学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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前回話を書いて思った事………

やっぱり分かる人は分かるんですね。戦闘アニメが好きな人なら誰でも知ってそうなシーンですからね。




夫婦喧嘩 ③

ーーーーーー

 

 

互いの左肩に刀と剣が刺さった状態で一歩も引かずにその場から動かない2人。周りから見れば牽制し合っているか、睨み合っているという感構えしかつかないであろう。だが、2人の考えている事はというと……

 

 

八幡(まさかここまでとはな………星辰力に余裕はあるが、憑霊の八咫烏と玄武を使って少しだるいな。抑えるつもりではいたが、シルヴィがここまで実力を伸ばしているとは思わなかった。完全にしてやられたな。さて、次はどの手で行くか………)

 

 

八幡は自身のシルヴィアに対する警戒心の無さと実力の計り違いを受け止めていた。そして、次の作戦を考えていた。

 

 

シルヴィア(やっぱり八幡くんは強い。攻撃力、防御力、素早さ、色んな能力を開始と同時に使って能力を向上させたのに、それに着いてくるんだもん。ううん、それは出来て当然か……だって【万有天羅】だもんね♪八幡くんは六花で1番強いんだもんね♪)

 

 

シルヴィアは………楽観しているわけではないのだろうが、自身の能力向上についてくる八幡を素直に褒め称えた後に、さらにそれが当然だと言わんばかりに八幡を持ち上げていた……心の中で。

 

 

だが2人の中でこれだけは同じ思いとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しい、この言葉だけは2人の中で重なり合っていた。八幡もシルヴィアも決して戦闘狂というわけではないが、この戦いにおいては楽しさを感じずにはいられない程の強い高揚感を覚えていた。

 

 

肩の痛みを感じない程にであった。

 

 

八幡「……いくぞ、シルヴィ。」

 

シルヴィア「うん、八幡くん。」

 

 

身を引いた2人は再び戦闘体勢に入った。シルヴィアは星辰力を練り始め、八幡は翡翠の小さな竜巻に飲み込まれていた。

 

 

八幡「憑霊……颶風・天翔龍神(あまかけるたつがみ)

 

シルヴィア「憑霊………私も使えるけど、八幡くんにはまだ教えてない。これは本当の切り札、出す時を見極めないと。」

 

八幡「龍神の加護!」

 

 

八幡がそう言うと、八幡の周りから赤色の……いや、紅色の闘気が溢れ出していた。瞳の色も瑠璃色から真紅の色になっていた。

 

 

八幡「さて……じゃあ、行くぞ。」

 

シルヴィア「………あれは凄くパワーアップしてるよね。まさか今までのは、私の実力を測るためにやってたってことかな?だとしたら……ちょっと、いや、かなりマズイなぁ。」

 

 

八幡の明らかなパワーアップに冷や汗を流しながら戦闘体勢に入るシルヴィア。だが装備しているのはサーベル型の煌式武装。今の八幡を相手にするには、火力が圧倒的に足りなかった。

 

 

八幡(さてシルヴィ……こいつに着いてこれるか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュンッ!!

 

 

シルヴィア「っ!!ふっ!!」

 

シルヴィア(嘘っ!速過ぎる!!)

 

 

八幡「ムンッ!」

 

 

ドガッ!!

 

 

八幡がシルヴィアの校章目掛けて繰り出した横薙ぎは躱されたが、続けて出した蹴りはシルヴィアも避けることが出来ないと判断したのか、腕をクロスさせてガードした。だが、その一撃は予想以上に重かったため、10m後方へと後退させるほどだった。それも地面に足をついたままでである。

 

 

八幡「ほう……見えたのか?」

 

シルヴィア「そんなわけないよ……君の動きなんて全く見えなかったよ。それこそ、風が君の速度に追いついてなかったよ。なんだか……本当にヤバいよ。」

 

 

ーーーーーー

 

星露side

 

 

セシリー「……ねぇ、八幡のアレってかなりヤバいんじゃないかなー?あたし映像からでもかなり感じるんだけど……」

 

虎峰「えぇ……あの龍神の加護、と言いましたか?あれは身体能力を大幅に向上させる能力ですね。今の八幡がそれを使えば……」

 

星露「誰も八幡の動きについていけんじゃろうな。というよりも、妾が無理じゃ。」

 

虎峰「師父がアレに追いつけない!?」

 

星露「うむ……1度あの状態で手合わせをしたのじゃが……あれが八幡の本気だとしたら、既に初代をも超えておる。あやつは一体、何処まで成長するのじゃろうな……」

 

