学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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指導終了!

 

 

シルヴィアside

 

 

ふぅ……八幡くんの指導を直に受けてみると、強くなっているのは本当なんだなぁって実感が湧いてくるよ。多分だけど、私の体術の欠点らしい所を矯正してくれてる。さっきよりも素早く動けてるような感じがあるし、何よりも歩法や身体の使い方でここまで違ってくるなんて………

 

体術を怠っていたわけではないけど、何箇所も指摘を受けると自信無くなっちゃうなぁ。でも八幡くん曰く『注意や指摘があるって事は、それだけ改良・改善の余地があるという事だ。』っていう事みたい。確かにそういう考えはなかったなぁ。うん、そういう風に覚えておこう!

 

 

八幡「………大体良くなってきたな。どうだ?最初の頃に比べると動きやすくなっているとは思うんだが……違和感とかある部分はあるか?」

 

シルヴィア「ううん、全くないよ。それどころか、さっきよりも動きやすいよ。まるで水を得た魚みたいだよ。」

 

八幡「そうか……なら良かった。」

 

 

これはお世辞じゃない。本当にそれくらい自分でも良くなっていると思ってる。尊師って呼ばれてる所以がよく分かるよ。

 

 

シルヴィア「そういえば、オーフェリアさんの方はどうかな?確かナイフの使い方だったよね?」

 

八幡「あぁ。俺の分身が教えてるが、どこまで吸収できているかだな。体術や武器術……っていうよりも、こういう実践的なものは見て学ぶってよりも、動いて学ぶ方が断然覚えは早いからな。」

 

シルヴィア「でも八幡くんが教えてるんだから、絶対に良くなってると思うけどなぁ。」

 

八幡「幾ら一流の動きを見て理解できていたとしても、動きが出来ていなけりゃ三流以下の動きになるだけだ。最初は基礎から始めて導入をしてから、応用を組み込んで実践に移る。これを全てこなして初めて完成といえる。俺だから良くなるとは限らねぇよ。」

 

 

……久しぶりに八幡くんの奥深い話を聞いた気がする。確かに最初から本流の動きをしても、それはただの見様見真似だから意味なんて無いよね。

 

 

八幡「もう日も落ちるから、そろそろ帰らないとな。シルヴィはまだやりたいか?」

 

シルヴィア「ううん、暗くなると危ないからそろそろホテルに戻らないとね。私はここまででいいよ。」

 

八幡「分かった。おーい、そろそろ帰るぞー。」

 

 

シルヴィアsideout

 

オーフェリアsideout

 

 

八幡「ん?どうやらかなりやり込んでいたみたいだな。オーフェリア、一応俺の中では10のうち4くらいは教えてみたが、最初と比べてどうだ?」

 

オーフェリア「………ナイフって思った以上に素早い動きが必要なのね。」

 

八幡「まぁ軽いからな。その分使う奴もスピードに特化した奴が使う傾向が多い。必ずしもそういう組み合わせって事にはならないけどな。」

 

 

………難しいのね。でもナイフの使い方や動き方はなんとなく分かったわ。使う機会がなければそれに越したことはないのだけど、使い方を覚えておいて損はないものね。

 

 

オーフェリア「………八幡もナイフを使うの?」

 

八幡「一通りの武器術は嗜んでるが、ナイフ……短剣は使わないな。リーチが無い上にほぼ相手に近づかなきゃ当たらないしな。苦手ってわけではないが、好んで使いはしないな。」

 

オーフェリア「………八幡は刀以外に何を使うの?」

 

八幡「そうだな……俺なら棍を使う。分かりやすく言うなら長い棒だ。後は二刀流とかだな。試合では出した事ねぇけど。今のスタイルが崩れないような武器を使ってる。」

 

 

………今のスタイルを崩さないように……成る程、なんとなく分かる気がするわ。

 

 

オーフェリア「………参考になったわ、答えてくれてありがとう。」

 

八幡「おう、んじゃ俺は消えるからオリジナルとシルヴィのところに行って来い。もう帰るんだと思うぞ。」

 

オーフェリア「………えぇ、分かったわ。」

 

 

………そして八幡の分身は黒い靄になって消えていったわ。早く八幡のところに行きましょう。

 

 

オーフェリアsideout

 

八幡side

 

 

オーフェリア「………お待たせしてごめんなさい。」

 

八幡「いや、俺たちも今終わったから問題ねぇよ。それよりも、どうだ?少しは身についたか?」

 

オーフェリア「………八幡が教えてくれたのだから、身につけないわけにはいかないわ。」

 

八幡「……必死にやったわけじゃないよな?」

 

シルヴィア「一生懸命に、そして真剣にやってたと思うよ。だって私もおんなじ気持ちだったしね。だって八幡くんが教えてくれるんだから!」

 

 

俺だからいつもより真剣にやってたと?それだと普段はあまり真剣にやってないってことになるぞ?

 

 

シルヴィア「まぁそんな事はいいからさ!八幡くん、もうそろそろ日が落ちそうだから帰ろうよ。」

 

八幡「おぉ、そうだったな。んじゃ行くか。」

 

シルヴィア「うんっ♪」(ダキッ!)

 

オーフェリア「………えぇ。」《ギュッ》

 

八幡「………あの、お2人さん?帰るのに腕に抱きつくのと、手を握る必要性はないと思うんですよ。そこのところどうお考えですか?」

 

シルヴィア「彼女だから問題ありません♪」

 

オーフェリア「………八幡の手は暖かいから。」

 

八幡「……はいはい、分かりましたよ。」

 

 

しょうがねぇな、自由にさせてやるか。

 

 

ーーー界龍・校門ーーー

 

 

門番1「っ!尊師っ!お出掛けですか?」

 

八幡「お出かけっつうよりも、今は外出中みたいなもんだからな。今いる家に帰るだけだ。」

 

門番1「そうですか。では次にお会いできるのは……3日後ということになりますかね?」

 

八幡「ん〜……まぁそうだろうな。俺も星武祭に向けて鍛錬しねぇとだからな。この旅行が終わったら帰ってくるわ。」

 

門番2「界龍の皆は大喜びするでしょう!尊師、残りの旅行を楽しんできてください!奥方様とランドルーフェン殿も。」

 

シルヴィア「もうそれは諦めたよ……」

 

オーフェリア「………ありがとう。」

 

八幡「んじゃ、行ってくるわ。」

 

 

門番1、2「お気をつけて!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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