シルヴィアside
今日は《王竜星武祭》3日目。早くも星武祭の準決勝だね。人数少ないから無理もないけど。
初戦は簡単すぎたけど、準決勝はそう簡単に勝たせてもらえる相手ではない。何しろ、あの星露の1番弟子の【覇軍星君】が相手だからね。油断は出来ない。八幡くんによると、彼は
正直に言うと、今大会で1番侮れない相手。何故かというと、ここで負けてしまったら決勝に……八幡くんの待つステージに行けないから。八幡くんなら余裕でネイトネフェルに勝つはず。だから私もこの準決勝は絶対に負けられない。
シルヴィア「ふぅ〜……」
ネイトネフェル「シルヴィア……貴女よくそんな風に落ち着いてられるわね。相手はあの【覇軍星君】よ?」
シルヴィア「そんなのじゃないよ。私だって不安だよ。星露が育てた、しかもその後に八幡くんからも手解きを受けている彼に勝つ自信なんて湧いてこないよ。でも、それでも勝たなくちゃって思うんだ。だって決勝では必ず八幡くんが待ってるんだから。」
ネイトネフェル「貴女ねぇ……仮にもこれからその八幡くんと戦う私に言う言葉かしら?私の負けがもう決まってるみたいじゃない。」
え?そうだけど?だって八幡くんが君に負けるはずがないじゃん。
ネイトネフェル「結局、貴女は弱点どころか、気をつけるところすら教えてくれないのね。」
シルヴィア「たった1週間やそこらで八幡くん対策をしようなんて無理な話だよ。君も知ってるでしょ?八幡くんが色々な技を使ってくることくらい。そんな相手に攻略法があったら私だって知りたいよ。」
ネイトネフェル「……今ので分かったわ、貴女も彼の弱点を知らないのね。」
シルヴィア「1度も戦ってないしね。」
だけど、1度戦った人でも八幡くんの弱点は何処って聞いても意味はないだろうね。変えてくるんだもんね。武術だったり剣術だったり陰陽術だったり星仙術だったり……色んなスタイル持ってるんだもん!対応するこっちが疲れちゃうよ!
シルヴィア「さて、私はそろそろ行かないと。程よい緊張感を保っていかないとすぐにやられちゃいそうだから。」
そんな相手と今から戦うんだからね。
シルヴィアsideout
暁彗side
暁彗「………………宗師、本当にいいのか?」
八幡「何度もそう言ってるだろ?これは勝負なんだ。勝つ気で行かないでどうする?」
暁彗「………………しかし、相手は宗師の妃になる方だ。あまり傷つけたくはない。」
八幡「はぁ……そんなの俺だって同じ気持ちだ。出来ればシルヴィの傷つくところなんて見たくない。だが星武祭に出場している以上は不可能な話だ。」
………………宗師は私よりも辛い気持ちなのだろう。であれば、これ以上は野暮というものだな。
八幡「それと、その宗師っていうのやめてくれ。なんか暁彗から言われるとむず痒い。」
暁彗「………………それは今まで通りにしてほしい、という意味か?」
八幡「あぁ、そういう事だ。」
暁彗「………………了解した、比企谷八幡。」
八幡「やっぱそっちの方がいいわ。」
暁彗「………………比企谷八幡、戦ってみないと分からないが、【戦律の魔女】は強いだろうか?」
八幡「そこは分からないな。俺もシルヴィとは一度も戦ったことがないうえに、一昨日の戦いじゃあ参考にもならないからな。かといって3年前の《王竜星武祭》を調べたところで意味はあまりないだろうな。」
暁彗「………………やはりか。」
ならば警戒は解かずに攻めることにしよう。相手は梅小路冬香と同じ《魔女》だ。油断をすれば足元をすくわれる。
暁彗「………………では、行ってくる。」
八幡「おう、行って来い。」
暁彗sideout
ーーーーーー
クリスティ『皆様、お待たせ致しました!!まもなく《王竜星武祭》の準決勝です!!いや〜ようやくっていうか、あっという間に準決勝ってどうなんですかね〜?』
護藤『人数が少ないから当然でしょう。それでも悪いことばかりではありませんよ。今回の準決勝には序列4位以下がいないんですよ。さらにはいずれの選手も全て本戦出場経験済みで星武祭を優勝している選手が3人と、かなり豪華な選手が揃っているということになります。』
クリスティ『おぉ!確かに選手の出場歴を見てみれば全員本戦出場していますね!これは熱い戦いになりそうです!!では、準決勝第1試合の選手をご紹介いたします!界龍第七学院、武暁彗〜!!』
護藤『初戦は同じ学院の梅小路選手と戦い、見事勝利を収めました。新たな技術、錬星術を身につけ成長しているので、その動きにも注目です。』
クリスティ『いやぁ〜無口な所がまた良いですなぁ………ホラ、あの観客に見向きもしない所、シビれる〜!』
護藤『ボードワンさん………』
クリスティ『冗談冗談〜!分かってるってば〜!じゃあ次の選手を紹介します!!男共、刮目せよっ!!クインヴェール女学園、シルヴィア・リューネハイム〜!!!』
護藤『(この人全然分かってない。)………ブロック戦では圧倒的な力の差を見せつけてくれましたね。そして今大会で最も美しい動きを見せている選手でもあります。リューネハイム選手なら、武選手にも対抗出来るでしょう。』
シルヴィア「まぁ、簡単には勝たせてくれる相手ではないからね。最初から全力で行くよっ!」
暁彗「………………」
クリスティ『さぁ両選手、ステージへと降り立ちました。』
暁彗「………………比企谷八幡から手加減はしないようにと言われている。なので、全力で相手をさせてもらう。」
シルヴィア「その方がありがたいな。そうでもしないと八幡くんには勝てなさそうだからね。」
会話が終わると暁彗は槍を構え、シルヴィアは銃剣型煌式武装を展開した。
クリスティ『両者準備が出来たようなので、参りましょう!!《王竜星武祭》準決勝第1試合!!』
『Start of the duel』
クリスティ『バトル・スタートー!!』