八幡side
まさか他学園の奴らまで呼んでいたとはな……あいつら、一体何を口実に誘い出したんだ?特にガラードワース辺りはメリットとかないと動きそうに無い連中だ。
アーネスト「祝わないわけがないね。《三冠達成》なんて誰でも成し遂げられることでは無いからね。喜んで彼を褒め称えよう。」
クローディア「私も同じ気持ちです。機会は違えど刃を交えた相手ですから。その強さは充分知っていますので。」
オーフェリア「………ここに来て八幡を祝福しない方がおかしいわ。」
トゥーリア「………まぁ2人のした事はすげぇ事だから、今日くらいは、な。」
玉緑『ありがとうございます。それでは皆様、グラスをお持ちください。それでは参ります。お2人の偉業、そして今シーズンもお疲れ様でした!……乾杯っ!!』
「「「「「「「乾杯っ!!!」」」」」」
………俺たちがこの空気についていけてないんだけど。何も聞いてないからどうすりゃいいのか。
八幡「……俺たちはここから動いちゃダメなのか?」
玉緑「まさか!!お2人は本日の主役です!!好きに食べて好きに飲んで楽しんで下さい!!」
シルヴィア「じゃあ下に行ってもいいのかな?」
玉緑「勿論でございます!!」
八幡「んじゃ、下に行くか。」
シルヴィア「うんっ!」
ーーー八天門場・門前ーーー
「宗師、奥方様!お飲み物はいかがですか?」
八幡「今日くらいはいいか……オレンジを。」
シルヴィア「じゃあ私も。」
「承りました。」
八幡「そういや星露たちが見えないが?」
「あぁ、もう会場内にいらっしゃいますよ。乾杯の合図と同時に中へと入られたので。」
八幡「そうか。」
「お待たせいたしました。オレンジ2つです。」
シルヴィア「ありがとう!」
「いえいえ、ごゆっくりお楽しみください。」
中に入ると、界龍の生徒と他学園の生徒が交流をしていた。実際、こういう機会は今までになかった。近い感じでいえば学園祭くらいだろう。
イレーネ「おぉ比企谷、それに【戦律の魔女】も一緒か。相変わらず見せつけてくれんな!」
八幡「イレーネか。お前もそういう相手見つけたらどうだ?」
イレーネ「私に見合う男なんてあたしより強い男だけだよ。レヴォルフじゃあそんなの限られてるけどな。」
シルヴィア「何もレヴォルフに拘る必要はないと思うよ?私たちだって他学園同士だし。」
イレーネ「あたしが他学園の奴と仲良くできると思うか?折り合いがつかねぇよ。」
プリシラ「お姉ちゃん!もう1人でプラプラと……って比企谷さん、それにシルヴィアさんも!今日はおめでとうございます!!」
八幡「今日がめでたいってわけじゃないんだが。」
シルヴィア「まぁまぁ。」
八幡「なぁプリシラ、聞いてもいいか?」
プリシラ「はい、何ですか?」
八幡「イレーネって男から言い寄られたりしないのか?あぁ、金巻き上げの奴らは除いてな。」
イレーネ「お、おいっ!何聞いてんだよ!」
プリシラ「すみません、そういう人はいないです。」
八幡「すみませんって……いや、別に謝る必要はないからな。興味本位ってだけだから。」
なんなら本人を傷つけてないか慰めてあげるまである。いや、イレーネの慰め方ってどうやるんだろう?
シルヴィア「でもなんか勿体無いよね。レヴォルフにいる女子って性格は粗暴な感じの人が多いけど、ルックスのレベルは高いからね。それにそういう人ほど案外純情だったりするから〜。」
イレーネ「あたしを見て言うな。それよりも比企谷、お前気づいてるか?ウチの生徒会長がお前の隣にいるの。」
え?
八幡「え?……うおっ!?」
オーフェリア「………」
八幡「いつからだ!?」
イレーネ「あたしと会話した時にはもういたぜ?」
気配消すの上手過ぎね?
