では、どうぞ!
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ーーーVIPルームーーー
星露「疼くのぉ……妾も彼奴らとやり合いたくて仕方のうなってきたわ。」
小苑「やめい、お前が暴れたら試合どころじゃなくなるわい。大人しく青椒肉絲でも食っとれ。」
アレマ【でもさー、その気持ちは分かるかなー。あんだけすげぇの見せられたら、やりたくなるってモンだよ。】
星露「おぉ、分かるかえお主?やはりお前とは気が合うのう。」
アレマ【ははは〜、やっぱ星露ちゃんとは合うねぇ〜。】
小苑「………はぁ、頼むから暴れんでくれよ。幾ら儂でもお主ら2人は無理じゃ。」
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観客席・冒頭の十二人side
冬香「な、なんて試合でしょう……武術も星仙術も互角どころかそれ以上に渡り合っています。」
セシリー「もう会場ボロボロだよ……大師兄もそうだけど、比企谷のあれは何?」
沈華「完全に私達を超えていますわね。大師兄とあれだけ戦えるんですもの。」
陽乃「どっちも規格外過ぎて言葉も出ないよ……私もう比企谷くんに勝てる気しないよ。」
沈雲「同感です、雪ノ下師姉。」
虎峰「あっ!2人が出てきました!」
観客席・冒頭の十二人sideout
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2人が同時に衝突した壁から出てきた。校章の右側には傷痕があった。
(分かりやすく言うと、胸の中央。)
八幡には拳で殴られた跡がくっきりと残っていた。暁彗も同様に服が部分的に焼け落ち、切り傷が出来ていた。
八幡「痛ッ!刀に拳で来るなんてって思いましたけど、そんな心配いらなかったっスね。逆に攻撃食らうなんて。」
暁彗「………………私もだ。抑えられると思い過信していた……グッ!卿の技がここまで強力とは思わなかった。」
見合ってからまだ一歩も動かない両者。仕掛ける様子も術を唱える様子も現時点ではない。
暁彗(………………残りの星辰力も少ない。全ての星辰力を身体に使うか、星仙術に使うか、両方均等に使うか……おそらく比企谷八幡はまだあり余ってるだろう。)
八幡(長引くとバテちまう。どうする?武先輩を出し抜くにはどうすればいい?あの人に普通の技や術は効かない。無防備で行ったら返り討ちに会うのが目に見えてる。)
八幡(やっぱ、
八幡「……多分ですけど、これが最後っスよね?お互いの体力的に。」
暁彗「………………であるな。次で決めるとしよう。いや、決めさせてもらう。」
八幡「まぁ、ただではやられないですよ。精々足掻きます。」
暁彗「九天応元雷声普化天尊。」
八幡(あれって雷法最高峰の呪法っ!?まだ隠していたのか!?俺の雷除けじゃ、あれは防げねぇ!!)
祢々『だったら僕を使いなよ。』
八幡『………祢々?お前を?』
祢々『僕は一応、雷獣・鵺を切った刀だよ?もしかしたらって思うじゃん?』
八幡『その為に、俺に真正面からあのバカデカい雷を受けろってか?』
祢々『そっ!』
八幡『………はぁ、とんだ食わせモンだな。俺の相棒はよ。』
祢々『じゃあやめとく?』
八幡『だったらその気休め程度の言葉、信じるぜ?………スゲー怖いけど。』
祢々『あっははっ!そう来なくっちゃ!』
頼むぜ?
チャリーン
暁彗「………………私は卿に最高の敬意を払う。今の私では、この呪法が精一杯。この雷鳴と共に散るがいい。」
八幡「耐えてやりますよ。ここでやんなきゃ貴方に啖呵切った意味が無くなっちゃいますしね。」
暁彗「………………やはり卿は面白い。」
そして、暁彗が手を下ろした。
次の瞬間、稲光が八幡に目掛けて落ちていく。八幡はそれを祢々切丸で受ける。
八幡「ぐっ!ぐおおぉぉぉ!!洒落に……何ねぇなぁ…こんな……重いの……かよ。しかも………身体中が……痺れる…熱いっ!………ぐっ!ぐあぁぁぁぁ!!!」
ドゴオオォォォン!!!!!
