学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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ゲーム 後編

 

 

八幡side

 

 

さて、シルヴィに渡す箱を選べって言われたわけだが……今度ある箱の数は18個とかなり多い。ないアルファベットは【C】【E】【J】【L】【Q】【S】【X】【Z】の8文字だった。抜けていたアルファベットは多いが、それでもこの中には18個もある。その中から選ぶのか………

 

 

八幡「………何を選べばいいか分からん。このゲームってこんなに難しいものなのか?」

 

シルヴィア「相手に渡すのを選ぶからこそ手を抜きたくないよね。なんかこのゲームを考えた人ってやらしい攻め方してくれるね。」

 

 

本当にそう思う。よし、後で虎峰に誰がこのゲームを作ったのかを聞きに行こう。

 

 

ーーー5分後ーーー

 

 

八幡「思いの外時間が掛かったが、シルヴィは決まったか?」

 

シルヴィア「うん、決まったよ。」

 

 

八幡「よし……俺が選んだのは【A】【T】【W】の3文字だ。理由はこれといってない。」

 

シルヴィア「私が選んだのは【F】【T】の2文字だよ。私も理由は特にないかな。」

 

 

『お決まりですね?では、床から発光している光に沿ってお進み下さい。』

 

 

俺たちは下を見ると、いつの間にか青い細長い光が地面で光っていた。俺とシルヴィはそれを頼りに前へと進んでいった。するとそこには……何も置かれていない台があった。

 

 

『こちらの台には先程選んで頂いた箱の中で、やはりこの箱はいらないというものを置いてください。特にないという場合は置かなくても結構でございます。』

 

 

自分で選んだ箱だってのに、なんでそれを捨てるような前させるかね?そんなのねぇよ。ましてや、シルヴィが選んだ箱を捨てるわけにもいかねぇしな。

 

 

八幡「俺はない。」

 

シルヴィア「私もないよ。」

 

 

『よろしいですか?今お2人が持っている箱で決定致しますが、本当に何も置かなくてよろしいですか?』

 

 

2人「はい。」

 

 

『分かりました。それでは……そのまま前へとお進みください。』

 

 

俺たちは前にある台を避けてそのまま突き進んだ。すると、さっきからあった煙がだんだんと薄れていき、次第に視界は回復していった。

 

そして目の前にあったのは、今までと同じような台だったが、置かれていたのは箱ではなく鍵だった。

 

 

『今お2人の前には鍵が1つあると思います。その鍵で全ての箱から中身を取り出してください。』

 

 

今までで一番簡単な作業だな。

 

 

八幡「開けるだけならさして時間もかからないな。すぐに終わらせるか。シルヴィ、箱を寄越してくれ。俺が開ける。」

 

シルヴィア「うん、お願いね。」

 

 

俺の箱と混ざんないようにしねぇとな。取り敢えず俺のは端に置いておこう。

 

 

ーーー3分後ーーー

 

 

八幡「これで最後だな……よし、開いた。おーい、開け終わったぞー。」

 

 

中に入っていたのは、単語が書かれていた紙が入っていただけだった。これに何の意味があるのだろうか?

 

 

『ではその紙を後ろの人に渡してください。』

 

 

後ろには2人の生徒がいた。俺たちは目の前にいる奴に紙を渡した。すると、その生徒は左右に分かれて行ってしまった。

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

………俺たちだいぶ待たされてるんだが、まだ何かあるのか?

 

 

『宗師、奥方様!お待たせ致しました!!只今、お2人が選んで下さった箱の中身で1つの言葉を作っておりました。』

 

 

え?そんな作業やってたの?

 

 

『お2人共やはり素晴らしいと言ったところか、我々が手間を加えるところがなく、単語数も完璧でした!なので早速、繋ぎ合わせた言葉を紹介していきたいと思います。』

 

 

まずは宗師の選んだ箱から出てきた単語で繋ぎ合わせた言葉は、こちらです!!』

 

 

すると大画面から、繋ぎ合わせた英語が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

『I will continue to love forever Sylvia ・Lyyneheym.』

 

 

………英語だからすぐには分からんな。

 

 

『え〜こちらの意味を要約すると、こうなります!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私はシルヴィア・リューネハイムを永遠に愛し続けます。』

 

 

お、おぉ………かなりどストレートだな。でもこれって1つも手を加えてないんだよな?だとしたら俺あの箱の中でこれを引いたってことだよな?ある意味凄くね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………あはは。分かってはいるけど、なんかこういう形でやらされるとすっごく嬉しいけど、同じくらい恥ずかしいなぁ/////」

 

八幡「そ、そうだな。」

 

 

『続きましては奥方様の単語を繋ぎ合わせたものをご紹介致します!こちらも一切手を加えておりません!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

『I am all the way to near the Hachiman Hikigaya.』

 

 

うん、まぁ分からんな。

 

 

八幡「シルヴィアはこれ見て意味分かるのか?」

 

シルヴィア「流石にぱっと見じゃあ分からないよ。そこまで英語に精通しているってわけじゃないから。」

 

 

『こちらの英文を和訳したものがこちらです!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私はずっと比企谷八幡のそばにいます。』

 

 

これもかなり直球だな………

 

 

シルヴィア「わ、私の集めた英単語でこんな言葉が出来たんだ/////」

 

八幡「なんか小っ恥ずかしいよな。」

 

 

『最後に奥方様にお知らせがあります。』

 

 

シルヴィア「え?な、何?」

 

 

『先程奥方様は【H×2】のカードを交換されましたよね?』

 

 

シルヴィア「う、うん。」

 

 

『あの選択は大正解でございます。誰がこれを書いたのかは分かりませんが、最初に奥方様が取った【H×2】の箱の中身のカードはこちらでした。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『葉山隼人』

 

 

その瞬間、俺は背筋がゾッとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………………え?」

 

 

『シルヴィア様があの場で箱を交換していなかったら、結果はとんでもない事になっていました。』

 

 

ヤバい………遊びとはいえ、こんなにも身の毛がよだつのは初めてだ。

 

 

八幡「っ!!」

 

シルヴィア「…………」(プルプル)

 

八幡「シルヴィ、こっちに来い。」

 

シルヴィア「…うん。」(プルプル)

 

 

そして俺はシルヴィを抱き寄せた。

 

震えてる……今のを見せられてよっぽど怖かったんだろう。もしあのまま交換していなかったら、あの英文は……いや、言うべきではない。

 

 

八幡「……大丈夫だシルヴィ。結果的に答えは俺になったんだから。」

 

シルヴィア「怖かった……もしあの場で箱を変えてなかったら……私、八幡くんを傷つけてた。」

 

八幡「……そうかも……いや、そうだな。だから箱を変えてくれたシルヴィに感謝だな。」

 

シルヴィア「………八幡くん。」(うるうる)

 

八幡「………少し、影の中に潜ろうか。」

 

 

八幡がそう言って影の中に潜った。そして影から出てきたのは3分後だったのだが、さっきまでの暗い雰囲気とは打って変わってピンク色の雰囲気が漂っていた。一体何があったのだろうか?

 

 

そして1人の生徒はこう話していた。2人の口元が少しだけ濡れていたと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あぁ〜本当に身の毛もよだつってこういう事なんだなぁ。

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