八幡side
あぁ〜……いい湯だぁ〜。体の疲れが取れるぅ〜………じじいクセェな。本当の事だけど、こうもリラックスした状態で言うと、本当に爺さんみたいだ。しかし、今日の稽古は俺としてもやりやすかったな。2人の飲み込みの早さと順応力が高いから次に進むスピードがメチャメチャ早かった。
俺は自分の中で難易度を初・中・上・特・功・錬の6つに分けて、それぞれ10の段階に区別してある。その内2人は確実に中を超えている。シルヴィは元々体術を嗜んでる事もあって、特の2段階まで辿り着けた。オーフェリアは上の5段階くらいまでだろう。
因みに簡単に表すと、
初………始めた段階。実戦投入は無理。
中………ある程度の熟練。組手ならOK。
上………実戦投入レベル。序列40位まで。
特………ある程度の相手と戦える。序列20位まで。
功………使い手。序列1位も相手に出来る。
錬………極み手。その部類では敵無し。
といった所だ。オーフェリアも動きは悪くないから、序列30位くらいはナイフで相手出来るだろう。シルヴィもこの学院では分からないが、他学園の体術使いの序列20位くらいとなら渡り合えるだろう。
まぁ2人の成長の話はまた今度にして、今はこの風呂の時間を堪能しよう。風呂にゆっくり浸かりながら六花の街を眺める……高級感ハンパないな。
シルヴィア『八幡く〜ん、お着替え忘れてたみたいだから持って来たよ〜。』
八幡「あれ、俺着替え忘れてたか?」
シルヴィア『うん。荷物の上に置いてあったからすぐに分かったよ〜。』
八幡「そうか、サンキューな。」
シルヴィア『いいよいいよ、気にしないで〜!』
流石はシルヴィだな、細かい所も気が利く。やっぱ将来は良い嫁さんになるな。
けど、俺確か着替え持ってきたよな?そこの記憶ちょっとイマイチだが、衣服を持ってきた記憶はあるようなないような………うーん。
シルヴィア「お、お邪魔しま〜す///」
オーフェリア「………失礼するわ///」
八幡「……………………え?」
………え?何で入って来てるの?
あぁでも良かった。水着は着ててくれてる。うん、一安心………じゃねぇよ!!
八幡「お、お前ら何で入ってきてるんだよ!?」
シルヴィア「だ、だって今日は私たちのために稽古つけてくれたから、お礼にお背中を流そうと思って……はい、これ八幡くんの水着///」
八幡「いやそうじゃねぇよ!水着もらってどうしろってんだよ!?いや履くけどさ!」
オーフェリア「………私も同じだけど、私は頭を洗おうと思っているわ///」
八幡「いや大丈夫だから!お礼とか考えなくて大丈夫だ!いつも界龍で稽古つけてる奴らと同じ感覚でやってたから別に何もしなくていい!」
オーフェリア「………でも私たちは界龍じゃないから、気にするなと言われてもそんなこと出来ないわ。今日だけでも貴方に色々なことを学んだわ。なら、お礼をするのが筋ってものだわ。」
シルヴィア「そ、そうだよ!八幡君にとっては普通のことでも、私たちにとっては凄くありがたいことだったんだから!お礼をさせて!」
マズい……全然引いてくれそうにない。なんならこの風呂場から動く気配もない。恐らくだが、俺が上がるって言ったら『入ったばかりなんだからまだ居る!』とか言いそうだ。
………仕方ない、ここは妥協だ。
八幡「……分かった、シルヴィが背中でオーフェリアが頭だな。洗って良いから早く入れ。」
シルヴィア「………八幡くんがいいのなら、前も洗ってもいいよ?/////」
八幡「いや!それはやめてくれ!幾ら何でもそれはやり過ぎだ!」
オーフェリア「………私も背中を流していいかしら?シルヴィアにも頭を洗わせてあげるから。」
シルヴィア「え?う、うん、いいけど……」
オーフェリア「………ありがとう。風邪を引いてしまうから早く入りましょう。」
八幡「そうしろ。じゃあ俺は「体を洗う?頭から洗う?」………良い湯だからもう少し浸かろっか〜(棒)」
チャポンッ
オーフェリア「………///」
八幡「………///」
シルヴィア「………///」
せ、狭い……ていうか2人が近い。何で?ねぇ何で?サイドまだ余裕あるよね?なのに何で俺の方に寄ってくるわけ?俺も意識しないようにするの大変なんだよ!?君たち女性特有の良い香りと膨よかで柔らかいのが俺の腕を包んでるわけ!少しは俺に余裕をください!!