 

全く、恐ろしいかぎりじゃ。じゃが妾はあの技が無くとも八幡に負けておる。八幡が龍神の加護という技を会得してからは、妾も八幡の相手は出来んようになってしもうたからのう。あやつの気持ちがよう分かったわい。

 

 

星露sideout

 

小苑side

 

 

………またさらに強くなっておるのう。我が義娘もそうじゃが、義息子もそうじゃ。もう強くならんくて良いわ。今の六花にお主らを超える生徒は存在せんわ。おったら見てみたいしのう。

 

 

麗蘭(リーラン)「あの2人、特にシルヴィアさんは素晴らしい成長ですね。まさか八幡さんと互角の勝負をするなんて……」

 

小苑「全くじゃ。2人揃って親を驚かせるような真似をしおって……はぁ、シルヴィアは準決勝から思っておったが、技を真似てからの汎用性が高い。真似たのなら、何処かしらに弱点があるはずなのじゃが、シルヴィアにはそういった類のものがない。八幡と同じ条件で技を出せておるからのう、大した義娘じゃ。」

 

麗蘭(リーラン)「そのようですね。ですが、八幡さんが紅い闘気を纏った瞬間、攻撃の重さや鋭さ、それに速さが格段に上がっています。あれは?」

 

小苑「龍神の加護。自身の能力を上げる技じゃ。見た所、上げられるのは攻撃力と素早さみたいじゃな。防御は分からんが、攻撃特化の技じゃろう。」

 

 

さて義娘よ、八幡がそれを正式な場で出したのはお主が初めてじゃ。それをどう振り切るかのう?

 

 

小苑side

 

ーーーーーー

 

 

ドゴォッ!!

 

 

シルヴィア「くぅっ!!」

 

 

八幡(よく凌いでるな。まさか5分も耐えるなんてな。俺の武術を見せたせいでもあるんだろうが、この速さについてこれるのは居なかった。星露でも無理だったからな。シルヴィが初めてだ。)

 

 

八幡「そろそろ致命傷の1つでも与えないとな。長引けば不利になるし。」

 

シルヴィア「それ、私の台詞なんだけど?」

 

 

八幡(いや、俺が不利になる。今の所青龍の憑霊を使い続けてる状態だ。これを解いたら一気に倦怠感や疲労が襲ってくるだろう。憑霊は強力な技だが、なんの代償も無しに使えるわけではない。1種の純星煌式武装だな。)

 

 

シルヴィア「ふっ!!」

 

 

シルヴィア(攻めないのなら、私から攻めるよ八幡くん!そのスピードは脅威だけど、何もしなければ時間だけが過ぎていくからね。攻めさせてもらうよ!!)

 

 

八幡「………」

 

 

シルヴィア(………避ける気配がない?じゃああれは鏡花水月?それとも……考えても仕方ない、一先ずは標的を攻撃!!)

 

 

シルヴィア「やあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバッ!!

 

 

シルヴィア「えっ!?」

 

 

シルヴィアは八幡を斬った。だが、その場に居たのは影で作られた分身でもなければ、自身を惑わしている幻術の類でもなかった。本物の八幡だった。

 

 

そしてシルヴィアは気付いた。自身の持っている武装が八幡に掴まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「日本にはこういう諺がある。『肉を切らせて骨を断つ。』意味を簡単に言えば、自身も怪我を負うが、相手にそれ以上の怪我を負わせる事だ。」

 

シルヴィア「んっ!んんっ!くっ!」

 

 

シルヴィア(ダメッ!単純な力じゃ八幡くんに勝てない!一旦武器を放して……っ!?)

 

 

八幡「気付いたか?お前は今、俺から逃げられない。気付かれないように影でお前を拘束したからな。俺自身、あまり女に手は出したくないんだが、これ以上長引かせたら本当に何が起きるか分からんからな。ここくらいで一撃あっても良いだろう。」

 

 

八幡「発空勁・龍!」

 

 

ドゴオォォォン!!!

 

 

シルヴィア「かはっ!!」

 

 

八幡はシルヴィアの腹部に手を当ててから星辰力を溜めて技を発動させた。すると、シルヴィアの背中からは突然衝撃が走り、息が出来ない状態に陥っていた。

 

 

シルヴィア「かはっ!……はっ…はっ…はっ…」

 

 

八幡(苦しいだろうな。この技は陽乃さんに教わったが、内功にもダメージを与える技だ。しかも今のは原技の強化版だから、衝撃は普通よりもかなりある。さて、ここからどうする?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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