虎峰「は、八幡っ!!」
セシリー「嘘……あんなの直撃したら……一溜まりもないのに……」
冬香「これでは、流石の比企谷さんでも無事ではないでしょう……」
陽乃「い、一応………
沈雲「勝ち目はもうないとしか……」
沈華「むしろ、黒焦げになってないか心配ですわ……セシリー師姉が禁忌としてる呪法を使ったのですから。」
アレマ【うわぁ……暁彗ってば容赦ないねー。雷最強の呪法を使うなんてさ。】
星露「勝敗は決まったようじゃの。」
小苑「…………」
雷が落ちた場所には、煙が立っていてよく見えない状態になっていた。
暁彗「………………」
暁彗はその場で見つめていたが、暫くしてその場で
暁彗「………………卿との戦い、楽しかった。またやろう。」
そう言うと踵を返し、会場を立ち去
「待て…………まだ……終わっ……て……ねぇぞ………」
暁彗「っ!!?」
ろうとしたが、後ろから声が聞こえた。掠れていて、今にも消えそうな声だったが、耳には届く声だった。
八幡「はぁ……はぁ……はぁ……」
なんと!八幡が立っていたのだ。服は所々破れており、大火傷の痕があり、血も流していた。
ビリビリビリッ
制服は破けて上半身が殆ど裸になった。だが校章はギリギリ無事だった。そして八幡の背中には雷を受けた事により、雷紋の痕があった。
ーーーVIPルームーーー
星露「おぉ、おおぉ!!立っておる……立っておるぞ!!」
アレマ【…………マジかい?あたいでも目を疑うよ。ありゃ本物かい?】
小苑「……ふっ、馬鹿弟子め……」
ーーーステージーーー
八幡『何が雷獣を切っただ。雷は受けられてねぇじゃねえか。』
祢々『ごめんごめん!僕も半信半疑だったんだよ!』
八幡『んな確信のないもん、俺にやらせたのかよ……鬼だな。』
暁彗「………………卿という男は………本当に面白い。そして信じられん。」
八幡「はぁ……そりゃ……どうもっ。」
八幡「……じゃあ……そろそろ終わりに……しましょうか……」
そう言うと片方の手で呪符を取り出す。
暁彗「………………無理をするな。その身体で何が出来る?」
八幡「………ははっ、そうっ……すね……でも……負けたくないんでっ!」
八幡「うおおぉぉぉぉ!!!
八幡は大声でそう唱えた。
暁彗「っ!これは……拘束の呪法。」
暁彗はその場で何かに縛られたように固まり、動けなくなっていた。
八幡「光を閉ざせ、夜よ、闇よ。暗黒の
暁彗(………先の幻惑っ!くっ!星辰力が少ないせいか、解けん。)
暁彗「………………發っ!……何?」
2つの呪法を解いたが、周りは真っ暗だった。そう、闇に覆われていた。
八幡「堕ちし光のなき地は、闇夜の空の月光にて、地を照らす。」
八幡「影切・月下無双。」
チャリーン
鈴の音が消えたと共に、覆っていた闇も消えた。静寂に包まれる……
スパッ!……チャリッ
『武暁彗
『
実況『し、し、し、試合終了ーー!!!この激戦に激戦を重ねた戦いに勝利し、序列2位の座についたのは、なんと!比企谷八幡ーーっ!!』
観客席から歓声がどっと沸いた。
生徒1「ス、スゲーー!!本当にやりやがった!!大師兄を倒したぞ!!」
生徒2「マジかよっ!?とんでもなく強えじゃねぇかアイツッ!」
生徒3「凄い凄いっ!!勝ったよあの子!!あの大師兄にっ!」
生徒4「うん!すごくカッコよかった!!」
未だ歓声は止まず、ただその場に立ち尽くす八幡が、それを無意識に聞いているだけである。
八幡「はぁ……はぁ……」
暁彗「………………大丈夫か?」
八幡「はぁ……い、いえ……身体の……あちこちが痛いです……」
暁彗「………………そうか。」
八幡「……………」
暁彗「……………」
互いに無言が続き、そして………
暁彗「………………私の完敗だ。」
八幡「……え?」
暁彗「………………今回は私の完敗だ。また、挑んでもいいだろうか?」
八幡「……はい、受けて立ちますよ。」
暁彗「………………すまない。それと、私のことは暁彗と呼び捨てで構わない。皆は呼ばんが、卿は別だ。それに、そちらの方が好ましい。敬語も使わなくてよい。」
八幡「……分かった……暁彗。」
暁彗「…………」
そう言ってから、暁彗はその場を立ち去った。まだ動けんのかよ……
虎峰「勝った……勝ちましたよ!!八幡が大師兄に勝ちましたっ!!」
沈雲「僕は…夢でも見ているのだろうか?比企谷くんがあの大師兄に?」
沈華「嘘でしょ?今日は本当に信じられないことだらけだわ……」
セシリー「八幡……スゴかった。」
陽乃「うんっ!いやー比企谷くんカッコよかったなー。」
冬香「えぇ、本当に……素敵でした。」
星露「おおおぉぉ!!勝ちおったえ!!八幡の奴、暁彗に勝ちおったわい!!」
アレマ【……いや〜、良い勝負が本当に久々に見れたよ。あたいも大大大満足だよ!汪さんはどうだい?】
小苑「……何方もまだまだじゃな。じゃが、馬鹿弟子ながらも気持ちの良い試合が見れたわい。儂も満足じゃ。」
星露「決めたぞいっ!八幡を妾の弟子にするえっ!良いじゃろ?小苑?」
小苑「主の好きにせい。言っておくが、決めるのは八幡じゃからな。」
八幡「……………」
鳴り止まない歓声に打たれている八幡。
八幡「………俺、やったんだな。」
八幡(ヤバイ……こんな嬉しいのは初めてだ。こんなにも清々しいんだな。)
そして八幡は、遠い彼方へと意識を持っていかれた。満足気な笑顔を浮かべて。
一応これで序列戦は終わりですが、
章自体はまだ終わってません。