八幡「な、なぁ2人共?ちょっとくっつき過ぎじゃないか?言っちゃいけないと思うが、あえて言わせてもらうぞ?2人の胸が当たってるんだが………」
シルヴィア「っ/////だ、だって今日はちょっと寒かったから……風邪引かないようにあっためようと思ったの/////」
オーフェリア「………3月は春の訪れとも呼ばれているけど、まだ冬の季節なのよ。1つの油断が命取りになるわ。身体を洗う時に冷えてしまうけど、今暖めておいても損な事なんて1つもないわ///」
シルヴィア「そ、それに……」
オーフェリア「………それから、」
2人「当ててるんだよ(のよ)/////」
………やめてくれ、上目遣いでそんな事を言うな///
ーーー3分後ーーー
八幡「……そろそろ頭と身体洗う。」
2人「っ!」
八幡「……やるって言うんだろ?」
シルヴィア「どっちする?///」
八幡「………頭から頼む///」
オーフェリア「………分かったわ。」
八幡sideout
オーフェリアside
………やって見る前はそんなに緊張はなかったけれど、いざやると本当に恥ずかしいわ。一昨日のプールで八幡の裸は見慣れている筈なのに、どうしても意識してしまうわ。
シルヴィア「……八幡くんの髪って柔らかいんだね。サラサラってわけでもないけど、ゴワゴワしてる感じもないから、どんなのかなぁって思ってたんだ。」
八幡「髪の柔らかさの感想はいいから早く済ませてくれ。これでも鏡を見るのがかなり辛いんだ。」
オーフェリア「………何故かしら?」
八幡「………2人の水着姿が見えるからだ///それ以外理由ないだろうが///」
シルヴィア「え、えっと私は、八幡くんになら見られても構わないよ。勿論、エ、エッチな目で見てもいいからね?/////」
オーフェリア「………わ、私も構わないわ/////」
八幡「っ!も、もういいから早くしてくれ!」
ーーーシャンプー中ーーー
オーフェリア「………痒いところはないかしら?」
八幡「あぁ、大丈夫だ。」
シルヴィア「痛くない?ちょっと強めにやってるけど。」
八幡「それくらいで丁度いい。」
………八幡も目を瞑っているからか、少し余裕を取り戻したみたいね。
シルヴィア「オーフェリアさん、お湯流すよ〜。」
オーフェリア「………分かったわ。」
………シルヴィアはシャワーで八幡の髪に付いている泡を丁寧に洗い流しているわ。なら私は八幡の顔を拭く係ね。
シルヴィアが流し終わったら取り掛かりましょう。
シルヴィア「うん、流し終わった。オーフェリアさん、八幡くんの顔拭いてあげて。」
オーフェリア「………分かったわ。」
フキフキッ
………なんだかお金持ちの息子のお世話係みたいね。でも八幡のお世話係なら喜んで引き受けるわね。
オーフェリア「………終わったわ。」
八幡「あぁ、ありがとうな………何故正面にいる?」
オーフェリア「………おかしな事を聞くのね。顔を吹いていたからに決まっているじゃない。」
八幡「横からでもできるだろ?」
オーフェリア「それだと雑になってしまうわ。」
シルヴィア「そうだよ!これはお礼なんだから丁寧にしなきゃ意味なくなっちゃうよ!」
………頭は終わったわ、次は背中ね。力加減が分からないから不安だけど、シルヴィアのを見様見真似でやってみましょう。
オーフェリアsideout
