学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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始動、比企谷八幡

 

 

八幡side

 

 

星武祭2日目。今日は第3ブロックの試合とブロック別で敗退した選手のみで行う順位戦が行われる。今日の試合、俺と雪ノ下のどっちか負けた方は2回戦う事になるから不利な状況になると思う奴は多いと思うが、今回は回復をしても良いという特例が出ている。まぁ勝ち進んだ方は回復できないけどな、そこは例年通りだ。

 

これは至上主義みたいであまり言いたくはないが、今日の試合で俺が負ける確率は限りなく低い。致命的かつポンコツ的なミスでもしなければ大丈夫だろう。そんなミス今までして来たことないけどな。

 

 

八幡「ふぅ〜……《獅鷲星武祭》でもそうだったが、選手数が少ないと出番が回ってくるのって早いな。」

 

シルヴィア「仕方ないよ、今回に至っては例年に比べて圧倒的に数が少ないんだから。それに今回は【万有天羅】がいるんだから当たり前だよ。」

 

八幡「それはそうだけどよ……なんだかなぁ……」

 

シルヴィア「もう、やる気がないわけじゃないんだからそんな声出さない!勝利の女神が微笑んで待ってるんだから♪」

 

八幡「その勝利の女神が数日後になったら、俺の目の前で剣と銃を惜しみなく使ってかかって来そうだけどな。」

 

シルヴィア「………あはっ♪」

 

八幡「自覚なかったのかよ……」

 

 

決勝に来るつもりでいるんだったら、それくらい予想してたと思っていたんだがな。まさかの天然を発動したか。

 

 

シルヴィア「じゃあ決勝まで勝ち進んで来たら、【戦律の魔女】っていう女神が君の校章を撃ち抜いてあげるよ。」

 

八幡「その時は【神羅武双】って神がお前の校章を真っ二つにしてやる。」

 

シルヴィア「おっと?私にケンカを売るのかな?」

 

八幡「それはこっちのセリフだ。」

 

 

バチバチバチッ!

 

 

多分初めてであろう、俺たちの目から火花が出て光線のようになりながらぶつかっているのは。それだけ勝利を譲りたくない相手だっていうことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「………ふふっ、ケンカを売るにはまだ早いかな。」

 

八幡「そうだな。お互いにケンカを売ったり買ったりする相手はまだ他にいるからな。決勝までお預けにしておこうか。」

 

シルヴィア「うん、そうしよう。じゃあ今は勝利の女神として、君におまじないをあげましょう。」

 

 

シルヴィはおまじないをあげると言うと、俺に抱き着いて来た。

 

 

シルヴィア「勝ってきてね、八幡くん。」

 

 

チュッ

 

 

笑顔で告げると、俺の唇に自身の唇を合わせてきた。いやぁ、これはおまじないっていうよりも……

 

 

八幡「………こりゃまじないじゃなくて、女神の加護って奴だな。決勝まで負けられなくなっちまったな。」

 

シルヴィア「勝利を祈って待ってるからね。」

 

八幡「あぁ、行ってくる。」

 

シルヴィア「うん、行ってらっしゃい。」

 

 

さて、女神からの口づけも頂いたことだし、勝ってくるか。

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

梁瀬『皆様、待ちに待った第3ブロックの試合がやっと始まります!!いやぁ会場を一周見回すだけでも分かる、この人の多さっ!!それだけ注目度が高いということですね!』

 

チャム『そうでなきゃおかしいッスよ。何せ史上初の男の【万有天羅】であって歴史上初の【万有天羅】を倒した男だから、実物を見たいって人も多いっと思うッスからね。』

 

梁瀬『それもそうですね!では選手の紹介から参りましょう!!界龍第七学院、比企谷八幡〜!!!』

 

 

八幡が姿を現わすと、どっと歓声が上がった。

 

 

梁瀬『4代目【万有天羅】を継承し、【夢幻月影】から新たに【神羅武双】という2つ名になりました。えーっとですね、2代目【万有天羅】さんによると、『その強さはまだ成長段階にあり、いずれは初代から3代目をも遥かに凌駕する程の実力になるだろう。』との事です!これは期待が高まる一方ですね!!』

 

チャム『それに彼は様々な戦いが出来るッスからね。その適性に応じて戦う事も出来るから、オールラウンダーではない選手にとってはかなり厄介な相手になるッス。』

 

 

八幡(小苑さん、何やってくれてるんですか……)

 

 

梁瀬『そんな比企谷選手に立ちはだかる相手はこの人、星導館学園、雪ノ下雪乃〜!!!』

 

梁瀬『2年前に星導館に転入して、早々に《鳳凰星武祭》に出場しましたが、初戦敗退。まぁ初年度ですので仕方ないでしょう。今回は《三冠制覇》に王手をかけている絶対王者に勝負ですが、果たして奇策はあるのでしょうか!?』

 

チャム『そして彼女は元界龍序列4位の【魔将天閣】雪ノ下陽乃の妹ですからね。魔女の素質やポテンシャルは充分高いと思うよ。』

 

 

雪乃(何処に行っても着いてくるレッテルね。でも、それも仕方のない事ね。あの人はそれだけの労力に見合った実績を出しているんだもの。)

 

 

雪乃は橋からジャンプしてステージに降り立った。

 

 

八幡「……言うことは何もない。あるとすれば、良い勝負にしよう。」

 

雪乃「えぇ。貴方は私程度では相手にならないと思うけれど、今の全力をぶつけるわ。」

 

 

梁瀬『さぁ、両者の準備が出来たところで参りましょう!《王竜星武祭》第3ブロック!!』

 

 

『Start of the duel』

 

 

梁瀬『バトルゥ〜……スタートッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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