヴィア「あっ!ねぇペトラさん!今回の六花に帰る予定日はいつ?」

 

ペトラ「はぁ……そう聞いてくると思ってもう組んであるわ。貴方たちはもう学園を卒業するのを待つのみだから、この2月中は学園が休みでしょう?だから自由にしていいわよ。その為に2月の最初を開催日にしたんだから。」

 

シルヴィア「ぺ、ペトラさん、それ本当?」

 

ペトラ「えぇ本当よ。だから帰るタイミングは貴方たちの好きにしなさい。でも、2月ギリギリにはならないように。それが条件よ。」

 

シルヴィア「うんっ!!ありがとうペトラさんっ!!これで八幡くんといっぱいデート出来るよっ!!」(ピョンピョン!)

 

八幡「………余程嬉しいみたいですね、ライブ後の行動を自由にしてくれた事。」

 

ペトラ「みたいね。こんな人目のつくような場所であんなに分かりやすく喜ぶなんて……本当に嬉しいのね。」

 

 

確かにそうだ。俺もあんな風に感情を露わにしながら喜んでいるのはそんなに見ない。

 

 

シルヴィア「八幡くん八幡くん!!こうなったら善は急げだよっ!!ライブが終わったら、すぐに八幡くんのお家に行ってお義母様とお義父様にご挨拶しに行かなきゃ!!」

 

八幡「ふっ……落ち着け。それはライブが終わってからな。先ずはライブに集中だぞ。デートが出来るからって浮かれ過ぎるなよ?」

 

シルヴィア「えへへ……はーい。」

 

八幡「じゃあ行きましょうか。」

 

ペトラ「えぇ、そうね。」

 

 

ーーー横浜日産スタジアムーーー

 

 

シルヴィア「うわぁ……おっきいねぇ〜。」

 

八幡「今までのとは比べ物にならないな。」

 

ペトラ「あそこがライブステージね。ステージの後ろが座れなくなってる代わりに前の芝生も観客が入れるようになっているわ。」

 

 

すげぇな、後ろ以外は全部人で溢れるって事か。

 

 

八幡「これだけ広いんなら、飛んで歌っても平気そうだな。」

 

シルヴィア「え?八幡くん空を飛ぶの?」

 

八幡「いや、ただの例えだ。」

 

シルヴィア「ビックリしちゃったよ。ファンサービスはしないって言ってたのに、いきなり今みたいなこと言い出すからやるのかと思ったよ。」

 

ペトラ「でも、貴方たちなら飛びながら歌っても問題はないのでしょう?」

 

シルヴィア「うん、全く。」

 

八幡「全然です。」

 

ペトラ「頼もしいわね。」

 

 

そして俺たちは会場で少しだけ音声をチェックして、1回だけ歌ってからスタジアムを出た。

 

 

ーーーホテルーーー

 

 

ペトラ「じゃあ部屋割りを決めましょうか。」

 

八幡「じゃあ俺とシルヴィはダブルの部屋で。」

 

シルヴィア「うん、その方が良いよね。」

 

 

(((((迷わず一緒の部屋にした!!?)))))

 

ペトラ(はぁ……この2人、益々甘々でベタベタドロドロな関係になってるわね。)

 

 

シルヴィア「それとも他に誰かダブルが良いっていう人います?なら変わりますけど……」

 

ペトラ「いいえ、そのままで良いわ。此処に貴方たちの仲に水を差すような不粋な人はいないから。」

 

 

結果俺たちがダブルで泊まる事になり、他のスタッフはそれぞれツインでペトラさんがシングルという事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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