シルヴィアside
八幡「じゃあ、次は背中を頼む。」
シルヴィア「うん、任されました///」
オーフェリア「………頑張るわ///」
背中っていっても、やっぱり腕もやるよね。本当なら全身くまなくやりたいけど、私にはまだそこまでの勇気はありません。心中察してください。
シルヴィア「じゃあ始めるね。痛かったり、痒い箇所があったら言ってね。」
八幡「おう。」
ーーー体洗い中ーーー
シルヴィア「……痒いところない?」
八幡「あぁ、大丈夫だ。」
オーフェリア「………本当に前はやらなくていいの?遠慮しなくてもいいのよ?」
八幡「遠慮なんてしてねぇし、やらんでいい。自分でやるから。」
うん。私も流石に前の方はやらないかな。一回だけやったけど、その方法が身体を密着させてだから相当恥ずかしかった。だからあれは2人きりの時だけにする!!
オーフェリア「………そういえば、こんな風に八幡の背中の痕を見るのは初めてね。なんだか綺麗だわ。」
八幡「あぁ、この雷紋の事か。懐かしいな……俺がまだ六花に来たばかりの頃だったな。暁彗に決闘挑まれて、中盤辺りで雷の技食らって、この痕ができた。俺もこの傷は気に入ってる。刺青みたいでなんかカッコいいから。」
シルヴィア「ふふふっ、考え方が男の子だね。でもカッコいいのは確かだね。」
この傷を見たのって確か、私が《王竜星武祭》で八幡くんの寮に泊まりに行ってた時だったっけな。あの時は頭がいっぱいいっぱいだったから触れなかったけど、インパクトはあったなぁ。
それからは何事もなく身体を洗ってから泡をシャワーで流した。八幡くんには先に湯船で待ってもらって、私とオーフェリアさんは急いで髪と身体を洗った。
あっ、勿論八幡くんは目を瞑ってたよ。だって見えちゃうもんね///その辺八幡くんは紳士だから。
ーーー5分後ーーー
シルヴィア「いい湯だねぇ〜。」
オーフェリア「………そうね。」
八幡「あぁ、そうだな。」
最初お風呂に入ったような形になっている。八幡くんも慣れたのか、反応しなくなった。
八幡「なんか……アレだな、こんな風に風呂入るのも悪くないな。毎日って言われると少し気が引けるが。」
シルヴィア「王様気分を味わえたから?」
八幡「ハーレムな王様だな。俺はそんな王は御免だな。」
オーフェリア「………言うと思っていたわ。貴方は人を束縛したりするのが嫌いそうな人だもの。」
八幡「分かってるな。その通りだ。」
……そうだね。だから八幡くんは私たちの事を気に掛けてくれるし、自由にもしてくれる。
八幡「なぁシルヴィ、急に聞いて悪いとは思ってるが、俺は負担になってないか?」
シルヴィア「全くだよ。寧ろ私が負担になってるんじゃないかって思えるくらいだよ。君と一緒にいると、安心するし安らげるし、暖かい気持ちにもなれる。いつも助かってるよ。」
オーフェリア「………私もよ八幡。あなたと一緒にいると心が温まるわ。私が
八幡「………なんかいつの間にか俺を褒める会みたくなっちまったな。でも、ありがとうな。素直に嬉しい。」
私の方こそ、いつも気遣ってくれてありがとう。これからもよろしくね。
イチャイチャで貫くと思ったら、最後は中々良い感じに。
先週にもお知らせしたと思いますが、明日は仕事が1日中あるため、投稿はお休みします。
ご迷惑をお掛けしますが、ご理解下さい。