学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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驚きサプライズと八幡ソング

 

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案内役『えー皆様ご案内致します。世界各地から世界有数の大手企業の代表並びにお越し下さった方々、統合企業財体の幹部の皆様、この度はこのようなパーティに参加していただき、ありがとうございます。本日はお楽しみいただけるように、我々も最大限にサポートに回る所存です。そして皆様には1つ、訂正点がありました事を説明、謝罪したいと思います。』

 

 

ザワザワ………

 

 

案内役『本日この場に来るはずだった、日本から○○団の予定が合わなくなり、急遽キャンセルということになりました。すぐに代わりの団体を探しましたが、1日で来れる団体は六花外にはおらず、また六花内にもそのような団体がいませんでした。準備不足になってしまったことを深くお詫び申し上げます。』

 

 

「ふむ……そのキャンセルは一体何時頃来たのだね?今の説明を聞く限りでは、昨日突然のように聞こえるが?」

 

 

案内役『はい。詳しい内容はプライバシーに関わりますので黙秘させて頂きますが、昨日の午後14時に連絡が入りました。』

 

 

「成る程……確かにその1日では来れるところも来れぬだろう。仮にこれたとしても演奏の練習も必要になる。とてもではないが、出せる状況にはなれないのは明確になる。野暮な質問をしてすまなかったね。」

 

 

案内役『いえ、とんでもございません。つきましては、六花内からプロの歌手1名と歌手が指名した2名、計3名が代役としてこのステージで歌を披露します。突然の事なので、ここからは我々の支配人に変わりたいと思います。』

 

 

案内役はすぐ後ろの垂れ幕に下がり、すぐに同じ場所から支配人が出てきた。

 

 

案内役『今回はこのような形になってしまい、改めて謝罪致します。本当に申し訳ございませんでした…………早速なのですが、3名の代役にご登壇してもらおうと思います。では、お願いします。』

 

 

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八幡side

 

 

八幡「行く順番も歌う順番でいいよな?」

 

シルヴィア「うん、お願い。転ばないでね?」

 

八幡「転ばねぇよ。」

 

 

あんまり注目されるのは好きじゃ無いが、もうシルヴィといる毎日で慣れたからな。9000人の観客に比べたら可愛い方だ。

 

 

俺が幕から出た瞬間、驚いたような声がした。そしてシルヴィが出たら、それがさらに大きくなった。オーフェリアが出てくると、それが一気に冷めてしまった。多分、【孤毒の魔女】っていうフレーズだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(比企谷八幡とシルヴィア・リューネハイムは分かるが、最後の彼女は誰だ?)

 

(綺麗な子ですね。もしかしてクインヴェール女学園の新しい子かしら?)

 

 

(あんな子、六花にいましたかねぇ?)

 

(いや、見たことありませんね。どの学園の子なんでしょうか?可愛いからやっぱりクインヴェールでしょうか?)

 

 

(初めてお会いした時はモニター越しでしたが、髪型だけでこうも印象が変わるのですね……正直、目を疑いました。)

 

 

支配人『では、代役3名の紹介に移ります。奥から順に紹介させて頂きます。今シーズン最初の星武祭《鳳凰星武祭》の優勝者、界龍第七学院序列2位【夢幻月影】の比企谷八幡さんです。』

 

 

八幡「………」(ペコリッ)

 

 

会場からは拍手が起こった。まぁライブの事もあの会見で知ってるだろうからな。

 

 

支配人『次は皆様よくご存知のこの方。前年度の《王竜星武祭》の優勝者にして世界の歌姫、クインヴェール女学園序列1位【戦律の魔女】のシルヴィア・リューネハイムさんです。』

 

 

シルヴィア「どうも〜。」

 

 

支配人『最後にこの方。前々回の《王竜星武祭》の優勝者、レヴォルフ黒学院序列1位【孤毒の魔女】のオーフェリア・ランドルーフェンさんです。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

((((((えええええぇぇぇぇぇ!!!!??))))))

 

 

(嘘!?あの人がレヴォルフの【孤毒の魔女】!?別人じゃない!?)

 

(あれが世界で恐れられている魔女だというのか!?全くそうには見えない!普通の女の子じゃないか!!)

 

(し、信じられない……本当にあの【孤毒の魔女】なのか?)

 

(……皆さん驚いていますね。恐らくこれも比企谷さんの策略でしょう。)

 

 

支配人『以上、この3名が代役を務めさせていただきます。なお、1名1曲となっておりますので、時間が割に合っていないと思いますが、そこはご了承下さい。なお、歌う順番ですが、今入場してきた順番となっております。』

 

 

ザワザワ………

 

 

支配人『此処からはマイクを比企谷さんに託したいと思います。それでは、よろしくお願いします。』

 

 

支配人は俺に向かってきて、台に乗ってあったマイクを俺に渡してきた。しかもこれ、ちゃんとしカラオケマイクじゃん。

 

 

八幡「……えー恐縮ですが、1番手を歌わせてもらうことになりました、比企谷八幡です。歌う順は、俺→シルヴィア→オーフェリアの順番で行きます。疑問に思う方も多いかもしれませんが、この順番にした理由はオーフェリアが歌った時に分かると思います。」

 

 

八幡「では早速歌っていきたいと思います。今の想いはあの時にはなかったもの、この世界は綺麗で残酷で美しい………『ユメセカイ』。」

 

 

曲が流れ、テンポに合わせて歌い始める。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

あの時はそんなちっぽけな光でも、大切な物だった。あの空間が居心地良かった。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

特に何かを考えていたわけでもなかった。けど、あの時の俺はあいつらとなら一緒にいてもいいって思ってた。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

だが、現実は残酷だった。そんな思いを容赦なく踏みにじった。だが俺は、1つの新しい答えを見つけた。

 

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

 

その答えは今までよりも綺麗なものだった。仮想(ゆめ)でもいいと思った時もあった。

 

あいつらとなら、この先も楽しくやっていける。迷ったとしても、きっと助けてくれる奴らだ。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

あの場所にいた頃の鎖を解いてからは本当に理想の日々だった。充実した毎日だった。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

あの時と違って、俺にはもうそうな想いはない。誰も傷つかない世界なんて存在しない。それに……だからこそ、守りたいものも出来ちまったからな。

 

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

 

あの時は灰色だった世界も、今では色取り取りだ。色んな奴に出会って色んな事があった。これからもそれがあるだろう。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

あの時の俺はこんなものにばかり囚われていたな。だが今でも思うのは、この世界は俺と似ている。それだけは昔と変わってない。

 

 

八幡「♪〜♪〜」

 

 

あの日流した涙で俺は初めて変われた。あの言葉のおかげで全部が変わった。

 

 

八幡「♪〜♪〜♪〜」

 

 

まだ描いて行く世界。これからの世界は、今俺の隣にいる奴と描いていきたい。だがここから先は仮想(ゆめ)では終わらせない。

 

 

八幡「そっと……そっと……光ってる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





『ユメセカイ』…ソードアート・オンライン アインクラッド編のエンディングです。

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