オーフェリア「………近くに八幡がいたら、その場所に行くのは当然の事よ。」
シルヴィア「当然の事なんだ……」
八幡「ところでもう1人いたよな?確か……樫丸だったか?」
オーフェリア「………他学園の挨拶回りに行ってるわ。自分から行き出したの。」
面倒事を自らって事?でも今でなくても良くね?
八幡「まぁ、好きにやらせておけばいいだろう。じゃあ俺たちもそろそろ行くか。楽しんでくれ。」
シルヴィア「じゃあね〜。」
イレーネ「おう、またな!」
プリシラ「さようなら。」
八幡「で?お前はついてくるの?」
オーフェリア「………私は八幡に取り憑かれているもの。そう簡単には離れられないわ。」
シルヴィア「オーフェリアさんが取り憑いているの間違いじゃなくて?八幡くんがオーフェリアさんに?」
オーフェリア「………」
八幡「なんだそりゃ?」
ユリス「お、おい!!【夢幻月影】!!お、お前はな、なな何をしている!!」
あぁ〜、ホラ出たよ。
八幡「いや、何をと聞かれても……何が?」
ユリス「【戦律の魔女】とは交際しているから見逃そう。だが、なぜオーフェリアとも腕を組んでいる!!?」
八幡「いや、なんか俺がオーフェリアに取り憑いているらしい。オーフェリアに聞いてくれ。」
ユリス「………オーフェリア?」
オーフェリア「………本当よ、八幡が私に取り憑いているの。」
ユリス「お前………言ってることがさっぱり分からんぞ。理解が出来ん。」
綾斗「こんばんは、比企谷さん、リューネハイムさん。《王竜星武祭》ではおめでとうございます。」
八幡「天霧か……なぁ、この純情お姫様をどうにかしてくれ。俺たちのこの光景だけで興奮しているんだ。」
ユリス「こ、興奮などしていない!!」
クローディア「あらあらユリス、催し物では騒ぐものではありませんよ。」
紗夜「うん、見てるこっちが恥ずかしい。」
綺凛「あの……言い過ぎでは?」
おっ、これで全員みたいだな。
クローディア「にしても驚きました。まさかあの六花最強とも言われている魔女2人が比企谷さんのお気に入りだったとは。」
八幡「なんか棘のある言い方だな。オーフェリアは違うからな?レヴォルフでただの豚になった奴から奪い取っただけだ。」
クローディア「成る程、それで彼女は貴方にベッタリな訳ですね?」
八幡「そうなっちまうな。」
オーフェリア「………」
なんかドヤ顔しているようにも見えるんだが?
綺凛「あっ、比企谷さん!もしよろしければ、おひまがある日にでも構いませんので、剣術の稽古をつけてはもらえませんか?」
綾斗「あっ!俺もお願いしたいと思ってました!」
八幡「剣術の?教えるのはいいが、俺の一刀流じゃお前らの刀藤流や天霧辰明流のアドバイスにはならないと思うぞ?俺のスタイルだって古流剣術の元々ある形から今風に変えてるからな。共通する点といったら限りなく少ないぞ?」
綺凛「それでもお願いします!!」
綾斗「お願いします。」
八幡「……まぁそれでもと言うなら構わない。極力お前らのスタイルは崩さないようにしながら教える事にしよう。」
2人「ありがとうございます!」
シルヴィア「八幡く〜ん、彼女をほったらかしにしないでよ〜。」
オーフェリア「………私に取り憑いているのに他の子に目移りかしら?」
シルヴィアはゴメンな?オーフェリアは何言ってんの?
八幡「悪かったな。それじゃあそろそろ行くか。頼んでくれ。あっ、お姫様も頑張れよ。何がとは言わないが、天霧関連で。」
ユリス「なっ!!?よ、余計なお世話だ!!!」
八幡「で?お前はやっぱりついてくるのか?」
オーフェリア「………だって私は八幡の所有物だもの。ちゃんと側にいるわ。」
シルヴィア「ねぇオーフェリアさん、なんか八幡くんのペットみたいになってない?」
オーフェリア「………ペット、じゃあ八幡の事はご主人様と?」
八幡「お嬢様は大変お疲れのようですね?あちらにテーブルと椅子がございますが、あちらで介抱しても?」
オーフェリア「………ごめんなさい///」
どんだけ弱いんだよ………