それでは第1話です!どうぞ!
始まった宿泊旅行?
八幡side
シルヴィア「もぉ〜!今回だけ特別なんだからね!オーフェリアさん!こんな事絶対に無いんだから!」
オーフェリア「………分かっているわ。でも、もし機会があればまた「ダメッ!」……どうして八幡を独占するの?」
シルヴィア「当たり前でしょ!?私の彼氏なんだから!普通の考えだよ!?」
オーフェリア「………いいじゃない、別に貴女から取るわけでもないのに。」
シルヴィア「それでも嫌なの〜!!」
皆さんこんにちは、比企谷八幡です。さて、いまどういう状況かというと、2人の美少女に挟まれながら目的地へと向かっている途中であります。その目的地は、ホテル・エルナトである。その理由は、学園祭の時にシルヴィアが的当てゲームで10発中10発を奇跡的(実力だな。)に当てて手に入れたチケットを使う時が来たからである。
実際にはちょうど良い時期だろう。今は春休み真っ只中だ。遠出ではないが、少し違う雰囲気のところでゆっくりするのも一興だ。
本当なら2人で行く予定だったんだが、急遽?オーフェリアも行く事になった。子犬みたいな目で見られていたシルヴィが渋々OKしたんだけどな。
それで今、ホテル・エルナトへと移動中な訳なんだが、まぁ2人の口論がうるさい。だって俺、板挟みになりながら聞いてるんだぞ?ちょっとは静かにして。周りの目もムチャクチャ痛いから。
八幡「2人共よぉ、もういいだろ。どうせ3人で行くことは決まってんだから。」
シルヴィア「だって本来は八幡くんと私で行く予定だったんだよ!!」
八幡「それはそうだが……オーフェリアの気持ちも汲んでやれ。これまでこんな体験したことないんだろう。そういうのもしてみたかったんじゃないのか?」
オーフェリア「………」
シルヴィア「……そうなんだ、それなら仕方ないよね……………それで、本音は?」
オーフェリア「八幡と一緒にいたいからよ………っ!」
シルヴィア「ほらぁ!!やっぱり八幡くん狙いじゃん!!バレバレだよ!!しかも即答で答えたよ!」
オーフェリア「………酷いわ【戦律の魔女】。こんな方法で騙すなんて。」
シルヴィア「別に私騙したわけじゃないからね?オーフェリアさんが勝手に騙されただけだよ?」
オーフェリア「………」
あっ、顔と目を逸らした。
シルヴィア「もう!都合が悪くなったら顔を逸らすのやめなさい!」
オーフェリア「………八幡、【戦律の魔女】が怖いわ。助けてちょうだい。」
シルヴィア「あっ!八幡くんに抱きつくなんてずるい!私もっ!!」
八幡「お前ら両方いい加減にせい。」
チョップ テイッ!!×2
シルヴィア「うぅ〜痛いよ八幡くん!」
オーフェリア「………私たちが何をしたというの、八幡?」
八幡「君たち流石にうるさいの。両サイドから大きな声で口喧嘩するわ、抱き着いてくるわで騒がしい。もう少し自重しなさい。」
シルヴィア「うぅ……でも元はと言えば……」
オーフェリア「………私も行きたかったのよ。」
八幡「なら2人で行けば良いじゃねぇか。あんま仲悪いようだと、俺帰るぞ?」
シルヴィア「オーフェリアさん!私一度八幡くんと貴女の3人で1週間くらいのプチ旅行してみたかったんだ!!これは良い機会だと思わない!?」
オーフェリア「………そうね。これを逃したらいつできるかどうか分からないから、今しかないわね。この日に感謝ね。」
シルヴィア「うん!此処は3人一緒に仲良く旅行を楽しもうっ!!」
………無理やり出した感があるが、まぁ良しとしよう。この2人の仲が悪いわけじゃないっていうのは、知ってるしな。
ーーーホテル・エルナトーーー
………俺、此処に来たの1〜2回位だったが、やっぱ内装とんでもねぇな。高級ホテルが安物に思えるくらいのゴージャス感だな。ここの空中庭園でいつも会議してる会長たちってホント贅沢だな。
シルヴィア「ホラ八幡くんっ、早くチェックインしようよっ!」
八幡「分かってるからそんなに急かすなよ。」
受付「いらっしゃいませ。ホテル・エルナトへようこそ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
シルヴィア「えっと……このチケットを3人で使いたいんですけど………」
受付「お預かり致します。少々お待ちください………こちらのチケット、3月上旬に星導館学園で行われた学園祭での商品の方でお間違いなかったでしょうか?」
シルヴィア「はい。」
受付「ありがとうございます。期間は1週間ございますが、何日ご宿泊されますか?」
シルヴィア「1週間でお願いします。」
受付「かしこまりました。最後に、お客様方は男性が1人、女性が2人となっているようですが、お部屋の方はお分けいたしますか?」
シルヴィア「いえ、一緒で大丈夫です。」
受付「かしこまりました。次にこちらの用紙にお客様全員のお名前、ご年齢、在籍学園の記入をお願いします。」
まぁ、俺たちを見て学生だって気づかないほうがおかしいよな。シルヴィとオーフェリアなんて有名人だし。
※君もそうだ!
シルヴィア「出来ました。」
受付「ありがとうございます。最後にお手数なのですが、こちらの静脈認証の方に中指を差し込んで下さい。」
そして全員指を差し込んで、手続きは完了した。
受付「ご協力ありがとうございました。これで手続きは終了となります。以降のホテルへの出入りは今の静脈認証を行った事によって自動的にスキャンされるので、受付の方へと申し出る必要はありません。カギの方も今の指で解錠・施錠が可能です。それでは、お部屋の方へとご案内します。こちらへどうぞ。」
ーーー第1塔最上階ーーー
エルナトは合計で100階くらいはある超高層ビルだ。その中でも俺たちが今いる場所は、空中庭園に一番近い最上階にいる。一番近いと言っても、厳密には途中から3つの塔に分けられていて、俺たちはその第1塔にいる。マジでどうやって作ったんだろうな。よく作ったもんだ。
受付「ではこちらがお客様方のお部屋になります。当ホテル自慢のお部屋となっております。」
受付の人が太鼓判を押して鍵を開けて扉を開けると、中はホテルなんてものじゃなかった。もう部屋だ。そう言った方が納得できる。
シルヴィア「おぉ〜凄いね〜!!私こんなホテルは初めてだよ〜!」
オーフェリア「………エルナトの最上級ルームはこうなってるのね。驚きだわ。」
……確かに驚きだ。これ、夜になったら雰囲気あるんだろうな。
受付「お気に召したようで何よりです。それでは、1週間のご宿泊、ゆっくりと堪能して下さい。失礼いたします。」
こうして、俺たちの春休みが本格的に始まった。