学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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前代未聞の知らせ

 

 

界龍side

 

 

『み、皆様!!大変です!!たった今、臨時のお知らせを致します!!本日の6時直前に我が界龍第七学院序列2位の比企谷八幡が、今代【万有天羅】の茫星露に決闘を申し込みました!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪ノ下母「……それは確かなのですか?」

 

『は、はい!!先程、公式序列戦の編成を行っていた者から連絡が入りました!しかも、その時の3代目の表情が今までにないくらい嬉々とした表情をしていたそうです。」

 

「……しかし嘘の可能性もあるのでは?」

 

「いくら序列2位でも、【万有天羅】に挑む程の度胸があるとは思えんな。」

 

「その者の勘違いではないのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麗蘭「八幡さんの事を何も知らない方達が、八幡さんの事をバカにしないで頂けますか?」

 

アレマ【そうだねー。聞いててイライラしてくるからさ、黙ってくんない?】

 

 

突如として現れたのは、初代の【万有天羅】と界龍の元序列1位だった。2人の放つ気迫だけで、幹部全員が口を閉じて黙ってしまった。

 

 

麗蘭「貴方達、知らないとは言わせませんよ?彼がどれほどの実力を持っているのかを。目にしているはずです、比企谷八幡のあの力は、【万有天羅」に匹敵するものです。それを蔑ろにして、剰え彼を侮辱するなど……恥を知るべきです。彼がこの界龍にどれ程の貢献をしたと思っているのですか?」

 

麗蘭「私は隠居した身ではありますが、まだ力は残っていますよ。その身体に教えて差し上げてもよろしいのですよ?」

 

「「「!!!?」」」

 

 

明らかに纏っているオーラが違った。本当にやりかねない、そんな殺気の篭ったオーラだった。

 

 

雪ノ下母「麗蘭様、今はそのような場合ではありません。どうか、抑えてください。」

 

麗蘭「……はぁ、私のことを分かっているのは雪ノ下さんとその娘さんだけのようですね。」

 

陽乃「当然ですよ。八幡くんが意味もなく星露に挑んだりなんてしないってのは分かりますから。」

 

アレマ【でさー話を戻すけど、その2人が戦うからどうしたんだい?ただの報告かい?】

 

『は、はい!!一応、上層部にも伝えて置いた方が良いかと思いましたので……』

 

 

場の雰囲気はなんともいえないものだったが、この中で話を進められる度胸があるのは、4人だけだった。

 

 

麗蘭「そうですか、それはご苦労様です。お時間を取らせてすみませんでした。もう休んでも結構ですよ。」

 

『は、はい!失礼致します!!』

 

雪ノ下母「お疲れ様です。」

 

陽乃「ご苦労様です。」

 

アレマ【バイビー!】

 

 

そして音声端末は切れた。

 

 

雪ノ下母「如何致しますか、麗蘭様?六花には伝えましょうか?」

 

麗蘭「いえ、その必要はありません。いずれ知られる事です。ならばこのまま、いつも通りで行きましょう。」

 

陽乃「麗蘭様、明日の界龍の防壁は最大まで上げておいた方がよろしいかと。」

 

麗蘭「えぇ、そのつもりです。陽乃さん、界龍に行って最終戦の時は防壁出力を最大にするよう申請をお願いします。」

 

陽乃「かしこまりました。」

 

麗蘭「では以上をもちまして解散とします。私がリーダーというわけではないのに、仕切るような形を取ってしまい、申し訳ございません。」

 

雪ノ下母「いえ、素晴らしい進行でした。」

 

陽乃「でも、さすが八幡くんだね!卒業しても退屈しないよ〜!」

 

アレマ【いやぁ〜明日が楽しみ楽しみ♪】

 

 

4人は会議室を立ち去ったが、残りの幹部メンバーはその場から動けなかった。

 

 

ーーーーーー

 

八幡side

 

 

ドタドタドタドタ

 

 

八幡「ん?」

 

 

バァン!!

 

 

虎峰「八幡!!!師父と決闘をするというのは本当なのですか!!?」

 

八幡「何だ虎峰か……確かにそうだが?」

 

セシリー「本当に決闘するの!?」

 

八幡「だからそうだって今言っただろ……」

 

沈雲「……用事っていうのは、まさかこの事だったのかい?」

 

八幡「まぁな。驚いたか?」

 

沈雲「驚くどころか、どう反応していいか分からない状態だよ。」

 

沈華「沈雲と同じ状態よ。」

 

 

流石は兄妹だ。

 

 

冬香「ですが八幡さん、なぜこのタイミングなのですか?師父に挑まれるのでしたら、八幡さんが引退した時でも遅くはないと思うのですが……」

 

八幡「そこは個人的な理由なので教えられません。まぁ言えるとしたら、初心に戻ったから、ですかね。」

 

 

俺の当初の目的。俺の力が何処まで通用するのか試したい、単純だが明確な理由だ。

 

 

暁彗「………………比企谷八幡、師父に勝つための策などはあるのか?」

 

八幡「いや、ない。」

 

虎峰「な、ない!?」

 

八幡「逆に聞くけどよ、そんなのがあったら序列2位の奴なんて幾らでも攻める機会あっただろ。俺の作戦なんて当たって砕けろだよ。」

 

銀梅「それでは尊師が負けてしまうことになってしまいますが……」

 

 

まぁ砕ける可能性の方が高いわな。相手は【万有天羅】だ。勝てる自信なんてどっからも湧いてこねぇ。逆に自信ある奴を見てみたいよ。

 

 

八幡「やるだけやってやるさ。それに、ただで負けるわけにはいかねぇからな。」

 

永成「尊師、1つ質問してもよろしいですか?」

 

八幡「ん?なんだ?」

 

永成「その………大変失礼な質問ですが、今回の師父との決闘、奥方様も関係しているのではありませんか?」

 

八幡「……なぜそう思う?」

 

永成「勘です。」

 

八幡「いや、シルヴィは関係してない。応援はしてくれてるけどな。明日には此処に来る。門番にもそう伝えてあるしな。」

 

八幡「……さて、俺もそろそろ寝る。明日は大事な決闘だからな。ほれ、出てった出てった!」

 

 

……皆心配してくれているんだろうが、今の俺にとっては、言い方が悪いが邪魔でしかない。気が乱れる。少しでも、明日に備えて気力を高めておきたい。

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

ペトラ「………本当なの?八幡くんが【万有天羅】に挑むって?」

 

シルヴィア「うん。だから私、明日は界龍に行くんだ。八幡くんも通すように伝えておくって。」

 

ペトラ「……そう。彼も漸くその域に挑むのね。誰1人としてした事がない事をするつもりなのね。」

 

シルヴィア「………勝ってほしいけど、無理だけはしないで欲しいよ。」

 

ペトラ「それは八幡くん次第よ。」

 

 

八幡くん、私も応援しに行くからね。頑張って欲しいけど、絶対無理だけはしないでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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