学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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お買い物?

 

 

シルヴィアside

 

 

ふぅ〜凄く…………今日は疲れたなぁ……あっ!!そういう意味じゃないからね!?別に八幡くんといるのが疲れたとか、デートを否定している意味じゃないからね!私が言ってる意味は、デートをしている最中に話しかけてくる六花の住人や観光客、六花外の企業の人たちその他大勢の人たちから声を掛けられたから。あれはもうデートどころじゃなかったよ………

 

今は私たちが最近よく行く喫茶店でお茶をしながら休憩している。あれだけの人数に話しかけられたらこんな短い外出時間でも休憩したくなるよ。八幡くんもやっぱり気疲れしてるみたい。こうやって見てても分かるくらいだから。(君にしか分かりません。)

 

 

八幡「今日はデートどころじゃなかったな。どこもかしこも観光客だらけでサインが欲しいやら握手をしてくれやら、写真を撮って欲しいやら、番組に出て欲しいやらでイベントやらされてる気分だった。」

 

シルヴィア「確かに、私たち2人でいる時間が凄く少なかったよね。」

 

八幡「全くだ。シルヴィ、予定では買い物して帰る事になってるが、どうする?」

 

シルヴィア「私はスーパーの中なら安全だと思うよ。だって六花に来てまで料理をする人って流石にいないと思うしね。」

 

八幡「……それもそうか。なら普通に買い物して帰るか。スーパーの中でもサインを強請るような輩がいないことを願うか。」

 

 

………八幡くん、そんなに疲れたんだね。私もそうだけど、2度3度だけじゃなれないからね、サインとか握手とかは。

 

 

ーーースーパー内ーーー

 

 

シルヴィア「思った通り、観光客は少ないね。」

 

八幡「そうだな、これなら安心だ。」

 

シルヴィア「買うのどうしよっか?今家に足りないのは調味料とかその辺りだけど、食材では卵とお肉がちょっとなくなりそうだったよ。」

 

八幡「ならここで買うのは調味料と卵にするか。肉は帰りにおっちゃんのところにでも行けばいいだろ。スーパーに売ってる奴よりも多くて値段もお手頃だしな。」

 

シルヴィア「さすが八幡くん!2年半前から料理を続けてきているだけはあるね!ちゃんと値段も見てるんだ〜。」

 

八幡「残飯処理係兼食費泥棒がウチには今3人居るからな。1人は卒業したけど。そのせいもあってか、スーパーのチラシやらを見る癖がついちまったんだよ。」

 

 

殆どその3人のせいなんだね………

 

 

「おっ、八幡ちゃんにシルヴィアちゃんじゃないの!今日も2人で共同作業かい?」

 

八幡「はい。別に1人で来る理由もないので。」

 

「前までは1人だったろうに。」

 

八幡「今は嫁さん(仮)がいるので。」

 

「はいはいご馳走様。式には呼んでおくれよ?」

 

八幡「気が早いです。」

 

シルヴィア「あはは……」

 

「今日は少ないんだね?家にまだ食材あるのかい?」

 

シルヴィア「はい。調味料が不足気味だったのでそれを買い足すのと、卵とお肉も買っておこうと思って。お肉は帰りの道にもあるので。」

 

「そうなのかい?じゃあ2人は明日決勝だからね。ここはおばさんの奢りにしといてあげるよ!」

 

八幡「い、いや、悪いですよ。」

 

シルヴィア「そ、そうですよ!」

 

「いいんだよ。私がしたいんだから。その代わり、今後とも当店をご贔屓にね。」

 

2人「………ありがとうございます。」

 

 

ここのレジのおばさん、いつも何かと言っては割引してくれるけど、タダにしてくれるなんて……少し悪い気もするけど、お言葉に甘えておこうかな。

 

 

ーーー精肉店前ーーー

 

 

八幡「……どの肉にする?」

 

シルヴィア「うぅ〜ん……そこまでは考えてなかったな。卵を買ったから……親子丼を作るイメージ?」

 

八幡「じゃあ鶏肉か?」

 

シルヴィア「かなぁ?」

 

「坊主、嬢ちゃん、そういう時はこのスペシャル希少部位詰め合わせがオススメだぜ!」

 

 

私たちがお店の前にあるお肉の部位の看板でにらめっこをしてたら、店長さんが来てくれた。片方の手には既にビニールに入れられてあるお肉があった。買わせる気満々かな?

 

 

八幡「ども。でも俺たち、そこまで贅沢する気ないっすよ?」

 

「いいんだよ、こいつはタダだ。持ってけ。」

 

シルヴィア「えぇ!?でもこれって希少なんですよね?そんなのタダってダメですよ!?」

 

「そうか?弱ったなぁ………そうでないと、引取先がもういないんだがなぁ。何処かにこいつを貰ってくれるラブラブな新婚夫婦はいないもんかねぇ?」(チラチラ)

 

 

………凄くこっちをチラチラしてる。で、でも私たち新婚夫婦じゃないもん!まだ彼氏と彼女だもん!一応現時点では、八幡くんは婚約者だけど///

 

 

八幡「引き取り先がないんじゃあ、貰っておいたほうがいいんじゃないか、シルヴィ?」

 

シルヴィア「でも悪いよ………」

 

「あぁー気にしなくていいんだって!こいつはもうさよならの予定だったんだよ。(本当は3日前来たばかりだ!)丁度いいタイミングに新婚夫婦が看板とにらめっこしてたから譲ってやろうと思っただけだよ。」

 

シルヴィア「……じゃあ、お言葉に甘えて。すみません、こんな高そうなの……」

 

「いいって事よ!今後ともヨロシクな!」

 

 

その後も八百屋さんの野菜と果物、パン屋さんから詰め合わせをこれまたタダで貰ってしまった。皆もうすぐ処分するって言ってたけど、絶対最近入荷したのとか、お昼に焼いたばっかりのものだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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